NOBILES Days
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5歳になった長女はB型でありながら、俺のA型気質を強く引き継いでいる。風呂から出る時に、各ボトルや洗面器が所定の位置に戻っていないと気が済まないらしい。「上がるよー」と言ってから5分くらいせっせと再配置している。目的のためには時間を惜しまないところなんてもう、完全に俺。嫁さんが全くできない積み木なんかも、すんごい集中力で遊んでいる。ああ、こんな俺でも仕事ではだいぶ折り合いつけてこなすようになりましたがね。
一方、次女はかなりの「ネイティブB型」だ。すこしナイーブな長女と比べると天真爛漫と言うか、怖いもの知らずなところがある。
それでいて超寂しがり屋、と言うかママっ子で、ママの姿が見えなくなるだけで大号泣したりもする。完全にいなけりゃいないで普通にしてるんだけどね。
でも、食の趣味は逆で、長女は野菜大好きで魚も好き、なのに肉の脂が嫌いで嫁さん寄り、次女はどっちかっていうと肉が好きで俺寄り。
姉妹って、面白いね。
ケンカは絶えないが、やはり姉妹だ
(PentaxK-3, PentaxDA21mmLimitedF3.2, 1/100sec, F4.0, ISO200)
時系列がおかしくなるけど、昨年末の話だ。高校から大学にかけて一緒だった友人宅を訪れた。11年ぶりのことだった。
彼についてはエピソードに事欠かない。彼とはまったく関係のない飲み会であっても、彼の話を始めれば、とりあえず興味を引いておける。
一番分かりやすいのは、彼が「新婚さんいらっしゃい」に出演したことかな。それだけで割と万人に興味を持ってもらえる。まあ、番組では彼の理系エリートな側面ばかりがクローズアップされたのが、近しい我々としては消化不良だったのだが。
そもそも、彼とのファーストコンタクトは高校時代に遡る。多分、高校3年の9月の終わり頃だったと記憶している。
俺たちの通った高校は2学期制だった。その日で前学期の期末テストが終わって、俺は胸を撫で下ろしながら帰り支度をしていた。が、ふと、刺さるような視線を感じ、その方向を見た。教室の扉のところに、彼が立っていた。
「ん？見たことあるヤツだな。N須と同じクラスだったかな？」
などと思っていたら、そいつと目が合った。その次の瞬間、彼はズンズンとこちらに突進して来た（ひーーー！）。そして、俺の肩をボンッと叩くと、こう言った。
「お前、Nだろ？バンドやろうぜ！」
「はぁっ！？」
「N須から聞いたんだけど、鍵盤やるんだろ？」
その割に、共通の友人であるN須連れてきてねーし。その代わり、彼の後ろには静かそうな男が、彼の暴走ぶりをハラハラしながら見ていた。
そんなことがあって俺は、彼らとバンドをやることになったのだ。
そのバンドでは、いわゆるハードロックの名曲をカバーした。最初にやったのはDeep PurpleのHighway Starだった。彼はベースで、先述のN須がドラム、後ろでハラハラしていた男Tがギター、さらに彼の後輩がボーカルをとった。高校生活最後の半年間、スタジオに何度か入った。
付属高校だったから、彼とN須と俺は同じ大学の、しかも同じ学部に進学した。しかし、猪突猛進してしまう彼のことを、ドラムのN須が相当疎ましく思っていた。そして、よりにもよって入学式の日に、N須は彼に脱退宣言をして、バンド名さえ決めていなかったバンドはあっさり解散した。
だが、半年もしないうちに、俺達は同じバンドサークルに入部し、またバンドを組んでいた。まあなんだ。なんだかんだ言ってウマだかソリだかが合っていたんだろう。
さて、彼と俺とは（学部は同じでも）学科が違った。しかし先述のように彼は理系エリートだ（文系は絶望的にダメだが）。尊敬する人物が、ガチでアインシュタインなのだ。だから、たとえ学科が違っても、こっちの学科の教科書を渡すと、わずか数日で「なかなか面白かった」なんて読了した上に、テスト前には俺たちに勉強を教えてくれたのだ。だから、彼は俺の大学卒業の恩人だ。
まあそもそも俺なんかはそこで、本質的な内容ではなく、テストを乗り切るためだけの教え方をしてもらったがために（つまり彼は人によって教え方を変化できた）社会に出てますます落ちぶれたわけだが、それは俺の責任だね。
当初彼から勉強を教えてもらうのは大学の図書館が多かったが、そのうち「合宿」として、今回訪れた彼の自宅に泊まり込んで勉強会、というのも何度かあった。もちろん、勉強だけでなくて、バンドサークルがらみでも良く行った。それなりに遠いのに良く通ったもんだ。
彼のお母さんもチャーミングな方だ。彼同様、期せずして早くに彼を産んだので (^_^;、当時でまだ40代、今でもようやく還暦くらいか。小柄なのだが、俺たちにも良く話しかけてくれるし、食べ物もどんどん振る舞ってくれた。シーチキン巻きが美味かったな。
さて、大学を卒業して、理系エリートである彼は関西の名門大学の大学院に進学して、家を出た。ちなみに俺も期せずして (^_^;就職して、ちょっと北関東ぎみのところに移った。それでも、彼が実家に戻る時には召集かけられてよく飲んでいたし、家に遊びに行くこともあった。彼が期せずして (^_^;結婚してからも、その後彼が就職してからも、それは同じだった。
彼のお父さんも頭のいい人で、某大企業のグループ会社の社長まで務めたらしい。ただ、キャラクターもかなり尖った人だったらしい。それでいろいろあったらしく、彼自身も実家に行くことが無くなって、自然に俺たちが訪れることも無くなったというわけだ。
しかし先日、このお父さんに末期の病気が発覚した。このことが、皮肉にもまた家族の仲を数年ぶりに氷解させることになったそうだ。そして残念ながら先月、彼の父さんは亡くなった。
今回俺たちが訪問したのも、お線香をあげるのが主目的だったわけだ。
あの頃良くやったように、みんなで買い出しをして（あの頃にはなかった巨大スーパーだけど）、鍋を囲んだ。別に記憶に残るような対した話をしたわけではない。しかし、とにかく楽しくて時間があっという間だった。前回から10年以上経っているなんて、にわかには信じられなかったくらいだ。
狭めの部屋に無理矢理敷いた布団に4人で寝た。朝起きると、また彼のお母さんが豪華な朝飯をふるまってくれた。
帰りは、彼が車で駅まで送ってくれた。関西から「おばあちゃん」を訪ねてきた彼の娘さん2人が来るのに合わせたのだ。もう上の子は中学生、下の子も小学六年生だった。前回会った時は今のうちの子よりも小さかったのにね。
彼は4月から、念願叶って大学の教職に就く。電機メーカーに在職しながらせっせと論文を提出して博士号をとり、何十という大学に就職活動をした結果だ。
実はこれで、今回集まった5人のうち3人が「先生」と呼ばれる立場の職に就くことになった。なかなかすげえな。
かく言う俺はそういう立場になる予定も資格も意欲もないわけだが、せめてこういう場で「へえ、面白いね」と言われるような仕事はしたいね。
一方、次女はかなりの「ネイティブB型」だ。すこしナイーブな長女と比べると天真爛漫と言うか、怖いもの知らずなところがある。
それでいて超寂しがり屋、と言うかママっ子で、ママの姿が見えなくなるだけで大号泣したりもする。完全にいなけりゃいないで普通にしてるんだけどね。
でも、食の趣味は逆で、長女は野菜大好きで魚も好き、なのに肉の脂が嫌いで嫁さん寄り、次女はどっちかっていうと肉が好きで俺寄り。
姉妹って、面白いね。
ケンカは絶えないが、やはり姉妹だ
(PentaxK-3, PentaxDA21mmLimitedF3.2, 1/100sec, F4.0, ISO200)
時系列がおかしくなるけど、昨年末の話だ。高校から大学にかけて一緒だった友人宅を訪れた。11年ぶりのことだった。
彼についてはエピソードに事欠かない。彼とはまったく関係のない飲み会であっても、彼の話を始めれば、とりあえず興味を引いておける。
一番分かりやすいのは、彼が「新婚さんいらっしゃい」に出演したことかな。それだけで割と万人に興味を持ってもらえる。まあ、番組では彼の理系エリートな側面ばかりがクローズアップされたのが、近しい我々としては消化不良だったのだが。
そもそも、彼とのファーストコンタクトは高校時代に遡る。多分、高校3年の9月の終わり頃だったと記憶している。
俺たちの通った高校は2学期制だった。その日で前学期の期末テストが終わって、俺は胸を撫で下ろしながら帰り支度をしていた。が、ふと、刺さるような視線を感じ、その方向を見た。教室の扉のところに、彼が立っていた。
「ん？見たことあるヤツだな。N須と同じクラスだったかな？」
などと思っていたら、そいつと目が合った。その次の瞬間、彼はズンズンとこちらに突進して来た（ひーーー！）。そして、俺の肩をボンッと叩くと、こう言った。
「お前、Nだろ？バンドやろうぜ！」
「はぁっ！？」
「N須から聞いたんだけど、鍵盤やるんだろ？」
その割に、共通の友人であるN須連れてきてねーし。その代わり、彼の後ろには静かそうな男が、彼の暴走ぶりをハラハラしながら見ていた。
そんなことがあって俺は、彼らとバンドをやることになったのだ。
そのバンドでは、いわゆるハードロックの名曲をカバーした。最初にやったのはDeep PurpleのHighway Starだった。彼はベースで、先述のN須がドラム、後ろでハラハラしていた男Tがギター、さらに彼の後輩がボーカルをとった。高校生活最後の半年間、スタジオに何度か入った。
付属高校だったから、彼とN須と俺は同じ大学の、しかも同じ学部に進学した。しかし、猪突猛進してしまう彼のことを、ドラムのN須が相当疎ましく思っていた。そして、よりにもよって入学式の日に、N須は彼に脱退宣言をして、バンド名さえ決めていなかったバンドはあっさり解散した。
だが、半年もしないうちに、俺達は同じバンドサークルに入部し、またバンドを組んでいた。まあなんだ。なんだかんだ言ってウマだかソリだかが合っていたんだろう。
さて、彼と俺とは（学部は同じでも）学科が違った。しかし先述のように彼は理系エリートだ（文系は絶望的にダメだが）。尊敬する人物が、ガチでアインシュタインなのだ。だから、たとえ学科が違っても、こっちの学科の教科書を渡すと、わずか数日で「なかなか面白かった」なんて読了した上に、テスト前には俺たちに勉強を教えてくれたのだ。だから、彼は俺の大学卒業の恩人だ。
まあそもそも俺なんかはそこで、本質的な内容ではなく、テストを乗り切るためだけの教え方をしてもらったがために（つまり彼は人によって教え方を変化できた）社会に出てますます落ちぶれたわけだが、それは俺の責任だね。
当初彼から勉強を教えてもらうのは大学の図書館が多かったが、そのうち「合宿」として、今回訪れた彼の自宅に泊まり込んで勉強会、というのも何度かあった。もちろん、勉強だけでなくて、バンドサークルがらみでも良く行った。それなりに遠いのに良く通ったもんだ。
彼のお母さんもチャーミングな方だ。彼同様、期せずして早くに彼を産んだので (^_^;、当時でまだ40代、今でもようやく還暦くらいか。小柄なのだが、俺たちにも良く話しかけてくれるし、食べ物もどんどん振る舞ってくれた。シーチキン巻きが美味かったな。
さて、大学を卒業して、理系エリートである彼は関西の名門大学の大学院に進学して、家を出た。ちなみに俺も期せずして (^_^;就職して、ちょっと北関東ぎみのところに移った。それでも、彼が実家に戻る時には召集かけられてよく飲んでいたし、家に遊びに行くこともあった。彼が期せずして (^_^;結婚してからも、その後彼が就職してからも、それは同じだった。
彼のお父さんも頭のいい人で、某大企業のグループ会社の社長まで務めたらしい。ただ、キャラクターもかなり尖った人だったらしい。それでいろいろあったらしく、彼自身も実家に行くことが無くなって、自然に俺たちが訪れることも無くなったというわけだ。
しかし先日、このお父さんに末期の病気が発覚した。このことが、皮肉にもまた家族の仲を数年ぶりに氷解させることになったそうだ。そして残念ながら先月、彼の父さんは亡くなった。
今回俺たちが訪問したのも、お線香をあげるのが主目的だったわけだ。
あの頃良くやったように、みんなで買い出しをして（あの頃にはなかった巨大スーパーだけど）、鍋を囲んだ。別に記憶に残るような対した話をしたわけではない。しかし、とにかく楽しくて時間があっという間だった。前回から10年以上経っているなんて、にわかには信じられなかったくらいだ。
狭めの部屋に無理矢理敷いた布団に4人で寝た。朝起きると、また彼のお母さんが豪華な朝飯をふるまってくれた。
帰りは、彼が車で駅まで送ってくれた。関西から「おばあちゃん」を訪ねてきた彼の娘さん2人が来るのに合わせたのだ。もう上の子は中学生、下の子も小学六年生だった。前回会った時は今のうちの子よりも小さかったのにね。
彼は4月から、念願叶って大学の教職に就く。電機メーカーに在職しながらせっせと論文を提出して博士号をとり、何十という大学に就職活動をした結果だ。
実はこれで、今回集まった5人のうち3人が「先生」と呼ばれる立場の職に就くことになった。なかなかすげえな。
かく言う俺はそういう立場になる予定も資格も意欲もないわけだが、せめてこういう場で「へえ、面白いね」と言われるような仕事はしたいね。
nobilesの投稿(23:28:09-2014-01-27) -
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