NOBILES Days

Headphone Junkie II

Sony MDR-CD3000
(PentaxK10D, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 1/50sec, F2.8, ISO200)

俺がヘッドフォンジャンキーへの道に入ったのはいつだったろうか。


少なくとも....生まれて初めて持ったポータブルカセットプレーヤ（父が景品でもらってきた）のヘッドフォンがすぐに断線し、電気屋でインナーイヤーヘッドフォンを買ったあの中学1年の頃から、「別売りのヘッドフォンを使う」という行為に何の違和感も感じていなかった。

高校に入った俺は満員電車での通学時間を存分に楽しむためにカセットウォークマン、CDウォークマンを新調した（これも割とこだわって買ったのだが、また別の機会にしよう）。それと同時に、付属ヘッドフォンのプラスチッキーなちゃちさが我慢ならなくなっていた。


そんな高校2年の冬。それまでのインナーイヤーヘッドフォンとはスタイルからして一線を画すヘッドフォンが登場した。
Sony MDR-E888
SONY NUDE MDR-E888
(Panasonic DMC-FZ10(23.5mm=equiv141mm), ProgramMode, 1/60sec, F2.8, ISO100)


定価、（当時の感覚としては）堂々の8000円。しかし、このスタイリング。「理想の振動板バイオセルロース振動板」。「ソニーの技術力を結集しました」。これらの謳い文句に若き俺の心は踊り、衝動買いを止めることは不可能だった。

その後MDR-E888はほぼ10年に渡って俺のメインポータブルヘッドフォンであり続けた。もっともその間に何度も断線して現存しているのは6本目だか8本目だか... (′Д`;。
E888は良くできたインナーイヤーだったと思う。自然で楽なつけ心地は今を持って最強だと思うし、付属品程度と比べれば明らかに音場も音質も一クラス上だった。当時の俺には衝撃的だった。
現に、発売から13年（多分）経過しても歴然としてラインナップに現役で存在しているのだから名作だと言っても良いと思う。インナーイヤータイプとしては。


しかしE888の音質に触れてしまった俺の物欲はもう止まらない。それから間もなかったと思う。どうやって金を工面したかも怪しいが、俺はオーバーヘッドのヘッドフォンに手を出したのだ。

Sony MDR-CD1000
SONY MDR-CD1000（拡大なし）
(Ricoh RDC-7S(16.0mm), ProgramMode, 1/13sec, F3.4)

この巨大なハウジング。見るからにただ者ではない。定価30000円の大物にいきなりジャンプしてしまったのである。あほである。凡そ高校生が手を出すものではない。

このCD1000の振動板はE888と同じバイオセルロースだった。ガキな俺はE888に感動してバイオセルロースこそ最強の振動板だと信じて疑っていなかったのだ。だから他のメーカーの選択肢などなかった。
でも、音質は確かに良かった。オーバーヘッドの余裕が生み出す広い音場感。インナーイヤーとは桁違いのボリュームの低音。
だが、CD1000のハウジングは安っぽいプラスチックだった。しかも、気温によってなのだろうか、日によってはこのハウジングにビビりが発生していたものだ。


時は流れ、俺も社会人となり、それなりに自由なお金もできた。その頃ハマったのがネットオークションである。一時期の俺はそれこそネットオークションシンドロームだった。
そんな時、うっかりシンセの上に置いておいたCD1000を落っことしてしまい、ハウジングを割ってしまった。で、衝動的にオークションで買ってしまったのが、未だにうちのヘッドフォンで最強となる、トビラの写真にもなっているこいつだ。

Sony MDR-CD3000
SONY MDR-CD3000
(PentaxK10D, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 1/50sec, F10.0, ISO200, Flashfired)

定価5万円。CD1000と同じバイオセルロース振動板。それでいて、なんとセラミックのハウジング！未だにSONY最高の名作と言われているヘッドフォンだ。
俺はちょうど生産中止の前に買ったので3万ちょいだったが、今ではオークションでも4万5千程度で取引されているようだ。
はっきり言って、CD3000のレベルは違う。iPodで160kbpsのAACなどの圧縮音源を聴くと、粗が目立ってとても楽しく聴けたものではない。CDで聴かなければその実力を引き出せないレベルなのだ。
前編で、E4cで聴くと楽器レベルで分離できると書いたが、CD3000で聴くと、分離された上で、まるで楽器の形が浮かんでくるほどリアリティが漂う定位をするのだ。
逆に、この凄さについては、E4cを買うまでは気づかなかった。いやはや名器といわれることだけはある。


それでもポータブルではE888シバリだった俺だが、さすがに飽きが来ていた。で、耳掛けヘッドフォンに手を出している。

AudioTechnica ATH-EW9
AudioTechnica ATH-EW9
(Panasonic DMC-FZ10(23.5mm=equiv141mm), ProgramMode, 1/60sec, F2.8, ISO100)

アサダ桜の木製ハウジング。もうそれだけでクラクラだった。かなり衝動的に購入している。

だが、結局は耳掛けレベルだった。抜けまくる低音。定まらない定位。モサモサまくりのブラスセクション。総合点ではE888の方が上だったかもしれない。
ただ、ボーカルの艶とか、サックスの色っぽさではなかなか良い味を出していた。でも、少なくとも万能ヘッドフォンではなかった。


で、ハウジングの重いEW9は、コードの分岐部分に負担がかかり、1年未満で断線した。それを機に思わず発売したばかりで話題だったShure E4cに手を出してしまい、前編の状況に至るわけである。

でも、世の中にはもっと凄いジャンキーがいる。
http://www.geocities.jp/ryumatsuba/top01.html
↑これは個人でやってるサイトである。一体いくらヘッドフォンにかけているのか。俺レベルでも理解に苦しむ。
nobilesの投稿(00:43:29-2006-09-07) - カテゴリ: Music

コメント

たろう wrote:

うわっ、これは凄い！！！
ヘッドフォンについてはまだまだ若輩もの
ですので、私もこれから自分にとっての
究極を探していきます。
2006-09-07 12:04:03

nobiles wrote:

いえいえ、俺なんてヘッドフォンジャンキーとか名乗りながら、まだヘッドフォンアンプも持ってないですから（って買うのかよ！？）
2006-09-07 23:42:30

かじ wrote:

相変わらずの懲りっぷりですな。
マニアックすぎてよくわからん。。。（笑）
2006-09-09 15:24:44

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