NOBILES Days
Jump to navigation99 Arrows' Seashore
娘が2歳7ヶ月になった。だいぶ言葉によるコミュニケーションも板についてきた。そして、二人目についてもいよいよ臨月に入った。もう、いつ生まれてもおかしくないらしい。その時、同時に「おねえちゃん」も誕生するわけだ。
最近では俺や嫁さんが咳をしたり、足とかに擦り傷があると（何しろチャリンコで生傷が絶えない）、「ダイジョウブ？」なんて声をかけてくる。少しずつ、労りの言葉なんかを覚えて来ている。聞き分けも良くなって来て、嫁さんが「寝るよ！」というとタッタッタと居間の扉まで行って「おやすみなさい」と言い、俺のキスを受け止めるべく頬をグッと差し出すのだ。
ひとつひとつがとてもいじらしいこの頃だ。
俺にとってゴールデンウイークでなくなってしまったこの時期だが、29日だけは有休を取得し、3連休とさせてもらった。
その中日。せっかくなので九十九里浜までドライブしに行った。ゴールデンウィークがなくなった分、家族で遊ぶ時間も多少は設けないとね。
海だっ！
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/800sec, F7.1, ISO800)
実は、あのスカスカおせちで話題になったクーポンサイトで、九十九里浜にあるお店の定食半額クーポンを購入してあった。
どうせあの辺にはイチゴ狩りで行くだろうから、と思って買ったのだが、イチゴ狩りを近場で済ませてしまったのと、津波でひどいことになったのでは？という思い込みで行けていなかった。
でも、犬吠埼を回ったところにある旭市こそ津波で甚大な被害を受けたものの、他の地域でひどい被害を受けたというニュースがなかった。津波は多少来たのだろうが、何かがひどく壊されるほどのものではなかったようだ。これぞまさに風評被害だ。
今回行った「九十九里倉庫」はいつも行く磯料理屋「浜清丸」よりも10kmほど北にある。もともと水産加工場だった建物を改装したようだ。
混んでいたら嫌だと思い、昼食としては早めの11時過ぎに着くように行ったのだが、特に渋滞することなく海沿いまで辿り着いた。でも、行楽期にしては少し寂しい印象も受けた。
すぐに見つかったその店の前の駐車場には車が1台しか駐まっていなかった。店の中には生簀なんかもあるし、元工場からそれなりに改装してあって趣があった。九十九里浜のオーシャンビューがウリという二階席の海側に座れたらいいな、と思っていたのだが、もちろんなんの問題もなく希望の席につけた。
クーポンで購入したのは、鰯の蒲焼き丼と鯵の開きの定食だ。これに加え、最近大食漢の娘のために焼きおにぎりも注文した。
最近マイエプロンがお気に入りで、付けっぱなしだった娘を、店のおばあちゃんが気に入ったらしく、「あらあ、なに？お手伝いしてくれるの？」なんて声をかけてくれた。その娘は、クーポンの定食についていたドリンクバーで、もりもりとカルピスを飲んでいた。
残念ながら天気は薄曇りだったのだが、窓の外からは並行して走る水平線と海岸線が広がっていた。大きなサーフボードを持ったサーファー達が引き上げてきていたりして、平和で穏やかな風景だ。目の前を走る有料道路の柵なんかも無事なので、少なくともそこまでは津波が上がってこなかったということだろう。もしかしたら、この道路が堤防の役割を果たしたのかもしれない。
まず鯵の開きが出てきた。干物ではなく、生のようだ。これを網で自分で焼いて食べる。元気な弾力のある肉だ。美味い。
間髪入れずに娘用の焼きおにぎりもきた。単なる焼きおにぎりではなく、桜エビや海藻系などが混ぜてあってなかなかに豪華だ。
嫁さんが箸で崩してやるのを待つか待たぬか、一心不乱に食べ始めた。
続いて俺たちのメインディッシュたる鰯の蒲焼き丼だ。
鰯の蒲焼き丼
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/160sec, F3.2, ISO400)
これがまた凄い。普通、見本の写真を見て期待してたら「アラ？？」という場面が少なくないと思うが、見本より鰯がでかくて、丼からはみ出している。ハナから蓋を載せていない。
見かけに違わず、鰯の脂のノリも素晴らしい。とてもジューシーで、醤油ベースのタレの味に負けることなく、しかし生臭くない、鰯の旨味が主張してくる感じだ。
タレや海苔とのマッチングも絶妙だ。あまりの巨大さに、「食べれるかな？」と一旦怖気づいた嫁さんも、どんどん箸が進み、あっさりと完食してしまった。
これで定価は1340円とのことで、内容を考えたらそれでも十分満足なのだが、半額でいただいてしまってむしろ恐縮なくらいだった。
さて店の方は、さすがに正午を過ぎるとボチボチ客足が出てきて、窓側に座れないグループも出てきた。まあ、それは上機嫌になって遊び食いを始めてなかなか食べ終わらないウチの娘のせいでもあるのだが。
それでも、客席はまだまだ余裕があった。食べログを見ると、これが全部埋まっている写真があったから、とてもではないが最盛期には程遠いことになる。
もったいない。
この店に限らず、美味しいものをたんまり食えるよ、九十九里。どうか風評被害を克服してもらいたい。
満足して店を出た。せっかく海岸線まで車で来たのに海に出ないのも淋しい。店のすぐそばの海岸にくるまで出れそうだったので、向かった。サーファーや散歩の人の車が、陸側から見たら50cmもないくらいの高さのコンクリートの防波堤？の前に2〜3台停まっていたので、そこに並べるように車を停めた。
娘をベビーシートから降ろして、嫁さんと防波堤を越えて砂浜に出ようとして絶句した。
The Scar
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/400sec, F7.1, ISO100)
このコンクリートの防波堤の手前に雨水用と思しき溝があるのだが、それが堤防本体から数十cm程度ずれて隙間ができていた。おそらくは、大震災の時にずれたのだろう。大きな被害がないように見えるこの地でも、爪痕は確かに残っていた。
防波堤は海の側はなだらかに2〜3m程下っていた。その下に砂浜が広がっている。
最初は怖がった娘だが、勾配の緩さに気づき、自分でも歩けると分かると、「水がたくさんある不思議な場所」目がけて降り始めた。
で、トビラの写真のシーンになるわけだが...この日は風が結構強く、波も少し強めだった。不意に、足下近くまで波が押し寄せて来て、娘はびっくりして逃げた。その新鮮な驚きがまた可愛く思えた。
浜辺には30分ほどいた。やはり風が強いので、だんだん寒くなって来て退散した。その間も、娘は波打ち際に行ったり、防波堤まで戻って来たりを繰り返して興味津々の様子だった。
その後は、行く途中に見かけたバザーに立ち寄った。
場所自体は、俺達の結婚式の引き出物にしたガラス製品の工場だ。そこのアウトレットをゴールデンウィーク限定で野外で売っているようだが、それに連動して被災からの復興支援という形で、地元の農家や水産業の方々が店を出していた。
摘みたての完熟いちごや、銚子電鉄の濡れ煎餅、鯵の干物、お花なんかを次々に買ってしまった。
小さい子供がいると、みんなの目が暖かい。いちごのところではしこたま試食させてくれたし、煎餅を買ったところでは「2歳半？海苔食べられる？じゃあ持ってって！」と商品の海苔をもらってしまった。
出口に一番近いところでは、黒炭かりんとうを売っていて、試食もさせてくれた。これもとても香ばしくて美味しくて、娘も口の周りを真っ黒にして食べていたが、散々他にいろいろ買っていたし、まあいいか、とその場を離れ帰路についた。
車で走り始めてしばらくして、嫁さんがポツリと話し始めた。
「やっぱり、かりんとう買えば良かったかな...」
遅いわ！
そんなわけで、束の間だが九十九里ののどかさと豊かさを満喫した。
九十九里浜は、あの源頼朝が1里ごとに矢をおいていったところ、99本だったことからついたらしい。だから、この付近には「矢」にまつわる地名や寺などが多いらしい。
最近では俺や嫁さんが咳をしたり、足とかに擦り傷があると（何しろチャリンコで生傷が絶えない）、「ダイジョウブ？」なんて声をかけてくる。少しずつ、労りの言葉なんかを覚えて来ている。聞き分けも良くなって来て、嫁さんが「寝るよ！」というとタッタッタと居間の扉まで行って「おやすみなさい」と言い、俺のキスを受け止めるべく頬をグッと差し出すのだ。
ひとつひとつがとてもいじらしいこの頃だ。
俺にとってゴールデンウイークでなくなってしまったこの時期だが、29日だけは有休を取得し、3連休とさせてもらった。
その中日。せっかくなので九十九里浜までドライブしに行った。ゴールデンウィークがなくなった分、家族で遊ぶ時間も多少は設けないとね。
海だっ！
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/800sec, F7.1, ISO800)
実は、あのスカスカおせちで話題になったクーポンサイトで、九十九里浜にあるお店の定食半額クーポンを購入してあった。
どうせあの辺にはイチゴ狩りで行くだろうから、と思って買ったのだが、イチゴ狩りを近場で済ませてしまったのと、津波でひどいことになったのでは？という思い込みで行けていなかった。
でも、犬吠埼を回ったところにある旭市こそ津波で甚大な被害を受けたものの、他の地域でひどい被害を受けたというニュースがなかった。津波は多少来たのだろうが、何かがひどく壊されるほどのものではなかったようだ。これぞまさに風評被害だ。
今回行った「九十九里倉庫」はいつも行く磯料理屋「浜清丸」よりも10kmほど北にある。もともと水産加工場だった建物を改装したようだ。
混んでいたら嫌だと思い、昼食としては早めの11時過ぎに着くように行ったのだが、特に渋滞することなく海沿いまで辿り着いた。でも、行楽期にしては少し寂しい印象も受けた。
すぐに見つかったその店の前の駐車場には車が1台しか駐まっていなかった。店の中には生簀なんかもあるし、元工場からそれなりに改装してあって趣があった。九十九里浜のオーシャンビューがウリという二階席の海側に座れたらいいな、と思っていたのだが、もちろんなんの問題もなく希望の席につけた。
クーポンで購入したのは、鰯の蒲焼き丼と鯵の開きの定食だ。これに加え、最近大食漢の娘のために焼きおにぎりも注文した。
最近マイエプロンがお気に入りで、付けっぱなしだった娘を、店のおばあちゃんが気に入ったらしく、「あらあ、なに？お手伝いしてくれるの？」なんて声をかけてくれた。その娘は、クーポンの定食についていたドリンクバーで、もりもりとカルピスを飲んでいた。
残念ながら天気は薄曇りだったのだが、窓の外からは並行して走る水平線と海岸線が広がっていた。大きなサーフボードを持ったサーファー達が引き上げてきていたりして、平和で穏やかな風景だ。目の前を走る有料道路の柵なんかも無事なので、少なくともそこまでは津波が上がってこなかったということだろう。もしかしたら、この道路が堤防の役割を果たしたのかもしれない。
まず鯵の開きが出てきた。干物ではなく、生のようだ。これを網で自分で焼いて食べる。元気な弾力のある肉だ。美味い。
間髪入れずに娘用の焼きおにぎりもきた。単なる焼きおにぎりではなく、桜エビや海藻系などが混ぜてあってなかなかに豪華だ。
嫁さんが箸で崩してやるのを待つか待たぬか、一心不乱に食べ始めた。
続いて俺たちのメインディッシュたる鰯の蒲焼き丼だ。
鰯の蒲焼き丼
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/160sec, F3.2, ISO400)
これがまた凄い。普通、見本の写真を見て期待してたら「アラ？？」という場面が少なくないと思うが、見本より鰯がでかくて、丼からはみ出している。ハナから蓋を載せていない。
見かけに違わず、鰯の脂のノリも素晴らしい。とてもジューシーで、醤油ベースのタレの味に負けることなく、しかし生臭くない、鰯の旨味が主張してくる感じだ。
タレや海苔とのマッチングも絶妙だ。あまりの巨大さに、「食べれるかな？」と一旦怖気づいた嫁さんも、どんどん箸が進み、あっさりと完食してしまった。
これで定価は1340円とのことで、内容を考えたらそれでも十分満足なのだが、半額でいただいてしまってむしろ恐縮なくらいだった。
さて店の方は、さすがに正午を過ぎるとボチボチ客足が出てきて、窓側に座れないグループも出てきた。まあ、それは上機嫌になって遊び食いを始めてなかなか食べ終わらないウチの娘のせいでもあるのだが。
それでも、客席はまだまだ余裕があった。食べログを見ると、これが全部埋まっている写真があったから、とてもではないが最盛期には程遠いことになる。
もったいない。
この店に限らず、美味しいものをたんまり食えるよ、九十九里。どうか風評被害を克服してもらいたい。
満足して店を出た。せっかく海岸線まで車で来たのに海に出ないのも淋しい。店のすぐそばの海岸にくるまで出れそうだったので、向かった。サーファーや散歩の人の車が、陸側から見たら50cmもないくらいの高さのコンクリートの防波堤？の前に2〜3台停まっていたので、そこに並べるように車を停めた。
娘をベビーシートから降ろして、嫁さんと防波堤を越えて砂浜に出ようとして絶句した。
The Scar
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/400sec, F7.1, ISO100)
このコンクリートの防波堤の手前に雨水用と思しき溝があるのだが、それが堤防本体から数十cm程度ずれて隙間ができていた。おそらくは、大震災の時にずれたのだろう。大きな被害がないように見えるこの地でも、爪痕は確かに残っていた。
防波堤は海の側はなだらかに2〜3m程下っていた。その下に砂浜が広がっている。
最初は怖がった娘だが、勾配の緩さに気づき、自分でも歩けると分かると、「水がたくさんある不思議な場所」目がけて降り始めた。
で、トビラの写真のシーンになるわけだが...この日は風が結構強く、波も少し強めだった。不意に、足下近くまで波が押し寄せて来て、娘はびっくりして逃げた。その新鮮な驚きがまた可愛く思えた。
浜辺には30分ほどいた。やはり風が強いので、だんだん寒くなって来て退散した。その間も、娘は波打ち際に行ったり、防波堤まで戻って来たりを繰り返して興味津々の様子だった。
その後は、行く途中に見かけたバザーに立ち寄った。
場所自体は、俺達の結婚式の引き出物にしたガラス製品の工場だ。そこのアウトレットをゴールデンウィーク限定で野外で売っているようだが、それに連動して被災からの復興支援という形で、地元の農家や水産業の方々が店を出していた。
摘みたての完熟いちごや、銚子電鉄の濡れ煎餅、鯵の干物、お花なんかを次々に買ってしまった。
小さい子供がいると、みんなの目が暖かい。いちごのところではしこたま試食させてくれたし、煎餅を買ったところでは「2歳半？海苔食べられる？じゃあ持ってって！」と商品の海苔をもらってしまった。
出口に一番近いところでは、黒炭かりんとうを売っていて、試食もさせてくれた。これもとても香ばしくて美味しくて、娘も口の周りを真っ黒にして食べていたが、散々他にいろいろ買っていたし、まあいいか、とその場を離れ帰路についた。
車で走り始めてしばらくして、嫁さんがポツリと話し始めた。
「やっぱり、かりんとう買えば良かったかな...」
遅いわ！
そんなわけで、束の間だが九十九里ののどかさと豊かさを満喫した。
九十九里浜は、あの源頼朝が1里ごとに矢をおいていったところ、99本だったことからついたらしい。だから、この付近には「矢」にまつわる地名や寺などが多いらしい。
nobilesの投稿(22:51:33-2011-05-03) -
カテゴリ: Travel
コメント
ksugahar wrote:
いいな。うまそ。
2011-05-04 16:04:41
nobiles_mobile wrote:
うまそうなものに反応するよなあ (^_^;
2011-05-04 18:13:26
end wrote:
F1ネタかと思ったよ。
2011-05-04 22:12:56
nobiles wrote:
99年なら、高木の虎ちゃんも所属してたしな。
2011-05-04 22:30:23
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