NOBILES Days
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びっくりするほど晴れ渡った、娘の誕生日である昨日と打って変わって、今日は2日前に逆戻りしたかのようなザンザン降りだ。こりゃあ、娘の晴れ女説はいよいよ本物かもしれん (^_^;。
さて、タイムリーな最新の話を昨日してしまったので時系列が狂ったが、手術当日の続き、ようやく夜が明けて翌日からの入院記を続けよう。
白い巨塔2
(Apple iPhone3GS, 1/20sec, F2.8, ISO70)
明るくなって人もバタバタと動き始めると、大分気も紛れてくる。
この辺りで、ようやく電動ベッドの背もたれを上げて、布団をめくって今の自分の脚をマジマジと見るだけの気力と体力が戻って来ていた。
手術をした右足には、もちろんギブス、正確にはGips=ギプスだ（だから椎名林檎の「ギブス」も本当は誤用だ）。足の付け根から足首に至るまでガッチリガードである。
ギプスというと、石膏という勝手なイメージがあったが、俺の右脚に巻かれたものは、目の粗い包帯のようなものがガラスのようなもので固められたものだった。実際、技術の進歩によりこうしたガラス繊維の方が最近は主流らしい。確かに、想像していたのよりも全然軽い。それでいて、指で叩くと、コンコンと心地よい音がする。剣道の道着か何かのような硬さだ。
患部である膝部分は特に大きくなっていて、多分生膝から5cmくらいは盛り上がっているだろう。病衣を身につけていたこの段階では、普通のズボンが入るのかどうか、不安にすらなった（ま、ジーンズもちゃんと入ったわけだが）。
ギプスと足の隙間には表面が青く、中が白い綿のようなものが巻かれているようだ。
ところがこれが端からどんどんめくれてくる。特に足の付け根側がひどくて、パンツの中まで青と白の綿のゴミがあふれてくるから困ったものだ。
ギプスを巻かれた右足はまるごと、ベッドに敷かれた高さ10cm程度のクッションの上に置かれて、一段高くなっていた。さらには、二重のビニール袋に氷を満載し、周りにタオルを巻いてテープで固定したものを包帯で二つ繋げて、その結び目が右膝を跨いでひっかかるような形で左右から患部を冷やしていた。が、ギプスがあるから膝自体にはあまり冷たさは感じない。看護士さんも「効いてんのかな？」などと言い出す始末である。
前日の段階では、布団を被せられていたし、消灯して暗かったし、何より麻酔やら痛みやらで全然この状況が分からなかった。右足側にとんでもないボリューム感があり、ギプスを考慮しても異常な動きにくさをおぼえていたのだが、それはクッションであり、氷のせいだったのだ。
まして、痛みなどで悶えていたため、足はクッションからずり落ち、氷も横へ飛んで行き、かと言って右足は持ち上がらないから元には戻せずで、どんどん身体がベッドの左側に押しやられるという繰り返しだった。一度、シビンナースコールの時に直してもらったのだが、すぐに同様の状況に陥った。
そんな、右足の状況をようやく正確に把握したところで、朝食の時間となった。
前々日の午後6時の夕食以来ほぼ40時間ぶりの食事だ。内容は、なんてことない、いわゆる「病院食」だ。ビニールに入れて無理矢理あっためたパン2個と、小皿一つ程度だったと思う。
だが、自分の口で食事をできる有り難みをこれほど強く感じた食事はなかった。深々と手を合わせて「いただきます」。そして、慈しむように一口一口を味わった。これも、怪我をしなければ味わえなかった感覚だろう。
そういったささやかな幸せも、この日ばかりは長続きしなかった。一晩中悶えて眠れなかったための眠気や疲れ、それでも容赦なく襲ってくる痛みに、既に接続確認済みだったPowerBookを開く気にもなれなかったし、本を読む余裕もなかった。母親が差し入れてくれたカメラ雑誌をパラパラした程度だったろうか。ウトウトしては足の痛みで起きて悶え、雑誌で紛らして、疲れてまたウトウトする。そんな繰り返しであっという間に夕方になった。
「今日の夜勤でーす。」ウトウトしていた俺の耳に、ちょっと鼻にかかったような柔らかい声が飛び込んで来た。マスクをしているが、一見してオグシオ（今はイケシオか）の潮田玲子にそっくりな癒し系美人な看護士さんだった。ってか、声が何より似ている。おーう、榮倉、ソニン、オグシオと、素材ぞろいだなー！（なんだいきなり湧いてくるその余裕）
この日、隣のベッドにいた、交通事故の被害で首に怪我をしていたらしい建築業という若い兄ちゃんが退院していった。しかも、向かいのベッドの腕を骨折された70くらいのおじいさん（何度か優しく声をかけてくれた）と、そして、はす向かいのベッドの、足を怪我していた若い兄ちゃん（やはり建築業で、作業中に落ちたらしい）も、翌日に退院するという話をしていた。
...マジかよ、明日から俺、4人部屋に一人かよ。
そういや、はす向かいの兄ちゃんで思い出した。例の榮倉奈々似の元気な看護士さんのネタだ。
多分今思えばソニン似の看護士さんと例によってセットで来たんだろう。
榮倉(違)「○○っさ〜ん（はす向かいの若者）。11月23日が誕生日なんっすか。」
若者(戸惑)「え？あ、はあ、まあそうっす。」
榮倉「えーっ、マジですか。私11月28日なんスよ。いくつになるんスか！？」
若者(更惑)「え、ああ、28だけど。」
榮倉「誕生日おっめでとーございまーーー（す...フェードアウト）」
ソニン(違)「...まだだっての（フェードアウト）」
カーテンで遮られているけど、俺には若者のポカーンという顔が見えたよ。誕生日別に5日も違うし、2ヶ月先だし。
榮倉ちゃんの、若者に対するアピールだったのかなんなのか。とにかく、榮倉ナースの誕生日が11/28だというのは脳みそにしっかり刻んだ (^_^;（さすがに俺も退院してるよ！）。
そんなこんなで、手術翌日の夜が暮れる。また同じ苦しみを味わうことになるのか？
と、そこへ夜の化膿止め点滴のためにオグシオナースがやってきた。声聞くだけで癒し系である。
「昨日全然眠れなかったんだよね？痛み止めもあるけど、眠れる薬もあるよ。11時までなら使えるよ。」
オウマイエンジェル。まるであなたは天使だぜ。
前日よりも膝の痛みが多少緩和していたが、22時の消灯を過ぎても、ちくちくする痛みで眠れそうになかった。
結局、23時を前に、オグシオナースにその眠れる薬とやらを処方してもらう。
....ぐーーーっすり朝の点灯6時まで爆睡できたのだ！
さて、タイムリーな最新の話を昨日してしまったので時系列が狂ったが、手術当日の続き、ようやく夜が明けて翌日からの入院記を続けよう。
白い巨塔2
(Apple iPhone3GS, 1/20sec, F2.8, ISO70)
明るくなって人もバタバタと動き始めると、大分気も紛れてくる。
この辺りで、ようやく電動ベッドの背もたれを上げて、布団をめくって今の自分の脚をマジマジと見るだけの気力と体力が戻って来ていた。
手術をした右足には、もちろんギブス、正確にはGips=ギプスだ（だから椎名林檎の「ギブス」も本当は誤用だ）。足の付け根から足首に至るまでガッチリガードである。
ギプスというと、石膏という勝手なイメージがあったが、俺の右脚に巻かれたものは、目の粗い包帯のようなものがガラスのようなもので固められたものだった。実際、技術の進歩によりこうしたガラス繊維の方が最近は主流らしい。確かに、想像していたのよりも全然軽い。それでいて、指で叩くと、コンコンと心地よい音がする。剣道の道着か何かのような硬さだ。
患部である膝部分は特に大きくなっていて、多分生膝から5cmくらいは盛り上がっているだろう。病衣を身につけていたこの段階では、普通のズボンが入るのかどうか、不安にすらなった（ま、ジーンズもちゃんと入ったわけだが）。
ギプスと足の隙間には表面が青く、中が白い綿のようなものが巻かれているようだ。
ところがこれが端からどんどんめくれてくる。特に足の付け根側がひどくて、パンツの中まで青と白の綿のゴミがあふれてくるから困ったものだ。
ギプスを巻かれた右足はまるごと、ベッドに敷かれた高さ10cm程度のクッションの上に置かれて、一段高くなっていた。さらには、二重のビニール袋に氷を満載し、周りにタオルを巻いてテープで固定したものを包帯で二つ繋げて、その結び目が右膝を跨いでひっかかるような形で左右から患部を冷やしていた。が、ギプスがあるから膝自体にはあまり冷たさは感じない。看護士さんも「効いてんのかな？」などと言い出す始末である。
前日の段階では、布団を被せられていたし、消灯して暗かったし、何より麻酔やら痛みやらで全然この状況が分からなかった。右足側にとんでもないボリューム感があり、ギプスを考慮しても異常な動きにくさをおぼえていたのだが、それはクッションであり、氷のせいだったのだ。
まして、痛みなどで悶えていたため、足はクッションからずり落ち、氷も横へ飛んで行き、かと言って右足は持ち上がらないから元には戻せずで、どんどん身体がベッドの左側に押しやられるという繰り返しだった。一度、シビンナースコールの時に直してもらったのだが、すぐに同様の状況に陥った。
そんな、右足の状況をようやく正確に把握したところで、朝食の時間となった。
前々日の午後6時の夕食以来ほぼ40時間ぶりの食事だ。内容は、なんてことない、いわゆる「病院食」だ。ビニールに入れて無理矢理あっためたパン2個と、小皿一つ程度だったと思う。
だが、自分の口で食事をできる有り難みをこれほど強く感じた食事はなかった。深々と手を合わせて「いただきます」。そして、慈しむように一口一口を味わった。これも、怪我をしなければ味わえなかった感覚だろう。
そういったささやかな幸せも、この日ばかりは長続きしなかった。一晩中悶えて眠れなかったための眠気や疲れ、それでも容赦なく襲ってくる痛みに、既に接続確認済みだったPowerBookを開く気にもなれなかったし、本を読む余裕もなかった。母親が差し入れてくれたカメラ雑誌をパラパラした程度だったろうか。ウトウトしては足の痛みで起きて悶え、雑誌で紛らして、疲れてまたウトウトする。そんな繰り返しであっという間に夕方になった。
「今日の夜勤でーす。」ウトウトしていた俺の耳に、ちょっと鼻にかかったような柔らかい声が飛び込んで来た。マスクをしているが、一見してオグシオ（今はイケシオか）の潮田玲子にそっくりな癒し系美人な看護士さんだった。ってか、声が何より似ている。おーう、榮倉、ソニン、オグシオと、素材ぞろいだなー！（なんだいきなり湧いてくるその余裕）
この日、隣のベッドにいた、交通事故の被害で首に怪我をしていたらしい建築業という若い兄ちゃんが退院していった。しかも、向かいのベッドの腕を骨折された70くらいのおじいさん（何度か優しく声をかけてくれた）と、そして、はす向かいのベッドの、足を怪我していた若い兄ちゃん（やはり建築業で、作業中に落ちたらしい）も、翌日に退院するという話をしていた。
...マジかよ、明日から俺、4人部屋に一人かよ。
そういや、はす向かいの兄ちゃんで思い出した。例の榮倉奈々似の元気な看護士さんのネタだ。
多分今思えばソニン似の看護士さんと例によってセットで来たんだろう。
榮倉(違)「○○っさ〜ん（はす向かいの若者）。11月23日が誕生日なんっすか。」
若者(戸惑)「え？あ、はあ、まあそうっす。」
榮倉「えーっ、マジですか。私11月28日なんスよ。いくつになるんスか！？」
若者(更惑)「え、ああ、28だけど。」
榮倉「誕生日おっめでとーございまーーー（す...フェードアウト）」
ソニン(違)「...まだだっての（フェードアウト）」
カーテンで遮られているけど、俺には若者のポカーンという顔が見えたよ。誕生日別に5日も違うし、2ヶ月先だし。
榮倉ちゃんの、若者に対するアピールだったのかなんなのか。とにかく、榮倉ナースの誕生日が11/28だというのは脳みそにしっかり刻んだ (^_^;（さすがに俺も退院してるよ！）。
そんなこんなで、手術翌日の夜が暮れる。また同じ苦しみを味わうことになるのか？
と、そこへ夜の化膿止め点滴のためにオグシオナースがやってきた。声聞くだけで癒し系である。
「昨日全然眠れなかったんだよね？痛み止めもあるけど、眠れる薬もあるよ。11時までなら使えるよ。」
オウマイエンジェル。まるであなたは天使だぜ。
前日よりも膝の痛みが多少緩和していたが、22時の消灯を過ぎても、ちくちくする痛みで眠れそうになかった。
結局、23時を前に、オグシオナースにその眠れる薬とやらを処方してもらう。
....ぐーーーっすり朝の点灯6時まで爆睡できたのだ！
nobilesの投稿(19:04:18-2009-10-02) -
カテゴリ: Main
コメント
とうま（霧が丘第３小） wrote:
2009-10-03 17:21:06
nobiles wrote:
そらもう、榮倉、ソニン、オグシオですから！
とうまも入院した方がいいぞ。なんちて。
タクシー通勤って、会社から出るの？さすがに自分持ち？
明日の妹の結婚式にはタクシー通勤ですわ。
とうまも入院した方がいいぞ。なんちて。
タクシー通勤って、会社から出るの？さすがに自分持ち？
明日の妹の結婚式にはタクシー通勤ですわ。
2009-10-03 18:32:20
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