NOBILES Days
Jump to navigationNew Generation Cameras vol.7
ここ数日、ビデオ作品の制作に忙しくしていて、ここの更新もSNSの呟きも停止していた。今週末に式を挙げる友人の披露宴で余興として流すビデオだ。何しろ俺たちに余興の依頼がかかったのはちょうど2週間前となる土曜だった。間に土日が1回しかないということは、ほとんどの作業が平日の夜に時間を削って取り組むことになる。
しかもこんな時に限って、騙し騙し使ってきた、MacProのビデオカードの調子が一気に悪くなり、1時間に1回くらいは表示が止まるというクソッタレな状態に陥った。そうなると、Macを再起動させるしか回復の方法はない。これで作業効率は著しく下がった。さすがに厳しかった。
それでも、懐かしいリズミカルな曲に載せて、ギャグも交えながら、バッチリなストーリー展開のプロモーションビデオになったと自負している。
土曜は楽しみたい。またゴリゴリ撮影しながら料理は完食だ！
そうそう...結局、新しいビデオカード買っちゃったえへへ！
これは先週の写真なので、今行ったらもっと美しくなっていることだろう
(PentaxK-7, PentaxFA43mmLimitedF1.9, 1/50sec, F2.8, ISO250)
そんなわけで、2012下期のカメラトークもそろそろ幕引きしとくか。
○Fujifilm
Fujifilm X-E1
数多のミラーレス陣営の中でも孤高の存在なのがFujifilmだろう。「ミラーレスカメラは小型？ああ！？知るかンなモン！」とでも言わんばかりの長大重厚路線である。それは言い換えると、徹底した画質および操作性重視である。
その初号機X-Pro1は、当blogでも触れたように、極めて独創的で挑戦的な新機軸が満載の、まさに「孤高のカメラ」だった。だが一方であまりにも巨大なボディ、単焦点レンズが3本だけというラインナップなど、完全に「一部のカメラファン」向けの特殊な機種だったのも事実だ。
今回、孤高の存在たる方針自体は変えないものの、多少の歩み寄りと言うか (^_^;、まあXマウントの拡大のため、小型化、簡略化を図ったX-E1と、待望の手振れ補正付きのズームレンズを投入してきた。
E1は、小型化したとは言え、まだまだ他社のミラーレス機とは比べ物にならないくらいでかい。この時点で他社とは狙いが異なるのは明白である。
Pro1から省かれたのは、OVF（光学式）とEVF（電子式）のハイブリットのファインダーだ。非常に独創的で実に面白い機構だったが、何しろ巨大だった。省略は順当だろう。その代わり、業界でもトップクラスの2メガピクセルの有機ELのEVFが搭載された。その見栄えはよくチェックしたいところだ。Pro-1のハイブリッドファインダーは賞賛されたが、EVFモードでの見栄えについてはかなり叩かれたからだ。
撮像素子はX-Pro1と同様のX-Trans C-MOS、すなわちローパスフィルターレスの鮮烈な画質は受け継いでいる。
ある程度の「歩み寄り」が見られたとは言え、このシリーズは依然として「カメラファン」に向けたニッチな製品であることは間違いなく、間違っても販売シェアランキングに登場するとは思えない。しかし、ブレない姿勢は評価したいし、貴重な存在だ。店に行ってFujifilmのミラーレス機を見たら、少しでいいから触ってみることをお勧めする。他社とは比較にならない「質」を実感できることだろう。
○Pentax
Pentax Q10
さて、Pentaxだ。Qは1世代で終わるのでは、というファンの不安を打ち消し、第2世代であるQ10がローンチされた。
Qというシステムはなんとも立ち位置が難しい。ミラーレス機の中でも圧倒的に小さい。しかし、ミラーレス機の特徴である一眼レフなみの大撮像素子ではなく、コンパクトカメラと同等の2.33インチという狭小撮像素子を搭載している。
だから、ミラーレス機のカテゴリーに通常分類されながら、その実態は「レンズ交換可能なコンパクトカメラ」と言っても良い。それなりにちゃんと作った映像エンジンやレンズの力で、素子の割には画質も上質になっているが、単純な性能比較では他社ミラーレスとは勝負にならない。その割に価格は他のミラーレス機に近いし、本体はコンパクトカメラ並のサイズでも、レンズの分、実際の容積は意外とある。
ところが、以前も触れたように、このQを触ると、実に愉しい、他のカメラにはない魅力があることに気づかされる。
Qが巧みだったのは、最近のコンパクトカメラのデザインではなく、往年のフィルムカメラのような温かみのあるデザインとしたことだ。だから、ミニチュアのようなカメラのレンズを交換しながら、パチパチやるだけて、実にユルい、スローライフな気分になってくるのだ。
だからこのカメラで「がっつりこの被写体を撮影したい！」などという意気込みは空回りに終わる。散歩しながらこのカメラの存在自体を楽しむくらいが一番愉しいのではないかと思う。
Q10では、この辺を受け継ぎつつ、もう少しモダンなデザインと、Pentaxの必殺技である＊種類の超豊富なカラーバリエーション展開を盛り込んできた。いわゆる「カメラ女子」には一番似合うカメラなんじゃないかと個人的には思う。
とは言え、一眼レフ向けのレンズを装着すると焦点距離が5.5倍になる狭小素子の特性を逆手に取り、マウントアダプターで一眼用レンズを装着して野鳥撮影というマニアックな楽しみ方も存在する。
なんともニッチでマニアな、それでいてキュートなカメラだ。
そんなわけで、ミラーレス機は先行したOlympus、SONY、Panasonicという3社がやはり充実しているし、シェアにも現れている。
ところが、ここ数ヶ月は一気にそのグラフが詰まってきたようだ。まるで今年のF-1グランプリのようだ。
さまざまなモデルが出て来たことで、大変面白い市場になっていることは間違いない。
だが個人的には、やはり市場を切り開いてきたMicro4/3勢とNEXは完成度とレンズの豊富さで一歩抜けている。ミラーレスより一眼レフを売りたいのがホンネであるCanonやNikonはやはりサブ機的な作り方が目立つ。メインで張るカメラをミラーレスで考えるなら、Micro4/3勢かNEXを選ぶべきだと思う。
ミラーレスに限らずカメラ選びは目的を明確にすることが重要である。
最近特に、人からオススメのカメラを聞かれる。が、狙うレンジや被写体が明確な人はとても薦めやすいが、「なんとなく新しいのが欲しい」という人が困る。そういう人に限ってオススメにことごとくダメだしして、「画質はいい方がいい、望遠も欲しい、でも大きいのはNG、値段も限りなく安く...」なんて注文が目白押しだったりする。そんなカメラは存在しねーよっ！
まず、「カメラがなんとなく欲しい」ではなく、自分が新しいカメラを使う場面を具体的に想像する。
もし毎日カバンに潜ませて持ち歩きたいのであれば、（よほど酔狂でない限り）コンパクトカメラが現実解になる。だがもし、動き回る子どもやペットを撮りたいという明確な目的があるなら、コンパクトのフォーカスでは物足りない。多少サイズは我慢しても一眼レフをオススメした方がいい。
今、コンパクトはこだわらなければ1万円前半で買える。しかし、それらはガリガリにコストカットして作られた「とりあえずスペックだけは満たした」ものに過ぎない。個人的には、それらのカメラに、ケータイのカメラ以上の価値はあまりないと思っている。今あえて専用機としてカメラを買う覚悟を決めたなら、やっぱり、性能もモノとしての質も、ある程度以上の基準のものを買って欲しいと思うし、そうでなければ意味がないと思う。
だから、「予算は2.5万からだな」と聞いてうぇっ？って思うような人はもう、ここ2年くらいのケータイを持っていれば、今使ってるものから買い換える必要はないんじゃないか。
しかもこんな時に限って、騙し騙し使ってきた、MacProのビデオカードの調子が一気に悪くなり、1時間に1回くらいは表示が止まるというクソッタレな状態に陥った。そうなると、Macを再起動させるしか回復の方法はない。これで作業効率は著しく下がった。さすがに厳しかった。
それでも、懐かしいリズミカルな曲に載せて、ギャグも交えながら、バッチリなストーリー展開のプロモーションビデオになったと自負している。
土曜は楽しみたい。またゴリゴリ撮影しながら料理は完食だ！
そうそう...結局、新しいビデオカード買っちゃったえへへ！
これは先週の写真なので、今行ったらもっと美しくなっていることだろう
(PentaxK-7, PentaxFA43mmLimitedF1.9, 1/50sec, F2.8, ISO250)
そんなわけで、2012下期のカメラトークもそろそろ幕引きしとくか。
○Fujifilm
Fujifilm X-E1
数多のミラーレス陣営の中でも孤高の存在なのがFujifilmだろう。「ミラーレスカメラは小型？ああ！？知るかンなモン！」とでも言わんばかりの長大重厚路線である。それは言い換えると、徹底した画質および操作性重視である。
その初号機X-Pro1は、当blogでも触れたように、極めて独創的で挑戦的な新機軸が満載の、まさに「孤高のカメラ」だった。だが一方であまりにも巨大なボディ、単焦点レンズが3本だけというラインナップなど、完全に「一部のカメラファン」向けの特殊な機種だったのも事実だ。
今回、孤高の存在たる方針自体は変えないものの、多少の歩み寄りと言うか (^_^;、まあXマウントの拡大のため、小型化、簡略化を図ったX-E1と、待望の手振れ補正付きのズームレンズを投入してきた。
E1は、小型化したとは言え、まだまだ他社のミラーレス機とは比べ物にならないくらいでかい。この時点で他社とは狙いが異なるのは明白である。
Pro1から省かれたのは、OVF（光学式）とEVF（電子式）のハイブリットのファインダーだ。非常に独創的で実に面白い機構だったが、何しろ巨大だった。省略は順当だろう。その代わり、業界でもトップクラスの2メガピクセルの有機ELのEVFが搭載された。その見栄えはよくチェックしたいところだ。Pro-1のハイブリッドファインダーは賞賛されたが、EVFモードでの見栄えについてはかなり叩かれたからだ。
撮像素子はX-Pro1と同様のX-Trans C-MOS、すなわちローパスフィルターレスの鮮烈な画質は受け継いでいる。
ある程度の「歩み寄り」が見られたとは言え、このシリーズは依然として「カメラファン」に向けたニッチな製品であることは間違いなく、間違っても販売シェアランキングに登場するとは思えない。しかし、ブレない姿勢は評価したいし、貴重な存在だ。店に行ってFujifilmのミラーレス機を見たら、少しでいいから触ってみることをお勧めする。他社とは比較にならない「質」を実感できることだろう。
○Pentax
Pentax Q10
さて、Pentaxだ。Qは1世代で終わるのでは、というファンの不安を打ち消し、第2世代であるQ10がローンチされた。
Qというシステムはなんとも立ち位置が難しい。ミラーレス機の中でも圧倒的に小さい。しかし、ミラーレス機の特徴である一眼レフなみの大撮像素子ではなく、コンパクトカメラと同等の2.33インチという狭小撮像素子を搭載している。
だから、ミラーレス機のカテゴリーに通常分類されながら、その実態は「レンズ交換可能なコンパクトカメラ」と言っても良い。それなりにちゃんと作った映像エンジンやレンズの力で、素子の割には画質も上質になっているが、単純な性能比較では他社ミラーレスとは勝負にならない。その割に価格は他のミラーレス機に近いし、本体はコンパクトカメラ並のサイズでも、レンズの分、実際の容積は意外とある。
ところが、以前も触れたように、このQを触ると、実に愉しい、他のカメラにはない魅力があることに気づかされる。
Qが巧みだったのは、最近のコンパクトカメラのデザインではなく、往年のフィルムカメラのような温かみのあるデザインとしたことだ。だから、ミニチュアのようなカメラのレンズを交換しながら、パチパチやるだけて、実にユルい、スローライフな気分になってくるのだ。
だからこのカメラで「がっつりこの被写体を撮影したい！」などという意気込みは空回りに終わる。散歩しながらこのカメラの存在自体を楽しむくらいが一番愉しいのではないかと思う。
Q10では、この辺を受け継ぎつつ、もう少しモダンなデザインと、Pentaxの必殺技である＊種類の超豊富なカラーバリエーション展開を盛り込んできた。いわゆる「カメラ女子」には一番似合うカメラなんじゃないかと個人的には思う。
とは言え、一眼レフ向けのレンズを装着すると焦点距離が5.5倍になる狭小素子の特性を逆手に取り、マウントアダプターで一眼用レンズを装着して野鳥撮影というマニアックな楽しみ方も存在する。
なんともニッチでマニアな、それでいてキュートなカメラだ。
そんなわけで、ミラーレス機は先行したOlympus、SONY、Panasonicという3社がやはり充実しているし、シェアにも現れている。
ところが、ここ数ヶ月は一気にそのグラフが詰まってきたようだ。まるで今年のF-1グランプリのようだ。
さまざまなモデルが出て来たことで、大変面白い市場になっていることは間違いない。
だが個人的には、やはり市場を切り開いてきたMicro4/3勢とNEXは完成度とレンズの豊富さで一歩抜けている。ミラーレスより一眼レフを売りたいのがホンネであるCanonやNikonはやはりサブ機的な作り方が目立つ。メインで張るカメラをミラーレスで考えるなら、Micro4/3勢かNEXを選ぶべきだと思う。
ミラーレスに限らずカメラ選びは目的を明確にすることが重要である。
最近特に、人からオススメのカメラを聞かれる。が、狙うレンジや被写体が明確な人はとても薦めやすいが、「なんとなく新しいのが欲しい」という人が困る。そういう人に限ってオススメにことごとくダメだしして、「画質はいい方がいい、望遠も欲しい、でも大きいのはNG、値段も限りなく安く...」なんて注文が目白押しだったりする。そんなカメラは存在しねーよっ！
まず、「カメラがなんとなく欲しい」ではなく、自分が新しいカメラを使う場面を具体的に想像する。
もし毎日カバンに潜ませて持ち歩きたいのであれば、（よほど酔狂でない限り）コンパクトカメラが現実解になる。だがもし、動き回る子どもやペットを撮りたいという明確な目的があるなら、コンパクトのフォーカスでは物足りない。多少サイズは我慢しても一眼レフをオススメした方がいい。
今、コンパクトはこだわらなければ1万円前半で買える。しかし、それらはガリガリにコストカットして作られた「とりあえずスペックだけは満たした」ものに過ぎない。個人的には、それらのカメラに、ケータイのカメラ以上の価値はあまりないと思っている。今あえて専用機としてカメラを買う覚悟を決めたなら、やっぱり、性能もモノとしての質も、ある程度以上の基準のものを買って欲しいと思うし、そうでなければ意味がないと思う。
だから、「予算は2.5万からだな」と聞いてうぇっ？って思うような人はもう、ここ2年くらいのケータイを持っていれば、今使ってるものから買い換える必要はないんじゃないか。
nobilesの投稿(23:24:00-2012-11-15) -
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