NOBILES Days
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なんでも、母校が甲子園に出ることになったらしい。
え？クイズ甲子園とかじゃないよ。本当に、硬式野球で県代表の座を勝ち取ったとか。夏の甲子園ではなんと46年ぶりだそうだ。春の選手権はここ最近ちょろちょろ出ていたのだが。
全然本文と関係ないけど、夏らしい風景ってことでブーゲンビリア（再掲）
撮ったのクリスマスだけど。まだカメラ買ったばかりの頃だ。
(PentaxK10D, PentaxDA16-45mmF4(16.0mm), SensitivetyValueMode, 1/640sec, F8.0, ISO200)
書き出しのトーンが割と冷めているのは、それが近年母校に設けられた野球の推薦枠による選手の力が大きいからだろうか。
以前は、たとえば全国区的に選手を推薦枠でガンガンとってくるような、たとえばT蔭（まあ、こちらは妹の母校だったりするわけだが）のような学校に対し、「そんなところに勝てっこないよ」という妬みの気持ちもあったし、それより「そんなの文武両道どころか文武別道じゃないか」という反発も自分にはあった。
また、10ン年前の推薦枠がない時代に、当時から激戦区だった県予選を勝ち抜き決勝まで進出し、甲子園まであと一歩という場面も見てきているだけに、推薦枠が設置された時は落胆に似た思いをおぼえたのだ。
一方で野球部の監督は、2年生の時に英語を習った先生が、当時から継続して務めている。つまりは、一教師であり、専任の監督ではない。
授業は、なかなか名調子というか、多少のギャグも交えつつ、しっかり教えていくというスタイルで好印象だったのを覚えている。
当時教室で俺の隣だったか、割と近くの席に、その硬式野球部に所属する、それはそれはガタイのいいクラスメートがいた。彼はいかにもスポーツマンらしく快活というか、自己主張がスムースというか、授業中でも割とワイワイと大きな声で発言をする男だったが、その野球部の先生の英語の授業だけは極めて静かだった。そのクラスは割と体育会系が集まっていたので、他にも五月蝿い...いやいや、発言が活発な連中が多かったので特にその変化に気を留めていなかったのだが...。
ある日。いつものように名調子の授業を終えた先生が咳払いの一つもしてから一気に声のトーンを落とし、ゆっくりとした口調で野球部員である彼の名を呼んだ。
「...おい、●●。」
ビクッ「は、はいっ！」
な、なんだ？？？...少しうつむき加減なので上目遣いになって彼を見る先生の眼は、より一層鋭いものに思えた。俺に向けられた視線ではないのに、少し寒気すら感じたことを告白しておこう。
「後で...野球部部室に来てもらえるか？」
「は、はいっ、了解いたしました！」
普段発言豊かなその野球部員が、監督の前では極めて姿勢を正し、静かにしていたのに気づいたのはその時だった。
きっと先生は、一般の生徒に対する教師の顔と、徹底的に鍛え上げなければならない選手に対する監督の顔を明確に使い分けていたのだろう。歩道と喫煙所の区別さえできない馬鹿スモーカーも多い昨今、こうした使い分けって、今思うととてもカッコよく思う。で、なければ推薦枠の無い高校の野球部を、競合ひしめく激戦県の決勝まで導いたりできるわけはない。
まあ、その呼び出しも実は大した内容ではなかったのかもしれない。体育会系の連中にしてみれば、割と普通のことだったのかもしれない。だが、美術部→ギター部→バンドサークルと文系まっしぐらだった俺にとってはとても新鮮な光景に思えたことだけは確かだ。
ともかく、今でも、正直推薦枠の導入は少し残念に思っている。ただ...それはいくつかの高校がやっているような全国レベルで選手をかき集めてくるようなおおっぴらなものではないらしいし、スポーツ振興という観点から見ても、あながち否定されるべきものではないことは理解はしているつもりだ。
そして何より、監督は専任ではなく、一教師だ（他の有力高の監督がどうなのかは知らんが）。しかも、その授業は分かりやすく楽しいものだった。しっかり授業の準備をして（とは言え、付属高校である母校の教師の年間就業時間は一般サラリーマンの平均の半分と噂されていたが (^-^;;;）、さらに、トップレベルの高校と同じ戦力を保つべく、戦略の研究や他校の研究を行うのは並大抵ではない努力であろう。
ただ単純に母校が勝った、負けたで一喜一憂を素直にできない「アマノジャッキー」な俺だが、今年の甲子園での試合、個人的には恩師の戦いぶりに注目して観ていきたい。
え？クイズ甲子園とかじゃないよ。本当に、硬式野球で県代表の座を勝ち取ったとか。夏の甲子園ではなんと46年ぶりだそうだ。春の選手権はここ最近ちょろちょろ出ていたのだが。
全然本文と関係ないけど、夏らしい風景ってことでブーゲンビリア（再掲）
撮ったのクリスマスだけど。まだカメラ買ったばかりの頃だ。
(PentaxK10D, PentaxDA16-45mmF4(16.0mm), SensitivetyValueMode, 1/640sec, F8.0, ISO200)
書き出しのトーンが割と冷めているのは、それが近年母校に設けられた野球の推薦枠による選手の力が大きいからだろうか。
以前は、たとえば全国区的に選手を推薦枠でガンガンとってくるような、たとえばT蔭（まあ、こちらは妹の母校だったりするわけだが）のような学校に対し、「そんなところに勝てっこないよ」という妬みの気持ちもあったし、それより「そんなの文武両道どころか文武別道じゃないか」という反発も自分にはあった。
また、10ン年前の推薦枠がない時代に、当時から激戦区だった県予選を勝ち抜き決勝まで進出し、甲子園まであと一歩という場面も見てきているだけに、推薦枠が設置された時は落胆に似た思いをおぼえたのだ。
一方で野球部の監督は、2年生の時に英語を習った先生が、当時から継続して務めている。つまりは、一教師であり、専任の監督ではない。
授業は、なかなか名調子というか、多少のギャグも交えつつ、しっかり教えていくというスタイルで好印象だったのを覚えている。
当時教室で俺の隣だったか、割と近くの席に、その硬式野球部に所属する、それはそれはガタイのいいクラスメートがいた。彼はいかにもスポーツマンらしく快活というか、自己主張がスムースというか、授業中でも割とワイワイと大きな声で発言をする男だったが、その野球部の先生の英語の授業だけは極めて静かだった。そのクラスは割と体育会系が集まっていたので、他にも五月蝿い...いやいや、発言が活発な連中が多かったので特にその変化に気を留めていなかったのだが...。
ある日。いつものように名調子の授業を終えた先生が咳払いの一つもしてから一気に声のトーンを落とし、ゆっくりとした口調で野球部員である彼の名を呼んだ。
「...おい、●●。」
ビクッ「は、はいっ！」
な、なんだ？？？...少しうつむき加減なので上目遣いになって彼を見る先生の眼は、より一層鋭いものに思えた。俺に向けられた視線ではないのに、少し寒気すら感じたことを告白しておこう。
「後で...野球部部室に来てもらえるか？」
「は、はいっ、了解いたしました！」
普段発言豊かなその野球部員が、監督の前では極めて姿勢を正し、静かにしていたのに気づいたのはその時だった。
きっと先生は、一般の生徒に対する教師の顔と、徹底的に鍛え上げなければならない選手に対する監督の顔を明確に使い分けていたのだろう。歩道と喫煙所の区別さえできない馬鹿スモーカーも多い昨今、こうした使い分けって、今思うととてもカッコよく思う。で、なければ推薦枠の無い高校の野球部を、競合ひしめく激戦県の決勝まで導いたりできるわけはない。
まあ、その呼び出しも実は大した内容ではなかったのかもしれない。体育会系の連中にしてみれば、割と普通のことだったのかもしれない。だが、美術部→ギター部→バンドサークルと文系まっしぐらだった俺にとってはとても新鮮な光景に思えたことだけは確かだ。
ともかく、今でも、正直推薦枠の導入は少し残念に思っている。ただ...それはいくつかの高校がやっているような全国レベルで選手をかき集めてくるようなおおっぴらなものではないらしいし、スポーツ振興という観点から見ても、あながち否定されるべきものではないことは理解はしているつもりだ。
そして何より、監督は専任ではなく、一教師だ（他の有力高の監督がどうなのかは知らんが）。しかも、その授業は分かりやすく楽しいものだった。しっかり授業の準備をして（とは言え、付属高校である母校の教師の年間就業時間は一般サラリーマンの平均の半分と噂されていたが (^-^;;;）、さらに、トップレベルの高校と同じ戦力を保つべく、戦略の研究や他校の研究を行うのは並大抵ではない努力であろう。
ただ単純に母校が勝った、負けたで一喜一憂を素直にできない「アマノジャッキー」な俺だが、今年の甲子園での試合、個人的には恩師の戦いぶりに注目して観ていきたい。
nobilesの投稿(23:52:00-2008-07-30) -
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