NOBILES Days
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その日俺は、新宿での用事を済ませ、次の用事がある渋谷へ向かった。幸い、新宿の用事が予定より早く終わったので、1時間近い余裕を持って渋谷に着いた。
久々の渋谷だ。時間つぶしがてら散策...って、どこ行くよ？？
...びっくりすることに、ここ行こう、という場所が全く思い浮かばなかった。
一昔前なら電気屋巡りだの、CDショップ回りだの、なんとでもできた。でも、電気屋はもともと新宿の方が充実してるし、CDショップも減った。自分自身、服も大概ユニクロかアウトレットを着るようになって、わざわざ渋谷で買うこともない。結婚前は嫁さんとよく渋谷で会ってたんだがな。
座る場所を求めて彷徨うが、チェーン店のコーヒーショップはこれまたドンガラひっくり返したような混雑ぶりで、入ろうという気がまったく起きない。
結局、駅から相当外れまで歩いてようやく、「コーヒー」なんていうシンプルな看板を見つけ、昔ながらの雰囲気の喫茶店に入って落ち着くことができた。それで、ついケーキセットなんて食ってしまった。
郊外に住んで間もなく5年、渋谷の人の多さは、単に疲れるだけだった。歳食ったってことですか、そうですか。
さて、渋谷でのその用事は、森広隆のライブだった。最近ライブと言えば、ほとんど彼のにしか行ってねーな。まあ、彼のライブにはその価値があるということだ。
Hirotaka Mori
（これは前回のスガシカオとのコラボライブのときのものらしい）
今回は幸い日曜だったので、所属バンドLoopのギタリスト＝カルロスと、その同僚の3人で行くことになった。実はこの3人で、昨年のレコ発のクワトロにも行っている。会場は渋谷のO-Westだ。以前、Loopでも演奏したことのある思い出の場所だ。
開場時間が近づいたので、喫茶店を出てO-Westに向かった。すると、すぐにカルロスやその同僚と合流できた。
あれ？
コンビニから普通に、森広隆のバンドでは不動のキーボーディストである、河内肇が出てきた。トンガリ頭なので一発で分かる。声をかけると「えっ！？」という感じで、相変わらず眠そうに反応した。今から出るライブの客たちなんだから、そりゃ気づくでしょー (^_^;。
オールスタンディングなので、会場には整理番号順で入れる。今回は、プロモーターによる事前予約枠だったので、かなり早い方かと思っていたが、Bの90番台という、まさかの番号だった。うちのバンドの子が先日そのプロモーターを退職したから嫌がらせか？？なんて思っていたが、実は今回はA番はないらしく、意外に早く入場できた。
今回は前から3〜4列目ど真ん中をキープした。ところが、同伴の2人がワンドリンクを取りに行っている間に、どかどかとおばちゃん集団がやってきて俺の周囲を囲んでしまった。あろうことか、俺の前にあったわずかなスペースにまでチラシをねじ込んで、合流すると思われる人用のスペースにしようとしていた。
結局そこには人は来ずにチラシだけ回収していたが、俺は同伴者とは少し離れて観ることになっちまった。恐るべしおばちゃんパワーだ。
さて今回は4ピース構成だったが、ステージ構成がガラッと変わっていた。
ドラムセットはステージ向かって左手に、中央側を見るような形で設置され、いつもはそこにあるキーボードは右手へ移動していた。さらに、ベースはかなりセンター寄りになっていた。
しかも今回はドラムが、いつもの村石雅行ではなく、佐野康夫だった。もうこの筋では引っ張りダコなドラマーだ。ちょうど3年前の森ちゃんのライブでも1回叩いている。いや村石さんだってハンパないドラマーよ？しかしながら、森ちゃんの激しいファンクナンバーと佐野ドラムの融合はもう、至福でさえあった。
今回はバンドアレンジの未リリース新曲も3曲（多分）披露された。
既にライブでも2、3回披露されている「神電」はファンク色が弱く、アニメの主題歌みたいで俺は正直あんまり好きじゃないのだが、2つ目の「Neophilia」はかなり好みだった。多分初めて聴いた。ベースのリフから着想したというミドルから少し速めくらいの曲なのだが、かなりファンキーな上、サビの最後の「衣食住キュンキュン」というセリフがコケティッシュでインパクトもあって良かった。
アンコールで披露された3つ目は多分曲名言っていなかったと思うけど、これもかなりファンキーだった。比較的素直なポップス方向へ振った「いいんです」から、再びファンキー方向へ走ってる感じがして、個人的にはとても嬉しく思った。
そのアンコールでは、「この曲を聴いてください」と言った瞬間、キーボードの河内肇がガンッと曲を弾き始め、森ちゃんが「あれっっ！？」という顔をした。
弾いた曲は「ハッピーバースデー」だった。そう、この日は森広隆の誕生日だったのだ。会場全体が曲を口ずさみ始める。
そして、いつもライブに帯同しているローディー氏が、ロウソクを灯したケーキを持って現れた。森ちゃんは「やられた」という顔をしながらも、嬉しそうにそれを吹き消した。
アンコール前の最後の曲「Heaven」を厳かに歌う前に彼は「実は3年後の目標ができたので、そこに向かって頑張る」というようなことを言っていた。
だが、このアンコールでのサプライズの後、感激した様子で再び話し始めた彼は、感謝の言葉とともに言った。
「よし、目標、もう言っちゃう！」
その内容はきっと、あの空気を共有した人たちだから明らかにしたものなのだろうからここでは書かない。
でも、みんなそれが彼にとっては野心的な目標だと感じたし、みんなにとっても嬉しいことだと思ったから、会場全体が大きな暖かい拍手で包まれた。
なんか...俺も3年後の具体的な目標を立てようかな？そんな気になった。
以前も書いたが、彼とは同年代だからなのか、自分の人生の節目節目に彼の曲が刺さっている。純粋な音楽の素晴らしさももちろんだが、そんな理由もあって彼のことはスペシャルな存在で有り続けているのだ。
ライブの後は野郎3人で打ち上げ飲みに向かった。すると、バンドのボーカルであるNaoから連絡があって、なんだかわざわざ新宿から移動して合流することになった。
素晴らしいライブを堪能した後の、気のおけない仲間との飲みもまた格別だった。格別すぎてつい長居をして、日曜夜なのにまさかの午前サマ帰りをしてしまった！
久々の渋谷だ。時間つぶしがてら散策...って、どこ行くよ？？
...びっくりすることに、ここ行こう、という場所が全く思い浮かばなかった。
一昔前なら電気屋巡りだの、CDショップ回りだの、なんとでもできた。でも、電気屋はもともと新宿の方が充実してるし、CDショップも減った。自分自身、服も大概ユニクロかアウトレットを着るようになって、わざわざ渋谷で買うこともない。結婚前は嫁さんとよく渋谷で会ってたんだがな。
座る場所を求めて彷徨うが、チェーン店のコーヒーショップはこれまたドンガラひっくり返したような混雑ぶりで、入ろうという気がまったく起きない。
結局、駅から相当外れまで歩いてようやく、「コーヒー」なんていうシンプルな看板を見つけ、昔ながらの雰囲気の喫茶店に入って落ち着くことができた。それで、ついケーキセットなんて食ってしまった。
郊外に住んで間もなく5年、渋谷の人の多さは、単に疲れるだけだった。歳食ったってことですか、そうですか。
さて、渋谷でのその用事は、森広隆のライブだった。最近ライブと言えば、ほとんど彼のにしか行ってねーな。まあ、彼のライブにはその価値があるということだ。
Hirotaka Mori
（これは前回のスガシカオとのコラボライブのときのものらしい）
今回は幸い日曜だったので、所属バンドLoopのギタリスト＝カルロスと、その同僚の3人で行くことになった。実はこの3人で、昨年のレコ発のクワトロにも行っている。会場は渋谷のO-Westだ。以前、Loopでも演奏したことのある思い出の場所だ。
開場時間が近づいたので、喫茶店を出てO-Westに向かった。すると、すぐにカルロスやその同僚と合流できた。
あれ？
コンビニから普通に、森広隆のバンドでは不動のキーボーディストである、河内肇が出てきた。トンガリ頭なので一発で分かる。声をかけると「えっ！？」という感じで、相変わらず眠そうに反応した。今から出るライブの客たちなんだから、そりゃ気づくでしょー (^_^;。
オールスタンディングなので、会場には整理番号順で入れる。今回は、プロモーターによる事前予約枠だったので、かなり早い方かと思っていたが、Bの90番台という、まさかの番号だった。うちのバンドの子が先日そのプロモーターを退職したから嫌がらせか？？なんて思っていたが、実は今回はA番はないらしく、意外に早く入場できた。
今回は前から3〜4列目ど真ん中をキープした。ところが、同伴の2人がワンドリンクを取りに行っている間に、どかどかとおばちゃん集団がやってきて俺の周囲を囲んでしまった。あろうことか、俺の前にあったわずかなスペースにまでチラシをねじ込んで、合流すると思われる人用のスペースにしようとしていた。
結局そこには人は来ずにチラシだけ回収していたが、俺は同伴者とは少し離れて観ることになっちまった。恐るべしおばちゃんパワーだ。
さて今回は4ピース構成だったが、ステージ構成がガラッと変わっていた。
ドラムセットはステージ向かって左手に、中央側を見るような形で設置され、いつもはそこにあるキーボードは右手へ移動していた。さらに、ベースはかなりセンター寄りになっていた。
しかも今回はドラムが、いつもの村石雅行ではなく、佐野康夫だった。もうこの筋では引っ張りダコなドラマーだ。ちょうど3年前の森ちゃんのライブでも1回叩いている。いや村石さんだってハンパないドラマーよ？しかしながら、森ちゃんの激しいファンクナンバーと佐野ドラムの融合はもう、至福でさえあった。
今回はバンドアレンジの未リリース新曲も3曲（多分）披露された。
既にライブでも2、3回披露されている「神電」はファンク色が弱く、アニメの主題歌みたいで俺は正直あんまり好きじゃないのだが、2つ目の「Neophilia」はかなり好みだった。多分初めて聴いた。ベースのリフから着想したというミドルから少し速めくらいの曲なのだが、かなりファンキーな上、サビの最後の「衣食住キュンキュン」というセリフがコケティッシュでインパクトもあって良かった。
アンコールで披露された3つ目は多分曲名言っていなかったと思うけど、これもかなりファンキーだった。比較的素直なポップス方向へ振った「いいんです」から、再びファンキー方向へ走ってる感じがして、個人的にはとても嬉しく思った。
そのアンコールでは、「この曲を聴いてください」と言った瞬間、キーボードの河内肇がガンッと曲を弾き始め、森ちゃんが「あれっっ！？」という顔をした。
弾いた曲は「ハッピーバースデー」だった。そう、この日は森広隆の誕生日だったのだ。会場全体が曲を口ずさみ始める。
そして、いつもライブに帯同しているローディー氏が、ロウソクを灯したケーキを持って現れた。森ちゃんは「やられた」という顔をしながらも、嬉しそうにそれを吹き消した。
アンコール前の最後の曲「Heaven」を厳かに歌う前に彼は「実は3年後の目標ができたので、そこに向かって頑張る」というようなことを言っていた。
だが、このアンコールでのサプライズの後、感激した様子で再び話し始めた彼は、感謝の言葉とともに言った。
「よし、目標、もう言っちゃう！」
その内容はきっと、あの空気を共有した人たちだから明らかにしたものなのだろうからここでは書かない。
でも、みんなそれが彼にとっては野心的な目標だと感じたし、みんなにとっても嬉しいことだと思ったから、会場全体が大きな暖かい拍手で包まれた。
なんか...俺も3年後の具体的な目標を立てようかな？そんな気になった。
以前も書いたが、彼とは同年代だからなのか、自分の人生の節目節目に彼の曲が刺さっている。純粋な音楽の素晴らしさももちろんだが、そんな理由もあって彼のことはスペシャルな存在で有り続けているのだ。
ライブの後は野郎3人で打ち上げ飲みに向かった。すると、バンドのボーカルであるNaoから連絡があって、なんだかわざわざ新宿から移動して合流することになった。
素晴らしいライブを堪能した後の、気のおけない仲間との飲みもまた格別だった。格別すぎてつい長居をして、日曜夜なのにまさかの午前サマ帰りをしてしまった！
nobilesの投稿(23:53:18-2014-03-14) -
カテゴリ: Music
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