NOBILES Days
Jump to navigationDigital Camera Trend 2021 (1)
もう2ヶ月も前だけど、長女が小学校を卒業した。
コロナカとやらで授業参観が親1人の参加しか認められないなど、残念な1年だったが卒業式だけは両親の参加が認められた。
長女は器用なタイプではないので、女の子たちが集まって自撮りをしあっている中に自分から入っていくタイプではなくて、どちらかというとマゴマゴしていた。
だけどそのうちに、一番仲の良い良い子がやってきて「一緒に写真撮ろう」と言われて自撮りをしていた。その子は、運動神経抜群だし、可愛いし、大人から見ても「いい子だなぁ」と思える子だ。
また、私立の中学に行ってしまう男の子からも写真を撮ろう、と言われて一緒に収まっていた。その子も、すごく男気もあるし、頭もいいし、ピアノも弾けるし、これまた大人から見てもいい子だなぁと思える子で。なんだかハニカミながらツーショットで収まっているのがとても甘酸っぱくて（自分の初恋の子が私立に行っちゃったからそう思っちゃうのは内緒だ）。お互いに恋心とかそういうものではないかもしれないけど、すごく素敵だった。
先述の仲の良い女の子も含めて、長女は八方美人的に誰とでも仲良くするのではなく（別に仲悪いわけでもないが）、本当に大切な人を見極めるというか、比較的、狭く深く付き合う、そういうタイプの子なのかもしれないと、そのとき思い至った。
1年前あたりに、だいぶ算数の成績が落ちて、スパルタ的にあたったこともあるけど、最近はだいぶ俺も考えが変わった。すごくのほほんとして、頼りなく見えるけど、長女は長女なりに芯を持って成長しているのだと。彼女の思いを尊重しながら、それをサポートしてやりたい。極力強要はしない、そういう接し方を模索してる（まだまだできてないし、終わりがないね）。
Rush to the future
(Nikon Z 6, Nikkor Z 24-200mmF4-6.3VR(65.0mm), 1/500sec, F6.0, ISO100)
さて、しばらくこのブログでカメラの話題してなかったね。え？その前にブログ自体全然アップしてないって？？
そうね、前回カメラトークしたのが2015年なので、もう6年前か！
その6年でディジタルカメラ市場には2つの大きな地殻変動が起きた。
そのひとつにして強烈な破壊力だったのが【スマートフォンがディジタルカメラの王道になった】ことだ。
ご存知の通り写真撮影は、スマートフォンにおけるSNSの中心的な楽しみの一つとして躍り出てきた。「バエる」という言葉が定着したほどだ。
それに伴い、スマートフォンの進化の目玉もますますカメラに集中していった。具体的にはカメラの複眼化と、コンピュテーショナルフォト、つまりAIによる信号処理の進化だ。かつてケータイのカメラの弱点は光学ズームがないことだったが、これを画角の異なるカメラ自体を複数搭載することで解決したのだ。力技である。
Triple Eye
(Nikon Z 6, Nikkor Z 24-200mmF4-6.3(200.0mm), 1/2283sec, F2.0, ISO25)
だが複眼化の効果はこれだけではない。
かつてケータイのカメラで出来なかったことの一つとして、背景がボケた（被写界深度の浅い）立体感のある写真の撮影があった。これを複眼化と信号処理の合わせ技で実現したのだ。
高性能なプロセッサーを活かし、2つ以上のカメラの視差を利用して像面全体各所を三角測量の要領で距離を算出し、距離に応じたボケを画像処理で追加するという、これまた力技な実現方法である。しかも最近ではカメラ1つであってもAIでシーンを解析し主題を判別、背景をボカすことができるようになった。
Computational "Bokeh"
(Apple iPhone 12 Pro, 1/500sec, F6.0, ISO100)
なので、ケータイのカメラで撮ったボケ写真は一眼レフなどで撮影した光学的なボケとは根本的に意味が異なり、言ってみれば「コンピューターグラフィックス」である。実際にはクッキリと撮影できているところまでボカすのだから画像を劣化させているとも言える。また、演算は完璧ではないので、被写体によっては輪郭付近にかなり不整合が発生する。上の像も、右の二の腕あたりは結構輪郭が怪しいよね？
だが結局、写真とはそれによって撮影者が何を訴えたいかということが大事なので、疑似ボケに意味がないと言いたいのではない。少なくとも主題を引き立たせるという写真としての効果は確かに得られるし、SNSなどにアップする用途では十分事足りる場合も多いだろう。
スマートフォンのカメラのハードウェア自体の進化は他のカメラと比較して、飛び抜けて大きいと言うわけではない。では何が凄いのかと言うと、何よりも、プロセッサーパワーを活かしたソフトウェア側の貢献が極めて大きい。夜景などの高感度撮影も、高度な処理でノイズを抑えながらシャープな画像を生成できるようになった。
その結果として、いわゆる「コンパクトディジタルカメラ」の市場は事実上死んだ。まあこれは6年前にも既に言ってたことだけど。
カメラの光学性能の多くの部分は、コストがかかる撮像素子の大きさと、それをカバーするレンズによって決まるが、コンパクトカメラとスマートフォンのそれはほぼ同等だ。加えて、ソフトウェアを司るプロセッサーの性能では圧倒的にスマートフォンの方が上だ。
こうして「コンデジ」は、専用機でありながら総合性能で圧倒的な敗北を喫して、数年前に市場はほぼ崩壊してしまった。残っているのは、スマートフォンを上回る耐候性か超望遠性能を持つニッチカメラだけだと思っていい。
こうした急激な「専用機」カメラの市場の縮小によって、各メーカーはどうしたのかというと、高級機へのシフトだ。いわゆる「一眼レフ」「ミラーレス」といったレンズ交換式カメラは、少なくとも光学性能ではスマートフォンを圧倒しているので、それら「コンピュテーショナルフォト」ではなく、従来の「撮影体験」を大事にする趣味層や、報道などの職業写真家向けのカメラに開発リソースを絞っていった。
つづく。
コロナカとやらで授業参観が親1人の参加しか認められないなど、残念な1年だったが卒業式だけは両親の参加が認められた。
長女は器用なタイプではないので、女の子たちが集まって自撮りをしあっている中に自分から入っていくタイプではなくて、どちらかというとマゴマゴしていた。
だけどそのうちに、一番仲の良い良い子がやってきて「一緒に写真撮ろう」と言われて自撮りをしていた。その子は、運動神経抜群だし、可愛いし、大人から見ても「いい子だなぁ」と思える子だ。
また、私立の中学に行ってしまう男の子からも写真を撮ろう、と言われて一緒に収まっていた。その子も、すごく男気もあるし、頭もいいし、ピアノも弾けるし、これまた大人から見てもいい子だなぁと思える子で。なんだかハニカミながらツーショットで収まっているのがとても甘酸っぱくて（自分の初恋の子が私立に行っちゃったからそう思っちゃうのは内緒だ）。お互いに恋心とかそういうものではないかもしれないけど、すごく素敵だった。
先述の仲の良い女の子も含めて、長女は八方美人的に誰とでも仲良くするのではなく（別に仲悪いわけでもないが）、本当に大切な人を見極めるというか、比較的、狭く深く付き合う、そういうタイプの子なのかもしれないと、そのとき思い至った。
1年前あたりに、だいぶ算数の成績が落ちて、スパルタ的にあたったこともあるけど、最近はだいぶ俺も考えが変わった。すごくのほほんとして、頼りなく見えるけど、長女は長女なりに芯を持って成長しているのだと。彼女の思いを尊重しながら、それをサポートしてやりたい。極力強要はしない、そういう接し方を模索してる（まだまだできてないし、終わりがないね）。
Rush to the future
(Nikon Z 6, Nikkor Z 24-200mmF4-6.3VR(65.0mm), 1/500sec, F6.0, ISO100)
さて、しばらくこのブログでカメラの話題してなかったね。え？その前にブログ自体全然アップしてないって？？
そうね、前回カメラトークしたのが2015年なので、もう6年前か！
その6年でディジタルカメラ市場には2つの大きな地殻変動が起きた。
そのひとつにして強烈な破壊力だったのが【スマートフォンがディジタルカメラの王道になった】ことだ。
ご存知の通り写真撮影は、スマートフォンにおけるSNSの中心的な楽しみの一つとして躍り出てきた。「バエる」という言葉が定着したほどだ。
それに伴い、スマートフォンの進化の目玉もますますカメラに集中していった。具体的にはカメラの複眼化と、コンピュテーショナルフォト、つまりAIによる信号処理の進化だ。かつてケータイのカメラの弱点は光学ズームがないことだったが、これを画角の異なるカメラ自体を複数搭載することで解決したのだ。力技である。
Triple Eye
(Nikon Z 6, Nikkor Z 24-200mmF4-6.3(200.0mm), 1/2283sec, F2.0, ISO25)
だが複眼化の効果はこれだけではない。
かつてケータイのカメラで出来なかったことの一つとして、背景がボケた（被写界深度の浅い）立体感のある写真の撮影があった。これを複眼化と信号処理の合わせ技で実現したのだ。
高性能なプロセッサーを活かし、2つ以上のカメラの視差を利用して像面全体各所を三角測量の要領で距離を算出し、距離に応じたボケを画像処理で追加するという、これまた力技な実現方法である。しかも最近ではカメラ1つであってもAIでシーンを解析し主題を判別、背景をボカすことができるようになった。
Computational "Bokeh"
(Apple iPhone 12 Pro, 1/500sec, F6.0, ISO100)
なので、ケータイのカメラで撮ったボケ写真は一眼レフなどで撮影した光学的なボケとは根本的に意味が異なり、言ってみれば「コンピューターグラフィックス」である。実際にはクッキリと撮影できているところまでボカすのだから画像を劣化させているとも言える。また、演算は完璧ではないので、被写体によっては輪郭付近にかなり不整合が発生する。上の像も、右の二の腕あたりは結構輪郭が怪しいよね？
だが結局、写真とはそれによって撮影者が何を訴えたいかということが大事なので、疑似ボケに意味がないと言いたいのではない。少なくとも主題を引き立たせるという写真としての効果は確かに得られるし、SNSなどにアップする用途では十分事足りる場合も多いだろう。
スマートフォンのカメラのハードウェア自体の進化は他のカメラと比較して、飛び抜けて大きいと言うわけではない。では何が凄いのかと言うと、何よりも、プロセッサーパワーを活かしたソフトウェア側の貢献が極めて大きい。夜景などの高感度撮影も、高度な処理でノイズを抑えながらシャープな画像を生成できるようになった。
その結果として、いわゆる「コンパクトディジタルカメラ」の市場は事実上死んだ。まあこれは6年前にも既に言ってたことだけど。
カメラの光学性能の多くの部分は、コストがかかる撮像素子の大きさと、それをカバーするレンズによって決まるが、コンパクトカメラとスマートフォンのそれはほぼ同等だ。加えて、ソフトウェアを司るプロセッサーの性能では圧倒的にスマートフォンの方が上だ。
こうして「コンデジ」は、専用機でありながら総合性能で圧倒的な敗北を喫して、数年前に市場はほぼ崩壊してしまった。残っているのは、スマートフォンを上回る耐候性か超望遠性能を持つニッチカメラだけだと思っていい。
こうした急激な「専用機」カメラの市場の縮小によって、各メーカーはどうしたのかというと、高級機へのシフトだ。いわゆる「一眼レフ」「ミラーレス」といったレンズ交換式カメラは、少なくとも光学性能ではスマートフォンを圧倒しているので、それら「コンピュテーショナルフォト」ではなく、従来の「撮影体験」を大事にする趣味層や、報道などの職業写真家向けのカメラに開発リソースを絞っていった。
つづく。
nobilesの投稿(21:42:23-2021-05-30) -
カテゴリ: Photo
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