NOBILES Days
Jump to navigationF-1 1970-1980
俺がF-1マニアであることは、俺を知る人ならばもちろんご存知だろう。F-1を生中継で見れるフジテレビの有料放送にももちろん加入している。
そんな俺にとって、ひょっとしたら生のF-1レースよりも楽しいかもしれないと思っているのが、オフシーズンのこの時期に毎年放送される、過去のレースの再放送だ。再放送と言っても、近年のではなく、大抵がかなり昔のレースだ。
過去のF-1チャンピオンをソラで60人ずらーっと言えてしまう俺だが、ちゃんと映像で見たレースはここ20年に限られるし、初期の頃はビデオテープのみの保存になっているので、こうした再放送はとても嬉しい。
そして今年の放送はなんと1970〜1980年のレースの放送だと言うではないか。未公開映像を多く含んでいるというので大いに期待していた。
1970年代と言えば、F-1マシンの形状が最も激しく変わった時期だ。
Lotus 72
1970年はまだ1950年から始まったF-1の草創期と同じく葉巻型ボディのマシンがほとんどだった（ただし草創期と違うのは60年代にミッドシップレイアウトとモノコックシャシーが一般化したこと、そしてウィングによるダウンフォース獲得が始まったことだ）。そんな中、歴史上初めてラジエターをサイドポンツーンに移し、マシン全体をウェッジシェイプとしてダウンフォース獲得を狙った画期的なマシン、ロータス72を駆るヨッヘン・リントがチャンピオンを獲得した。だが、リントは圧倒的に選手権をリードしながら、残り4戦を残してモンツァのパラボリカに散った。しかし、その後彼のポイントを上回る選手が出なかったため、死後に戴冠した唯一の悲劇のチャンピオンであった。
Tyrell 001
1971年はティレル001のジャッキー・スチュワートが2度目のチャンピオン。このマシンは主にスポーツカーノーズでダウンフォースを獲得するもので、ロータスと違いラジエターをフロントに搭載していた。だが、記憶ではインダクションポットを初めて搭載したのはこのマシンだ。
Lotus 72
Tyrell 006
McLaren M23
1972年は再びロータス72に乗るエマーソン・フィッティパルディが（2005年にアロンソが破るまで）最年少チャンピオン、1973年はティレルのより洗練された006に乗るスチュワートが3度目のチャンピオンと、ロータスのウェッジシェイプとティレルのスポーツカーノーズが交互にチャンピオンを獲得しているのが面白い。1974年もウェッジシェイプを推し進めたマクラーレンM23に乗り換えたフィッティパルディが2度目のチャンピオンを獲得している。
Ferrari 312T
ここまでは、'67年のデビュー以来定番となっているフォードDFVエンジンを搭載し、シャシー側の技術革新を図ってきたマシンがチャンピオンを獲得してきた。だが、1975年はそれとは正反対に、旧態依然のシャシーながらボクサー12気筒エンジンに横置きミッションと、動力性能をひたすら追求したと言って良いフェラーリ312Tを駆るニキ・ラウダが初タイトルを射止める。名門フェラーリにとっては1964年のジョン・サーティース以来、実に11年ぶりのチャンピオンだ。実に長い間DFVにやられっぱなしだったというわけだ。相変わらずセミモノコックという前時代的シャシーながら、手堅くまとめたマシンは美しかった。
McLaren M23
Ferrari 312T2
翌'76年もフェラーリとニキ・ラウダは強さを発揮するが、シーズン中盤のニュルブルクリンクでよもやの火災事故でラウダは瀕死の重傷を負う。顔に大やけどを残したまま、たった2戦の欠場でラウダは復帰するが、大雨の富士を棄権すると、マクラーレンM23に乗るジェームス・ハントに大逆転でタイトルをさらわれた。
これでエンツォ・フェラーリとの確執が発生したと言われるラウダは、冷遇をはねのけるかのようにフェラーリ312T2で1977年シーズンを席巻してタイトルを獲得すると、残り2戦を残してさっさとフェラーリを去ってしまったのだった。
Lotus 79
そして1978年は大きな転換点だ。事実上のグランドエフェクト元年と言って良いだろう。マシンの下面全体をウィング状（本当はウィングではなくベンチュリー形状なのだが）に成形することで、マシン全体で強大なダウンフォースを得るロータス78とその進化型79に乗ったマリオ・アンドレッティがタイトルを射止めた。このグランドエフェクトは現代でも「ダブルデッカーディフューザ」が話題になることからも分かる通り、F-1の極めて重大な開発項目となっているのである。
Ferrari 312T4
そんな激動な時代に突入した1979年は逆に、グランドエフェクト獲得には不利なはずの幅の広いフラット12気筒に無理矢理ベンチュリーを組み合わせたフェラーリ312T4に乗るジョディ・シェクターが圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したのは実に皮肉で、先駆者ロータスらは異常な縦振動であるポーパシングに悩まされてボロボロだったのだ。だがその翌年に、ほぼ同じマシンである312T5でチャンピオンたるシェクターが入賞わずか1回に終わるあたり、グランドエフェクト時代の目まぐるしさが表れていよう。
Williams FW07
そして1980年は、グランドエフェクトカーとして一つの完成形に近づいたと言えるウィリアムズFW07が強力な力を発揮し、ファイター、アラン・ジョーンズが戴冠した。
ちなみにチャンピオンとは縁がなかったが、1977年にルノーがF-1界初のターボエンジンを登場させ、1979年には初優勝を果たしている。グランドエフェクト時代でフラットエンジンの限界を感じたフェラーリも1980年後半に追従、126Cをデビューさせている。ターボエンジンが初戴冠するのは1982年のフェラーリのコンストラクターズ、1983年のネルソン・ピケのドライバーズが初となる。
さてはて、2009年F-1シーズンが終わって、ついにこのF-1 1970-1980の放送が始まる....。
...俺が持ってるDVDシリーズと同じ内容じゃん！！！なーにが初公開の映像だ！
数年前に30000円ほどで買ったものだ。それが、有料放送とは言え、さらに字幕版なのだが、放送されてしまうとは...。
ガックリ orz。
まあ、また改めてDVD見ようかな、という気になったから良しとしよう。
ちなみに、今回の内容に興味のある方は、本体サイト内のU-N-C-H-I-K-Uを見てくれ！
そんな俺にとって、ひょっとしたら生のF-1レースよりも楽しいかもしれないと思っているのが、オフシーズンのこの時期に毎年放送される、過去のレースの再放送だ。再放送と言っても、近年のではなく、大抵がかなり昔のレースだ。
過去のF-1チャンピオンをソラで60人ずらーっと言えてしまう俺だが、ちゃんと映像で見たレースはここ20年に限られるし、初期の頃はビデオテープのみの保存になっているので、こうした再放送はとても嬉しい。
そして今年の放送はなんと1970〜1980年のレースの放送だと言うではないか。未公開映像を多く含んでいるというので大いに期待していた。
1970年代と言えば、F-1マシンの形状が最も激しく変わった時期だ。
Lotus 72
1970年はまだ1950年から始まったF-1の草創期と同じく葉巻型ボディのマシンがほとんどだった（ただし草創期と違うのは60年代にミッドシップレイアウトとモノコックシャシーが一般化したこと、そしてウィングによるダウンフォース獲得が始まったことだ）。そんな中、歴史上初めてラジエターをサイドポンツーンに移し、マシン全体をウェッジシェイプとしてダウンフォース獲得を狙った画期的なマシン、ロータス72を駆るヨッヘン・リントがチャンピオンを獲得した。だが、リントは圧倒的に選手権をリードしながら、残り4戦を残してモンツァのパラボリカに散った。しかし、その後彼のポイントを上回る選手が出なかったため、死後に戴冠した唯一の悲劇のチャンピオンであった。
Tyrell 001
1971年はティレル001のジャッキー・スチュワートが2度目のチャンピオン。このマシンは主にスポーツカーノーズでダウンフォースを獲得するもので、ロータスと違いラジエターをフロントに搭載していた。だが、記憶ではインダクションポットを初めて搭載したのはこのマシンだ。
Lotus 72
Tyrell 006
McLaren M23
1972年は再びロータス72に乗るエマーソン・フィッティパルディが（2005年にアロンソが破るまで）最年少チャンピオン、1973年はティレルのより洗練された006に乗るスチュワートが3度目のチャンピオンと、ロータスのウェッジシェイプとティレルのスポーツカーノーズが交互にチャンピオンを獲得しているのが面白い。1974年もウェッジシェイプを推し進めたマクラーレンM23に乗り換えたフィッティパルディが2度目のチャンピオンを獲得している。
Ferrari 312T
ここまでは、'67年のデビュー以来定番となっているフォードDFVエンジンを搭載し、シャシー側の技術革新を図ってきたマシンがチャンピオンを獲得してきた。だが、1975年はそれとは正反対に、旧態依然のシャシーながらボクサー12気筒エンジンに横置きミッションと、動力性能をひたすら追求したと言って良いフェラーリ312Tを駆るニキ・ラウダが初タイトルを射止める。名門フェラーリにとっては1964年のジョン・サーティース以来、実に11年ぶりのチャンピオンだ。実に長い間DFVにやられっぱなしだったというわけだ。相変わらずセミモノコックという前時代的シャシーながら、手堅くまとめたマシンは美しかった。
McLaren M23
Ferrari 312T2
翌'76年もフェラーリとニキ・ラウダは強さを発揮するが、シーズン中盤のニュルブルクリンクでよもやの火災事故でラウダは瀕死の重傷を負う。顔に大やけどを残したまま、たった2戦の欠場でラウダは復帰するが、大雨の富士を棄権すると、マクラーレンM23に乗るジェームス・ハントに大逆転でタイトルをさらわれた。
これでエンツォ・フェラーリとの確執が発生したと言われるラウダは、冷遇をはねのけるかのようにフェラーリ312T2で1977年シーズンを席巻してタイトルを獲得すると、残り2戦を残してさっさとフェラーリを去ってしまったのだった。
Lotus 79
そして1978年は大きな転換点だ。事実上のグランドエフェクト元年と言って良いだろう。マシンの下面全体をウィング状（本当はウィングではなくベンチュリー形状なのだが）に成形することで、マシン全体で強大なダウンフォースを得るロータス78とその進化型79に乗ったマリオ・アンドレッティがタイトルを射止めた。このグランドエフェクトは現代でも「ダブルデッカーディフューザ」が話題になることからも分かる通り、F-1の極めて重大な開発項目となっているのである。
Ferrari 312T4
そんな激動な時代に突入した1979年は逆に、グランドエフェクト獲得には不利なはずの幅の広いフラット12気筒に無理矢理ベンチュリーを組み合わせたフェラーリ312T4に乗るジョディ・シェクターが圧倒的な強さでチャンピオンを獲得したのは実に皮肉で、先駆者ロータスらは異常な縦振動であるポーパシングに悩まされてボロボロだったのだ。だがその翌年に、ほぼ同じマシンである312T5でチャンピオンたるシェクターが入賞わずか1回に終わるあたり、グランドエフェクト時代の目まぐるしさが表れていよう。
Williams FW07
そして1980年は、グランドエフェクトカーとして一つの完成形に近づいたと言えるウィリアムズFW07が強力な力を発揮し、ファイター、アラン・ジョーンズが戴冠した。
ちなみにチャンピオンとは縁がなかったが、1977年にルノーがF-1界初のターボエンジンを登場させ、1979年には初優勝を果たしている。グランドエフェクト時代でフラットエンジンの限界を感じたフェラーリも1980年後半に追従、126Cをデビューさせている。ターボエンジンが初戴冠するのは1982年のフェラーリのコンストラクターズ、1983年のネルソン・ピケのドライバーズが初となる。
さてはて、2009年F-1シーズンが終わって、ついにこのF-1 1970-1980の放送が始まる....。
...俺が持ってるDVDシリーズと同じ内容じゃん！！！なーにが初公開の映像だ！
数年前に30000円ほどで買ったものだ。それが、有料放送とは言え、さらに字幕版なのだが、放送されてしまうとは...。
ガックリ orz。
まあ、また改めてDVD見ようかな、という気になったから良しとしよう。
ちなみに、今回の内容に興味のある方は、本体サイト内のU-N-C-H-I-K-Uを見てくれ！
nobilesの投稿(22:14:36-2009-11-26) -
カテゴリ: Formula-One
コメント
No comments yet
コメントを追加
トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)TrackBack URL
DISALLOWED (TrackBack)
メインページ
Calendar
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
NewEntries
最新COMMENTS
■20-07-11 21:47>ああ、あのeh
■20-07-10 01:07>そうです、予
■20-07-09 22:36>あっ、ショー
■20-07-06 07:27>50-34のチェ�
■18-01-05 00:53>おやこれはぱ
■18-01-04 23:56>手出しちゃっ
■15-07-27 23:21>おっと、今か
■15-07-22 11:40>良質な小説読
■15-02-21 09:29>おや、どなた
■15-02-20 08:05>ほー、勉強に
カテゴリ
- All
- Bicycle
- Breast Cancer
- Change Job
- Formula-One
- Gourmet
- Injury
- Mac
- Main
- Monaco
- Music
- Peugeot
- Photo
- Travel
Archives
My Links
NOBILES Web検索
プロフィール
RSS対応
RSS v2.0
RSS v0.91
RSS v1.0
管理
管理室へ携帯用ブログ
携帯用URL