NOBILES Days
Jump to navigationThe trend of digital camera 2013 (10)
デジカメトーク2013の最終回は、俺が実際に購入したPentax K-3のレビューとしたい。
Pentax K-3
(PentaxK-7, PentaxFA43mmLimitedF1.9, 1/2sec, F4.0, ISO100)
まずこのK-3の一番のセールスポイントは2400万画素のローパスフィルターレスの撮像素子を採用したことだろう。
しかしそれではNikon D7100やD5300と同じである。Pentaxの強みは、ボディ側に手ぶれ補正機構を持つこと、またそれを利用したさまざまな付加機能があることだ。
今回搭載した機能で言えば「ローパスセレクター」である。
これは、ローパスフィルターONの設定の時は、露光の瞬間に手ぶれ補正機構で、言ってみれば「あえて超細かくブラす」ことで、ローパスフィルターと同様の効果を得るというものだ。
もちろん手ぶれ補正機能との共存も可能だ。きっとソフト屋は大変だったんだろうなあ、と思ってしまう。
だが、俺はローパスセレクターを常にオフにしている。ローパスレスだからと言って、モアレが気になる場面なんてほぼ皆無だということだ。しかし、ローパスセレクターを実現させるために手ぶれ補正機構は大幅に高精度、高性能化が図られた。そのおかげで手ぶれ補正効果も高まっているのを実感できる。
それよりも買った直後は、K-3が叩き出す画の精細さに声を上げた。前カメラK-7の1400万画素から倍近い2400万画素であるのに加えて、ローパスレスなのだ。以前から使っていた、FA31mmLimitedという、一応高級レンズの部類となるレンズが持つ本来の解像力をまざまざと見せつけてくれたと感じた。
そして、その高感度での画質にも驚いた。K-7はまだまだ高感度特性がかなり貧弱で、最大感度もISO6400に留まっていた。
それがK-3では最大ISO51200である。もうその感度なら常夜灯の小さな灯りでも、手持ちで子どもの寝顔を撮影できてしまう。もちろん画質はガビガビで、作品撮りには厳しいが、子どものオモチャに書かれた小さな文字を判読できるくらいの解像度は保っている。
そこまで感度を上げなくても、全体的に高感度の画質が上がっているので、俺は自動で感度が上がる上限をISO1600まで上げた。手ぶれ補正も強くなったので、場面によってはF値の大きいズームレンズでも使いやすくなった。撮影の自由度が格段に広がった気がする。
大幅に刷新され、期待されたAFについては、やっぱりPentaxレベルだった (^_^;。AF-Cで子ども達の動きにばっちり追従するかというと、まあちょっと厳しい感じだ。恐らく、ボディ側というよりレンズ側がついてこれてない、というところだと思う。高額なDA☆60-250mmなんて、超音波モーターのAF駆動のくせに、絶望的に遅いからな。画質は素晴らしいけど。最近のDCモーターはそれなりに速いと聞くので、レンズ側の整備を急いでいただきたいところだ。
一方、デザインは3世代前のK-7から大きくは変わっていないが、持った感触は結構変わっている。細かな形状の変更ながら、それが手にしっくり馴染むのに大きく貢献している。K-7ではペラッペラだったボタンも、「ちゃんと押されたよ！」と主張する感触のものになって、断然使い勝手が上がった。また、ペンタ部がシャープになったことで、グッと精悍な印象になった。
対角サイズに大きな差はなくとも、4:3から3:2になったモニターも想像以上に効果が高い。余白（余黒？）がなくなった分かなり大きく表示されるのだ。とても良い。まあ、他社からかなり遅れての採用だがね。
あと、ファインダーも視野率100%のまま、倍率が95%まで上がった。これでさらに見やすく「撮る気にさせる」ファインダーになったと思う。
動作は全てが軽くなった。特に、シャッターとミラーによるショックはほぼ感じないほどで、音も極めて小さい。年配の方がシャッターを押してくれたことがあるのだが「あれ？これで撮れたのかな？」と不安になるくらいショックと音がない。ブラケットもあっという間に3枚撮り終えてしまう。何しろ、連写速度は8.3fpsで、RAWでも23枚連続で撮れる。
一応、最近流行の無線LAN対応も、別売りのSDカードで対応できるのだが、開発が遅れたのか（公式には「予想を上回る受注により」とか言ってるが）、当初11月中発売が2月発売まで伸びてしまった。本体頑張ったんだから、周辺機器もちゃんと揃えて出そうぜ。
それでもまあ、こんなに快適で、目を見張るような画質を得られることになるとは思っていなかった。まあ、昨今他社で採用が多いバリアングルモニターやら、動画への対応はあまり進んでいない。しかし、「ディジタル一眼レフ」としての進化はかなり地道に、そして大幅に行ってきたという印象だ。他社のAPS-C機の上位機種を凌ぐ性能を得たばかりか、他社にない「ボディ内手振れ補正」という価値に磨きをかけた点で、ぜひ勧めたいカメラになってくれた。文中に書いた通り、あとは、もうちょいレンズを最新トレンドに近づける努力をして欲しいな。
さて、今年もあと10分ちょっとだ。今年関わった方々全てに感謝したい。明けた年にも、多くの方々と関わって実り多き年にさせてもらえればと願っている。
Pentax K-3
(PentaxK-7, PentaxFA43mmLimitedF1.9, 1/2sec, F4.0, ISO100)
まずこのK-3の一番のセールスポイントは2400万画素のローパスフィルターレスの撮像素子を採用したことだろう。
しかしそれではNikon D7100やD5300と同じである。Pentaxの強みは、ボディ側に手ぶれ補正機構を持つこと、またそれを利用したさまざまな付加機能があることだ。
今回搭載した機能で言えば「ローパスセレクター」である。
これは、ローパスフィルターONの設定の時は、露光の瞬間に手ぶれ補正機構で、言ってみれば「あえて超細かくブラす」ことで、ローパスフィルターと同様の効果を得るというものだ。
もちろん手ぶれ補正機能との共存も可能だ。きっとソフト屋は大変だったんだろうなあ、と思ってしまう。
だが、俺はローパスセレクターを常にオフにしている。ローパスレスだからと言って、モアレが気になる場面なんてほぼ皆無だということだ。しかし、ローパスセレクターを実現させるために手ぶれ補正機構は大幅に高精度、高性能化が図られた。そのおかげで手ぶれ補正効果も高まっているのを実感できる。
それよりも買った直後は、K-3が叩き出す画の精細さに声を上げた。前カメラK-7の1400万画素から倍近い2400万画素であるのに加えて、ローパスレスなのだ。以前から使っていた、FA31mmLimitedという、一応高級レンズの部類となるレンズが持つ本来の解像力をまざまざと見せつけてくれたと感じた。
そして、その高感度での画質にも驚いた。K-7はまだまだ高感度特性がかなり貧弱で、最大感度もISO6400に留まっていた。
それがK-3では最大ISO51200である。もうその感度なら常夜灯の小さな灯りでも、手持ちで子どもの寝顔を撮影できてしまう。もちろん画質はガビガビで、作品撮りには厳しいが、子どものオモチャに書かれた小さな文字を判読できるくらいの解像度は保っている。
そこまで感度を上げなくても、全体的に高感度の画質が上がっているので、俺は自動で感度が上がる上限をISO1600まで上げた。手ぶれ補正も強くなったので、場面によってはF値の大きいズームレンズでも使いやすくなった。撮影の自由度が格段に広がった気がする。
大幅に刷新され、期待されたAFについては、やっぱりPentaxレベルだった (^_^;。AF-Cで子ども達の動きにばっちり追従するかというと、まあちょっと厳しい感じだ。恐らく、ボディ側というよりレンズ側がついてこれてない、というところだと思う。高額なDA☆60-250mmなんて、超音波モーターのAF駆動のくせに、絶望的に遅いからな。画質は素晴らしいけど。最近のDCモーターはそれなりに速いと聞くので、レンズ側の整備を急いでいただきたいところだ。
一方、デザインは3世代前のK-7から大きくは変わっていないが、持った感触は結構変わっている。細かな形状の変更ながら、それが手にしっくり馴染むのに大きく貢献している。K-7ではペラッペラだったボタンも、「ちゃんと押されたよ！」と主張する感触のものになって、断然使い勝手が上がった。また、ペンタ部がシャープになったことで、グッと精悍な印象になった。
対角サイズに大きな差はなくとも、4:3から3:2になったモニターも想像以上に効果が高い。余白（余黒？）がなくなった分かなり大きく表示されるのだ。とても良い。まあ、他社からかなり遅れての採用だがね。
あと、ファインダーも視野率100%のまま、倍率が95%まで上がった。これでさらに見やすく「撮る気にさせる」ファインダーになったと思う。
動作は全てが軽くなった。特に、シャッターとミラーによるショックはほぼ感じないほどで、音も極めて小さい。年配の方がシャッターを押してくれたことがあるのだが「あれ？これで撮れたのかな？」と不安になるくらいショックと音がない。ブラケットもあっという間に3枚撮り終えてしまう。何しろ、連写速度は8.3fpsで、RAWでも23枚連続で撮れる。
一応、最近流行の無線LAN対応も、別売りのSDカードで対応できるのだが、開発が遅れたのか（公式には「予想を上回る受注により」とか言ってるが）、当初11月中発売が2月発売まで伸びてしまった。本体頑張ったんだから、周辺機器もちゃんと揃えて出そうぜ。
それでもまあ、こんなに快適で、目を見張るような画質を得られることになるとは思っていなかった。まあ、昨今他社で採用が多いバリアングルモニターやら、動画への対応はあまり進んでいない。しかし、「ディジタル一眼レフ」としての進化はかなり地道に、そして大幅に行ってきたという印象だ。他社のAPS-C機の上位機種を凌ぐ性能を得たばかりか、他社にない「ボディ内手振れ補正」という価値に磨きをかけた点で、ぜひ勧めたいカメラになってくれた。文中に書いた通り、あとは、もうちょいレンズを最新トレンドに近づける努力をして欲しいな。
さて、今年もあと10分ちょっとだ。今年関わった方々全てに感謝したい。明けた年にも、多くの方々と関わって実り多き年にさせてもらえればと願っている。
nobilesの投稿(23:20:35-2013-12-31) -
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