NOBILES Days
Jump to navigationThe Launch of Honda RA107
さて、今日はホンダ。
まだ正式なカラーリングは発表されておらず、最近の「コンセプトカー」お決まりの真っ黒いまま。噂によると、エコを強調するために緑色のカラーリングにするという話もある。
第三期参戦7年目にしてようやく初優勝を遂げたホンダであるが、その優勝は運によるものという感が濃かった。2004年だけは突発的に良い成績は収めたが、それもマクラーレンやウィリアムズらの敵失と言っても良かろう。エンジンはともかくとして、やはりホンダのシャシーはトップチームから1歩遅れたものだったということは否定しがたい。
ドライバーラインナップの面では、バトンは文句のつけようがないだろう。ミスの少なさ、天性の速さは、トップドライバーのものだと言ってよい。それに比して、ホンダの秘蔵っ子と言える佐藤琢磨を切り捨ててまで加入させながら、昨年バトンとの差ばかりが際立ったバリッケロは今年が正念場だろう。ポカミスが多い、速さも劣るでは...。
昨年は冬のテストで好タイムを連発し期待されたが、蓋を開けてみればタイヤを発熱させられない現象に悩まされた。要するに、開発コンセプトが間違っていたのだ。空力デザイン面でも、スキャロップドサイドポンツーンを採用したり、急遽ではあったがゼロキールに変更するなど、トレンドは追っていたが、全体的には極めてコンサバで時代遅れ感が漂っていた。結果、ベテランテクニカルディレクターであるジェフ・ウィルスのクビを切り、中本氏をリーダーとした、よりホンダ主導の体制を敷いた。
とは言え、出来上がったニューマシンRA107は依然コンサバでジェフ・ウィリスラインを消しきれていない感がある。相変わらず、サイドポンツーンの前面投影面積は割と大きく、スキャロップ（えぐれ）も大人しく、インテークにしてもコンサバな四角に近い形状だ。
その反面、ポンツーン後部は目を見張るほど絞り込まれ、シェイプアップが図られたことが分かる。
前方から細かく見ていこう。
ノーズは昨年よりも細く絞り込まれ、より空力寄りにシフトしたことが伺える。だが、フロントサスアームの傾きを見るにつけ、ノーズ下面の高さは昨年とあまり変わっていないように見えるし、昨年より低くなったとは言え、ノーズ先端が比較的高い位置にあるというのもトレンドとは反しているように思える（トレンドは、ノーズ下に入る空気の「量」ではなく「流速」である）。
モノコックのボリュームも、一戦級のマシンと比べると、だいぶもっさりした印象のままだ。
その印象は、ポンツーン前面にまで継続される。正面から見ると角ばって、いかにも「箱」然としている。自らがトレンドセッターであるポットフィンによって上面と下面の空気を分離していはいるが、ルノーやマクラーレンのような「上面は乱れて流速の落ちた空気、下面は流速の高い空気」という切り分けが乏しいように見受けられる。それでも大分洗練はされたが。
しかし、その後方の印象は一変する。昨年型と比べると強烈に絞り込まれ、低く落としこまれ、リヤタイヤとの間に広大な空間を稼ぎ出している。ここに関しては攻めたデザインと言える。
ところが、そこに突出するチムニーは相変わらず太く、無骨だ。空力性能よりも本当に排気の方の目的が強いのではないか。この辺りはまだトップランナーとの差を感じる。
さらに、その直後に配置されるウィングレットもわざわざ二段構えになっている。枚数を増やすことは一概に否定することはできないが、どうにもスマートではない。
総じて、ホンダはホンダなりに前年型RA106を進化させてきた。しかし、タイヤワンメイク化で重要度がますます高まる空力の洗練度ではトップランナー達には見劣りする。それよりも、着実にトップクラスの空力スタイルを身につけつつあるBMWの影に脅えることとなろう。本気でチャンピオンを狙うなら、まだまだシャシーの洗練が必要だと感じた。
まだ正式なカラーリングは発表されておらず、最近の「コンセプトカー」お決まりの真っ黒いまま。噂によると、エコを強調するために緑色のカラーリングにするという話もある。
第三期参戦7年目にしてようやく初優勝を遂げたホンダであるが、その優勝は運によるものという感が濃かった。2004年だけは突発的に良い成績は収めたが、それもマクラーレンやウィリアムズらの敵失と言っても良かろう。エンジンはともかくとして、やはりホンダのシャシーはトップチームから1歩遅れたものだったということは否定しがたい。
ドライバーラインナップの面では、バトンは文句のつけようがないだろう。ミスの少なさ、天性の速さは、トップドライバーのものだと言ってよい。それに比して、ホンダの秘蔵っ子と言える佐藤琢磨を切り捨ててまで加入させながら、昨年バトンとの差ばかりが際立ったバリッケロは今年が正念場だろう。ポカミスが多い、速さも劣るでは...。
昨年は冬のテストで好タイムを連発し期待されたが、蓋を開けてみればタイヤを発熱させられない現象に悩まされた。要するに、開発コンセプトが間違っていたのだ。空力デザイン面でも、スキャロップドサイドポンツーンを採用したり、急遽ではあったがゼロキールに変更するなど、トレンドは追っていたが、全体的には極めてコンサバで時代遅れ感が漂っていた。結果、ベテランテクニカルディレクターであるジェフ・ウィルスのクビを切り、中本氏をリーダーとした、よりホンダ主導の体制を敷いた。
とは言え、出来上がったニューマシンRA107は依然コンサバでジェフ・ウィリスラインを消しきれていない感がある。相変わらず、サイドポンツーンの前面投影面積は割と大きく、スキャロップ（えぐれ）も大人しく、インテークにしてもコンサバな四角に近い形状だ。
その反面、ポンツーン後部は目を見張るほど絞り込まれ、シェイプアップが図られたことが分かる。
前方から細かく見ていこう。
ノーズは昨年よりも細く絞り込まれ、より空力寄りにシフトしたことが伺える。だが、フロントサスアームの傾きを見るにつけ、ノーズ下面の高さは昨年とあまり変わっていないように見えるし、昨年より低くなったとは言え、ノーズ先端が比較的高い位置にあるというのもトレンドとは反しているように思える（トレンドは、ノーズ下に入る空気の「量」ではなく「流速」である）。
モノコックのボリュームも、一戦級のマシンと比べると、だいぶもっさりした印象のままだ。
その印象は、ポンツーン前面にまで継続される。正面から見ると角ばって、いかにも「箱」然としている。自らがトレンドセッターであるポットフィンによって上面と下面の空気を分離していはいるが、ルノーやマクラーレンのような「上面は乱れて流速の落ちた空気、下面は流速の高い空気」という切り分けが乏しいように見受けられる。それでも大分洗練はされたが。
しかし、その後方の印象は一変する。昨年型と比べると強烈に絞り込まれ、低く落としこまれ、リヤタイヤとの間に広大な空間を稼ぎ出している。ここに関しては攻めたデザインと言える。
ところが、そこに突出するチムニーは相変わらず太く、無骨だ。空力性能よりも本当に排気の方の目的が強いのではないか。この辺りはまだトップランナーとの差を感じる。
さらに、その直後に配置されるウィングレットもわざわざ二段構えになっている。枚数を増やすことは一概に否定することはできないが、どうにもスマートではない。
総じて、ホンダはホンダなりに前年型RA106を進化させてきた。しかし、タイヤワンメイク化で重要度がますます高まる空力の洗練度ではトップランナー達には見劣りする。それよりも、着実にトップクラスの空力スタイルを身につけつつあるBMWの影に脅えることとなろう。本気でチャンピオンを狙うなら、まだまだシャシーの洗練が必要だと感じた。
nobilesの投稿(00:42:14-2007-02-02) -
カテゴリ: Formula-One
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