NOBILES Days
Jump to navigationWhich Camera Should We Buy Now? Part.6
昨日仕事で、ある技術的なセミナーに出席した。
が...一番聞きたかった内容を担当する講師がムカつく奴だった。
一見腰が低く見えるくせに、「前回受けられた方は大変優秀だったので、午後5時には終りました。ま、今日はね、経験の差もあるでしょうから...」。あ？それはなんだ。俺達が優秀じゃないって言いたいのか？
それでいて、説明が駆け足過ぎて全然ついて行けない。それは俺が専門外だからかと思っていたら、横で聞いていた専門の方が「そんなやり方もろくに説明しないでどんどん進んだら、分かりません」とかなり強い口調で言った。だよね？だよね？やっぱりおかしいよね？全然ケアしてくれないし。強い口調で言われてすぐテンパるあたり、本当に小物だコイツ。
挙げ句、うまく結果を出せなかった俺が休憩時間に復習して質問したら「いやいや、そんなことはないですよ。このテキスト通りにやれば誰でもできるようになってますから」。...ああそう、俺はその「誰でも」も入ってないわけだ。
こんな奴、ほんと関わりたくないね。
たとえ荒海でも、やっぱ青いプジョーには海が似合う
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/60sec, F2.5, ISO200)
なかなか収束しないが (^_^;、「今、どのカメラを買うべきか」の第6弾。
そんなわけで、前回は仕組み面の話を長々してしまったが、ディジタル一眼レフカメラを現役で作っているのは、Canon、Nikonという2強に、Pentax(Ricoh)とSigmaを加えた4社だけになってしまった。
Olympusは一眼レフ向けの4/3規格を継続すると言っているが、1年前のE-5ボディを最後に（レンズに至っては3年も！）4/3製品をリリースしていない現状を鑑みれば、リソースをミラーレスであるμ4/3規格に集中させたとみるべきであろう。SONYは先述のように光学ファインダーを廃止して一眼レフから「撤退」した。やはり流れはミラーレスなのだ。
それはともかくとして、各社のディジタル一眼レフのレビューに入ることにしよう。
・Canon EOS
ディジタル一眼レフカメラで現在トップのシェアを握っているのがCanonである。その中でも単機種での圧倒的シェアを誇るのがKissX5だろう。猫も杓子もKissと言っても良い。
Canon EOS KissX5
Kissシリーズの強みは、何といってもソツのなさである。恐らく、ボディ価格10万円弱というのが先にあって、上位機種でこなれた機能や装備をその範囲で可能な限り詰め込んでいるように感じられる。
以前は小型化のし過ぎでホールディングしにくかったり、質感が足りなかったり、ファインダーが貧弱だったりと弱点も多かったが、世代を経るごとにそれらが潰されてきた。撮像素子の値段などがこなれた分、価格を保つためにそれ以外にコストをかけたともとれる。
現行機種になって可動式の背面モニターもついた。動画への対応もそれなりに進んできた感がある。
もともと、ソフトウェアの開発は優れていたようで、若干緩慢さのあるNikonの入門クラスに対し、キビキビしたKissという構図になっている。
もちろん、上位機種で養ったフォーカスは速いし、キットで付属するレンズは手ぶれ補正が載っている。長年業界トップと言われてきた高感度性能も、追いつかれてきたとは言え、破綻のない画を出すことが一番少ないと思う。
このように、極めてソツがなく、欠点が少ないKissX5は、今一番初心者に薦められるカメラだと言える。しかしながらそれはあくまで「初心者向けのモアベター」であって、万人が満足するものではない。
たとえば、位相差AFの測距点、つまりピントを合わせられるポイントは、もはや業界最少クラスの9点となった。
まあ、これも一昔前と比べれば天国的に多いし、初心者には十分すぎるとも言える。しかし、上達して画を作り始めるようになると、不満を感じ始めるポイントであろう。
それより個人的にいかがなものかと思うのは、「初心者には必要ない」と、載せても問題ない機能をあえて殺すことだ。穿った見方をすれば、入れてもコストが変わらないのに上位機種との差別化だけのためだけに外しているようにすら感じられてしまう。
例えば最高感度だ。同じ撮像素子、画像エンジンによる上位機種で実績がある高感度を、あえてもっと低い感度までしか使えないようにしている。
まあ、確かになーんも考えずに撮っていていきなり最高感度のダビダビな画像を目にしたらびっくりするかもしれない。
初心者をびっくりさせない、余計な操作なしにいい写真を提供する。
そういう意味で「初心者コンシャス」がとことん徹底されているのがKissだ。でも、本格的に撮影を楽しみたいのなら、多分どこかで「なんで？？」という理不尽な不満が出てくる、そんな機種だと思う。
まあ、他社でも初心者モデルなんてそんなもんなんだけどね。それでも、深いメニューの奥まで行けば同じ機能を利用できることの方が多い。Kissの方がばっさりだ。
一応中級機も触れておこう。
Canon EOS 60D
60Dは2000年発売のD30から脈々と続くCanon中級機の系譜だ。がっちりとしたボディは高級感も高く、「撮影のための道具」たる主張を感じる。可動式の背面モニターを新たに装備したことで、撮影範囲も広がった。
ただ、7DというAPS-C最高機種が登場したことで、若干立ち位置が変化してきたことはその登場時に述べた。
例えば連写速度だ。Canon中級機と言えば秒間5コマを超える連写が特長だったが、60Dでは秒間4.5コマに落ちている。
見方によっては、初心者からのステップアップ層のニーズ（かならずしも高速連写は必要ない）に応えたともとれるし、画素数というスペックを追い過ぎて画像エンジンの処理速度とのバランスが崩れたともとれる。
それから個人的には、大分改善されてきたが、伝統の中級機だけに、以前からのインターフェイスを引きずってとっつき辛さを感じる。
また、せっかくAPS-Cサイズの素子を採用しているのに、上位機種が35mmフルサイズを採用しているために、高性能レンズはフルサイズに対応した巨大なものばかりで、優秀でコンパクトなAPS-C専用のレンズは意外に少ない。ある意味ではフルサイズのカメラとレンズを共有できるとも言えるが、せっかくのその性能の一部を切り取る形になるし、本来ハンドリングが良いはずのAPS-Cサイズカメラの良さもスポイルすることにもなる。
これも個人的意見として聞いていただきたいが、Canonはモデルごとのユーザー層をガチガチに設定してそれに縛られている気がする。もっと柔軟に開発してくれた方が使いやすいものになるんじゃないかと感じている。裏を返せば、そのターゲットユーザー像にばっちりハマれば、大変使いやすいものとなるだろう。
今回は一応「初一眼を買うならどこ？」ってテーマだからフルサイズ機やハイエンドについては触れない。ただ、小欄で度々主張していることを繰り返させていただく。
よく店員らが口にする「Canon（この場合Nikonに置き換え可）なら、上位機種にステップアップしても同じレンズを使い回しできる（から最初から選んどけ）」という言葉は7割方嘘だ。そんな理由でCanonおよびNikonを選んではならない。なぜなら、先述の通り2社のハイエンド機は入門機よりも大きな撮像素子を使用している。だから、入門機に付属するレンズはハイエンド機では使えない。いや、使ってもいいが、画面の外側が黒く縁取られた「ケラレ」画像になってしまう。
仮にサイズの問題がなかったとしても、たかだか2、3万円で買える初心者向けの付属レンズでは、上位機種を欲しいと思う人が満足するような画質を得ることはできない。結局、新たなカメラの格に見合ったレンズを買い直すことになる。
だから、上位機種のことは、そういうカメラが必要になった時に考えればいいことであって、今からカメラを始めようという人が考えることではないと思う。
つづく
が...一番聞きたかった内容を担当する講師がムカつく奴だった。
一見腰が低く見えるくせに、「前回受けられた方は大変優秀だったので、午後5時には終りました。ま、今日はね、経験の差もあるでしょうから...」。あ？それはなんだ。俺達が優秀じゃないって言いたいのか？
それでいて、説明が駆け足過ぎて全然ついて行けない。それは俺が専門外だからかと思っていたら、横で聞いていた専門の方が「そんなやり方もろくに説明しないでどんどん進んだら、分かりません」とかなり強い口調で言った。だよね？だよね？やっぱりおかしいよね？全然ケアしてくれないし。強い口調で言われてすぐテンパるあたり、本当に小物だコイツ。
挙げ句、うまく結果を出せなかった俺が休憩時間に復習して質問したら「いやいや、そんなことはないですよ。このテキスト通りにやれば誰でもできるようになってますから」。...ああそう、俺はその「誰でも」も入ってないわけだ。
こんな奴、ほんと関わりたくないね。
たとえ荒海でも、やっぱ青いプジョーには海が似合う
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/60sec, F2.5, ISO200)
なかなか収束しないが (^_^;、「今、どのカメラを買うべきか」の第6弾。
そんなわけで、前回は仕組み面の話を長々してしまったが、ディジタル一眼レフカメラを現役で作っているのは、Canon、Nikonという2強に、Pentax(Ricoh)とSigmaを加えた4社だけになってしまった。
Olympusは一眼レフ向けの4/3規格を継続すると言っているが、1年前のE-5ボディを最後に（レンズに至っては3年も！）4/3製品をリリースしていない現状を鑑みれば、リソースをミラーレスであるμ4/3規格に集中させたとみるべきであろう。SONYは先述のように光学ファインダーを廃止して一眼レフから「撤退」した。やはり流れはミラーレスなのだ。
それはともかくとして、各社のディジタル一眼レフのレビューに入ることにしよう。
・Canon EOS
ディジタル一眼レフカメラで現在トップのシェアを握っているのがCanonである。その中でも単機種での圧倒的シェアを誇るのがKissX5だろう。猫も杓子もKissと言っても良い。
Canon EOS KissX5
Kissシリーズの強みは、何といってもソツのなさである。恐らく、ボディ価格10万円弱というのが先にあって、上位機種でこなれた機能や装備をその範囲で可能な限り詰め込んでいるように感じられる。
以前は小型化のし過ぎでホールディングしにくかったり、質感が足りなかったり、ファインダーが貧弱だったりと弱点も多かったが、世代を経るごとにそれらが潰されてきた。撮像素子の値段などがこなれた分、価格を保つためにそれ以外にコストをかけたともとれる。
現行機種になって可動式の背面モニターもついた。動画への対応もそれなりに進んできた感がある。
もともと、ソフトウェアの開発は優れていたようで、若干緩慢さのあるNikonの入門クラスに対し、キビキビしたKissという構図になっている。
もちろん、上位機種で養ったフォーカスは速いし、キットで付属するレンズは手ぶれ補正が載っている。長年業界トップと言われてきた高感度性能も、追いつかれてきたとは言え、破綻のない画を出すことが一番少ないと思う。
このように、極めてソツがなく、欠点が少ないKissX5は、今一番初心者に薦められるカメラだと言える。しかしながらそれはあくまで「初心者向けのモアベター」であって、万人が満足するものではない。
たとえば、位相差AFの測距点、つまりピントを合わせられるポイントは、もはや業界最少クラスの9点となった。
まあ、これも一昔前と比べれば天国的に多いし、初心者には十分すぎるとも言える。しかし、上達して画を作り始めるようになると、不満を感じ始めるポイントであろう。
それより個人的にいかがなものかと思うのは、「初心者には必要ない」と、載せても問題ない機能をあえて殺すことだ。穿った見方をすれば、入れてもコストが変わらないのに上位機種との差別化だけのためだけに外しているようにすら感じられてしまう。
例えば最高感度だ。同じ撮像素子、画像エンジンによる上位機種で実績がある高感度を、あえてもっと低い感度までしか使えないようにしている。
まあ、確かになーんも考えずに撮っていていきなり最高感度のダビダビな画像を目にしたらびっくりするかもしれない。
初心者をびっくりさせない、余計な操作なしにいい写真を提供する。
そういう意味で「初心者コンシャス」がとことん徹底されているのがKissだ。でも、本格的に撮影を楽しみたいのなら、多分どこかで「なんで？？」という理不尽な不満が出てくる、そんな機種だと思う。
まあ、他社でも初心者モデルなんてそんなもんなんだけどね。それでも、深いメニューの奥まで行けば同じ機能を利用できることの方が多い。Kissの方がばっさりだ。
一応中級機も触れておこう。
Canon EOS 60D
60Dは2000年発売のD30から脈々と続くCanon中級機の系譜だ。がっちりとしたボディは高級感も高く、「撮影のための道具」たる主張を感じる。可動式の背面モニターを新たに装備したことで、撮影範囲も広がった。
ただ、7DというAPS-C最高機種が登場したことで、若干立ち位置が変化してきたことはその登場時に述べた。
例えば連写速度だ。Canon中級機と言えば秒間5コマを超える連写が特長だったが、60Dでは秒間4.5コマに落ちている。
見方によっては、初心者からのステップアップ層のニーズ（かならずしも高速連写は必要ない）に応えたともとれるし、画素数というスペックを追い過ぎて画像エンジンの処理速度とのバランスが崩れたともとれる。
それから個人的には、大分改善されてきたが、伝統の中級機だけに、以前からのインターフェイスを引きずってとっつき辛さを感じる。
また、せっかくAPS-Cサイズの素子を採用しているのに、上位機種が35mmフルサイズを採用しているために、高性能レンズはフルサイズに対応した巨大なものばかりで、優秀でコンパクトなAPS-C専用のレンズは意外に少ない。ある意味ではフルサイズのカメラとレンズを共有できるとも言えるが、せっかくのその性能の一部を切り取る形になるし、本来ハンドリングが良いはずのAPS-Cサイズカメラの良さもスポイルすることにもなる。
これも個人的意見として聞いていただきたいが、Canonはモデルごとのユーザー層をガチガチに設定してそれに縛られている気がする。もっと柔軟に開発してくれた方が使いやすいものになるんじゃないかと感じている。裏を返せば、そのターゲットユーザー像にばっちりハマれば、大変使いやすいものとなるだろう。
今回は一応「初一眼を買うならどこ？」ってテーマだからフルサイズ機やハイエンドについては触れない。ただ、小欄で度々主張していることを繰り返させていただく。
よく店員らが口にする「Canon（この場合Nikonに置き換え可）なら、上位機種にステップアップしても同じレンズを使い回しできる（から最初から選んどけ）」という言葉は7割方嘘だ。そんな理由でCanonおよびNikonを選んではならない。なぜなら、先述の通り2社のハイエンド機は入門機よりも大きな撮像素子を使用している。だから、入門機に付属するレンズはハイエンド機では使えない。いや、使ってもいいが、画面の外側が黒く縁取られた「ケラレ」画像になってしまう。
仮にサイズの問題がなかったとしても、たかだか2、3万円で買える初心者向けの付属レンズでは、上位機種を欲しいと思う人が満足するような画質を得ることはできない。結局、新たなカメラの格に見合ったレンズを買い直すことになる。
だから、上位機種のことは、そういうカメラが必要になった時に考えればいいことであって、今からカメラを始めようという人が考えることではないと思う。
つづく
nobilesの投稿(23:11:00-2011-12-06) -
カテゴリ: Photo
コメント
No comments yet
コメントを追加
トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)TrackBack URL
DISALLOWED (TrackBack)
メインページ
Calendar
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
NewEntries
最新COMMENTS
■20-07-11 21:47>ああ、あのeh
■20-07-10 01:07>そうです、予
■20-07-09 22:36>あっ、ショー
■20-07-06 07:27>50-34のチェ�
■18-01-05 00:53>おやこれはぱ
■18-01-04 23:56>手出しちゃっ
■15-07-27 23:21>おっと、今か
■15-07-22 11:40>良質な小説読
■15-02-21 09:29>おや、どなた
■15-02-20 08:05>ほー、勉強に
カテゴリ
- All
- Bicycle
- Breast Cancer
- Change Job
- Formula-One
- Gourmet
- Injury
- Mac
- Main
- Monaco
- Music
- Peugeot
- Photo
- Travel
Archives
My Links
NOBILES Web検索
プロフィール
RSS対応
RSS v2.0
RSS v0.91
RSS v1.0
管理
管理室へ携帯用ブログ
携帯用URL