NOBILES Days
Jump to navigationF-1 Machine Trend 2009(3)
こんなご時世、人と会っても景気の悪い話ばかりだ。寒い季節、心まで寒くなるとは、なんとも寂しいことだ。
そんな中、娘はますます元気になっている。新しい命は希望だと思う。
せめて政治も、希望を持てるようなことをしてはもらえんか。
BMWSauberF1.09
さあ、F-1 2009マシントレンドもそろそろ区切りといこう。
前回述べたサイドポンツーンのスキャロップドコンセプトは、今のところ全車残している。それどころか、デザインの自由度が増したことを利用して、さらにラジエターインレットを高くし、より多くの空気をノーズ下からマシンのサイドへ滞りなく導くようなデザインになっている。
だが、ポンツーン上面の空力的付加物の禁止を受け、各チームの対応が異なっている。
基本的には、昨年までのデザインから単に空力付加物を外したようなデザインが主流だ。たとえばトヨタは他車と比べ低めで、スキャロップも少し浅めという特徴を残している。一方で、基本的には昨年の路線を継承しつつも、フェラーリはさらなるシェイプアップにより一層の断面積の削減を行い、リヤウィングの効率アップを狙っているようだし、ルノーは逆に幅を持たせ、マシン最後方まで伸ばすことにより、ポンツーン形状全体を翼構造にする傾向を強めていることが分かる。インレットの形状も「（かぎかっこ）型の傾向がより強まり、極めて細い開口部となっている。
RenaultR29
一方で、マクラーレンはガラッと思想を入れ替えてきた。ラジエターエアインレットはさらに高く、その下部はスキャロップによって空気をサイドへ導く思想を強めている一方、後半部分ではスッパリとスキャロップをやめ、極めてシンプルな（とはいえ、エッジを美しく丸めているあたりはさすがだが）コークボトルへと変化した。
BMW、ウィリアムズのアプローチは、ロリー・バーンがベネトンB195(’95年)やフェラーリF399(’99年)で試した例などがある、ポンツーンの外側の方が高くなっているデザインとなった。こうして、ポンツーンのサイドと上面の空気を明確に分離し、チムニーが禁止された影響を少なくしようという意図が見て取れる。
WilliamsFW31
傾向としては、後半部分のスキャロップはかなり浅めの方向になりつつある。やはりこの部分においてもルノーはかなり特異な存在だ。
さて、マシン全体で見てみると、マクラーレン、フェラーリの完成度はやはり頭一つ抜けているように思う。
FerrariF60
ただ、フェラーリが昨年までと同じ方向性でさらにシェイプアップを図って行った方向性であるのに対し、マクラーレンはマシンコンセプトから大きく変えてきたように思える。フロントサスアームはほぼ完全にハの字に見えるほど傾いていて、タイロッドも独立している。そこまでして強烈なハイノーズを実現した。ドライバーのドライビングポジションもかなり起こされたことがインダクションポットが縦に小さくなったことから分かる。これによってドライバーのお尻の位置が下がり、モノコックの底部を後方にし、モノコック下の空間を大きくできたと考えられる。すっぱりとシンプルなコークボトルにしたことを含め、新しいレギュレーションへいち早く対応しようという意気込みが感じられる。
McLarenMP4-24
一方でルノーは、散々述べている通り、かなり他と違った路線で来たのでまた興味深い。アロンソという、未だに実力的にトップと言えるドライバーの期待に応えるべく、かなり気合いを入れてデザインされたと思う。だが、路線が違うあまり、それが吉と出るか凶と出るか、また今後が楽しみではある。
ただ、ルノーは上位2チームはもちろん、トヨタ、BMWと比べても予算はかなり少ないと言う。果たして、昨年後半の怒濤の快進撃が再現できるのか。
それに対し、BMW、トヨタ、ウィリアムズと言った他のセカンドグループは、軒並みかなりコンサバな路線と言える。
BMWは相変わらず直線的なデザインだ。それでも昨年に比べればスキャロップや、ポンツーン上面に有機的なラインが見えるが、低重心コンシャスなのはキープコンセプトだと言える。BMWの特徴であった数々の空力付加物が消え去って、このチームの実力がどう出るのか注意深く見守りたい。
トヨタはかなり高く、しかも細いノーズが特徴的だ。ノーズ下のギザギザ状のディフレクターが目につくが、どうもラインが野暮ったいのは変わらない。昨年、だいぶ躍進はしたものの、やはり常に表彰台にのるにはもう一歩の印象がある。
ToyotaTF109
ウィリアムズは無難にまとめてきた印象だが、投入した最初のテストの間に、早くも薄く高いノーズを持ち込むなど、最初から空力の路線がブレているのが気になるところだ。
以上、ここまでローンチされたマシンについてザッと述べてみた。いやはや、俺みたいなおかしな人種（F-1ファン種）には、実はこの時期が一番楽しい時間だったりするのだ。
そんな中、娘はますます元気になっている。新しい命は希望だと思う。
せめて政治も、希望を持てるようなことをしてはもらえんか。
BMWSauberF1.09
さあ、F-1 2009マシントレンドもそろそろ区切りといこう。
前回述べたサイドポンツーンのスキャロップドコンセプトは、今のところ全車残している。それどころか、デザインの自由度が増したことを利用して、さらにラジエターインレットを高くし、より多くの空気をノーズ下からマシンのサイドへ滞りなく導くようなデザインになっている。
だが、ポンツーン上面の空力的付加物の禁止を受け、各チームの対応が異なっている。
基本的には、昨年までのデザインから単に空力付加物を外したようなデザインが主流だ。たとえばトヨタは他車と比べ低めで、スキャロップも少し浅めという特徴を残している。一方で、基本的には昨年の路線を継承しつつも、フェラーリはさらなるシェイプアップにより一層の断面積の削減を行い、リヤウィングの効率アップを狙っているようだし、ルノーは逆に幅を持たせ、マシン最後方まで伸ばすことにより、ポンツーン形状全体を翼構造にする傾向を強めていることが分かる。インレットの形状も「（かぎかっこ）型の傾向がより強まり、極めて細い開口部となっている。
RenaultR29
一方で、マクラーレンはガラッと思想を入れ替えてきた。ラジエターエアインレットはさらに高く、その下部はスキャロップによって空気をサイドへ導く思想を強めている一方、後半部分ではスッパリとスキャロップをやめ、極めてシンプルな（とはいえ、エッジを美しく丸めているあたりはさすがだが）コークボトルへと変化した。
BMW、ウィリアムズのアプローチは、ロリー・バーンがベネトンB195(’95年)やフェラーリF399(’99年)で試した例などがある、ポンツーンの外側の方が高くなっているデザインとなった。こうして、ポンツーンのサイドと上面の空気を明確に分離し、チムニーが禁止された影響を少なくしようという意図が見て取れる。
WilliamsFW31
傾向としては、後半部分のスキャロップはかなり浅めの方向になりつつある。やはりこの部分においてもルノーはかなり特異な存在だ。
さて、マシン全体で見てみると、マクラーレン、フェラーリの完成度はやはり頭一つ抜けているように思う。
FerrariF60
ただ、フェラーリが昨年までと同じ方向性でさらにシェイプアップを図って行った方向性であるのに対し、マクラーレンはマシンコンセプトから大きく変えてきたように思える。フロントサスアームはほぼ完全にハの字に見えるほど傾いていて、タイロッドも独立している。そこまでして強烈なハイノーズを実現した。ドライバーのドライビングポジションもかなり起こされたことがインダクションポットが縦に小さくなったことから分かる。これによってドライバーのお尻の位置が下がり、モノコックの底部を後方にし、モノコック下の空間を大きくできたと考えられる。すっぱりとシンプルなコークボトルにしたことを含め、新しいレギュレーションへいち早く対応しようという意気込みが感じられる。
McLarenMP4-24
一方でルノーは、散々述べている通り、かなり他と違った路線で来たのでまた興味深い。アロンソという、未だに実力的にトップと言えるドライバーの期待に応えるべく、かなり気合いを入れてデザインされたと思う。だが、路線が違うあまり、それが吉と出るか凶と出るか、また今後が楽しみではある。
ただ、ルノーは上位2チームはもちろん、トヨタ、BMWと比べても予算はかなり少ないと言う。果たして、昨年後半の怒濤の快進撃が再現できるのか。
それに対し、BMW、トヨタ、ウィリアムズと言った他のセカンドグループは、軒並みかなりコンサバな路線と言える。
BMWは相変わらず直線的なデザインだ。それでも昨年に比べればスキャロップや、ポンツーン上面に有機的なラインが見えるが、低重心コンシャスなのはキープコンセプトだと言える。BMWの特徴であった数々の空力付加物が消え去って、このチームの実力がどう出るのか注意深く見守りたい。
トヨタはかなり高く、しかも細いノーズが特徴的だ。ノーズ下のギザギザ状のディフレクターが目につくが、どうもラインが野暮ったいのは変わらない。昨年、だいぶ躍進はしたものの、やはり常に表彰台にのるにはもう一歩の印象がある。
ToyotaTF109
ウィリアムズは無難にまとめてきた印象だが、投入した最初のテストの間に、早くも薄く高いノーズを持ち込むなど、最初から空力の路線がブレているのが気になるところだ。
以上、ここまでローンチされたマシンについてザッと述べてみた。いやはや、俺みたいなおかしな人種（F-1ファン種）には、実はこの時期が一番楽しい時間だったりするのだ。
nobilesの投稿(23:52:00-2009-01-28) -
カテゴリ: Formula-One
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