NOBILES Days
Jump to navigationThey Reached To The Best 8
嫁が身重のため、この盆休みは嫁実家に2度ほど行くだけ（里帰り出産なので荷物が多いのだ）で、特にレジャーらしいレジャーはしていない。
まあ、この暑さだ。家に籠ってオリンピックでも観ているのが一番平和なのだ、と自分に言い聞かせてみる。
我が家近くからの夏空
...ちょぃと脚色が過ぎたか (^_^;
(PentaxK10D, PentaxDAFisheye10-17mmF3.5-4.5(14.0mm), ApertureValueMode, 1/400sec, F9.0, ISO100)
さて、二度に亘り(1, 2)取り上げたので避けて通るわけには行くまい。高校野球である。
あれは3年前の夏だった。
母校の野球部は県大会の決勝を戦っていた。その試合に勝てば甲子園という試合である。相手は桐光学園。強豪だ。6回を終えて5-1。投げるはエース。それまでの試合も強豪校相手にはほとんど彼が投げてきた。
裏に2点は取られたが、まだ2点差。あと3回...。
しかしここでエースが力尽きたのである。7回の裏に一挙6点を奪われ大きく逆転される。8回にも2点を奪われると、もはや6点差を奪い返す力は、母校には残されていなかった。
きっとこの敗戦に、監督はたった一人のエースで厳しいトーナメントを戦うリスクの高さを思い知ったのだろう。その次の春に入学した左右のピッチャーをお互いに切磋琢磨させ、2枚看板の左右エースとして育てた。
時計をこの夏に戻そう。
二人のエースは3年生としてチームを引っ張る立場となった。
気迫を前面に押し出して投げる左のエースが6〜7回を投げ、残り2〜3回を冷静沈着な右のエースが抑える。この二人の継投によって厳しい県大会を勝ち抜き、組み合わせにも恵まれた甲子園でもぐんぐんと勝ち上がっていった。
さあ、ベスト4を掛けた昨日の試合である。先発は...これまでのパターンとは逆に、右のエースであった。「自分達の野球をやるだけ」そう言い続けてきた監督が、自らその黄金律を崩した瞬間であった。
だが、試合自体は1点を取り合う、実に緊迫した展開となる。
1-2で1点を追う5回からは満を持して左のエースが登板する。だが、7回には足の皮が剥けるトラブルが発生してしまうのである。以降彼の球威は若干ながら落ちてしまったようだ。
それでも、その裏には彼自身のバットによって3-2と逆転する。
あと2回...しかし、相手もしぶとい。犠牲フライで1点を返され、延長戦に突入する。依然としてマウンドには足を痛めた左のエースだ。...いきなりノーアウトで3塁打。これをスクイズで返され、ついに勝ち越しを許す。
裏の攻撃は、相手のエースの気迫の投球の前に点を返すことは出来ず、ついにベスト8での敗退が決した。
試合を観ていて、母校が勝つチャンスはいくらでもあった。実は、相手校も本来のエースを温存し、2番手ピッチャーを先発させるイレギュラーな布陣だったし、7回から登板した相手エースは必ずしも絶好調ではなく、だからこそ一旦は勝ち越しができた。
新聞には母校の監督の談話として（普段とは逆の登板順にしたことに対し）「相手の裏をかく意図もあったという本音もきかれた」などと書いていたが...本当だろうか。
7回に左のエースが足を痛めたが、遅かれ早かれこのトラブルは起きていたように思える。そう考えると、右の（本来はリリーフの）エースを先発させたのは、そうせざるを得なかったからではないか？実際、右のエースは「僕がもっとしっかり投げられれば、左のエースを楽にさせることができたはず」とコメントしている。
ともかく、こうして「自分達の野球をする」と言って勝ち続けてきた監督が、それを崩した、そして崩さざるを得なかった試合。そこで負けたというのが象徴的だ。多くの試合を戦い続けて、だんだんチーム全体の疲労の限界が近づいてきていたのだろう。もちろん相手もそうだろうが。
だがその中であれだけの熱い接戦を演じたことは、間違いなくチームの地力が上がってきたからに違いない。ベスト8は誇るべき成果だと思う。2人のエースがいなくなる来年だが...恩師である監督とその教え子達の活躍を祈るばかりだ。
まあ、この暑さだ。家に籠ってオリンピックでも観ているのが一番平和なのだ、と自分に言い聞かせてみる。
我が家近くからの夏空
...ちょぃと脚色が過ぎたか (^_^;
(PentaxK10D, PentaxDAFisheye10-17mmF3.5-4.5(14.0mm), ApertureValueMode, 1/400sec, F9.0, ISO100)
さて、二度に亘り(1, 2)取り上げたので避けて通るわけには行くまい。高校野球である。
あれは3年前の夏だった。
母校の野球部は県大会の決勝を戦っていた。その試合に勝てば甲子園という試合である。相手は桐光学園。強豪だ。6回を終えて5-1。投げるはエース。それまでの試合も強豪校相手にはほとんど彼が投げてきた。
裏に2点は取られたが、まだ2点差。あと3回...。
しかしここでエースが力尽きたのである。7回の裏に一挙6点を奪われ大きく逆転される。8回にも2点を奪われると、もはや6点差を奪い返す力は、母校には残されていなかった。
きっとこの敗戦に、監督はたった一人のエースで厳しいトーナメントを戦うリスクの高さを思い知ったのだろう。その次の春に入学した左右のピッチャーをお互いに切磋琢磨させ、2枚看板の左右エースとして育てた。
時計をこの夏に戻そう。
二人のエースは3年生としてチームを引っ張る立場となった。
気迫を前面に押し出して投げる左のエースが6〜7回を投げ、残り2〜3回を冷静沈着な右のエースが抑える。この二人の継投によって厳しい県大会を勝ち抜き、組み合わせにも恵まれた甲子園でもぐんぐんと勝ち上がっていった。
さあ、ベスト4を掛けた昨日の試合である。先発は...これまでのパターンとは逆に、右のエースであった。「自分達の野球をやるだけ」そう言い続けてきた監督が、自らその黄金律を崩した瞬間であった。
だが、試合自体は1点を取り合う、実に緊迫した展開となる。
1-2で1点を追う5回からは満を持して左のエースが登板する。だが、7回には足の皮が剥けるトラブルが発生してしまうのである。以降彼の球威は若干ながら落ちてしまったようだ。
それでも、その裏には彼自身のバットによって3-2と逆転する。
あと2回...しかし、相手もしぶとい。犠牲フライで1点を返され、延長戦に突入する。依然としてマウンドには足を痛めた左のエースだ。...いきなりノーアウトで3塁打。これをスクイズで返され、ついに勝ち越しを許す。
裏の攻撃は、相手のエースの気迫の投球の前に点を返すことは出来ず、ついにベスト8での敗退が決した。
試合を観ていて、母校が勝つチャンスはいくらでもあった。実は、相手校も本来のエースを温存し、2番手ピッチャーを先発させるイレギュラーな布陣だったし、7回から登板した相手エースは必ずしも絶好調ではなく、だからこそ一旦は勝ち越しができた。
新聞には母校の監督の談話として（普段とは逆の登板順にしたことに対し）「相手の裏をかく意図もあったという本音もきかれた」などと書いていたが...本当だろうか。
7回に左のエースが足を痛めたが、遅かれ早かれこのトラブルは起きていたように思える。そう考えると、右の（本来はリリーフの）エースを先発させたのは、そうせざるを得なかったからではないか？実際、右のエースは「僕がもっとしっかり投げられれば、左のエースを楽にさせることができたはず」とコメントしている。
ともかく、こうして「自分達の野球をする」と言って勝ち続けてきた監督が、それを崩した、そして崩さざるを得なかった試合。そこで負けたというのが象徴的だ。多くの試合を戦い続けて、だんだんチーム全体の疲労の限界が近づいてきていたのだろう。もちろん相手もそうだろうが。
だがその中であれだけの熱い接戦を演じたことは、間違いなくチームの地力が上がってきたからに違いない。ベスト8は誇るべき成果だと思う。2人のエースがいなくなる来年だが...恩師である監督とその教え子達の活躍を祈るばかりだ。
nobilesの投稿(19:03:55-2008-08-16) -
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