NOBILES Days
Jump to navigationThe Day (3)
今更なのかもしれないけど...すごいぜMacOSX LeopardのどこでもMy Mac（もう次期Snow Leopard出てんのに!?）。
また例によって病院のLANに勝手に自分のPowerbookを突っ込んで当blogをアップしようとしたのだ。すると、ファイルブラウザの共有欄に、病院の中とおぼしきPCと並んで、自宅のPowerMacG5が並んでいるのに気づいた。
ちょうどF-1の録画のためにスリープを解除されている時間とは言え、別ネットワークにいる我が家のG5くんが忽然とリストに現れたのだ。
「あ、これが『どこでもMy Mac』ってこと？」
確かに自宅にいるときにその設定はしていたのだが、こうして別のネットワークにつながっていても、それ以上の何の難しい設定もなくちゃんとお互いを認識して接続することができるようになっていたのだ。
さらに驚くべきは、画面共有ができちゃうことだ。今使っている12インチのPowerbookG4の画面内に、本来20インチの広大なPowerMacG5のデスクトップが縮小されて現れるのだ。もちろん、操作もできてしまう。しかも、画面表示をうまいこと圧縮して送信しているようで、かなり実用的な速度だ。このPowerbookで何か並列処理させてる時のチンタラぶりより、よっぽど快適ですらあるかも、と思えたほどだ。画面内のG5の時計と、PowerBookG4の時計が秒まできっかり同時に刻んでいく姿は爽快さすら感じさせた（G5の時計が進んでるだけだったりして）。
そんなわけで、消灯後で見ることができなかったF-1シンガポールGPは、自宅のPowerMacG5で録画したものをそのままG5内で編集できてしまった。その上でネットワーク経由で手元のPowerBookに取り寄せ、じっくり観戦できたというものである（画面共有で音声まで共有できたら、そんな手間さえも省けたのだが）。クラウドコンピューティングというものも、もうかなり現実的なところまで来ていると感じさせられた。
んなこと言ってる間に病院生活でもちょっとしたドタバタがあったんだが、まあおいおい。
あと、手術直後のことを思い出した。まだ麻酔で朦朧としていたときだったが、病室に戻った時の空がものすごく青かったのだ。第二章に書き加えておくことにする。その時は前途洋々だと思ったんだけどねぇ。
そんなわけで、膀胱に溜まりに溜まった尿を排出できた開放感に酔いしれたのも多分30分程度でしかなかったと思う。
そう、麻酔は切れたのだ。益井さんがキレたのではない（一部向けネタ）。
俺は下半身の存在しなかったMSN-02ジオングから同パーフェクトジオングになった(一応断っておくが、正式名称では脚がついても「ジオング」だ)。いや、はたまた分離していたBパーツを取り戻したRX-78-2ガンダムだろうか。しかし再三小欄で披露して来たのでご存知だろうが、その右足パーツは大いに損傷していたのだ。だから、合体した途端に制御系統には破壊された情報が一気に流れてくる訳だ。
正しく言い換えるならば、俺の脳みそに、「右膝部分が切り開かれ、縫われた」という情報が、だ。
まるで、じわじわと火に炙られるかのような痛み。強烈なものではないのだが、いやらしく持続するのがますます精神的に辛い。
そういえば、釣り針のようなものを取り付けたと言っていたな、と思うとその痛みが釣り針の形をしているように思えてくるのだから、人間の脳内で展開されるプラシーボ効果というのは実に強大なのだな、などとはその時思う余裕は皆無だった。しかし、もしその時仮に先生が「クリップのようなものを付けました」と嘘を言っていたら痛みはクリップ型になるのだろうか？
...って、今調べてみたら本来Placeboは治癒に利用される（本物を投与されてないのに、信じることで身体が良くなっちゃう、みたいな）ものらしいから、この場合にはちょっと意味違うのかも。「災害は20件に達した(誤)」と「災害は20件に及んだ(正)」みたいな誤用だね。
閑話休題。どうにもヒマなんで話が逸れる。
とにもかくにも、それからが長い長い手術後一晩目の夜の始まりだった。
痛い。激しく痛い。禿しくイタイ(誤)。持続的に痛い。身を捩って痛みに耐えるが、こんな時に限って時間の流れが異常に遅いのだ。
午後9時になった。多分この頃がまさに「痛み情報」が最大戦速で流れ込んでいる時間帯だったろう。悶え苦しむ俺に対し、そんな表情なんて見慣れているであろう、夜勤の体育会系ノリの若い看護士さん（榮倉奈々似で顔可愛い）が「はーい酸素マスクおっわりー」と元気いっぱいに酸素マスクを停止してぶんどっていった。ちなみに膀胱やら痛みやらで悶えていて、マスク、ほとんどズレた状態のまんまだったんだけど。
間を置かずにその看護士さん（顔可愛い）が戻って来て「じゃあお腹の音聞っきますね〜」と相変わらず元気いっぱい聴診器を腹に当てて来た。
「だーいじょうぶでっすねー。よし、飲みますかっ！」
ベッドサイドの棚に置いておいた俺のコップに、（これも俺のだけど）アクエリアスをごぼごぼと注ぐ看護士さん（顔可愛い）。
...そうか、飲み物解禁がやってきたのだ。
前日の午後9時から24時間。点滴だけで飲まず食わずだった。まあ空腹は、痛みが強烈で感じる余裕もなかったが、散々悶えたので口の中はカラッカラに乾いてネバネバすらしていた。
「あー、起き上がれない？ストローいるよね？」
いや、起き上がれるけど...ってもう看護士さん（顔可愛い）取りに行ってるし。
「おっまたせー」いや、今来たとこ（違）。
背の低い小さなコップにアクエリアス、そこから無駄に長いストローを看護士さん（顔可愛い...そろそろいいか）が構え、そして中途半端に起き上がった俺が口に含む。なんだ、この図は。
だが。
ウマイ！！
ストローを構えた看護士さんの顔が可愛いのを差し引いても（もういいって）、干上がった口に広がるアクエリアスの甘い味は、命の水か何かのようにキラキラとした味に感じられた。24時間も何も口に含まなければ味覚はここまで研ぎすまされるのか。
でも、そんな極上の幸せは一瞬にして右足の痛みでかき消される。
「あの、メチャクチャ美味いんですけど、メチャクチャ、右足、痛いっす」
「えー、じゃあ痛み止め入れる？」
痛み止めあるのかよ！？
そんなわけで、化膿止めと養分という2つ体制だった点滴に、痛み止めが追加される。天井からぶら下がった点滴ホルダーは大小の点滴の袋で百花繚乱だ。
「もう大丈夫、効いてくる、効いてくる。」そう自分に言い聞かせる。これぞまさにプラシーボ。
...が、一向に痛みがひかない。弱まっているのかもしれないが、それでも悶えるくらい痛いのに変わりはない。
そんなこんなして大汗をかいているのにも関わらず、なんと、またしても膀胱の方が貯蔵量の限界に近づいていく感覚が右足の痛みの中から急激にわき上がって来たのだった！
...ナースコール。
LED懐中電灯の青白い光を輝かせながら、消灯して暗い病室に複数の足音が近づいてくる。...今度は榮倉奈々似に加え、ソニン似の看護士さんの二名体制でやってきた。もう完全にマークされてるな。
シビンを出してもらい、一応自分でガサゴソとセッティングする。麻酔も完全に解けているのでしっかり出る。相変わらず横を向けないので無理な姿勢だが、なんとかこぼさずに取り出し、またナースコールで呼び出して片付けてもらう。
「で、あの、猛烈に痛くて寝れないんですけど。」
...そして座薬登場。
ソニン似の看護士さんが手早く終了した点滴を片付けてる間に、榮倉奈々似の看護士さんがなんとか俺の身体を横にして、ふんどしのような「Tパンツ」の隙間から流れるように座薬を差し込んだ。
実は俺、座薬というのはこれが生涯初だったのだが、看護士さんの顔が（以下略）、こんなに簡単に入るものだったのか。
「10分程度で効いてきますから、もーうちょっとの我慢ですからねっ！」
「もう大丈夫、効いてくる、効いてくる。」そう自分に言い聞かせる。これぞまさにプラシーボ。
...が、一向に痛みがひかない。弱まっているのかもしれないが、それでも悶えるくらい痛いのに変わりはない。
完全に無限ループである。
結局、もう一度シビンでナースコールし、再度痛み止めの点滴を投入してもらったが、朝6時の再点灯まで恐らく一睡もできないまま悶える羽目になった。
やっと、長い長い夜が明けた。
また例によって病院のLANに勝手に自分のPowerbookを突っ込んで当blogをアップしようとしたのだ。すると、ファイルブラウザの共有欄に、病院の中とおぼしきPCと並んで、自宅のPowerMacG5が並んでいるのに気づいた。
ちょうどF-1の録画のためにスリープを解除されている時間とは言え、別ネットワークにいる我が家のG5くんが忽然とリストに現れたのだ。
「あ、これが『どこでもMy Mac』ってこと？」
確かに自宅にいるときにその設定はしていたのだが、こうして別のネットワークにつながっていても、それ以上の何の難しい設定もなくちゃんとお互いを認識して接続することができるようになっていたのだ。
さらに驚くべきは、画面共有ができちゃうことだ。今使っている12インチのPowerbookG4の画面内に、本来20インチの広大なPowerMacG5のデスクトップが縮小されて現れるのだ。もちろん、操作もできてしまう。しかも、画面表示をうまいこと圧縮して送信しているようで、かなり実用的な速度だ。このPowerbookで何か並列処理させてる時のチンタラぶりより、よっぽど快適ですらあるかも、と思えたほどだ。画面内のG5の時計と、PowerBookG4の時計が秒まできっかり同時に刻んでいく姿は爽快さすら感じさせた（G5の時計が進んでるだけだったりして）。
そんなわけで、消灯後で見ることができなかったF-1シンガポールGPは、自宅のPowerMacG5で録画したものをそのままG5内で編集できてしまった。その上でネットワーク経由で手元のPowerBookに取り寄せ、じっくり観戦できたというものである（画面共有で音声まで共有できたら、そんな手間さえも省けたのだが）。クラウドコンピューティングというものも、もうかなり現実的なところまで来ていると感じさせられた。
んなこと言ってる間に病院生活でもちょっとしたドタバタがあったんだが、まあおいおい。
あと、手術直後のことを思い出した。まだ麻酔で朦朧としていたときだったが、病室に戻った時の空がものすごく青かったのだ。第二章に書き加えておくことにする。その時は前途洋々だと思ったんだけどねぇ。
そんなわけで、膀胱に溜まりに溜まった尿を排出できた開放感に酔いしれたのも多分30分程度でしかなかったと思う。
そう、麻酔は切れたのだ。益井さんがキレたのではない（一部向けネタ）。
俺は下半身の存在しなかったMSN-02ジオングから同パーフェクトジオングになった(一応断っておくが、正式名称では脚がついても「ジオング」だ)。いや、はたまた分離していたBパーツを取り戻したRX-78-2ガンダムだろうか。しかし再三小欄で披露して来たのでご存知だろうが、その右足パーツは大いに損傷していたのだ。だから、合体した途端に制御系統には破壊された情報が一気に流れてくる訳だ。
正しく言い換えるならば、俺の脳みそに、「右膝部分が切り開かれ、縫われた」という情報が、だ。
まるで、じわじわと火に炙られるかのような痛み。強烈なものではないのだが、いやらしく持続するのがますます精神的に辛い。
そういえば、釣り針のようなものを取り付けたと言っていたな、と思うとその痛みが釣り針の形をしているように思えてくるのだから、人間の脳内で展開されるプラシーボ効果というのは実に強大なのだな、などとはその時思う余裕は皆無だった。しかし、もしその時仮に先生が「クリップのようなものを付けました」と嘘を言っていたら痛みはクリップ型になるのだろうか？
...って、今調べてみたら本来Placeboは治癒に利用される（本物を投与されてないのに、信じることで身体が良くなっちゃう、みたいな）ものらしいから、この場合にはちょっと意味違うのかも。「災害は20件に達した(誤)」と「災害は20件に及んだ(正)」みたいな誤用だね。
閑話休題。どうにもヒマなんで話が逸れる。
とにもかくにも、それからが長い長い手術後一晩目の夜の始まりだった。
痛い。激しく痛い。禿しくイタイ(誤)。持続的に痛い。身を捩って痛みに耐えるが、こんな時に限って時間の流れが異常に遅いのだ。
午後9時になった。多分この頃がまさに「痛み情報」が最大戦速で流れ込んでいる時間帯だったろう。悶え苦しむ俺に対し、そんな表情なんて見慣れているであろう、夜勤の体育会系ノリの若い看護士さん（榮倉奈々似で顔可愛い）が「はーい酸素マスクおっわりー」と元気いっぱいに酸素マスクを停止してぶんどっていった。ちなみに膀胱やら痛みやらで悶えていて、マスク、ほとんどズレた状態のまんまだったんだけど。
間を置かずにその看護士さん（顔可愛い）が戻って来て「じゃあお腹の音聞っきますね〜」と相変わらず元気いっぱい聴診器を腹に当てて来た。
「だーいじょうぶでっすねー。よし、飲みますかっ！」
ベッドサイドの棚に置いておいた俺のコップに、（これも俺のだけど）アクエリアスをごぼごぼと注ぐ看護士さん（顔可愛い）。
...そうか、飲み物解禁がやってきたのだ。
前日の午後9時から24時間。点滴だけで飲まず食わずだった。まあ空腹は、痛みが強烈で感じる余裕もなかったが、散々悶えたので口の中はカラッカラに乾いてネバネバすらしていた。
「あー、起き上がれない？ストローいるよね？」
いや、起き上がれるけど...ってもう看護士さん（顔可愛い）取りに行ってるし。
「おっまたせー」いや、今来たとこ（違）。
背の低い小さなコップにアクエリアス、そこから無駄に長いストローを看護士さん（顔可愛い...そろそろいいか）が構え、そして中途半端に起き上がった俺が口に含む。なんだ、この図は。
だが。
ウマイ！！
ストローを構えた看護士さんの顔が可愛いのを差し引いても（もういいって）、干上がった口に広がるアクエリアスの甘い味は、命の水か何かのようにキラキラとした味に感じられた。24時間も何も口に含まなければ味覚はここまで研ぎすまされるのか。
でも、そんな極上の幸せは一瞬にして右足の痛みでかき消される。
「あの、メチャクチャ美味いんですけど、メチャクチャ、右足、痛いっす」
「えー、じゃあ痛み止め入れる？」
痛み止めあるのかよ！？
そんなわけで、化膿止めと養分という2つ体制だった点滴に、痛み止めが追加される。天井からぶら下がった点滴ホルダーは大小の点滴の袋で百花繚乱だ。
「もう大丈夫、効いてくる、効いてくる。」そう自分に言い聞かせる。これぞまさにプラシーボ。
...が、一向に痛みがひかない。弱まっているのかもしれないが、それでも悶えるくらい痛いのに変わりはない。
そんなこんなして大汗をかいているのにも関わらず、なんと、またしても膀胱の方が貯蔵量の限界に近づいていく感覚が右足の痛みの中から急激にわき上がって来たのだった！
...ナースコール。
LED懐中電灯の青白い光を輝かせながら、消灯して暗い病室に複数の足音が近づいてくる。...今度は榮倉奈々似に加え、ソニン似の看護士さんの二名体制でやってきた。もう完全にマークされてるな。
シビンを出してもらい、一応自分でガサゴソとセッティングする。麻酔も完全に解けているのでしっかり出る。相変わらず横を向けないので無理な姿勢だが、なんとかこぼさずに取り出し、またナースコールで呼び出して片付けてもらう。
「で、あの、猛烈に痛くて寝れないんですけど。」
...そして座薬登場。
ソニン似の看護士さんが手早く終了した点滴を片付けてる間に、榮倉奈々似の看護士さんがなんとか俺の身体を横にして、ふんどしのような「Tパンツ」の隙間から流れるように座薬を差し込んだ。
実は俺、座薬というのはこれが生涯初だったのだが、看護士さんの顔が（以下略）、こんなに簡単に入るものだったのか。
「10分程度で効いてきますから、もーうちょっとの我慢ですからねっ！」
「もう大丈夫、効いてくる、効いてくる。」そう自分に言い聞かせる。これぞまさにプラシーボ。
...が、一向に痛みがひかない。弱まっているのかもしれないが、それでも悶えるくらい痛いのに変わりはない。
完全に無限ループである。
結局、もう一度シビンでナースコールし、再度痛み止めの点滴を投入してもらったが、朝6時の再点灯まで恐らく一睡もできないまま悶える羽目になった。
やっと、長い長い夜が明けた。
nobilesの投稿(20:52:06-2009-09-30) -
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