NOBILES Days
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6月に入ってから、またドッカンドッカンと仕事が忙しかった。考えてみるとこれが6月最初のエントリーだね。
いやまあ、ブログ本文を執筆してるのは通勤電車の中なんで、実はネタはたくさん溜まってるんだけど、それをアップする元気がないのよね、仕事から帰ってくると。
世の中すっかり梅雨でございますね
(Panasonic DMC-GM5, LUMIX G VARIO 12-32/F3.5-5.6(17.0mm), 1/1300sec, F4.1, ISO200)
なんで忙しいかというと、3月の終わり頃までさかのぼって語る必要がある。
自社の恥を晒すようだが、別部署主幹の例の自転車操業プロジェクトは、案の定、最後の最後に破綻を来した。そう、それが3月末だ。
結局、期間を延長し、メンバーをほとんど入れ替えて立て直すことになった。元々のプロジェクトリーダーは、「健康問題」を理由に、ほとんど実務のない「アドバイザー」に退いた。ピンピンしてっけどな。しかも、副部長という肩書きはそのままだ。えっと、「責任」ってなんですか？
え？俺？
俺はなぜか残った。しかも、統括チーム的なところに入ってしまった。多分、前プロジェクトリーダーの次に全体を把握してしまっているからだ。というか、ムチャぶりが得意技である、前プロジェクトリーダーが、解任前にそう決めたらしい。重たい置き土産だなー。言っておくけど、門外漢だからね、俺。
ま、お仕事ですからね。いろいろ思うところがあっても、俺は別の部署から1人で参画してるので、ある意味では部署の威信を背負ってしまってるわけだし。前体制の時代から、ムチャぶりに対しても、必死に対応してきたつもりだ。
そんな状況の時に、俺の席から1列挟んだ向かいの席...そこはそのプロジェクトとはおよそ関係のない部署なのだが、そこにプロジェクトで一緒だった女性が引っ越してきていた。どうやらそこの部署に異動したらしい。件（くだん）のプロジェクトからは完全に離れることになったそうだ。
異動とは言っても、かなり長くこの会社にいる人なので、異動先の人達とも顔馴染みのようで、なんだかキャッキャと楽しそうに話していた。
「なんだかSちゃん、今日はノリノリだねー！」
...そりゃそうだろうね。
会話を聞いて俺はダークな気分になった。
彼女は自転車操業プロジェクトでは、最も遅れているパートの担当だった。
いやまあ、遅れたこと自体は彼女の責任だけとは言い難いが、少なくとも「この状況をなんとかしよう」という覚悟とか気概はなく、それどころか末期には、質問などがきても「そんなの私が分かるわけないだろ！って感じですよ」なんてヤサグレていた。要するに、このプロジェクトに完全に嫌気がさしていたようなのだ。
それだけに、この泥舟から脱出して、新たな部署で再スタートできるのは、嬉しくてしょうがないことだろう。
だが、そうやってヤサグレたままやり遂げずに他へ移ってしまうことは、本人にとって何の成長にもならない（俺も5年半ほど前にエスケープしたけどな (^_^;）。つい最近まで実質年功序列に近かったこの会社に長年いながら、まだほぼぺーぺーの立場に留まっていることは、彼女の姿勢をまさに立場が表している。
さて新体制はというと、かなりマトモになった。
新しいプロジェクトリーダーはほぼ同年代だが、見た目はもっと若く見える快活な人だ。腹出てないし（きっと自らを律することのできる人だ）、ミサンガとか巻いてる。しかも人心掌握が上手い。同年代の俺にはドラゴンボールやドラゴンクエストの話題を突っ込んでくるし、厳しいところはキュッと厳しく、相談すれば建設的に話を聞く。
え？前のリーダーはどうだったか？
ほとんど世間話した記憶がない。だから何を考えているのか、ずっとよく分からなかった。指示の仕方も、もっともらしいことを言っているようでいて、ふわふわとして具体的ではなかった。なんとか自分で解釈を組み立てて文書に表して相談しに行くと、一瞥して「あ、いいんじゃないですか」という感じで、見たんだかどうかも怪しい返答しかしなかった。
一般論として、日程について時には建前を言うのもリーダーの役割だろう。でもそれは客だったり、上の人間に対してのものじゃないだろうか。周囲には、たとえできていなくても「ここまで予定通り」としておいて、内部に対してはリカバリー策を講じ、デッドラインまでに帳尻を合わせていくものだろう。ところが、前リーダーは、プロジェクト内部の人間にも建前しか言わなかった。何か相談しても「別途打ち合わせましょう」...その後、音沙汰なしってパターンで。
段取りも何もなかった。目の前にバラ撒かれたタスクを拾っては食い、途中で放棄し、また新たにバラ撒かれたタスクに移る、という感じで、少し先の予定すらまともに見えなかった。
「ちょっと、お時間よろしいですか？」
ある日、数少ない前体制からの「生き残り組（取り残され組？）」の若手が俺のところにやってきた。まだ3年目で、身体は180cm近い大柄だが、色白で、少年のようなあどけない顔をした男性だ。
彼自身も前体制ではかなり動きづらさを感じていたようで、一時期は精神的にやられて体調を崩していたことまである。新体制では、新プロジェクトリーダーの席近くになり、結構細かく話しているようだ。
そんな彼が俺に対して話を始めた。
「実はですね、今プロジェクトを進めるにあたり、あるべきドキュメントがないよね、と◯◯さん（新リーダー）と話してまして。これを作りましょうと。でも□□さん（俺）に丸投げしてしまったらご負担が増えてしまいますよね。だから、主担当は△△さん（前リーダー）にお願いしようかと。」
...おおう、これまたウルトラCな感じだな。
でも、全体像を一番把握しているのは前リーダーであるのは間違いないだろうし、彼の上司である部長からも作業するよう指示も下ったらしい。それでもあのクセモノが、素直に引き受けるか一抹の不安はあったが、彼の心意気が嬉しかった。
さらに彼が続ける。
「前はずっとお一人で...僕も指示を聞いていて『ムチャ振りだなー』と思いながら、何もしてあげられなくて。ずっと申し訳ないと思ってたんです。今後は、どんなことでも相談して下さっていいんで！」
...
なんって出来たコなんでしょ！
俺が3年目の頃なんてどうだったよ？メタクソでしたよ。仕事の責任持たない、周囲が見えてない、自覚がない。いやまあ、40過ぎてもそういう奴が近くにいるけど。
いやほんと、彼の気持ちには涙出そうになったよ。
そんなわけで、新旧リーダーを交えて打ち合わせを行った。
3年目の彼が概要を説明したところ、前リーダーは「これの目的は〜〜だから、これとこれが必要になると思う」などと饒舌に話し始めた。
ところが3年目の彼が「これを、ぜひ△△さんの主導で作成いただきたいと...」と言った途端、前リーダーは歪んだ笑顔になり、こう言った。
「いや、だから、私はこの方面は全然分かんないんで。□□さん（俺）にお任せしてたんで！」
その場にいた全員目が点になった。
ってか、俺かよーー！
じゃあ俺が作ったものレビューしてたのは誰だよ。このプロジェクトを統括してたのは誰だ。
それからしばらく、やってくれんか、いや分からんから、なんていう問答を繰り返したが、時間のムダという結論に至った。結局その業務は俺や3年目の彼、経験豊富な協力会社社員のチームでこなすことになった。
その後も何度か、前リーダーには上司である部長直々の指示も含めて業務の依頼をしたが、ことごとく「知らぬ存ぜぬ」で何も引き受けようとはしなかった。
本当にがっかりだが、あそこまで責任感がない人とはさすがに思えない。このプロジェクトのことに関しては心を閉ざす、一種の鬱のようになっているのかもしれない。
さてその後も、紐解けば紐解くほどに、このプロジェクトの闇が明らかになってきている。はっきり言えば「何もできていなかった」のだ。「これくらいで立て直せるだろう」と引いたラインはことごとく裏切られ、見通しも立たない。
前体制からいた身としては何とも忸怩たる思いがある。ただ、一方で体制に残ったということは、自分の働きがムダでなかったことの証明を果たす場が用意されたとも思っている。
ま、辛いところだけど、現リーダーいうところの「ボーナスステージ」（←スーパーマリオネタ）だと思ってがっつりお仕事しましょうかね。
いやまあ、ブログ本文を執筆してるのは通勤電車の中なんで、実はネタはたくさん溜まってるんだけど、それをアップする元気がないのよね、仕事から帰ってくると。
世の中すっかり梅雨でございますね
(Panasonic DMC-GM5, LUMIX G VARIO 12-32/F3.5-5.6(17.0mm), 1/1300sec, F4.1, ISO200)
なんで忙しいかというと、3月の終わり頃までさかのぼって語る必要がある。
自社の恥を晒すようだが、別部署主幹の例の自転車操業プロジェクトは、案の定、最後の最後に破綻を来した。そう、それが3月末だ。
結局、期間を延長し、メンバーをほとんど入れ替えて立て直すことになった。元々のプロジェクトリーダーは、「健康問題」を理由に、ほとんど実務のない「アドバイザー」に退いた。ピンピンしてっけどな。しかも、副部長という肩書きはそのままだ。えっと、「責任」ってなんですか？
え？俺？
俺はなぜか残った。しかも、統括チーム的なところに入ってしまった。多分、前プロジェクトリーダーの次に全体を把握してしまっているからだ。というか、ムチャぶりが得意技である、前プロジェクトリーダーが、解任前にそう決めたらしい。重たい置き土産だなー。言っておくけど、門外漢だからね、俺。
ま、お仕事ですからね。いろいろ思うところがあっても、俺は別の部署から1人で参画してるので、ある意味では部署の威信を背負ってしまってるわけだし。前体制の時代から、ムチャぶりに対しても、必死に対応してきたつもりだ。
そんな状況の時に、俺の席から1列挟んだ向かいの席...そこはそのプロジェクトとはおよそ関係のない部署なのだが、そこにプロジェクトで一緒だった女性が引っ越してきていた。どうやらそこの部署に異動したらしい。件（くだん）のプロジェクトからは完全に離れることになったそうだ。
異動とは言っても、かなり長くこの会社にいる人なので、異動先の人達とも顔馴染みのようで、なんだかキャッキャと楽しそうに話していた。
「なんだかSちゃん、今日はノリノリだねー！」
...そりゃそうだろうね。
会話を聞いて俺はダークな気分になった。
彼女は自転車操業プロジェクトでは、最も遅れているパートの担当だった。
いやまあ、遅れたこと自体は彼女の責任だけとは言い難いが、少なくとも「この状況をなんとかしよう」という覚悟とか気概はなく、それどころか末期には、質問などがきても「そんなの私が分かるわけないだろ！って感じですよ」なんてヤサグレていた。要するに、このプロジェクトに完全に嫌気がさしていたようなのだ。
それだけに、この泥舟から脱出して、新たな部署で再スタートできるのは、嬉しくてしょうがないことだろう。
だが、そうやってヤサグレたままやり遂げずに他へ移ってしまうことは、本人にとって何の成長にもならない（俺も5年半ほど前にエスケープしたけどな (^_^;）。つい最近まで実質年功序列に近かったこの会社に長年いながら、まだほぼぺーぺーの立場に留まっていることは、彼女の姿勢をまさに立場が表している。
さて新体制はというと、かなりマトモになった。
新しいプロジェクトリーダーはほぼ同年代だが、見た目はもっと若く見える快活な人だ。腹出てないし（きっと自らを律することのできる人だ）、ミサンガとか巻いてる。しかも人心掌握が上手い。同年代の俺にはドラゴンボールやドラゴンクエストの話題を突っ込んでくるし、厳しいところはキュッと厳しく、相談すれば建設的に話を聞く。
え？前のリーダーはどうだったか？
ほとんど世間話した記憶がない。だから何を考えているのか、ずっとよく分からなかった。指示の仕方も、もっともらしいことを言っているようでいて、ふわふわとして具体的ではなかった。なんとか自分で解釈を組み立てて文書に表して相談しに行くと、一瞥して「あ、いいんじゃないですか」という感じで、見たんだかどうかも怪しい返答しかしなかった。
一般論として、日程について時には建前を言うのもリーダーの役割だろう。でもそれは客だったり、上の人間に対してのものじゃないだろうか。周囲には、たとえできていなくても「ここまで予定通り」としておいて、内部に対してはリカバリー策を講じ、デッドラインまでに帳尻を合わせていくものだろう。ところが、前リーダーは、プロジェクト内部の人間にも建前しか言わなかった。何か相談しても「別途打ち合わせましょう」...その後、音沙汰なしってパターンで。
段取りも何もなかった。目の前にバラ撒かれたタスクを拾っては食い、途中で放棄し、また新たにバラ撒かれたタスクに移る、という感じで、少し先の予定すらまともに見えなかった。
「ちょっと、お時間よろしいですか？」
ある日、数少ない前体制からの「生き残り組（取り残され組？）」の若手が俺のところにやってきた。まだ3年目で、身体は180cm近い大柄だが、色白で、少年のようなあどけない顔をした男性だ。
彼自身も前体制ではかなり動きづらさを感じていたようで、一時期は精神的にやられて体調を崩していたことまである。新体制では、新プロジェクトリーダーの席近くになり、結構細かく話しているようだ。
そんな彼が俺に対して話を始めた。
「実はですね、今プロジェクトを進めるにあたり、あるべきドキュメントがないよね、と◯◯さん（新リーダー）と話してまして。これを作りましょうと。でも□□さん（俺）に丸投げしてしまったらご負担が増えてしまいますよね。だから、主担当は△△さん（前リーダー）にお願いしようかと。」
...おおう、これまたウルトラCな感じだな。
でも、全体像を一番把握しているのは前リーダーであるのは間違いないだろうし、彼の上司である部長からも作業するよう指示も下ったらしい。それでもあのクセモノが、素直に引き受けるか一抹の不安はあったが、彼の心意気が嬉しかった。
さらに彼が続ける。
「前はずっとお一人で...僕も指示を聞いていて『ムチャ振りだなー』と思いながら、何もしてあげられなくて。ずっと申し訳ないと思ってたんです。今後は、どんなことでも相談して下さっていいんで！」
...
なんって出来たコなんでしょ！
俺が3年目の頃なんてどうだったよ？メタクソでしたよ。仕事の責任持たない、周囲が見えてない、自覚がない。いやまあ、40過ぎてもそういう奴が近くにいるけど。
いやほんと、彼の気持ちには涙出そうになったよ。
そんなわけで、新旧リーダーを交えて打ち合わせを行った。
3年目の彼が概要を説明したところ、前リーダーは「これの目的は〜〜だから、これとこれが必要になると思う」などと饒舌に話し始めた。
ところが3年目の彼が「これを、ぜひ△△さんの主導で作成いただきたいと...」と言った途端、前リーダーは歪んだ笑顔になり、こう言った。
「いや、だから、私はこの方面は全然分かんないんで。□□さん（俺）にお任せしてたんで！」
その場にいた全員目が点になった。
ってか、俺かよーー！
じゃあ俺が作ったものレビューしてたのは誰だよ。このプロジェクトを統括してたのは誰だ。
それからしばらく、やってくれんか、いや分からんから、なんていう問答を繰り返したが、時間のムダという結論に至った。結局その業務は俺や3年目の彼、経験豊富な協力会社社員のチームでこなすことになった。
その後も何度か、前リーダーには上司である部長直々の指示も含めて業務の依頼をしたが、ことごとく「知らぬ存ぜぬ」で何も引き受けようとはしなかった。
本当にがっかりだが、あそこまで責任感がない人とはさすがに思えない。このプロジェクトのことに関しては心を閉ざす、一種の鬱のようになっているのかもしれない。
さてその後も、紐解けば紐解くほどに、このプロジェクトの闇が明らかになってきている。はっきり言えば「何もできていなかった」のだ。「これくらいで立て直せるだろう」と引いたラインはことごとく裏切られ、見通しも立たない。
前体制からいた身としては何とも忸怩たる思いがある。ただ、一方で体制に残ったということは、自分の働きがムダでなかったことの証明を果たす場が用意されたとも思っている。
ま、辛いところだけど、現リーダーいうところの「ボーナスステージ」（←スーパーマリオネタ）だと思ってがっつりお仕事しましょうかね。
nobilesの投稿(23:52:37-2015-06-25) -
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