NOBILES Days
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あの時掴んだその手を離さなければ、彼女を彼の元に送り届けることができたのに。
The White Trees
(PentaxK-7, TamronA14(18.0mm), 1/400sec, F7.1, ISO100)
...4年ぶりに、スキー旅行へ行ってきた。
社会人になりたての頃は、会社の寮が関越のインター近くにあったこともあり、誰かの運転でサクッと日帰りスキーなんてしょっちゅうやっていたものだ。
が、結婚して寮を出るとめっきりそれも減り、1年に1回、大学時代の研究室の連中と新幹線＋泊まりで行くのだけが恒例になっていた。それも、子どもが生まれたり、たまたまバンドと重なったりでしばらく間が空いてしまったのだ。
行く前、会社から帰って子供も寝てから用具を出してきてチェックした。幸いカビもサビもなかった。それなりに手入れをしてからしまったからだね。怠っちゃいけない。
そのまま、夜中にショリショリとワックスもかけた。
今回の参加者は3人だ。
いつも来ていた1人は、まだ生後半年程度の子どもがいるから、と不参加となった。そんな中、生後9ヶ月の次女がいるのに俺が行けるのは、嫁さんと、嫁さんの実家のおかげだ。ありがたや、だ。
行き先は長野の志賀高原だ。長野からバスで2時間前後かかる。俺の自宅からは6時間近い。重い用具を背負って移動するだけでかなりの重労働だ。年齢的に厳しいです、先生！
さらに、2日目は終日雪が降り、視界も悪かった。
それでも、やっぱり楽しいんだな。
4年ぶりでちゃんと滑れるか不安だったし、実際最初は少し恐怖感もあった。だが、ゲレンデを2、3コース滑るとすぐに感覚が戻った。
ま、若い時ほどガツガツじゃないので滑った時間は2日で6時間程度と、「日帰りかよ！」とツッコミたくなる短さだが、広大な志賀高原の、リフトで行ける範囲のゲレンデは全部回った。
1日目は、写真をとってるうちに、他の2人とはぐれた俺のせいで（それがなくてもそうなっていた気もするが）、それに乗れさえすれば帰れるというリフトに乗れず、シャトルバスで宿まで帰る羽目になった。なのに、懲りずに2日目も調子に乗って遠くまで滑りに行ったら、バスの時間に対してギリギリとなった上、最後のコースで1人が雪の塊に突っ込み、なかなか抜け出せずにさらに時間が逼迫した。
しかも、最後にはこんな事件が起きた。
クロークに預けた荷物を、スタッフが持ってくる時間さえもどかしく受け取った俺たちは、ホテルの着替え部屋に駆け込み、そしてろくに雪を拭き取るでもなく、猛スピードで荷造りをした。
案の定一番トロくて最後になった俺は、床に落ちた黒いウェアに気づいた。俺以外の二人とも、ウェアの下半身は黒だった。
はじめから置いてあったような気もするし、2人のどちらかがそこに広げたような気もする。
とりあえず掴んで部屋の外に顔を出すと、「雪山突っ込み君」がいたので「これ、お前の？」と聞くが、一瞥して「俺のじゃない！時間ない！バス停行くぞ！」とつれない返事だ。 もう1人の、毎度ツアーを企画してくれる「幹事君」は既に、ホテルから200mほど離れたバス停にダッシュしていた。
黒いウェアを持って行くか迷った。7割方「幹事君」のウェアだと思えた。
しかし、もし彼のものでなかった場合に、多分ホテルに引き返す時間はない。落ちていた場所ではないバスに置いていけば、単にゴミになるだろう。
誰のものであったとしても、それが元々落ちていたホテルの着替え部屋にあれば、ホテルのスタッフが回収し、持ち主の手元に送付できる可能性が高まる。
そう思い、咄嗟に黒いウェアを部屋の隅に戻すと、俺は自分の荷物を背負ってバスにダッシュした。既に到着していたバスの横に彼がいた。
先に行った「雪山君」がウェアのことを彼に伝えてくれることを期待したが、完全にバスに乗ることに頭が一杯だったのか、伝えた様子がない。うん、割と自己チュー君だからね (^_^;。
バスの運転手に荷物を預けながらも、「幹事君」に「ウェアの下、忘れてない？」と尋ねる。
「え...？た、多分大丈夫！」
「ああ、良かった、黒いのが落ちてて、持ってこようかどうか悩んだんだ」。
言葉とは裏腹に彼は、不安気にかばんをチェックしようとしていたが、既に発車時刻を迎え、俺の荷物をトランクに格納し終えた運転手も運転席に戻ろうとしていた。
バスのタラップを昇る前に俺はもう一度彼に「あった？ウェア」と聞いた。「ん。大丈夫」。今思えば微妙な言葉だったが、俺はホッとしてバスに乗り込んだ。
さほど混んでいなくて、ゆったり座れた俺達は、ギリギリ間に合ったことに安堵し、まったりとした時間を過ごした。やがて、睡魔が襲ってきて一眠りしてしまった。
眠りから覚めてケータイを触りはじめた俺に気づいた「幹事君」が、おもむろに言った。
「俺、やっぱ忘れたみたいだわー」
...オー、ジーザス。
あの時掴んだその手を離さなければ、俺はウェアを彼に送り届けることができたのに！
一気に残念な気持ちになってしまった。スマン、俺の判断ミスだった。
そんな、志賀高原から長野駅までのバス旅程は 夕方のラッシュ渋滞もあって2時間半近くもかかった。
おかげで、駅前でゆっくり飯食って行くつもりだったのを、持ち帰りとして新幹線の中で食べることにした。
その調理を待つ間、「幹事君」はホテルに電話をした。彼のウェアの下半身部分は無事回収されていて、早速翌日にも郵送してくれることになったという。直接渡せなかったのは残念だったが、目論見通り、確実に持ち主の元には戻すことができそうだ。
なんかどーでもいいことを長く書いた気もするけど、ま、いっか (^_^;。
とにかく、久々にあの爽快な気分を味わえた。降雪で辛くても、しばらく滑ると快感の方が勝つもんだね。
The White Trees
(PentaxK-7, TamronA14(18.0mm), 1/400sec, F7.1, ISO100)
...4年ぶりに、スキー旅行へ行ってきた。
社会人になりたての頃は、会社の寮が関越のインター近くにあったこともあり、誰かの運転でサクッと日帰りスキーなんてしょっちゅうやっていたものだ。
が、結婚して寮を出るとめっきりそれも減り、1年に1回、大学時代の研究室の連中と新幹線＋泊まりで行くのだけが恒例になっていた。それも、子どもが生まれたり、たまたまバンドと重なったりでしばらく間が空いてしまったのだ。
行く前、会社から帰って子供も寝てから用具を出してきてチェックした。幸いカビもサビもなかった。それなりに手入れをしてからしまったからだね。怠っちゃいけない。
そのまま、夜中にショリショリとワックスもかけた。
今回の参加者は3人だ。
いつも来ていた1人は、まだ生後半年程度の子どもがいるから、と不参加となった。そんな中、生後9ヶ月の次女がいるのに俺が行けるのは、嫁さんと、嫁さんの実家のおかげだ。ありがたや、だ。
行き先は長野の志賀高原だ。長野からバスで2時間前後かかる。俺の自宅からは6時間近い。重い用具を背負って移動するだけでかなりの重労働だ。年齢的に厳しいです、先生！
さらに、2日目は終日雪が降り、視界も悪かった。
それでも、やっぱり楽しいんだな。
4年ぶりでちゃんと滑れるか不安だったし、実際最初は少し恐怖感もあった。だが、ゲレンデを2、3コース滑るとすぐに感覚が戻った。
ま、若い時ほどガツガツじゃないので滑った時間は2日で6時間程度と、「日帰りかよ！」とツッコミたくなる短さだが、広大な志賀高原の、リフトで行ける範囲のゲレンデは全部回った。
1日目は、写真をとってるうちに、他の2人とはぐれた俺のせいで（それがなくてもそうなっていた気もするが）、それに乗れさえすれば帰れるというリフトに乗れず、シャトルバスで宿まで帰る羽目になった。なのに、懲りずに2日目も調子に乗って遠くまで滑りに行ったら、バスの時間に対してギリギリとなった上、最後のコースで1人が雪の塊に突っ込み、なかなか抜け出せずにさらに時間が逼迫した。
しかも、最後にはこんな事件が起きた。
クロークに預けた荷物を、スタッフが持ってくる時間さえもどかしく受け取った俺たちは、ホテルの着替え部屋に駆け込み、そしてろくに雪を拭き取るでもなく、猛スピードで荷造りをした。
案の定一番トロくて最後になった俺は、床に落ちた黒いウェアに気づいた。俺以外の二人とも、ウェアの下半身は黒だった。
はじめから置いてあったような気もするし、2人のどちらかがそこに広げたような気もする。
とりあえず掴んで部屋の外に顔を出すと、「雪山突っ込み君」がいたので「これ、お前の？」と聞くが、一瞥して「俺のじゃない！時間ない！バス停行くぞ！」とつれない返事だ。 もう1人の、毎度ツアーを企画してくれる「幹事君」は既に、ホテルから200mほど離れたバス停にダッシュしていた。
黒いウェアを持って行くか迷った。7割方「幹事君」のウェアだと思えた。
しかし、もし彼のものでなかった場合に、多分ホテルに引き返す時間はない。落ちていた場所ではないバスに置いていけば、単にゴミになるだろう。
誰のものであったとしても、それが元々落ちていたホテルの着替え部屋にあれば、ホテルのスタッフが回収し、持ち主の手元に送付できる可能性が高まる。
そう思い、咄嗟に黒いウェアを部屋の隅に戻すと、俺は自分の荷物を背負ってバスにダッシュした。既に到着していたバスの横に彼がいた。
先に行った「雪山君」がウェアのことを彼に伝えてくれることを期待したが、完全にバスに乗ることに頭が一杯だったのか、伝えた様子がない。うん、割と自己チュー君だからね (^_^;。
バスの運転手に荷物を預けながらも、「幹事君」に「ウェアの下、忘れてない？」と尋ねる。
「え...？た、多分大丈夫！」
「ああ、良かった、黒いのが落ちてて、持ってこようかどうか悩んだんだ」。
言葉とは裏腹に彼は、不安気にかばんをチェックしようとしていたが、既に発車時刻を迎え、俺の荷物をトランクに格納し終えた運転手も運転席に戻ろうとしていた。
バスのタラップを昇る前に俺はもう一度彼に「あった？ウェア」と聞いた。「ん。大丈夫」。今思えば微妙な言葉だったが、俺はホッとしてバスに乗り込んだ。
さほど混んでいなくて、ゆったり座れた俺達は、ギリギリ間に合ったことに安堵し、まったりとした時間を過ごした。やがて、睡魔が襲ってきて一眠りしてしまった。
眠りから覚めてケータイを触りはじめた俺に気づいた「幹事君」が、おもむろに言った。
「俺、やっぱ忘れたみたいだわー」
...オー、ジーザス。
あの時掴んだその手を離さなければ、俺はウェアを彼に送り届けることができたのに！
一気に残念な気持ちになってしまった。スマン、俺の判断ミスだった。
そんな、志賀高原から長野駅までのバス旅程は 夕方のラッシュ渋滞もあって2時間半近くもかかった。
おかげで、駅前でゆっくり飯食って行くつもりだったのを、持ち帰りとして新幹線の中で食べることにした。
その調理を待つ間、「幹事君」はホテルに電話をした。彼のウェアの下半身部分は無事回収されていて、早速翌日にも郵送してくれることになったという。直接渡せなかったのは残念だったが、目論見通り、確実に持ち主の元には戻すことができそうだ。
なんかどーでもいいことを長く書いた気もするけど、ま、いっか (^_^;。
とにかく、久々にあの爽快な気分を味わえた。降雪で辛くても、しばらく滑ると快感の方が勝つもんだね。
nobilesの投稿(23:49:09-2012-02-13) -
カテゴリ: Travel
コメント
end wrote:
2012-02-14 23:04:10
nobiles wrote:
そういうことにしておくよ (^_^;。
もうお子さんも大きいんだし、連れて行くのもいいんじゃない？関越近いんだしー。
もうお子さんも大きいんだし、連れて行くのもいいんじゃない？関越近いんだしー。
2012-02-14 23:16:37
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