NOBILES Days
Jump to navigationFrankly Speaking... Vol.2
2月半ばに2週連続風邪をかましたため、先週から今週アタマにかけてかなり仕事が立て込んだ。この職になってから初めて、部で最後の帰宅者ってのも経験した。
今回は外注の業者に委託しているので、かなり電話でのやりとりが多い。でも、こうやって外部の人間と作り上げるのはとても楽しい。また愚痴のようで申し訳ないけど、前職ではほとんど外部と接触が閉ざされていたから。
やっぱりね、刺激がないと人間は堕落するんだよ。
少なくとも、俺みたいなタイプはね。
The Light In The Dark
(PentaxK-7, TamronA14(33.0mm), 1/20sec, F4.0, ISO800)
さて、その前職ぶっちゃけ話の続き。
前職ぶっちゃけ日記
「2.OFコンビ（ボンクラ親父達）」
俺はボスのグループに入るまでは、まさに縦割り分担で、課の他の人の業務にはほとんど興味がなかったことは既に述べた。
そんな中、よくボスと意見が衝突して、ミーティングでやり合っている人がいた。ボスよりも年上なのだが、いかにも理系の機械いじりが好きなおじさんといった風貌だ。同じ課になる以前から車の趣味で関わりがあったが、よくウンチクを傾けたりして、ああ、本当にマニアックなのだと理解していた。だから、ボスと対立するのもやり方の違いからなのだと思っていた。
俺がボスに引き抜かれたとき、そのおじさん（以降、Fとしよう）が、代わりに俺の担当していた業務に入ることになった。
そこで、俺はFの実態を知ることになる。
俺は引き継ぎのために、設定のやり方や知識をドキュメントにまとめてFに渡した。
だが、それから数日も経たぬうちに、Fはそこに書かれた基本的なことを質問してきた。驚いて「あの書類にも書いてありますよ」と言うと、「あれ？ああ、あははは、読んでないんだよね」。
...全く読む気すら感じられないその態度に、俺はFに対して急激に不信感を抱いた。
やがて、Fはろくに業務の内容を理解しないまま、俺の作った手順自動化プログラムに手を付け始めた。
このプログラムは、俺が2年ほどかけて、「こうなったら楽になるな」と思う機能を少しずつ盛り込み、処理速度を考えアルゴリズムも改良してきた。俺がチームを去ってからも、そこに残った派遣社員が重宝して使っていてくれていたのだが、ある日「ねー、あれ動かなくなっちゃったよー」と彼が訪ねてきた。
そう。無論、Fの仕業だった。
Fが余計な手を加えたために、動かなくなってしまったのだ。しかも、チームのPC全部が参照しているオリジナルのソースからいじっているからタチが悪い。
...それ以前に、起動して即エラー停止するということはデバッグすらしていないことを意味する。
おいマジかよ、これがエンジニアのすることか？？
その後、これはヤバいとプログラムのソースの監視をするようになった。すると、ワケの分からんコードが次から次へと増えていく。だいたい、業務の内容を把握していないのに、その効率化プログラムをまともに改編できるわけがない。俺は、Fの改悪版とは別に、もともとの俺のプログラムを保全し、チームのPCからもそれを参照できるようにして、派遣さんに使ってもらうことにした。
この一件を派遣さんと一緒にやっていたら、ボスがニヤニヤしながら後ろにやってきた。
「な、分かったろ、ヤツのボンクラぶりが。」
ボスは俺が移籍してきてからも、闇雲に自分の考えで洗脳しようとはしなかった。そんなことをしなくても、このチームで仕事をしていれば、自然にFの正体も、この課の現実も気づくという自信があったからだろう。
時を同じくして、課のミーティングの形態が変わって、毎週毎週、一人一人進捗を発表するという（無駄に長くてかったるい）ものになった。だが、それによって俺はこの課の現実をまざまざと知ることになる。ボスの目論み通りに。
確かにボス率いるグループだけがやり方が違うとは言え、従来の仕事のやり方をしている人どうしの間でも、こなしている仕事量が全然違ったのだ。
特にOという、年齢的にはかなり上の課員は凄かった。
「今週は、2種の確認を行いました」。
最初聞いた時、俺は耳を疑った。
このセリフの意味するところは、設定作業を一つもやっていないということだ。2種の確認など、かかっても数時間で終わる。というか、入ったばかりの派遣さんにも行えるような作業だ。いや、その作業量の少なさも去ることながら、それが成果だと悪びれることなく平然と発表してのけることが驚きだった。
実際Oは、いつ後ろを通ってもパソコンの画面に株情報のウィンドウが開いてるような人だった。そして、彼の席にはなぜか椅子が二つ置かれ、毎日代わる代わる人が訪れては、業務ではなく世間話（主に株談義）を長々としていた。そのこと自体はだいぶ前から知っていた。でもまさか、ほとんど仕事をしていなかったとは。その実態に驚いた。
さらに、その進捗を聞いた課長も「そうですか。じゃあ引き続き頑張って下さい」と、何も咎めない。
一方先述のFはOよりもう少し上手だ。一見成果があるように発表するのだ。時には、派遣さんがやった仕事を、さも自分がやったかのように発言する。
だが、この時にいたってFの担当は俺がやっていた業務だ。彼の嘘はすぐに見破れた。いろいろなもっともらしい言い訳をつけ、どんどん仕事を減らそうとしているのも、すぐに分かった。
こんなにメチャクチャだったのか...。俺は戦慄した。
そして悟る。Fとボスがよくやりあっていたのは、仕事のアプローチが違うからではなく、中身のない嘘だらけの発言と、それを理詰めで否定しようという意見との、必然的な衝突にすぎなかった。
でも課長は、その衝突に限っては、「まあまあ、ここは言い争いの場じゃないし」と止めていた。事なかれ主義というわけだ。当然、それを論ずる別の機会があったわけではない。
そしていつからか、ボス率いる我々のグループ内では、「OFコンビ」が隠語として定着していった。
つづく。
今回は外注の業者に委託しているので、かなり電話でのやりとりが多い。でも、こうやって外部の人間と作り上げるのはとても楽しい。また愚痴のようで申し訳ないけど、前職ではほとんど外部と接触が閉ざされていたから。
やっぱりね、刺激がないと人間は堕落するんだよ。
少なくとも、俺みたいなタイプはね。
The Light In The Dark
(PentaxK-7, TamronA14(33.0mm), 1/20sec, F4.0, ISO800)
さて、その前職ぶっちゃけ話の続き。
前職ぶっちゃけ日記
「2.OFコンビ（ボンクラ親父達）」
俺はボスのグループに入るまでは、まさに縦割り分担で、課の他の人の業務にはほとんど興味がなかったことは既に述べた。
そんな中、よくボスと意見が衝突して、ミーティングでやり合っている人がいた。ボスよりも年上なのだが、いかにも理系の機械いじりが好きなおじさんといった風貌だ。同じ課になる以前から車の趣味で関わりがあったが、よくウンチクを傾けたりして、ああ、本当にマニアックなのだと理解していた。だから、ボスと対立するのもやり方の違いからなのだと思っていた。
俺がボスに引き抜かれたとき、そのおじさん（以降、Fとしよう）が、代わりに俺の担当していた業務に入ることになった。
そこで、俺はFの実態を知ることになる。
俺は引き継ぎのために、設定のやり方や知識をドキュメントにまとめてFに渡した。
だが、それから数日も経たぬうちに、Fはそこに書かれた基本的なことを質問してきた。驚いて「あの書類にも書いてありますよ」と言うと、「あれ？ああ、あははは、読んでないんだよね」。
...全く読む気すら感じられないその態度に、俺はFに対して急激に不信感を抱いた。
やがて、Fはろくに業務の内容を理解しないまま、俺の作った手順自動化プログラムに手を付け始めた。
このプログラムは、俺が2年ほどかけて、「こうなったら楽になるな」と思う機能を少しずつ盛り込み、処理速度を考えアルゴリズムも改良してきた。俺がチームを去ってからも、そこに残った派遣社員が重宝して使っていてくれていたのだが、ある日「ねー、あれ動かなくなっちゃったよー」と彼が訪ねてきた。
そう。無論、Fの仕業だった。
Fが余計な手を加えたために、動かなくなってしまったのだ。しかも、チームのPC全部が参照しているオリジナルのソースからいじっているからタチが悪い。
...それ以前に、起動して即エラー停止するということはデバッグすらしていないことを意味する。
おいマジかよ、これがエンジニアのすることか？？
その後、これはヤバいとプログラムのソースの監視をするようになった。すると、ワケの分からんコードが次から次へと増えていく。だいたい、業務の内容を把握していないのに、その効率化プログラムをまともに改編できるわけがない。俺は、Fの改悪版とは別に、もともとの俺のプログラムを保全し、チームのPCからもそれを参照できるようにして、派遣さんに使ってもらうことにした。
この一件を派遣さんと一緒にやっていたら、ボスがニヤニヤしながら後ろにやってきた。
「な、分かったろ、ヤツのボンクラぶりが。」
ボスは俺が移籍してきてからも、闇雲に自分の考えで洗脳しようとはしなかった。そんなことをしなくても、このチームで仕事をしていれば、自然にFの正体も、この課の現実も気づくという自信があったからだろう。
時を同じくして、課のミーティングの形態が変わって、毎週毎週、一人一人進捗を発表するという（無駄に長くてかったるい）ものになった。だが、それによって俺はこの課の現実をまざまざと知ることになる。ボスの目論み通りに。
確かにボス率いるグループだけがやり方が違うとは言え、従来の仕事のやり方をしている人どうしの間でも、こなしている仕事量が全然違ったのだ。
特にOという、年齢的にはかなり上の課員は凄かった。
「今週は、2種の確認を行いました」。
最初聞いた時、俺は耳を疑った。
このセリフの意味するところは、設定作業を一つもやっていないということだ。2種の確認など、かかっても数時間で終わる。というか、入ったばかりの派遣さんにも行えるような作業だ。いや、その作業量の少なさも去ることながら、それが成果だと悪びれることなく平然と発表してのけることが驚きだった。
実際Oは、いつ後ろを通ってもパソコンの画面に株情報のウィンドウが開いてるような人だった。そして、彼の席にはなぜか椅子が二つ置かれ、毎日代わる代わる人が訪れては、業務ではなく世間話（主に株談義）を長々としていた。そのこと自体はだいぶ前から知っていた。でもまさか、ほとんど仕事をしていなかったとは。その実態に驚いた。
さらに、その進捗を聞いた課長も「そうですか。じゃあ引き続き頑張って下さい」と、何も咎めない。
一方先述のFはOよりもう少し上手だ。一見成果があるように発表するのだ。時には、派遣さんがやった仕事を、さも自分がやったかのように発言する。
だが、この時にいたってFの担当は俺がやっていた業務だ。彼の嘘はすぐに見破れた。いろいろなもっともらしい言い訳をつけ、どんどん仕事を減らそうとしているのも、すぐに分かった。
こんなにメチャクチャだったのか...。俺は戦慄した。
そして悟る。Fとボスがよくやりあっていたのは、仕事のアプローチが違うからではなく、中身のない嘘だらけの発言と、それを理詰めで否定しようという意見との、必然的な衝突にすぎなかった。
でも課長は、その衝突に限っては、「まあまあ、ここは言い争いの場じゃないし」と止めていた。事なかれ主義というわけだ。当然、それを論ずる別の機会があったわけではない。
そしていつからか、ボス率いる我々のグループ内では、「OFコンビ」が隠語として定着していった。
つづく。
nobilesの投稿(22:30:40-2011-03-03) -
カテゴリ: Main
コメント
果汁３％ wrote:
2011-03-04 23:45:37
nobiles_mobile wrote:
おう！乞うご期待でいっ (^_^;。
2011-03-05 00:25:57
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