NOBILES Days
Jump to navigationSide story of "RUSH"
日増しに残念な方向への報道が強まっている世紀の発見の件だが。
嫁さんが「さっぱり分からん」と申すので、「〜〜〜というわけで、共著者である山梨大の教授が撤回を呼びかけているんだよ」と説明したら、
「ふーむ、じゃあその山梨大の教授が食わせモンってことだね！」
...いや、妻よ...そうじゃないぞ思うぞ... (′Д`;。
果たして真偽のほどは、今の段階で俺には分からん。大分雲行きが怪しくなっちゃったけどな。
しかし、例の大発表後に、研究シーンのイメージ撮影みたいのをやっているのには、ちょっと違和感は感じたかな。結局あそこの団体を新法人だかなんだかに指定するかどうかの時期と重なるんでしょ？
それにしても、論文20ページコピペとか言われると、俺の卒論なんてどうなるんだよ (^_^;。「ニューラルネットワークとは」的なとこ、まるまる先輩のコピペよ！100ページという規定をクリアするためにね。
まあ、もう大学院に行けないことが確定していた俺と、研究で身を立てようとしている彼女とでは意味合いが多少違うとは思うし、どういうところをどうコピペしたかも分からんけどね。
さて、映画「RUSH」の「勝手にサイドストーリー」ということで、主人公のひとり、ニキ・ラウダと、イタリアの絶対的カリスマ、エンツォ・フェラーリの話を書こう。
Ferrari 312T2
劇中にもあるように、1973年、ラウダは自らの力で融資を受けた持参金を持ち込んでBRMに加入した。そしてその年のモナコGPで一時トップを快走し、エンツォ・フェラーリの目に留まることになる。ドライバーであるクレイ・レガッツォーニも、BRMで一緒に走った際にラウダの能力を見抜いて推薦した。
当時、フェラーリにはマネージャーとして、若きルカ・ディ・モンテツェモーロが加入したところだった。現在はフィアットの会長を務める、これまたカリスマだ。モンテツェモーロとの交渉を経て、ラウダは翌年からのフェラーリ加入を決める。
万人の憧れの対象であるフェラーリに加入して最初のテストであっても、ラウダは自分のスタイルを貫いた。神格化さえされていたフェラーリのマシンを平然と批判し、フロントサスの改修を求めたのだ。それを聞いたエンツォ・フェラーリは「それならお前の言う通りサスを直してやる。その代わり、1秒タイムを縮められなかったらお前はクビだ」と言った。
果たして、改良なった312B3で、ラウダは1秒以上タイムを縮めてみせた。
この伝説のエピソードと、映画でのBRMでの話が似ているので、前回の最後の方に書いた疑念になったわけだ。
ただ、何しろラウダのことだ。BRMでもフェラーリでも、同じようなことをしていた可能性は高い。もしBRMの話が架空であっても、十分あり得そう、という点では一切リアリティは失われていないと感じた。
さて、ラウダ×エンツォの話を続けよう。
フェラーリでの最初の年である1974年、ラウダは初優勝をマークするなど、十分実力を発揮した。しかし、チャンピオンには届かなかった。
この年、ラウダは312B3の慢性的なアンダーステアを訴えていた。それを解決するために、翌1975年を戦う後継マシンでは、全長が短い横置きギヤボックスが採用され、ホイールベース内に収められた。これにより、重量配分は劇的に改善した。ま、数年後にベンチュリーカー革命が起きて、このギヤボックスは逆に弱点に化けるわけだが。
それが、312Tである。
Ferrari 312T
美しいカラーリングと、流麗なフォルムを併せ持ち、歴史的な名車と言われるマシンだ。
まあ、中身を見ると依然としてフレーム構造が残ったセミモノコック構造で、ロータスより10年遅れた前時代的な作りなのだが、まあレースは速いモン勝ちなのでそれでもいいのだ。まして美しいなら。
映画にも描かれたように、312Tを得たラウダは1975年シーズンを席巻し、フェラーリにとっては1964年のジョン・サーティース以来のタイトルをもたらしたのである。
この間、クライマックス（ジム・クラーク）、レプコ（ジャック・ブラバム、デニス・ハルム）、コスワース（グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワート、ヨッヘン・リント、エマーソン・フィッティパルディ）と、V8エンジン勢しかタイトルを獲得していないのが興味深い。特に、'68年以降は全てコスワースDFVである。
つまり、DFVという伝説的なエンジンの登場以降は「シャシーの時代」だった。しかし、ラウダは12気筒のエンジンばかりを、スムースなドライビングで手懐けてステップアップしてきた。そして事実上DFVを初めて破ってタイトルを得た点でも、非常に画期的だった。
またまた閑話休題。
ラウダの手による開発で、1976年の312T2も非常に高い実力を備えたマシンだった。そのマシンでラウダは、10戦で5勝という文句ない独走状態にあった。
ちなみに、俺たちが新婚旅行で行った2005年モナコGPのパンフには、1976年モナコGPで優勝したラウダの写真が載っていた。生ラウダに遭遇した時も、俺は迷わずそのページを開いてサインしてもらった。テレビ解説の時間が迫って焦っていたラウダも「おっ？」と少し表情が緩んだ。
話逸れるなー (^_^;。
しかし1976年ドイツGP、ニュルブルクリンクでのあの事故だ。劇中では、ニュルのレースの中止をラウダが訴え、それがハントらの反対で否決されたことになっているが、これは本当にあったことかなあ？聞いたことがなかったから、これも追加エピソードかもしれない。
事故後のラウダの容体についてだが、顔の火傷もさることながら、肺に深刻なダメージを受けた。劇中でも、なかなか壮絶な吸引シーンが出てきた。身体中の血液の7割を入れ換えたそうだ。
しかしラウダは、臨終の儀式を執り行う牧師を追い返し（本当のことらしい）、たった2戦の欠場でF-1シーンに舞い戻る。
もう、ここがハンパない。ニュルから、復帰したモンツァまでは1ヶ月強だ。俺なんて右膝の腱断裂から仕事に復帰するのに2ヶ月半かかったぞ、えっへん。
いやまあ、怪我の種類違うから比べる意味は低いけど、それにしても、血液の7割が人のものに入れ替えられたんだよ？顔の半分くらいの皮膚、太ももから移植したんだよ？あんな事故に遭ってなお、心折れるどころか、壮絶な治療に耐え抜いて、事故の現場と言っていい場所に舞い戻る。なんて精神力だろう。
さ、ここ以降は映画のクライマックスと言っていい。ネタバレ回避の意味でもそこは省いて、「映画のあと」のラウダについて書いていく。
映画の最後の方でラウダが下した「決断」は、エンツォを激怒させた。ラウダとエンツォには決定的な溝ができた。
さらに、ラウダが事故で戦列を離れた際、フェラーリはさっさとカルロス・ロイテマンと契約を結んでしまった。ラウダが戻ったことで、チームからはじき出されたのは、ラウダの理解者であったクレイ・レガッツォーニ（ヒゲの人よ）だった。
チームは見せつけのようにしてロイテマンをナンバーワン待遇とした。また、ロイテマンもラウダに対しては冷淡だったようで、ラウダはロイテマンを「氷のよう」と称している。まあ、チームの方針に従っただけかもしれないが。
ちなみにロイテマンは引退後にアルゼンチン政界に進出し、大統領候補にまでなる人物だが、1981年にネルソン・ピケと争いに僅差で敗れ、チャンピオンを撮り損ねている。その際、ピケが乗っていたのは、ロイテマンが違約金を払ってまでフェラーリに移籍した時の元のチーム、ブラバムだったのは実に皮肉であった。
Ferrari 312T2(1977)
さて1977年に戻ろう。
チーム内で冷遇されたラウダだが、鬼気迫る走りを見せる。76年の事故前ほどの爆発的な速さはないが、常に上位でフィニッシュし、ポイントを積み重ねて行った。そして残り2戦を残してラウダは2度目のタイトルを獲得した。圧勝である。
そしてラウダは、翌年のブラバムへの移籍を発表し、残りレースを欠場した。
ラウダはエンツォに対し「ただあなたのチームで走りたくないだけだ」と三行半を突きつけて去った。フェラーリの長い歴史の中でも、ここまで強烈な去り際はない。
この1977年の残り2戦、ラウダの代わりにエントリーしたのが、同年マクラーレンからデビューしていたジル・ヴィルヌーブだった。後に伝説のドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリの再来としてエンツォの寵愛を受けることになるドライバーである。ラウダの代わりとして、ジルがフェラーリに加入したというのが、また凄い巡り合わせである。
だが、ジルは富士での日本グランプリでロニー・ペテルソンと絡んで宙を舞ってコースアウトし、立ち入り禁止区域にいた観客を巻き込んでしまった。この死亡事故の影響もあって日本グランプリは翌年以降の開催が取りやめとなってしまった。
一方、ジルをマクラーレンに推薦したのは、映画のもう1人の主役、ジェームス・ハントである。
実はハントとジルは、ハントがチャンピオンとなった1976年に、フォーミュラ・アトランティックのレースを戦っていた。そこで、ジルがハントを抑えて優勝していたのだ。これまたすごい因果である。
そのハントはというと、チャンピオンとして臨んだ1977年シーズンは苦しんだ。フィッティパルディとハントをチャンピオンへ導いた名車M23の後継として開発したM26が失敗作だったのだ。
それでも、6ポール3勝を上げてチャンプの面目を保った。前年3位でチャンピオンを決めた富士でも、難しいレースを優勝で飾った。しかし、先述の死亡事故への配慮から、表彰台には登らなかった。
McLaren M26
うああ、止まらない！
かようにしてこの時代のF-1は、極めて巨大なビジネスと化した現代とは異なり、濃密な人間ドラマが絡んでいた。このままラウダ、ハント、ヴィルヌーヴ、ペテルソンなんてどんどん掘り下げていくと大変なことになりそうだからこの辺にしつつ。
じゃあ、現代は？
現代F-1だって、安全性は大きく改善されたとは言え、命をかけてレースしていることに変わりはない。当然濃密な人間ドラマは絶えず起こっている。近いうちに、現代のF-1人間ドラマについても掘り下げてみたいと思っている。
嫁さんが「さっぱり分からん」と申すので、「〜〜〜というわけで、共著者である山梨大の教授が撤回を呼びかけているんだよ」と説明したら、
「ふーむ、じゃあその山梨大の教授が食わせモンってことだね！」
...いや、妻よ...そうじゃないぞ思うぞ... (′Д`;。
果たして真偽のほどは、今の段階で俺には分からん。大分雲行きが怪しくなっちゃったけどな。
しかし、例の大発表後に、研究シーンのイメージ撮影みたいのをやっているのには、ちょっと違和感は感じたかな。結局あそこの団体を新法人だかなんだかに指定するかどうかの時期と重なるんでしょ？
それにしても、論文20ページコピペとか言われると、俺の卒論なんてどうなるんだよ (^_^;。「ニューラルネットワークとは」的なとこ、まるまる先輩のコピペよ！100ページという規定をクリアするためにね。
まあ、もう大学院に行けないことが確定していた俺と、研究で身を立てようとしている彼女とでは意味合いが多少違うとは思うし、どういうところをどうコピペしたかも分からんけどね。
さて、映画「RUSH」の「勝手にサイドストーリー」ということで、主人公のひとり、ニキ・ラウダと、イタリアの絶対的カリスマ、エンツォ・フェラーリの話を書こう。
Ferrari 312T2
劇中にもあるように、1973年、ラウダは自らの力で融資を受けた持参金を持ち込んでBRMに加入した。そしてその年のモナコGPで一時トップを快走し、エンツォ・フェラーリの目に留まることになる。ドライバーであるクレイ・レガッツォーニも、BRMで一緒に走った際にラウダの能力を見抜いて推薦した。
当時、フェラーリにはマネージャーとして、若きルカ・ディ・モンテツェモーロが加入したところだった。現在はフィアットの会長を務める、これまたカリスマだ。モンテツェモーロとの交渉を経て、ラウダは翌年からのフェラーリ加入を決める。
万人の憧れの対象であるフェラーリに加入して最初のテストであっても、ラウダは自分のスタイルを貫いた。神格化さえされていたフェラーリのマシンを平然と批判し、フロントサスの改修を求めたのだ。それを聞いたエンツォ・フェラーリは「それならお前の言う通りサスを直してやる。その代わり、1秒タイムを縮められなかったらお前はクビだ」と言った。
果たして、改良なった312B3で、ラウダは1秒以上タイムを縮めてみせた。
この伝説のエピソードと、映画でのBRMでの話が似ているので、前回の最後の方に書いた疑念になったわけだ。
ただ、何しろラウダのことだ。BRMでもフェラーリでも、同じようなことをしていた可能性は高い。もしBRMの話が架空であっても、十分あり得そう、という点では一切リアリティは失われていないと感じた。
さて、ラウダ×エンツォの話を続けよう。
フェラーリでの最初の年である1974年、ラウダは初優勝をマークするなど、十分実力を発揮した。しかし、チャンピオンには届かなかった。
この年、ラウダは312B3の慢性的なアンダーステアを訴えていた。それを解決するために、翌1975年を戦う後継マシンでは、全長が短い横置きギヤボックスが採用され、ホイールベース内に収められた。これにより、重量配分は劇的に改善した。ま、数年後にベンチュリーカー革命が起きて、このギヤボックスは逆に弱点に化けるわけだが。
それが、312Tである。
Ferrari 312T
美しいカラーリングと、流麗なフォルムを併せ持ち、歴史的な名車と言われるマシンだ。
まあ、中身を見ると依然としてフレーム構造が残ったセミモノコック構造で、ロータスより10年遅れた前時代的な作りなのだが、まあレースは速いモン勝ちなのでそれでもいいのだ。まして美しいなら。
映画にも描かれたように、312Tを得たラウダは1975年シーズンを席巻し、フェラーリにとっては1964年のジョン・サーティース以来のタイトルをもたらしたのである。
この間、クライマックス（ジム・クラーク）、レプコ（ジャック・ブラバム、デニス・ハルム）、コスワース（グラハム・ヒル、ジャッキー・スチュワート、ヨッヘン・リント、エマーソン・フィッティパルディ）と、V8エンジン勢しかタイトルを獲得していないのが興味深い。特に、'68年以降は全てコスワースDFVである。
つまり、DFVという伝説的なエンジンの登場以降は「シャシーの時代」だった。しかし、ラウダは12気筒のエンジンばかりを、スムースなドライビングで手懐けてステップアップしてきた。そして事実上DFVを初めて破ってタイトルを得た点でも、非常に画期的だった。
またまた閑話休題。
ラウダの手による開発で、1976年の312T2も非常に高い実力を備えたマシンだった。そのマシンでラウダは、10戦で5勝という文句ない独走状態にあった。
ちなみに、俺たちが新婚旅行で行った2005年モナコGPのパンフには、1976年モナコGPで優勝したラウダの写真が載っていた。生ラウダに遭遇した時も、俺は迷わずそのページを開いてサインしてもらった。テレビ解説の時間が迫って焦っていたラウダも「おっ？」と少し表情が緩んだ。
話逸れるなー (^_^;。
しかし1976年ドイツGP、ニュルブルクリンクでのあの事故だ。劇中では、ニュルのレースの中止をラウダが訴え、それがハントらの反対で否決されたことになっているが、これは本当にあったことかなあ？聞いたことがなかったから、これも追加エピソードかもしれない。
事故後のラウダの容体についてだが、顔の火傷もさることながら、肺に深刻なダメージを受けた。劇中でも、なかなか壮絶な吸引シーンが出てきた。身体中の血液の7割を入れ換えたそうだ。
しかしラウダは、臨終の儀式を執り行う牧師を追い返し（本当のことらしい）、たった2戦の欠場でF-1シーンに舞い戻る。
もう、ここがハンパない。ニュルから、復帰したモンツァまでは1ヶ月強だ。俺なんて右膝の腱断裂から仕事に復帰するのに2ヶ月半かかったぞ、えっへん。
いやまあ、怪我の種類違うから比べる意味は低いけど、それにしても、血液の7割が人のものに入れ替えられたんだよ？顔の半分くらいの皮膚、太ももから移植したんだよ？あんな事故に遭ってなお、心折れるどころか、壮絶な治療に耐え抜いて、事故の現場と言っていい場所に舞い戻る。なんて精神力だろう。
さ、ここ以降は映画のクライマックスと言っていい。ネタバレ回避の意味でもそこは省いて、「映画のあと」のラウダについて書いていく。
映画の最後の方でラウダが下した「決断」は、エンツォを激怒させた。ラウダとエンツォには決定的な溝ができた。
さらに、ラウダが事故で戦列を離れた際、フェラーリはさっさとカルロス・ロイテマンと契約を結んでしまった。ラウダが戻ったことで、チームからはじき出されたのは、ラウダの理解者であったクレイ・レガッツォーニ（ヒゲの人よ）だった。
チームは見せつけのようにしてロイテマンをナンバーワン待遇とした。また、ロイテマンもラウダに対しては冷淡だったようで、ラウダはロイテマンを「氷のよう」と称している。まあ、チームの方針に従っただけかもしれないが。
ちなみにロイテマンは引退後にアルゼンチン政界に進出し、大統領候補にまでなる人物だが、1981年にネルソン・ピケと争いに僅差で敗れ、チャンピオンを撮り損ねている。その際、ピケが乗っていたのは、ロイテマンが違約金を払ってまでフェラーリに移籍した時の元のチーム、ブラバムだったのは実に皮肉であった。
Ferrari 312T2(1977)
さて1977年に戻ろう。
チーム内で冷遇されたラウダだが、鬼気迫る走りを見せる。76年の事故前ほどの爆発的な速さはないが、常に上位でフィニッシュし、ポイントを積み重ねて行った。そして残り2戦を残してラウダは2度目のタイトルを獲得した。圧勝である。
そしてラウダは、翌年のブラバムへの移籍を発表し、残りレースを欠場した。
ラウダはエンツォに対し「ただあなたのチームで走りたくないだけだ」と三行半を突きつけて去った。フェラーリの長い歴史の中でも、ここまで強烈な去り際はない。
この1977年の残り2戦、ラウダの代わりにエントリーしたのが、同年マクラーレンからデビューしていたジル・ヴィルヌーブだった。後に伝説のドライバー、タツィオ・ヌヴォラーリの再来としてエンツォの寵愛を受けることになるドライバーである。ラウダの代わりとして、ジルがフェラーリに加入したというのが、また凄い巡り合わせである。
だが、ジルは富士での日本グランプリでロニー・ペテルソンと絡んで宙を舞ってコースアウトし、立ち入り禁止区域にいた観客を巻き込んでしまった。この死亡事故の影響もあって日本グランプリは翌年以降の開催が取りやめとなってしまった。
一方、ジルをマクラーレンに推薦したのは、映画のもう1人の主役、ジェームス・ハントである。
実はハントとジルは、ハントがチャンピオンとなった1976年に、フォーミュラ・アトランティックのレースを戦っていた。そこで、ジルがハントを抑えて優勝していたのだ。これまたすごい因果である。
そのハントはというと、チャンピオンとして臨んだ1977年シーズンは苦しんだ。フィッティパルディとハントをチャンピオンへ導いた名車M23の後継として開発したM26が失敗作だったのだ。
それでも、6ポール3勝を上げてチャンプの面目を保った。前年3位でチャンピオンを決めた富士でも、難しいレースを優勝で飾った。しかし、先述の死亡事故への配慮から、表彰台には登らなかった。
McLaren M26
うああ、止まらない！
かようにしてこの時代のF-1は、極めて巨大なビジネスと化した現代とは異なり、濃密な人間ドラマが絡んでいた。このままラウダ、ハント、ヴィルヌーヴ、ペテルソンなんてどんどん掘り下げていくと大変なことになりそうだからこの辺にしつつ。
じゃあ、現代は？
現代F-1だって、安全性は大きく改善されたとは言え、命をかけてレースしていることに変わりはない。当然濃密な人間ドラマは絶えず起こっている。近いうちに、現代のF-1人間ドラマについても掘り下げてみたいと思っている。
nobilesの投稿(23:53:48-2014-03-13) -
カテゴリ: Formula-One
コメント
No comments yet
コメントを追加
トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)TrackBack URL
DISALLOWED (TrackBack)
メインページ
Calendar
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
NewEntries
最新COMMENTS
■20-07-11 21:47>ああ、あのeh
■20-07-10 01:07>そうです、予
■20-07-09 22:36>あっ、ショー
■20-07-06 07:27>50-34のチェ�
■18-01-05 00:53>おやこれはぱ
■18-01-04 23:56>手出しちゃっ
■15-07-27 23:21>おっと、今か
■15-07-22 11:40>良質な小説読
■15-02-21 09:29>おや、どなた
■15-02-20 08:05>ほー、勉強に
カテゴリ
- All
- Bicycle
- Breast Cancer
- Change Job
- Formula-One
- Gourmet
- Injury
- Mac
- Main
- Monaco
- Music
- Peugeot
- Photo
- Travel
Archives
My Links
NOBILES Web検索
プロフィール
RSS対応
RSS v2.0
RSS v0.91
RSS v1.0
管理
管理室へ携帯用ブログ
携帯用URL