NOBILES Days
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週末、名古屋へ行った。大学の研究室の同期の結婚式に参加するためだ。
同じ研究室だった仲間8人の中では、独身残り2人のうちの1人だった。これでチキンレースが終わることになる (^_^;。
いい式だった。過度な演出があるわけではないが、首都圏から来た俺たちへの配慮も感じたし、リラックスして仲間たちとの会話も楽しんだ。もちろん、俺のことなので、写真撮るために駆けずり回ったのは言うまでもない。
俺たちのテーブルは友人にしてはかなり前の方に位置し、しかもセンターラインだった。写真を撮りに行くにはとても都合がいい位置だった。
加えて、なぜか老夫婦が相席になっていた。まったく面識はなかったが、俺たちにもよく話しかけてきたので、テーブルの雰囲気は和やかだった。
そのうち、この夫婦がなぜこのセンターライン前方のテーブルに座っていたか判明した。仲人的な役割だったというのだ。
なんでも呉服屋を営んでいるらしく、そこに来ていた新婦にいい人はいないか、と数年にわたって探して巡り合ったのが俺たちの仲間である彼だったという。
さすが私設お見合い斡旋家、抜け目がなく、俺たちにも独身かどうか訪ねた上、最後の独身者からは連絡先もゲットし、お父様のご職業は？とまで聞いていた。
これはもう次回の仲間うちの結婚式にもこの夫妻が参加してるやもしれん。
さて、名古屋は俺の生家があるところでもある。正確に言うと名古屋市じゃないが、まあ仔細は容赦いただくとして近いのは変わりない。
Swans
(PentaxK-7, PentaxDA☆60-250mmF4(200mm), 1/640sec, F5,6, ISO100)
学生の頃までは、まさに盆と正月には帰っていた。だが、就職してから、特に子どもができてからは頻度が減っていた。おととしの夏に、長女を連れて行ったのが最後だね。もう少し次女が大人しくなれば、また動きやすくなるのだが。
だから、せっかくの機会なので生家で前泊することにした。
生家には、未婚の叔母が2人で暮らしている。以前そこで暮らしていた祖父母は他界している。だが、お墓はそこから徒歩で10分のところにあるし、俺が3歳まで暮らした、紛れもない故郷である。生家は木曽川という一級河川の、かなり河口に近い地点の堤防沿いにある。堤防沿いであるがばかりに、道路から車を引き込む私道を作ろうとしても許可が下りなかったりして、なかなか難しいらしい。
でも、雄大な川と、岐阜の金華山を一望する眺望は、まさに俺の原風景である。鉄橋を電車が渡って行く音も、生活の一部だった気がする。ただ、幼児期の俺がいつも父親を迎えに行き、電車を見ていた、最寄りの無人駅には、数年前に自動改札が設置されて大きく変わってしまったが。
首都圏、たとえば多摩川なんかの河口近くの川岸はグラウンドなどが整備してあるが、木曽川はかなり自然が残っている。なんと、白鳥がいるポイントがほど近くにあると言うので行ってみた。
堤防を下りて川へ向かうまでは、原生林になっている。が、けもの道がちゃんとできている。なんでも、この野生の白鳥を守るNPOがいるそうで、見学のためにこうしてある程度の整備も行っているのだという。
2、3分歩くと水面がやっと見えてきた。白鳥らしき姿は見えない。せっかく来たのにいないのか、とガッカリしかけた。が、さらに奥に行くと...いた。40羽もいた。
みな水中に首を突っ込み、一心不乱に餌を食っている。なので、なかなか絵になる写真は撮れない。この餌だが、NPOの人が毎日バケツ1杯分の玄米を与えているらしい。かなりの金額になるはずだが、川に白鳥が根づいて欲しいという思いから続けているらしい。
俺ら以外にも写真を撮りに来ている人が2人いた。彼らは三脚を浅瀬に設置し、長靴完備で自らもくるぶし程度まで川に浸かり、じっと飛び立つ瞬間を待っているようだった。お気楽でちょろっとやってきた俺と叔母たちは、寒さに耐えられるわけもなく、10分ほどでそこを後にすることにした。
来た道を戻り、堤防を越えたところで、叔母の1人が道路脇のガレージを指差して、「あそこが毎日餌あげてる人の家だよ。写真見せてもらう？」なんて言うので行ってみることにした。この叔母はお寺でお茶を教えているので顔が広い。
建物の前では還暦を過ぎたくらいのおじさんが小さな折り畳み椅子に腰掛けて銀杏の皮を剥いていた。
叔母が声を掛けると、「よっ」という感じで立ち話を始めた。俺が甥で、首都圏から来たと言うと、うっそー？なんて言いながら、茨城の方に白鳥がいるらしいね、なんて振られた。うーん、ごめん、茨城は行ったことさえないかも。
写真見てってよ、と、開いていたシャッターからガレージの中へ入れてもらうと、その壁にも何枚か引き伸ばした写真が飾られている。農作業に使うと思われるトラックの荷台に、10冊ほどのアルバム（現像の時についてくるやつ）をドサッとおじさんが置いた。
写真は、恐らく高倍率のコンパクトデジカメで撮ったのだろう。被写界深度は深く、時にピントが抜けているものも多い。しかし、10羽前後の白鳥の編隊飛行や、1羽大きく翼を広げて飛び立つ瞬間など、好きでいつも見ていない限り撮れないような迫力の写真も多くあった。
また、別の冊には野生のキツネや、カワセミなどの写真も入っていた。これら全てが、生家から徒歩10分圏内の川沿いで見られたものという事実に、新たな発見をしたような気になった。
一頻り見させてもらった後、帰ろうとすると、おじさんが、作業をしていた銀杏を大量に持たせてくれた。
慣れ親しんでいるはずの生家だが、俺は何も知らなかったんだな。また子どもを連れてきた時にでも、周囲でゆっくり遊んでみるのもいいかもしれない。
同じ研究室だった仲間8人の中では、独身残り2人のうちの1人だった。これでチキンレースが終わることになる (^_^;。
いい式だった。過度な演出があるわけではないが、首都圏から来た俺たちへの配慮も感じたし、リラックスして仲間たちとの会話も楽しんだ。もちろん、俺のことなので、写真撮るために駆けずり回ったのは言うまでもない。
俺たちのテーブルは友人にしてはかなり前の方に位置し、しかもセンターラインだった。写真を撮りに行くにはとても都合がいい位置だった。
加えて、なぜか老夫婦が相席になっていた。まったく面識はなかったが、俺たちにもよく話しかけてきたので、テーブルの雰囲気は和やかだった。
そのうち、この夫婦がなぜこのセンターライン前方のテーブルに座っていたか判明した。仲人的な役割だったというのだ。
なんでも呉服屋を営んでいるらしく、そこに来ていた新婦にいい人はいないか、と数年にわたって探して巡り合ったのが俺たちの仲間である彼だったという。
さすが私設お見合い斡旋家、抜け目がなく、俺たちにも独身かどうか訪ねた上、最後の独身者からは連絡先もゲットし、お父様のご職業は？とまで聞いていた。
これはもう次回の仲間うちの結婚式にもこの夫妻が参加してるやもしれん。
さて、名古屋は俺の生家があるところでもある。正確に言うと名古屋市じゃないが、まあ仔細は容赦いただくとして近いのは変わりない。
Swans
(PentaxK-7, PentaxDA☆60-250mmF4(200mm), 1/640sec, F5,6, ISO100)
学生の頃までは、まさに盆と正月には帰っていた。だが、就職してから、特に子どもができてからは頻度が減っていた。おととしの夏に、長女を連れて行ったのが最後だね。もう少し次女が大人しくなれば、また動きやすくなるのだが。
だから、せっかくの機会なので生家で前泊することにした。
生家には、未婚の叔母が2人で暮らしている。以前そこで暮らしていた祖父母は他界している。だが、お墓はそこから徒歩で10分のところにあるし、俺が3歳まで暮らした、紛れもない故郷である。生家は木曽川という一級河川の、かなり河口に近い地点の堤防沿いにある。堤防沿いであるがばかりに、道路から車を引き込む私道を作ろうとしても許可が下りなかったりして、なかなか難しいらしい。
でも、雄大な川と、岐阜の金華山を一望する眺望は、まさに俺の原風景である。鉄橋を電車が渡って行く音も、生活の一部だった気がする。ただ、幼児期の俺がいつも父親を迎えに行き、電車を見ていた、最寄りの無人駅には、数年前に自動改札が設置されて大きく変わってしまったが。
首都圏、たとえば多摩川なんかの河口近くの川岸はグラウンドなどが整備してあるが、木曽川はかなり自然が残っている。なんと、白鳥がいるポイントがほど近くにあると言うので行ってみた。
堤防を下りて川へ向かうまでは、原生林になっている。が、けもの道がちゃんとできている。なんでも、この野生の白鳥を守るNPOがいるそうで、見学のためにこうしてある程度の整備も行っているのだという。
2、3分歩くと水面がやっと見えてきた。白鳥らしき姿は見えない。せっかく来たのにいないのか、とガッカリしかけた。が、さらに奥に行くと...いた。40羽もいた。
みな水中に首を突っ込み、一心不乱に餌を食っている。なので、なかなか絵になる写真は撮れない。この餌だが、NPOの人が毎日バケツ1杯分の玄米を与えているらしい。かなりの金額になるはずだが、川に白鳥が根づいて欲しいという思いから続けているらしい。
俺ら以外にも写真を撮りに来ている人が2人いた。彼らは三脚を浅瀬に設置し、長靴完備で自らもくるぶし程度まで川に浸かり、じっと飛び立つ瞬間を待っているようだった。お気楽でちょろっとやってきた俺と叔母たちは、寒さに耐えられるわけもなく、10分ほどでそこを後にすることにした。
来た道を戻り、堤防を越えたところで、叔母の1人が道路脇のガレージを指差して、「あそこが毎日餌あげてる人の家だよ。写真見せてもらう？」なんて言うので行ってみることにした。この叔母はお寺でお茶を教えているので顔が広い。
建物の前では還暦を過ぎたくらいのおじさんが小さな折り畳み椅子に腰掛けて銀杏の皮を剥いていた。
叔母が声を掛けると、「よっ」という感じで立ち話を始めた。俺が甥で、首都圏から来たと言うと、うっそー？なんて言いながら、茨城の方に白鳥がいるらしいね、なんて振られた。うーん、ごめん、茨城は行ったことさえないかも。
写真見てってよ、と、開いていたシャッターからガレージの中へ入れてもらうと、その壁にも何枚か引き伸ばした写真が飾られている。農作業に使うと思われるトラックの荷台に、10冊ほどのアルバム（現像の時についてくるやつ）をドサッとおじさんが置いた。
写真は、恐らく高倍率のコンパクトデジカメで撮ったのだろう。被写界深度は深く、時にピントが抜けているものも多い。しかし、10羽前後の白鳥の編隊飛行や、1羽大きく翼を広げて飛び立つ瞬間など、好きでいつも見ていない限り撮れないような迫力の写真も多くあった。
また、別の冊には野生のキツネや、カワセミなどの写真も入っていた。これら全てが、生家から徒歩10分圏内の川沿いで見られたものという事実に、新たな発見をしたような気になった。
一頻り見させてもらった後、帰ろうとすると、おじさんが、作業をしていた銀杏を大量に持たせてくれた。
慣れ親しんでいるはずの生家だが、俺は何も知らなかったんだな。また子どもを連れてきた時にでも、周囲でゆっくり遊んでみるのもいいかもしれない。
nobilesの投稿(23:45:07-2013-02-21) -
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