NOBILES Days
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せっかく休みだったので、カメラも持って近くの川のほとりを1時間くらいウォーキングしてきた。まあ、写真はボチボチ出していくとして、久々に長い距離を歩いて、心地よい疲れが残った。
こうやって、少しでも歩くようにしないとね。すごく近所なのに、これまで全然知らなかった風景も見れたし。
さて、Mac思い出話の第二弾。
愛着のあったPowerMac7100/80AVを現役から退かせる決意をしたのは、ヤツが登場したからだ。
Graphite Apple
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 1/15sec, F2.0, ISO100)
そう、それは...2000年、華々しくローンチされたPowerMacG4Cubeだ。
Power Mac G4 Cube
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 4.0sec, F11.0, ISO100)
当時最新のCPUを搭載しながら、20cm四方に収まった小型ボディ。しかも、それがまるで5cm浮いているかのような演出。
さらには、熱を持った空気は上昇するという性質による対流を利用するべく、本体真ん中を縦に煙突状の穴が貫き、そこにCPUとHDDを冷やす巨大なヒートシンクが配され、ファンレスの静音設計を実現した。
本体を裏返してハンドルを引き出せば内部にすぐアクセスできるというのも仰天だったし、スロットインの松下製光学ドライブは、ディスクをトースターのように上へ排出するという信じられないギミックまであった。左右の縦置きはともかく、こんな方向に搭載されることはドライブ設計者も想像していなかったに違いない。
Opened Cube
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 11.0sec, F2.5, ISO100)
とにかく全てが、ストイックなまでに追求されたと言える驚異のデザインと構造だ。根本的にこれまでの（そして以降も、だろう）パソコンとは違う。
一も二もなく、俺は購入に踏み切った。未だに俺は、これを超えるデザインのパソコン...いや、プロダクトに出会ったことはないかもしれない。
しかし、そのデザインとコンセプトゆえか、G4Cubeは数々の問題を抱えたモデルとなってしまった。
美しすぎるデザインゆえ、そのボディに僅かに残ったモールドさえ問題にされ、スキャンダラスに報じられた。結果、大量の交換措置が施された。
それより深刻だったことに、タッチセンサーとした電源スイッチの誤動作で、延々と電源ON/OFFを繰り返すとんでもない個体も存在した。
電源基板にも設計上の欠陥があり、電源が入らなくなるというトラブルが頻発した。これは俺の個体にも発生し、無償交換になった。
ファンレスゆえに温度問題も抱えていた。俺も、わざわざ交換した高性能のビデオカードが死亡する体験をしている。
トースター状態の光学ドライブも、経年とともに排出機構が衰えたり、排出口に埃が溜まったりして、一度ディスクを飲み込んだら最後、取り出すのに格闘する羽目に陥った。
これらの数々のトラブルもあり、また、あまりに先進的すぎる構造ゆえに初心者の敬遠も買ったのか、Cubeは営業的には大失敗に終わり、iMacで立ち直りかけたAppleを再び窮地へ叩き落としてしまう。本当にAppleの救世主となるiPodの初代が登場するのはその翌年のことだ（発売日に買いましたが、何か？）。
それでも、このMacは所有する喜びを与えてくれた貴重なマシンだった。
MacOS9からOSX10.1へOSを替えた時は、美しい表示と、とても安定した懐の深さに感動し、デザインと相まって、「CubeはこのOSの搭載をもって初めて完成した」とさえ思った。電源を落とさず、スリープで済ませるようになったのも復帰が早いOSX導入がきっかけだった。
この直後、当初一緒に購入した15インチを2年半で20インチにリプレースした。OSXの美しい画面をもっと広く使いたくなったのだ。そのために、大枚はたいてビデオカードもアップグレードした（当時Macのディスプレイは、DVIと電源、USBをまとめたADCという独自規格だったので、ビデオカードも高価だった）。
しかし、俺のCubeにとって不運だったのは、俺がDVD録画をMacで始めたことだ。450MHzという処理速度ではMPEG2の処理は重かった。
っていうか、なんだかんだ言っても、一応中級機とは言え、デザインオリエンテッドで拡張性の乏しい製品ではやっぱり長持ちしないってことだね。
結局Cubeは、これだけ気に入っていたのに7100と同じ5年でメインマシンの座から退くことになる（でも手放すことはできず、なんとなく、OS9互換用マシンになっていった）。
実はこのCube時代に、独身貴族のお気楽さで、中古のPowerBookG3(Pismo)、同G4の12インチ、17インチと、3台もノートMacを立て続けに購入してしまった。が、これらはサブ機とか、嫁さん用だった。今回はメインのデスクトップ機特集？なので割愛しよう。
俺はどうしてもノートをメインにできない。手の位置の僅か上が画面だと固定されているのがイヤなのだ。
メールとかネットブラウジングしかしないならそれでもいいんだろうけど、画像処理だとか、音声の波形の編集とか、ホームページの駄長文を延々打つ時なんか、やっぱ自然な姿勢の方がいいに決まってる。
それになんだかんだ言っても所詮ノートだから、拡張性も耐久性も乏しいし、HDDも2.5インチで性能が劣るからだ。
さて、2005年。
AppleはMacコンピューターをIntelのCPUマシンに移行することを発表した。
それはApple MacにのみPC用のCPUを供給していたPowerPCの、パソコン用途としての終焉を意味していた。
つづく。
こうやって、少しでも歩くようにしないとね。すごく近所なのに、これまで全然知らなかった風景も見れたし。
さて、Mac思い出話の第二弾。
愛着のあったPowerMac7100/80AVを現役から退かせる決意をしたのは、ヤツが登場したからだ。
Graphite Apple
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 1/15sec, F2.0, ISO100)
そう、それは...2000年、華々しくローンチされたPowerMacG4Cubeだ。
Power Mac G4 Cube
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 4.0sec, F11.0, ISO100)
当時最新のCPUを搭載しながら、20cm四方に収まった小型ボディ。しかも、それがまるで5cm浮いているかのような演出。
さらには、熱を持った空気は上昇するという性質による対流を利用するべく、本体真ん中を縦に煙突状の穴が貫き、そこにCPUとHDDを冷やす巨大なヒートシンクが配され、ファンレスの静音設計を実現した。
本体を裏返してハンドルを引き出せば内部にすぐアクセスできるというのも仰天だったし、スロットインの松下製光学ドライブは、ディスクをトースターのように上へ排出するという信じられないギミックまであった。左右の縦置きはともかく、こんな方向に搭載されることはドライブ設計者も想像していなかったに違いない。
Opened Cube
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ApertureValueMode, 11.0sec, F2.5, ISO100)
とにかく全てが、ストイックなまでに追求されたと言える驚異のデザインと構造だ。根本的にこれまでの（そして以降も、だろう）パソコンとは違う。
一も二もなく、俺は購入に踏み切った。未だに俺は、これを超えるデザインのパソコン...いや、プロダクトに出会ったことはないかもしれない。
しかし、そのデザインとコンセプトゆえか、G4Cubeは数々の問題を抱えたモデルとなってしまった。
美しすぎるデザインゆえ、そのボディに僅かに残ったモールドさえ問題にされ、スキャンダラスに報じられた。結果、大量の交換措置が施された。
それより深刻だったことに、タッチセンサーとした電源スイッチの誤動作で、延々と電源ON/OFFを繰り返すとんでもない個体も存在した。
電源基板にも設計上の欠陥があり、電源が入らなくなるというトラブルが頻発した。これは俺の個体にも発生し、無償交換になった。
ファンレスゆえに温度問題も抱えていた。俺も、わざわざ交換した高性能のビデオカードが死亡する体験をしている。
トースター状態の光学ドライブも、経年とともに排出機構が衰えたり、排出口に埃が溜まったりして、一度ディスクを飲み込んだら最後、取り出すのに格闘する羽目に陥った。
これらの数々のトラブルもあり、また、あまりに先進的すぎる構造ゆえに初心者の敬遠も買ったのか、Cubeは営業的には大失敗に終わり、iMacで立ち直りかけたAppleを再び窮地へ叩き落としてしまう。本当にAppleの救世主となるiPodの初代が登場するのはその翌年のことだ（発売日に買いましたが、何か？）。
それでも、このMacは所有する喜びを与えてくれた貴重なマシンだった。
MacOS9からOSX10.1へOSを替えた時は、美しい表示と、とても安定した懐の深さに感動し、デザインと相まって、「CubeはこのOSの搭載をもって初めて完成した」とさえ思った。電源を落とさず、スリープで済ませるようになったのも復帰が早いOSX導入がきっかけだった。
この直後、当初一緒に購入した15インチを2年半で20インチにリプレースした。OSXの美しい画面をもっと広く使いたくなったのだ。そのために、大枚はたいてビデオカードもアップグレードした（当時Macのディスプレイは、DVIと電源、USBをまとめたADCという独自規格だったので、ビデオカードも高価だった）。
しかし、俺のCubeにとって不運だったのは、俺がDVD録画をMacで始めたことだ。450MHzという処理速度ではMPEG2の処理は重かった。
っていうか、なんだかんだ言っても、一応中級機とは言え、デザインオリエンテッドで拡張性の乏しい製品ではやっぱり長持ちしないってことだね。
結局Cubeは、これだけ気に入っていたのに7100と同じ5年でメインマシンの座から退くことになる（でも手放すことはできず、なんとなく、OS9互換用マシンになっていった）。
実はこのCube時代に、独身貴族のお気楽さで、中古のPowerBookG3(Pismo)、同G4の12インチ、17インチと、3台もノートMacを立て続けに購入してしまった。が、これらはサブ機とか、嫁さん用だった。今回はメインのデスクトップ機特集？なので割愛しよう。
俺はどうしてもノートをメインにできない。手の位置の僅か上が画面だと固定されているのがイヤなのだ。
メールとかネットブラウジングしかしないならそれでもいいんだろうけど、画像処理だとか、音声の波形の編集とか、ホームページの駄長文を延々打つ時なんか、やっぱ自然な姿勢の方がいいに決まってる。
それになんだかんだ言っても所詮ノートだから、拡張性も耐久性も乏しいし、HDDも2.5インチで性能が劣るからだ。
さて、2005年。
AppleはMacコンピューターをIntelのCPUマシンに移行することを発表した。
それはApple MacにのみPC用のCPUを供給していたPowerPCの、パソコン用途としての終焉を意味していた。
つづく。
nobilesの投稿(23:53:00-2010-10-16) -
カテゴリ: Mac
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