NOBILES Days
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なぜだか分からないがふと昔のことを思い出した。
で、トビラ写真は全く関係なくて嫁さんが作ってきたシメナワだ。
(PentaxK10D, PentaxFA77mmLimited, ApertureValueMode, 1/6sec, F1.8, ISO100)
...正確に述べるならば、昔持っていたある「アイテム」について思い出したと言うべきか。
それは、自分が今音響メーカーに勤めていることにもつながっていると言えるものだ。
Panasonic RX-DT99（拡大はナシ）
汝の名はPanasonic RX-DT99。いわゆるCDラジカセというやつだ。
記憶では中学生の頃に「そろそろまともなCDラジカセが欲しいよね」と家族で話して買うことになって近くの電気店に行った時のことだ。ちょうど新発売だったこのマシンが店の一番目立つところに置いてあり、その端正な姿に一目惚れしてこの機種に決めさせてしまったのだと思う。
もともとは家族用として購入したにも関わらず、それを自分専用として占領するのに大した時間はかからなかったというのは想像に難くなかろう。
もちろん、高校受験を控えた時分である。「勉強の時に寂しいから音楽とかラジオを聞きたいんだ」そんな口実で親をだまくらかしたのも言うまでもない。きっと親もそのくらいは気づいていたであろうが。
この時代のこうしたCDラジカセは昨今、バブルラジカセ略して「バブカセ」と呼ばれ（「ラジカセ」自体略だが (^_^;）、オークションではジャンク扱いでも未だに数千円程度で取引されていたりする。
何しろ、ラジカセの分際でコストがしっかりかかっているのだ。昨今のヘナチョコラジカセなんかとは比べるべくもない。定価65000円、アンプのパワーは10W+10W、スピーカーもウーファーとスコーカーが分離した片ch2スピーカー仕様しかもしっかりエンクロージャーを構築してバスレフポートを備えている。さらにさらにグラフィックイコライザを搭載し、カセットデッキはTypeIV（いわゆるメタルテープである）の録音にも対応。さらにマニアックなことには、テープの録音レベルをマニュアルで調整できるスライダーまで備えていた。
もともとがメカ好きである。これらの機能を使いこなしてやろうと思い、CDを借りてきては、金のないガキんちょの分際でTypeIVのカセットを買いあさっては、マニュアルで録音レベルを合わせてダビングしまくった。一体何枚のCDをダビングしたろうか。少しでもレンタル料を浮かすために、休日TSUTAYAの開店と同時に5枚ばかりレンタルしてダッシュで家に帰ってダビングして、その日の夕方に返却という無茶なことをしていたものだ。
バブル時代らしく電子制御もてんこ盛りで、タイマー録音再生やスリープなども実にシステマティックだった。この頃FM雑誌にもハマったので、興味ありそうな曲が流れる番組は片っ端からタイマーエアチェックして聴きまくったものだ。なんであんなに時間あったんだろう。
寝る前にも、深夜ラジオをスリープタイマーかけて良く聞いていた。で、翌日の朝は大音量のCDで目を覚ます。そう、タイマーごとに音量まで記憶できたのだ。
たかだか合計20W程度の出力であるが、かなりの大容量の筐体である。（今の自分の基準でどうなのかは分からないが）スケールの大きい生きの良い音が鳴ったと記憶している。このラジカセのおかげで、それまで「音楽なんて鳴っていればいい」という考え方から、「音楽を楽しむためにはどう鳴らすべきか」ということに目覚めていったような気がする。
ただし、その特異なスタイルなだけに、構造的に脆弱な部分があったようで、トップパネルが開きにくくなったりというトラブルが程なく現れた。また、こだわり始めると止まらないこの単細胞である。やはり当時花盛りだった「バブル」ハイコンポに目を奪われ、高校生となった3年後にはバイトで金を貯めてKenwood K'sを買ってしまった次第である。それから家族用という本来の役割に戻ったDT99はしかし、確か1年としないうちに音を発することすらできなくなり、廃棄したと記憶している。
たった3年ではあったが、実に濃密に使い込んだアイテムだった。俺が家にいて寝ていない時間とこいつが稼動していた時間はほぼ等しかったくらいではなかろうか。
それにしても、オーディオにしろカメラにしろ、最初にハマった時に手にしていたのがどちらもPanasonicだったというのが因果深い。別に松下贔屓でもなんでもない（むしろ若い頃はSONY信者だったかもしれない）のに...。手堅いように見えて、意外にチャレンジングな面白い製品を作っているのかもしれない、あの会社は。
で、トビラ写真は全く関係なくて嫁さんが作ってきたシメナワだ。
(PentaxK10D, PentaxFA77mmLimited, ApertureValueMode, 1/6sec, F1.8, ISO100)
...正確に述べるならば、昔持っていたある「アイテム」について思い出したと言うべきか。
それは、自分が今音響メーカーに勤めていることにもつながっていると言えるものだ。
Panasonic RX-DT99（拡大はナシ）
汝の名はPanasonic RX-DT99。いわゆるCDラジカセというやつだ。
記憶では中学生の頃に「そろそろまともなCDラジカセが欲しいよね」と家族で話して買うことになって近くの電気店に行った時のことだ。ちょうど新発売だったこのマシンが店の一番目立つところに置いてあり、その端正な姿に一目惚れしてこの機種に決めさせてしまったのだと思う。
もともとは家族用として購入したにも関わらず、それを自分専用として占領するのに大した時間はかからなかったというのは想像に難くなかろう。
もちろん、高校受験を控えた時分である。「勉強の時に寂しいから音楽とかラジオを聞きたいんだ」そんな口実で親をだまくらかしたのも言うまでもない。きっと親もそのくらいは気づいていたであろうが。
この時代のこうしたCDラジカセは昨今、バブルラジカセ略して「バブカセ」と呼ばれ（「ラジカセ」自体略だが (^_^;）、オークションではジャンク扱いでも未だに数千円程度で取引されていたりする。
何しろ、ラジカセの分際でコストがしっかりかかっているのだ。昨今のヘナチョコラジカセなんかとは比べるべくもない。定価65000円、アンプのパワーは10W+10W、スピーカーもウーファーとスコーカーが分離した片ch2スピーカー仕様しかもしっかりエンクロージャーを構築してバスレフポートを備えている。さらにさらにグラフィックイコライザを搭載し、カセットデッキはTypeIV（いわゆるメタルテープである）の録音にも対応。さらにマニアックなことには、テープの録音レベルをマニュアルで調整できるスライダーまで備えていた。
もともとがメカ好きである。これらの機能を使いこなしてやろうと思い、CDを借りてきては、金のないガキんちょの分際でTypeIVのカセットを買いあさっては、マニュアルで録音レベルを合わせてダビングしまくった。一体何枚のCDをダビングしたろうか。少しでもレンタル料を浮かすために、休日TSUTAYAの開店と同時に5枚ばかりレンタルしてダッシュで家に帰ってダビングして、その日の夕方に返却という無茶なことをしていたものだ。
バブル時代らしく電子制御もてんこ盛りで、タイマー録音再生やスリープなども実にシステマティックだった。この頃FM雑誌にもハマったので、興味ありそうな曲が流れる番組は片っ端からタイマーエアチェックして聴きまくったものだ。なんであんなに時間あったんだろう。
寝る前にも、深夜ラジオをスリープタイマーかけて良く聞いていた。で、翌日の朝は大音量のCDで目を覚ます。そう、タイマーごとに音量まで記憶できたのだ。
たかだか合計20W程度の出力であるが、かなりの大容量の筐体である。（今の自分の基準でどうなのかは分からないが）スケールの大きい生きの良い音が鳴ったと記憶している。このラジカセのおかげで、それまで「音楽なんて鳴っていればいい」という考え方から、「音楽を楽しむためにはどう鳴らすべきか」ということに目覚めていったような気がする。
ただし、その特異なスタイルなだけに、構造的に脆弱な部分があったようで、トップパネルが開きにくくなったりというトラブルが程なく現れた。また、こだわり始めると止まらないこの単細胞である。やはり当時花盛りだった「バブル」ハイコンポに目を奪われ、高校生となった3年後にはバイトで金を貯めてKenwood K'sを買ってしまった次第である。それから家族用という本来の役割に戻ったDT99はしかし、確か1年としないうちに音を発することすらできなくなり、廃棄したと記憶している。
たった3年ではあったが、実に濃密に使い込んだアイテムだった。俺が家にいて寝ていない時間とこいつが稼動していた時間はほぼ等しかったくらいではなかろうか。
それにしても、オーディオにしろカメラにしろ、最初にハマった時に手にしていたのがどちらもPanasonicだったというのが因果深い。別に松下贔屓でもなんでもない（むしろ若い頃はSONY信者だったかもしれない）のに...。手堅いように見えて、意外にチャレンジングな面白い製品を作っているのかもしれない、あの会社は。
nobilesの投稿(23:32:00-2007-12-26) -
カテゴリ: Music
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