NOBILES Days
Jump to navigationA Beautiful Storm
年末最後の勤務日に、デスクの整理をしながら「あー、去年の年末、あの仕事大変だったな」なんて思い出していた。
その大変な仕事...2年前だった。なんてこった。時間の流れが2倍になってるんか！
さて、全日本フィギュアが終わったところで、今俺がぞっこんになっている紀平梨花選手について冷静に（勝手に）考察したい。
Rika Kihira
昨今、彼女は「フィギュア界のニューヒロイン」として、言ってみればアイドル的な報道のされ方をしているが、客観的事実として、実力的にも彼女は「日本フィギュア界の希望の星」と言える。
先日の全日本フィギュアスケート選手権の女子ソロの大混戦の中で、紀平は僅差で坂本花織に敗れ2位となった。
だが紀平は寿命間近の靴の状態に苦しんでいた。仮定の話になるが、もし靴が万全で、ミスのない演技をしていれば、20〜30点積み増しできていたはずで、圧倒的な点数で優勝するポテンシャルを持っていた。
紀平のトリプルアクセルは、審判の教育ビデオで「トリプルアクセルのお手本」として採用されるほど美しいもので、出来栄え点（GOE）でも大きく加点を得られる。
加えて、彼女は苦手とするジャンプが少ない。どのジャンプも高い完成度を誇っている。
浅田真央は、日本が生んだ世界的なスターフィギュアスケーターであり、ソチオリンピックで見せたフリーの演技は感動を与える素晴らしいものであったことは誰も否定しまい。
技術的に見ればあの演技は、女子選手として初めて「6種類のトリプルジャンプを全て着氷した」ものだったが、実は回転不足やエッジエラーによる取りこぼしがあったので公式記録としては成功と認められていない。浅田は総合力の高い素晴らしいスケーターだったが、実はルッツ、サルコウといったジャンプを苦手としていた。
では、女子で6種類のトリプルジャンプ全てを公式記録として成功させた人はいるのか...？
...いる。
そう、2016年9月、スロベニアで行われたジュニアGPでの紀平梨花である。回転不足もエッジエラーもない、完璧な成功だった。
つまり、紀平は14歳の時点でジャンプの技術ではあの浅田を凌駕するレベルに達していた。この2018-2019シーズンになって急に出てきたシンデレラ的な受け止め方もあるようだが、2年前から凄まじい実績を上げてきたのだ。
ここから述べることは、俺も最近の報道で知ったことだが、紀平は極めて高いレベルの身体管理を行っている。
その体脂肪率は女子でありながらわずか6%だといい（男性である俺でも8%だ←ちょっと自慢）、腹筋や上腕二頭筋などはボディビルダーのように鍛え上げられている。
「甘いものが欲しくなったら、チョコ1粒だけ、とことん味わって食べます」
完全に禁止したら絶対リバウンドがくる。だから、管理の範囲内で甘いものも許す。俺が40間近になってようやくたどり着いた境地に、彼女はあの年齢で到達していた！
俺はこのエピソードを聞いて彼女へのリスペクトが止まらなくなった。
また、スケートの技術的な練習も、ただがむしゃらに「努力」するのではなく、目的に向けて整然と計画を立て、自分の身体と相談しながら実施しているという。クレバーな現代的アスリートでもある。
加えてこの2018-2019シーズンのフリー演目である「A Beautiful Storm」はどうだ。複雑な振り付けを軽やかにこなし、「地球の誕生」を表現した壮大なテーマを演じきり、オリンピックチャンピオンであるアリーナ・ザギトワを撃破した。昨年までの驚異的な技術点だけでなく、演技構成点の面でも世界トップクラスに躍り出たといって間違いない。
一方、全日本選手権と時を同じくして開催されたロシア選手権は事件的な結果になった。
オリンピックチャンピオンのザギトワが5位に惨敗し、14〜15歳のジュニア世代が表彰台を独占したのだ。特に、1位と2位を分け合った14歳のシェルバコワとトゥルソワは、4回転のルッツ（アクセルの次に難易度が高い）にも成功している。驚くべきことだ。クアッドルッツは、あの宇野昌磨さえまだ試合で飛んだことはない。
しかし、フィギュアスケートはジャンプだけでは勝てない。現に、全日本覇者の坂本の得点と、ロシア覇者のシェルバコワの得点はほとんど差がない。ちなみに彼女たちの点数は、宇野以外ミスが相次いだ全日本男子で4位に食い込む点数だ（男子／女子、日本／ロシアを比べることにどれだけ意味があるかはともかく）。ただ、ロシアのジュニア勢には大いに伸びしろがあるのも事実だ。だが、紀平にも伸びしろがまだまだある。練習では4回転ジャンプも着氷しているというし、あの身体能力をもってすれば表現はさらに広がって演技構成点も伸ばせるだろう。
紀平ちゃんの今後の活躍がますます楽しみだ。早く世界選手権を見たい。
その大変な仕事...2年前だった。なんてこった。時間の流れが2倍になってるんか！
さて、全日本フィギュアが終わったところで、今俺がぞっこんになっている紀平梨花選手について冷静に（勝手に）考察したい。
Rika Kihira
昨今、彼女は「フィギュア界のニューヒロイン」として、言ってみればアイドル的な報道のされ方をしているが、客観的事実として、実力的にも彼女は「日本フィギュア界の希望の星」と言える。
先日の全日本フィギュアスケート選手権の女子ソロの大混戦の中で、紀平は僅差で坂本花織に敗れ2位となった。
だが紀平は寿命間近の靴の状態に苦しんでいた。仮定の話になるが、もし靴が万全で、ミスのない演技をしていれば、20〜30点積み増しできていたはずで、圧倒的な点数で優勝するポテンシャルを持っていた。
紀平のトリプルアクセルは、審判の教育ビデオで「トリプルアクセルのお手本」として採用されるほど美しいもので、出来栄え点（GOE）でも大きく加点を得られる。
加えて、彼女は苦手とするジャンプが少ない。どのジャンプも高い完成度を誇っている。
浅田真央は、日本が生んだ世界的なスターフィギュアスケーターであり、ソチオリンピックで見せたフリーの演技は感動を与える素晴らしいものであったことは誰も否定しまい。
技術的に見ればあの演技は、女子選手として初めて「6種類のトリプルジャンプを全て着氷した」ものだったが、実は回転不足やエッジエラーによる取りこぼしがあったので公式記録としては成功と認められていない。浅田は総合力の高い素晴らしいスケーターだったが、実はルッツ、サルコウといったジャンプを苦手としていた。
では、女子で6種類のトリプルジャンプ全てを公式記録として成功させた人はいるのか...？
...いる。
そう、2016年9月、スロベニアで行われたジュニアGPでの紀平梨花である。回転不足もエッジエラーもない、完璧な成功だった。
つまり、紀平は14歳の時点でジャンプの技術ではあの浅田を凌駕するレベルに達していた。この2018-2019シーズンになって急に出てきたシンデレラ的な受け止め方もあるようだが、2年前から凄まじい実績を上げてきたのだ。
ここから述べることは、俺も最近の報道で知ったことだが、紀平は極めて高いレベルの身体管理を行っている。
その体脂肪率は女子でありながらわずか6%だといい（男性である俺でも8%だ←ちょっと自慢）、腹筋や上腕二頭筋などはボディビルダーのように鍛え上げられている。
「甘いものが欲しくなったら、チョコ1粒だけ、とことん味わって食べます」
完全に禁止したら絶対リバウンドがくる。だから、管理の範囲内で甘いものも許す。俺が40間近になってようやくたどり着いた境地に、彼女はあの年齢で到達していた！
俺はこのエピソードを聞いて彼女へのリスペクトが止まらなくなった。
また、スケートの技術的な練習も、ただがむしゃらに「努力」するのではなく、目的に向けて整然と計画を立て、自分の身体と相談しながら実施しているという。クレバーな現代的アスリートでもある。
加えてこの2018-2019シーズンのフリー演目である「A Beautiful Storm」はどうだ。複雑な振り付けを軽やかにこなし、「地球の誕生」を表現した壮大なテーマを演じきり、オリンピックチャンピオンであるアリーナ・ザギトワを撃破した。昨年までの驚異的な技術点だけでなく、演技構成点の面でも世界トップクラスに躍り出たといって間違いない。
一方、全日本選手権と時を同じくして開催されたロシア選手権は事件的な結果になった。
オリンピックチャンピオンのザギトワが5位に惨敗し、14〜15歳のジュニア世代が表彰台を独占したのだ。特に、1位と2位を分け合った14歳のシェルバコワとトゥルソワは、4回転のルッツ（アクセルの次に難易度が高い）にも成功している。驚くべきことだ。クアッドルッツは、あの宇野昌磨さえまだ試合で飛んだことはない。
しかし、フィギュアスケートはジャンプだけでは勝てない。現に、全日本覇者の坂本の得点と、ロシア覇者のシェルバコワの得点はほとんど差がない。ちなみに彼女たちの点数は、宇野以外ミスが相次いだ全日本男子で4位に食い込む点数だ（男子／女子、日本／ロシアを比べることにどれだけ意味があるかはともかく）。ただ、ロシアのジュニア勢には大いに伸びしろがあるのも事実だ。だが、紀平にも伸びしろがまだまだある。練習では4回転ジャンプも着氷しているというし、あの身体能力をもってすれば表現はさらに広がって演技構成点も伸ばせるだろう。
紀平ちゃんの今後の活躍がますます楽しみだ。早く世界選手権を見たい。
nobilesの投稿(21:40:52-2018-12-30) -
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