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10月入ってから出張三昧で止まってたけど、乳がん手記を続けよう。
その出張のひとつ、京都市
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/250sec, F4.5, ISO100)
さて、この乳がん手記は、起きたことと、豆知識的なことを分離してお伝えしようと思う。
今回は知識編の初回として、「がん、および乳がんとはなにか」ということをまとめてみたい。
まず、がん全般について述べる。
がんとは、悪性腫瘍とほぼ同義である。
細胞は本来、遺伝子に、自分の役割やいつ死ぬべきかという情報を持っている。人間の体を構成する細胞を一定の数に保つために、分裂・増殖しすぎないような制御機構が働いているわけである。
ところが遺伝子に異常が発生すると、役割も死期も見失って以下に挙げるような状態になる。なお、なぜ遺伝子の異常が発生するのかは、未だに明確に解明されていない。
遺伝子変異によって自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団。病理学的には新生物（Neoplasm）と同義である。
腫瘍のうち、自身を増殖できる環境を作る能力はなく、発生した場所でのみ増殖するものを良性腫瘍という。つまり、周囲の組織に浸潤しない。いわゆる「できもの」である。 ただし、悪性と良性の境はあいまいで、悪性化する場合もある。
ポリープやケロイドなどは良性腫瘍である。
腫瘍のうち、周囲の組織に浸潤、または転移を起こすもの
- 癌腫（Carcinoma）
上皮性由来の細胞に発生する。悪性腫瘍の大半を占める。頭頸部、胸部、消化器、泌尿器、皮膚などで発生する。
- 肉腫（Sarcoma）
非上皮細胞（骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管など）由来の細胞に発生する。癌腫と比べると、より若年層に罹患率が高く、進行も早い。
- その他
白血病など。白血病は血液に発生した悪性腫瘍である。
次に、乳がんについて述べる。
乳がんとは、乳房組織に発生した癌腫のことである。
がんの中でも発生率が高く、欧米では女性の10人に1人が、日本でも同16人に1人が一生のうちに罹患するといわれる。なお、罹患するのは主に女性だが、男性でも罹患することがある。数千人に1人といわれる。
浸潤性乳癌のほとんどは腺癌 (adenocarcinoma) である。腺癌には以下の種類があるが、多くは乳管癌である。
・浸潤性乳管癌 (infiltrating ductal carcinoma)
・浸潤性小葉癌 (infiltrating lobular carcinoma)
・髄様癌（medullary carcinoma)
・粘液癌(mucinous carcinoma)
・管状癌(tubular carcinoma)
・浸潤性微小乳頭癌(invasive micropapillary carcinoma)
・化生癌(metaplastic carcinoma)
まれに、腺癌以外の癌腫（あるいは癌腫以外の悪性腫瘍）がみられる。
次回はがんセンターでの初診の様子をつづる。
その出張のひとつ、京都市
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/250sec, F4.5, ISO100)
さて、この乳がん手記は、起きたことと、豆知識的なことを分離してお伝えしようと思う。
今回は知識編の初回として、「がん、および乳がんとはなにか」ということをまとめてみたい。
1. がんとは
まず、がん全般について述べる。
がんとは、悪性腫瘍とほぼ同義である。
細胞は本来、遺伝子に、自分の役割やいつ死ぬべきかという情報を持っている。人間の体を構成する細胞を一定の数に保つために、分裂・増殖しすぎないような制御機構が働いているわけである。
ところが遺伝子に異常が発生すると、役割も死期も見失って以下に挙げるような状態になる。なお、なぜ遺伝子の異常が発生するのかは、未だに明確に解明されていない。
1-1. 腫瘍（Tumor）
遺伝子変異によって自律的で制御されない増殖を行うようになった細胞集団。病理学的には新生物（Neoplasm）と同義である。
1-1-1. 良性腫瘍（Benign Tumor）
腫瘍のうち、自身を増殖できる環境を作る能力はなく、発生した場所でのみ増殖するものを良性腫瘍という。つまり、周囲の組織に浸潤しない。いわゆる「できもの」である。 ただし、悪性と良性の境はあいまいで、悪性化する場合もある。
ポリープやケロイドなどは良性腫瘍である。
1-1-2. 悪性腫瘍（がん - Cancer）
腫瘍のうち、周囲の組織に浸潤、または転移を起こすもの
- 癌腫（Carcinoma）
上皮性由来の細胞に発生する。悪性腫瘍の大半を占める。頭頸部、胸部、消化器、泌尿器、皮膚などで発生する。
- 肉腫（Sarcoma）
非上皮細胞（骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管など）由来の細胞に発生する。癌腫と比べると、より若年層に罹患率が高く、進行も早い。
- その他
白血病など。白血病は血液に発生した悪性腫瘍である。
2. 乳がん（Breast Cancer）
次に、乳がんについて述べる。
乳がんとは、乳房組織に発生した癌腫のことである。
がんの中でも発生率が高く、欧米では女性の10人に1人が、日本でも同16人に1人が一生のうちに罹患するといわれる。なお、罹患するのは主に女性だが、男性でも罹患することがある。数千人に1人といわれる。
浸潤性乳癌のほとんどは腺癌 (adenocarcinoma) である。腺癌には以下の種類があるが、多くは乳管癌である。
・浸潤性乳管癌 (infiltrating ductal carcinoma)
・浸潤性小葉癌 (infiltrating lobular carcinoma)
・髄様癌（medullary carcinoma)
・粘液癌(mucinous carcinoma)
・管状癌(tubular carcinoma)
・浸潤性微小乳頭癌(invasive micropapillary carcinoma)
・化生癌(metaplastic carcinoma)
まれに、腺癌以外の癌腫（あるいは癌腫以外の悪性腫瘍）がみられる。
次回はがんセンターでの初診の様子をつづる。
nobilesの投稿(23:33:23-2017-10-26) -
カテゴリ: Breast Cancer
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