NOBILES Days
Jump to navigationNew Generations Under The Blue Sky Like Aegean Sea (Headliner) part.1
なんとも不思議な気分である。
事実としては認識していても...それが自分の子供だという実感が...やっと本物を抱きしめたことでようやく湧いてきた感じだ。同時に、強い愛情も浮かんできた。これから守っていかねばという責任感も、だ。
さて、嫁さんの里帰り先から自宅に戻ってきた。
昨日は誕生した興奮で、尾崎の詞など持ち出しちゃう始末であったが、今日は備忘録がてら、昨日の過程を記してみたい。
名前は季歩という
産まれてから約17時間の様子だ
(PentaxK10D, TamronA14(40.0mm), ProgramMode, 1/25sec, F4.5, ISO640)
最後に嫁さんに会いに行ったのはまだ先週末のことだった。
その時は一緒に嫁さん実家の軒先で洗車したりしてのんびり過ごした。
予定日はまだ2週間先だったし、安心して自宅に戻ったものだった。
だが。
それからわずかに2日と数時間。10月に月が変わって30分ほどだったろうか。嫁さんからメールが来た。10分おきに痛みが来ると。いや、そうは言っても先週の検診でも兆候なかったんだから、まだまだだろう。
...と思っていたのも束の間だった。
夜更かし屋の俺でもさすがに横になっていた3時には、ご両親を叩き起こし様子次第では病院へ向かう旨のメールが入った。
一気に風雲急を告げる事態である。
自分に何ができるわけでもないが、とても寝入っている心境ではない。
正直言って、この瞬間まで、理屈では頭で理解していても、本当に子供が産まれてくると言う実感がなかったように思う。急にその実感に襲われて、これから起こる出来事に思いが巡り、横にはなっても全然眠りにつけなくなってしまったのだ。
うとつきかけた午前4時半、ついに家を出てお義父さんの車で病院に向かったらしい。5時...お義母さんから入院した旨報らされる。
とは言っても、破水をしたわけでもないので、すぐに駆け付けてもまだまだお産は先とのことだった。結局すぐに向かうのではなく、まずは会社に出勤することにした。実は会社は嫁さんの実家方面への途中にある。
が、その道すがらは、俺の不安な心を暗示するかのように、雨が今にも降り出しそうなどんよりとした曇り空だった。
とりあえず会社に着くが、全くもって落ち着かない。
そうこうしていると、午後2時頃に嫁さんの妹からメールが来る。「姉ちゃん、一人で陣痛室に押し込まれて、ずっと数分間隔の陣痛に耐えて泣いちゃってるみたいだよ」。
もういても立ってもいられない。午後3時から昼礼で社長の話がある予定だったが、んなつまらん話を聞いてる場合ではない。昼礼をブッチして、一緒についているはずのお義母さんに電話するが、病院だけになかなかつながらない。
とりあえず、やりかけの仕事を片付けるべくペースを上げた。
午後4時。ようやく、お義母さんから電話が来る。
「破水はまだだけど、来て欲しいって言ってるよ。来れる？」
合点だ！
課長やボスに状況を伝え、会社を飛び出る。皆一様に笑顔で「行ってこい！」と。暖かい職場である。
外に出ると、もう空は秋晴れになっていた。大丈夫、きっと元気に産まれてくる。不安を打ち消しながら、電車に飛び乗った。
電車で座っていると...携帯電話に050から始まる見知らぬ番号から20分の間を置いて2回電話が来た。これはきっと病院関係の電話で、何かが起きたに違いないと思い、乗り換えの駅に降りた瞬間にすぐ折り返しの電話をかけた。
「あの、先ほどお電話いただいたんですが」
「は？」
「え？私●○と申しますが」
「え？いえ、おかしいですね、間違えたようです」
...間違い電話かよ！！
そんなこんながあって午後6時少し前。ようやく病院に到着した。
一度嫁さんと二人で下見に来たことはあったが、ロビーより奥に入るのは初めてだ。病院特有の遅いエレベータを待たずに階段を一気に4階まで駆け上がり、嫁さんが入っているという陣痛室に飛び込んだ。
すぐに気づいたお義母さんが「ここ、ここよ！」と手招きする。4つのベッドが置いてあるその部屋の左奥のベッドに嫁さんはいた。カーテンが閉められ、薄暗い中、左向きに横になって、呻いていた。
「遅くなってごめん、今来たよ！」
「フーー、フーー」
「良くここまで耐えたね！」
「あああ、また波が...！！」
俺に対して反応する余裕すらない (′Д`;。
陣痛に耐える嫁さん。腰がとにかく痛いと言う。看護士さんから教えられた通り、呼吸に合わせて腰をさすってやる。破水も午後5時頃に済んだようだ。
「力を抜いてねー、リラックスしてー。旦那さん、リラックスするように話しかけてあげて。」
横から看護士さんが声をかけてくる。
今日の会社のみんなの反応や、来るまでのことを話してみる。
「フーー、フーー」
嫁さんはただひたすら教えられた呼吸法を繰り返すのに精一杯だ。まあ、それでもいい。少しでも落ち着かせようと話しかける。
ふと横を見ると、陣痛の具合を示すグラフが打ち出されている。その紙がダラーーっと床に垂れ、さらに下で折り返して機械の下の台に続いている。これだけ長い時間、ずっと陣痛に耐えているのかと思うと、そりゃ余裕もないわけである。
「ああ、また来た！！」
そう嫁さんが痛がると、グラフがぐーーっと動く。なるほど。
そうやってグラフの山を見ていると、だいたい3〜5分に一度波が来て、その間は小康状態、というように見える。
「もう産まれちゃうよーー！」
悲鳴を上げるかのように叫んでいる。
だが、15分に一度程度看護士さんが診に来てくれるが、まだ出口が開ききっていないからまだだと言う。
母体がしっかり呼吸しなければ、お腹の中で必死に戦っている子供にも酸素が行かなくなる。
「ゆっくり呼吸しな！ゆーっくり。赤ちゃんも頑張ってるよ！」
ギャグを言っている場合ではないので、痛がり始めたらひたすらそういう言葉を掛けて呼吸させるしかない。
そんな繰り返しが延々と続く。一体、いつまで続くのか。
長ぇな (^_^;。続く。
事実としては認識していても...それが自分の子供だという実感が...やっと本物を抱きしめたことでようやく湧いてきた感じだ。同時に、強い愛情も浮かんできた。これから守っていかねばという責任感も、だ。
さて、嫁さんの里帰り先から自宅に戻ってきた。
昨日は誕生した興奮で、尾崎の詞など持ち出しちゃう始末であったが、今日は備忘録がてら、昨日の過程を記してみたい。
名前は季歩という
産まれてから約17時間の様子だ
(PentaxK10D, TamronA14(40.0mm), ProgramMode, 1/25sec, F4.5, ISO640)
最後に嫁さんに会いに行ったのはまだ先週末のことだった。
その時は一緒に嫁さん実家の軒先で洗車したりしてのんびり過ごした。
予定日はまだ2週間先だったし、安心して自宅に戻ったものだった。
だが。
それからわずかに2日と数時間。10月に月が変わって30分ほどだったろうか。嫁さんからメールが来た。10分おきに痛みが来ると。いや、そうは言っても先週の検診でも兆候なかったんだから、まだまだだろう。
...と思っていたのも束の間だった。
夜更かし屋の俺でもさすがに横になっていた3時には、ご両親を叩き起こし様子次第では病院へ向かう旨のメールが入った。
一気に風雲急を告げる事態である。
自分に何ができるわけでもないが、とても寝入っている心境ではない。
正直言って、この瞬間まで、理屈では頭で理解していても、本当に子供が産まれてくると言う実感がなかったように思う。急にその実感に襲われて、これから起こる出来事に思いが巡り、横にはなっても全然眠りにつけなくなってしまったのだ。
うとつきかけた午前4時半、ついに家を出てお義父さんの車で病院に向かったらしい。5時...お義母さんから入院した旨報らされる。
とは言っても、破水をしたわけでもないので、すぐに駆け付けてもまだまだお産は先とのことだった。結局すぐに向かうのではなく、まずは会社に出勤することにした。実は会社は嫁さんの実家方面への途中にある。
が、その道すがらは、俺の不安な心を暗示するかのように、雨が今にも降り出しそうなどんよりとした曇り空だった。
とりあえず会社に着くが、全くもって落ち着かない。
そうこうしていると、午後2時頃に嫁さんの妹からメールが来る。「姉ちゃん、一人で陣痛室に押し込まれて、ずっと数分間隔の陣痛に耐えて泣いちゃってるみたいだよ」。
もういても立ってもいられない。午後3時から昼礼で社長の話がある予定だったが、んなつまらん話を聞いてる場合ではない。昼礼をブッチして、一緒についているはずのお義母さんに電話するが、病院だけになかなかつながらない。
とりあえず、やりかけの仕事を片付けるべくペースを上げた。
午後4時。ようやく、お義母さんから電話が来る。
「破水はまだだけど、来て欲しいって言ってるよ。来れる？」
合点だ！
課長やボスに状況を伝え、会社を飛び出る。皆一様に笑顔で「行ってこい！」と。暖かい職場である。
外に出ると、もう空は秋晴れになっていた。大丈夫、きっと元気に産まれてくる。不安を打ち消しながら、電車に飛び乗った。
電車で座っていると...携帯電話に050から始まる見知らぬ番号から20分の間を置いて2回電話が来た。これはきっと病院関係の電話で、何かが起きたに違いないと思い、乗り換えの駅に降りた瞬間にすぐ折り返しの電話をかけた。
「あの、先ほどお電話いただいたんですが」
「は？」
「え？私●○と申しますが」
「え？いえ、おかしいですね、間違えたようです」
...間違い電話かよ！！
そんなこんながあって午後6時少し前。ようやく病院に到着した。
一度嫁さんと二人で下見に来たことはあったが、ロビーより奥に入るのは初めてだ。病院特有の遅いエレベータを待たずに階段を一気に4階まで駆け上がり、嫁さんが入っているという陣痛室に飛び込んだ。
すぐに気づいたお義母さんが「ここ、ここよ！」と手招きする。4つのベッドが置いてあるその部屋の左奥のベッドに嫁さんはいた。カーテンが閉められ、薄暗い中、左向きに横になって、呻いていた。
「遅くなってごめん、今来たよ！」
「フーー、フーー」
「良くここまで耐えたね！」
「あああ、また波が...！！」
俺に対して反応する余裕すらない (′Д`;。
陣痛に耐える嫁さん。腰がとにかく痛いと言う。看護士さんから教えられた通り、呼吸に合わせて腰をさすってやる。破水も午後5時頃に済んだようだ。
「力を抜いてねー、リラックスしてー。旦那さん、リラックスするように話しかけてあげて。」
横から看護士さんが声をかけてくる。
今日の会社のみんなの反応や、来るまでのことを話してみる。
「フーー、フーー」
嫁さんはただひたすら教えられた呼吸法を繰り返すのに精一杯だ。まあ、それでもいい。少しでも落ち着かせようと話しかける。
ふと横を見ると、陣痛の具合を示すグラフが打ち出されている。その紙がダラーーっと床に垂れ、さらに下で折り返して機械の下の台に続いている。これだけ長い時間、ずっと陣痛に耐えているのかと思うと、そりゃ余裕もないわけである。
「ああ、また来た！！」
そう嫁さんが痛がると、グラフがぐーーっと動く。なるほど。
そうやってグラフの山を見ていると、だいたい3〜5分に一度波が来て、その間は小康状態、というように見える。
「もう産まれちゃうよーー！」
悲鳴を上げるかのように叫んでいる。
だが、15分に一度程度看護士さんが診に来てくれるが、まだ出口が開ききっていないからまだだと言う。
母体がしっかり呼吸しなければ、お腹の中で必死に戦っている子供にも酸素が行かなくなる。
「ゆっくり呼吸しな！ゆーっくり。赤ちゃんも頑張ってるよ！」
ギャグを言っている場合ではないので、痛がり始めたらひたすらそういう言葉を掛けて呼吸させるしかない。
そんな繰り返しが延々と続く。一体、いつまで続くのか。
長ぇな (^_^;。続く。
nobilesの投稿(23:23:31-2008-10-02) -
カテゴリ: Main
コメント
果汁３％ wrote:
(((((((((゜д゜；))))))))ｶﾞｸｶﾞｸﾌﾞﾙﾌﾞﾙ
2008-10-03 00:07:52
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