NOBILES Days
Jump to navigationFrankly Speaking... Vol.1
娘は2歳5ヶ月となり、嫁さんのお腹も8ヶ月に入った。間もなくお姉ちゃんになるわけだが、まだまだワガママが多い。それでも、「ありがとう」「ごめんなさい」などのご挨拶も概ね正しいタイミングで言えることも増えてきた。
妹が生まれたら、いったいどんな反応をするんだろう。今から楽しみでもあり、ちょっと不安でもある。
あー、しかし既に一人目がいると、彼女自身がお腹にいた時ほど、お腹の中の子のことばかり考えてもいられない。名前もまだ決まっていないのだが...いい名前を考えてやりたい。
空に浮かぶ町（ディズニー引っ張るねー）
(PentaxK-7, TamronA14(55.0mm), 1/200sec, F11.0, ISO800)
リアルタイムではずっとオブラートに包んでいたが、まあもう転職して1年になろうとしているし、そろそろ前職についてぶっちゃけても良かろう。
そんなわけで。前職のいろんなぶっちゃけ話総集編、いってみよう。
前職ぶっちゃけ日記
「1.野放し」
前職で最後に所属していた課は、単刀直入に言って野放しだった。
この日記でも少し触れたことだが、俺は環境の変化がダメで、引越し直後の一時期、全然時間通りに会社に行けなくなったことがある。まあ、今となっては「甘えに過ぎない」と笑えるが、ひょっとしたら適応障害に近い状態だったかもしれない。
それで、かなり午前半休（しかも事後申請）を連発したのだが、それでも上の人から何も言われることはなかった。最後は自分自身がこれではダメだと思い、こちらから課長へ自身の状況を話をしに行ったくらいだ。
そんなだから、業務に関しても完全に野放しだった。課の業務は、製品の最終的な性能を決定づけるパラメーターを決めていくというものだった。各人はカテゴリーごとに分担をしていたから、完全に縦割りの分業体制が敷かれていた。行ってみれば個人商店の寄り合いである。
パラメーターは、開発用の独自の設定ウィンドウに羅列された数字を調整し、現物の性能を測定し、詰めていく。この手順は、完全にこの業務でしか使えないオリエンテッドなものだった。だからこそ、ツブシきかねーぞ、と長いこと俺は強迫観念を抱いていた。
よって、製品に関わる他の課の技術者にとっても「得体のしれないモノ」であったし、もっと言えば同じ課内でも隣の人のやってることなんて、ろくに分からなかった。
不幸なことに課長にとってもこの業務は理解しづらく、そしてやがて理解しようとさえしてもらえなくなった。内容が分からないものについてマネージメントなどできるわけはない。「このグループの業務は職人芸だから」なんてよく言っていたが、それは中身の得体が知れなかったからに過ぎない。
だから、「野放し」だったのだ。
俺がその課に異動したのはもう7年も前のことだ。
性能が出にくいカテゴリーの担当になり、四苦八苦しつつも、やりがいも感じて取り組んだ。やがて師匠だった先輩は同じ業務でも新しいカテゴリーの担当として抜けたので、俺は自分の担当カテゴリーの責任者になった。責任者と言っても、下には派遣社員しかいない小さなチームだったが。
でも、俺に下についた派遣社員はのべ3人いるが、全員頭のいい人達で、特に責任者らしいことをしたことなどない。和気あいあい、大学のサークルのようだった。
ま、そういう点では野放しリーダーなんて人のことを言えた義理ではない。でも、ひょっとしたらこの時期は、なーんも考えずに幸せだった絶頂期だったかもしれない。
だが、この仕事は一度やり方を覚えてしまうと、ずーっと同じ作業の繰り返しだった。効率化のために、大学時代にならしたプログラミングで、手順の部分的な自動化を行ったりしたが、それもある程度極めてしまった。
師匠だった先輩のように、新しいカテゴリーの担当になればまた新たなチャレンジとなるのだが、3年も同じことをやっていると、なんの生産性もないのではないかと思えてきた。
しかも先述のように、自分以外の人間にとっては「得体の知れないモノ」だったから、俺が「もうここが性能の限界」と言えばそれ以上他の人間に追求されることは稀だった。『これって、全然何もやらなくても「できたよ」って言ってしまえば通っちゃうんじゃないの？』なんて思うこともあった。向上心はどんどん窄んでいった。
いいのかなあ、このままで。そろそろ本格的にマニュアル部門への異動希望出そうかな？
そんなことを考えていた時期と、会社に行けない病の時期は微妙にリンクしている。3年ほど前、会社が不景気で移転した直後くらいのことだ。だが、居心地は良いから、なかなか強いアピールはできなかった。まあ、要はぬるま湯ってわけだ。
そんな時だ。俺はボスのグループに編入された。
そこで俺は度肝を抜かされる。以前から、ボスが業務の自動化に取り組んでいるのは知っていたが、そのアプローチは徹底していた。膨大な量のデータを取り、執拗なまでに分析を繰り返し、法則性を見い出す。それをプログラムに盛り込んで性能向上に役立てる。
...いやまあ、これこそエンジニアリングなのだが、それまでの自分のやり方がママゴトに思えるほど、それはバイタリティに溢れていた。繰り返し作業がつまらないなら、そこを自動でやるシステムの開発に力を注げばいい。それを実現させるための地道な作業だったら全く厭わない。これまでとは180度違うアプローチは新鮮だった。
周囲からは「あいつのところに入って可哀想に。大変だねー」なんてよく言われたものだが、それよりも新しいチャレンジの方が楽しかった。それにボスは、豪胆な第一印象とは裏腹に、驚くほど繊細に気を配る人だった。何か業務を与える時も、その人の性格まで考慮して割り当てていた。
惜しむらくは、あまりに前のめり過ぎてプレゼンが下手だったことだ。相手の脳が準備する前に本質に突入するから、「何言ってんの？」「またワガママ開始か？」となってしまっていた。その部分を、俺が補えればまた良かったのかもしれない。しかし、残念ながら俺はボスの構想全体を把握できるだけの技術者脳はなかったし、何より俺が何か言うヒマがあったらボスがどんどん先に話を進めてしまうのだ。せっかちだからね。
だから、大規模なシステムを開発しているのに、俺が入るまでチームは派遣社員だけ3〜4人程度が当てがわれているだけだった。なぜなら、課長がそのシステムの意味を本質的には理解できなかったし、積極的に動いてくれる人ではなかったからだ。それでも数千万相当の機器を揃え、個室まで与えていたわけだから、「動いてくれない」はひどいかもしれないが。
でも派遣社員だから、個人の都合や、そもそも業務について行けなかったりで辞めてしまうため、なかなか継続的な開発が行えなかったのは事実だ。
つづく。
妹が生まれたら、いったいどんな反応をするんだろう。今から楽しみでもあり、ちょっと不安でもある。
あー、しかし既に一人目がいると、彼女自身がお腹にいた時ほど、お腹の中の子のことばかり考えてもいられない。名前もまだ決まっていないのだが...いい名前を考えてやりたい。
空に浮かぶ町（ディズニー引っ張るねー）
(PentaxK-7, TamronA14(55.0mm), 1/200sec, F11.0, ISO800)
リアルタイムではずっとオブラートに包んでいたが、まあもう転職して1年になろうとしているし、そろそろ前職についてぶっちゃけても良かろう。
そんなわけで。前職のいろんなぶっちゃけ話総集編、いってみよう。
前職ぶっちゃけ日記
「1.野放し」
前職で最後に所属していた課は、単刀直入に言って野放しだった。
この日記でも少し触れたことだが、俺は環境の変化がダメで、引越し直後の一時期、全然時間通りに会社に行けなくなったことがある。まあ、今となっては「甘えに過ぎない」と笑えるが、ひょっとしたら適応障害に近い状態だったかもしれない。
それで、かなり午前半休（しかも事後申請）を連発したのだが、それでも上の人から何も言われることはなかった。最後は自分自身がこれではダメだと思い、こちらから課長へ自身の状況を話をしに行ったくらいだ。
そんなだから、業務に関しても完全に野放しだった。課の業務は、製品の最終的な性能を決定づけるパラメーターを決めていくというものだった。各人はカテゴリーごとに分担をしていたから、完全に縦割りの分業体制が敷かれていた。行ってみれば個人商店の寄り合いである。
パラメーターは、開発用の独自の設定ウィンドウに羅列された数字を調整し、現物の性能を測定し、詰めていく。この手順は、完全にこの業務でしか使えないオリエンテッドなものだった。だからこそ、ツブシきかねーぞ、と長いこと俺は強迫観念を抱いていた。
よって、製品に関わる他の課の技術者にとっても「得体のしれないモノ」であったし、もっと言えば同じ課内でも隣の人のやってることなんて、ろくに分からなかった。
不幸なことに課長にとってもこの業務は理解しづらく、そしてやがて理解しようとさえしてもらえなくなった。内容が分からないものについてマネージメントなどできるわけはない。「このグループの業務は職人芸だから」なんてよく言っていたが、それは中身の得体が知れなかったからに過ぎない。
だから、「野放し」だったのだ。
俺がその課に異動したのはもう7年も前のことだ。
性能が出にくいカテゴリーの担当になり、四苦八苦しつつも、やりがいも感じて取り組んだ。やがて師匠だった先輩は同じ業務でも新しいカテゴリーの担当として抜けたので、俺は自分の担当カテゴリーの責任者になった。責任者と言っても、下には派遣社員しかいない小さなチームだったが。
でも、俺に下についた派遣社員はのべ3人いるが、全員頭のいい人達で、特に責任者らしいことをしたことなどない。和気あいあい、大学のサークルのようだった。
ま、そういう点では野放しリーダーなんて人のことを言えた義理ではない。でも、ひょっとしたらこの時期は、なーんも考えずに幸せだった絶頂期だったかもしれない。
だが、この仕事は一度やり方を覚えてしまうと、ずーっと同じ作業の繰り返しだった。効率化のために、大学時代にならしたプログラミングで、手順の部分的な自動化を行ったりしたが、それもある程度極めてしまった。
師匠だった先輩のように、新しいカテゴリーの担当になればまた新たなチャレンジとなるのだが、3年も同じことをやっていると、なんの生産性もないのではないかと思えてきた。
しかも先述のように、自分以外の人間にとっては「得体の知れないモノ」だったから、俺が「もうここが性能の限界」と言えばそれ以上他の人間に追求されることは稀だった。『これって、全然何もやらなくても「できたよ」って言ってしまえば通っちゃうんじゃないの？』なんて思うこともあった。向上心はどんどん窄んでいった。
いいのかなあ、このままで。そろそろ本格的にマニュアル部門への異動希望出そうかな？
そんなことを考えていた時期と、会社に行けない病の時期は微妙にリンクしている。3年ほど前、会社が不景気で移転した直後くらいのことだ。だが、居心地は良いから、なかなか強いアピールはできなかった。まあ、要はぬるま湯ってわけだ。
そんな時だ。俺はボスのグループに編入された。
そこで俺は度肝を抜かされる。以前から、ボスが業務の自動化に取り組んでいるのは知っていたが、そのアプローチは徹底していた。膨大な量のデータを取り、執拗なまでに分析を繰り返し、法則性を見い出す。それをプログラムに盛り込んで性能向上に役立てる。
...いやまあ、これこそエンジニアリングなのだが、それまでの自分のやり方がママゴトに思えるほど、それはバイタリティに溢れていた。繰り返し作業がつまらないなら、そこを自動でやるシステムの開発に力を注げばいい。それを実現させるための地道な作業だったら全く厭わない。これまでとは180度違うアプローチは新鮮だった。
周囲からは「あいつのところに入って可哀想に。大変だねー」なんてよく言われたものだが、それよりも新しいチャレンジの方が楽しかった。それにボスは、豪胆な第一印象とは裏腹に、驚くほど繊細に気を配る人だった。何か業務を与える時も、その人の性格まで考慮して割り当てていた。
惜しむらくは、あまりに前のめり過ぎてプレゼンが下手だったことだ。相手の脳が準備する前に本質に突入するから、「何言ってんの？」「またワガママ開始か？」となってしまっていた。その部分を、俺が補えればまた良かったのかもしれない。しかし、残念ながら俺はボスの構想全体を把握できるだけの技術者脳はなかったし、何より俺が何か言うヒマがあったらボスがどんどん先に話を進めてしまうのだ。せっかちだからね。
だから、大規模なシステムを開発しているのに、俺が入るまでチームは派遣社員だけ3〜4人程度が当てがわれているだけだった。なぜなら、課長がそのシステムの意味を本質的には理解できなかったし、積極的に動いてくれる人ではなかったからだ。それでも数千万相当の機器を揃え、個室まで与えていたわけだから、「動いてくれない」はひどいかもしれないが。
でも派遣社員だから、個人の都合や、そもそも業務について行けなかったりで辞めてしまうため、なかなか継続的な開発が行えなかったのは事実だ。
つづく。
nobilesの投稿(23:50:38-2011-03-02) -
カテゴリ: Main
コメント
asu wrote:
続きを楽しみにしてます！
2011-03-03 12:53:32
nobiles_mobile wrote:
こんな辺境のブログにいつもコメントありがとうございます (^_^;。
ボチボチあげていきますよー。
ボチボチあげていきますよー。
2011-03-03 19:05:08
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