NOBILES Days
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週末、所属バンドLoop on pooLのメンバーを招いて自宅でバーバキューをした。何しろ我が家は地の果てなので、メンバーにとっては遠路はるばるな上、連休の中日で予定もある中で、4人が来てくれた。
代表曲「Can't you see?」を日頃から口ずさんでいる我が家の娘たちにとっても「キャンチューシーのお兄さんお姉さん」と遊ぶのは嬉しかったようだ。
今回は炭火のマネージメントもほぼ完璧だったし、いやもう、単純に楽しかった。
今度はもっと来やすい日にするよ。今回来れなかったメンバーも次回！
新カメラK-3の画は、柔らかくかつ精彩だ。それでいて、ISO1600でも全然問題ない画質を誇る。
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/50sec, F2.5, ISO1600)
先日の結婚式で、友人にこう言われた。
「今、ミラーレスカメラが流行ってるけど、やっぱり一眼レフで撮った写真は違うよねー」。
うーーん？？
ディジタルカメラの仕組みに無駄に詳しいと、逆に「あれっ？」と思ってしまった。
なぜなら、ミラーレスとは言え、多くの機種は一眼レフと同じ撮像素子（フィルムにあたる基幹部品）と、画像処理エンジンである場合が多いからだ。つまり、フォーカスや露光、ホワイトバランスなどの条件が同じならば、同等の画質であるはずなのだ。
ではどこに差があるのか。
ここで、ディジタル一眼レフと、いわゆるミラーレス（ノンレフレックス）カメラの構造の違いについて改めて確認しておこう。
ディジタル一眼レフは、フィルム時代の一眼レフカメラにおけるフィルムを、半導体...具体的には、CCDやCMOSといった「撮像素子」で置き換えたものである。よって、フィルム一眼レフの構造の多くを引き継いでいる。様々な点で進化はしているが、根本的には変わっていない。
対してミラーレスカメラも、撮影するためのキーコンポーネントはほとんど一眼レフと変わりがないものの、光学ファインダーというものがない。
だからミラーレスカメラでの撮影は、多くの機種は背面モニターか、一部高級機種のみ備える電子ファインダー(EVF)でフレーミングを行って撮影する。その点においてミラーレスはディジタルならでは生まれたものであり、構造はいわゆる「コンパクトデジカメ」に近い。コンパクトタイプと違うのは、レンズの交換が可能な点と、多くの機種で高価な大型撮像素子を採用して画質に優れるという点である。詳しくは過去エントリーを参照されたい。
さて、ディジタル一眼レフとミラーレスとで撮った写真に差がつくのはなぜか、という当初の命題に戻ろう。
しばらく考えた末、俺はその差の多くがとてもシンプルな理由によるものではないかと思い至った。それは、カメラの画質の問題ではなく...
「お手軽すぎるから。」
...うーん、元も子もない (^_^;。まあ一応主張を聞いていただきたい。
ミラーレスカメラは、一眼レフより部品点数を大きく減らせることから、「一眼レフ画質をこんなに小さくしました！」というコンセプトで誕生した。今でこそ、FujifilmのX-Pro1あたりから始まった流れで、上位機種は一眼レフと大差ないサイズのものも増えたが、メインストリームはコンパクトカメラに近いサイズで、EVFも搭載しない「お手軽モデル」であることに異論はなかろう。
各社、暗いズームレンズには手ブレ補正機構を組み込んではいるが、カメラの基本は「ブレない構え方」である。手ブレ補正はあくまで補うものであって、万能ではない。多くのミラーレスカメラのコンパクトボディはそもそもブレない構え方をしづらい宿命を背負っている。
さらに致命的なのは、ファインダーがない場合だ。
カメラを両手で正しく構えれば（左手の手のひらにカメラまたはレンズを置き、グリップを右手でしっかり握る。両脇をしっかり締める）、撮影者から見て、身体の前後方向を軸とした左右の回転（コロナル面）、および上下方向を軸とした左右の回転（トランスバース面）はかなり防げる。しかし、身体の横方向を軸とした縦の回転（サジタル面）にはかなり自由度が残る。
ん？コンパクトカメラでよく見かける、左右の指でカメラを摘まむ持ち方？言語道断だ。どの面においても動きまくりだ。どんな強力な手ぶれ補正積んだところで焼け石に何とやらだ。
しかし、正しい腕の構えに加え、ファインダーに目を押し付けて固定すれば3点支持になり、サジタル面上の回転も防げるようになる。手ブレに対して圧倒的に有利になる。
一見するとブレていない画像でも、僅かな手ブレによって解像度が低下して眠い画像になることは良くあることだ。
逆に言うと、光学ファインダーを持つ一眼レフでも、昨今「ライブビュー」として、背面モニターでの撮影機能が充実してきたが、それは手ブレに繋がりやすくなる。光学ファインダーで撮影できるシーンなら極力光学ファインダーを使った方が手ブレしづらくなる。安易にライブビューを使ってはいけない。
もうひとつ。背面モニターでのフレーミングはそもそも不安定なものである。
最近は改善されているとはいえ、現実のシーンとモニターではタイムラグがあるし、手ブレしていると像が定まらない。これで厳密なフレーミングができるだろうか？そもそも、撮影対象が何となく入っていれば構図を考えることも放棄しがちではないだろうか？
やはりフレーミングはファインダーで行うべきである。構えが安定するし、周囲から遮光されるから、目の前のシーンを切り取ることに集中できる。光学ファインダーならばタイムラグもない。
感性が反映される「撮影」という行為である。撮影関連の性能もさることながら、こうしたユーザーインターフェイスの善し悪しは撮影結果に想像以上に影響を与えるものであると思う。
加えてミラーレスには、ハード側にも一点欠点があると考えている。レンズだ。
ミラーレスカメラにおいては、その名の示す通り、光学ファインダーのためのミラーがないため、レンズ後端から撮像素子までの距離（フランジバック）が短い。その分、特に広角レンズを小型化できる。しかし、撮像素子が大きい分、ある程度レンズの大きさは必要で、コンパクトカメラのレンズと同等サイズというのはかなり難しい。だから、小型化を優先させて画質はある程度割り切ったレンズもある。
もちろん、ミラーレスに限らず、一眼レフのレンズにも、価格やサイズを妥協したレンズはある。だが、多くの一眼レフのマウントの規格は、長い間親しまれ、レンズ設計のノウハウも積まれてきた。逆に、ミラーレス用のレンズはサイズが最優先で画質を優先したものはまだ少ない。ここにも、撮影結果に差が出るポイントがあるのではなかろうか。
結論。
いわゆるミラーレスカメラと、ディジタル一眼レフカメラで、質に差があるのは、カメラのハードウェア的な性能よりむしろ、撮影における取り回しの悪さと、それに起因する、撮影者の「考えることの放棄」にあるのではなかろうか。
その点では、最近のミラーレスカメラのフラッグシップモデルは、大きなグリップが奢られ、高精細かつ高反応なEVFを標準搭載しているので、ミラーレスゆえのハンディのかなりの部分を解消している。
それでも、理論上タイムラグのない光学ファインダーや、フォーカスやメータリングを専用素子で行う一眼レフの優位性は揺らがないだろう。ただ、技術の進歩でその差はどんどん縮まっている。
今後従来のディジタル一眼レフが市場で生き残っていくには、この性能の差が、多くの人にとってのニーズであり続けなければならない。この辺の話は過去エントリーにて。
代表曲「Can't you see?」を日頃から口ずさんでいる我が家の娘たちにとっても「キャンチューシーのお兄さんお姉さん」と遊ぶのは嬉しかったようだ。
今回は炭火のマネージメントもほぼ完璧だったし、いやもう、単純に楽しかった。
今度はもっと来やすい日にするよ。今回来れなかったメンバーも次回！
新カメラK-3の画は、柔らかくかつ精彩だ。それでいて、ISO1600でも全然問題ない画質を誇る。
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/50sec, F2.5, ISO1600)
先日の結婚式で、友人にこう言われた。
「今、ミラーレスカメラが流行ってるけど、やっぱり一眼レフで撮った写真は違うよねー」。
うーーん？？
ディジタルカメラの仕組みに無駄に詳しいと、逆に「あれっ？」と思ってしまった。
なぜなら、ミラーレスとは言え、多くの機種は一眼レフと同じ撮像素子（フィルムにあたる基幹部品）と、画像処理エンジンである場合が多いからだ。つまり、フォーカスや露光、ホワイトバランスなどの条件が同じならば、同等の画質であるはずなのだ。
ではどこに差があるのか。
ここで、ディジタル一眼レフと、いわゆるミラーレス（ノンレフレックス）カメラの構造の違いについて改めて確認しておこう。
ディジタル一眼レフは、フィルム時代の一眼レフカメラにおけるフィルムを、半導体...具体的には、CCDやCMOSといった「撮像素子」で置き換えたものである。よって、フィルム一眼レフの構造の多くを引き継いでいる。様々な点で進化はしているが、根本的には変わっていない。
対してミラーレスカメラも、撮影するためのキーコンポーネントはほとんど一眼レフと変わりがないものの、光学ファインダーというものがない。
だからミラーレスカメラでの撮影は、多くの機種は背面モニターか、一部高級機種のみ備える電子ファインダー(EVF)でフレーミングを行って撮影する。その点においてミラーレスはディジタルならでは生まれたものであり、構造はいわゆる「コンパクトデジカメ」に近い。コンパクトタイプと違うのは、レンズの交換が可能な点と、多くの機種で高価な大型撮像素子を採用して画質に優れるという点である。詳しくは過去エントリーを参照されたい。
さて、ディジタル一眼レフとミラーレスとで撮った写真に差がつくのはなぜか、という当初の命題に戻ろう。
しばらく考えた末、俺はその差の多くがとてもシンプルな理由によるものではないかと思い至った。それは、カメラの画質の問題ではなく...
「お手軽すぎるから。」
...うーん、元も子もない (^_^;。まあ一応主張を聞いていただきたい。
ミラーレスカメラは、一眼レフより部品点数を大きく減らせることから、「一眼レフ画質をこんなに小さくしました！」というコンセプトで誕生した。今でこそ、FujifilmのX-Pro1あたりから始まった流れで、上位機種は一眼レフと大差ないサイズのものも増えたが、メインストリームはコンパクトカメラに近いサイズで、EVFも搭載しない「お手軽モデル」であることに異論はなかろう。
各社、暗いズームレンズには手ブレ補正機構を組み込んではいるが、カメラの基本は「ブレない構え方」である。手ブレ補正はあくまで補うものであって、万能ではない。多くのミラーレスカメラのコンパクトボディはそもそもブレない構え方をしづらい宿命を背負っている。
さらに致命的なのは、ファインダーがない場合だ。
カメラを両手で正しく構えれば（左手の手のひらにカメラまたはレンズを置き、グリップを右手でしっかり握る。両脇をしっかり締める）、撮影者から見て、身体の前後方向を軸とした左右の回転（コロナル面）、および上下方向を軸とした左右の回転（トランスバース面）はかなり防げる。しかし、身体の横方向を軸とした縦の回転（サジタル面）にはかなり自由度が残る。
ん？コンパクトカメラでよく見かける、左右の指でカメラを摘まむ持ち方？言語道断だ。どの面においても動きまくりだ。どんな強力な手ぶれ補正積んだところで焼け石に何とやらだ。
しかし、正しい腕の構えに加え、ファインダーに目を押し付けて固定すれば3点支持になり、サジタル面上の回転も防げるようになる。手ブレに対して圧倒的に有利になる。
一見するとブレていない画像でも、僅かな手ブレによって解像度が低下して眠い画像になることは良くあることだ。
逆に言うと、光学ファインダーを持つ一眼レフでも、昨今「ライブビュー」として、背面モニターでの撮影機能が充実してきたが、それは手ブレに繋がりやすくなる。光学ファインダーで撮影できるシーンなら極力光学ファインダーを使った方が手ブレしづらくなる。安易にライブビューを使ってはいけない。
もうひとつ。背面モニターでのフレーミングはそもそも不安定なものである。
最近は改善されているとはいえ、現実のシーンとモニターではタイムラグがあるし、手ブレしていると像が定まらない。これで厳密なフレーミングができるだろうか？そもそも、撮影対象が何となく入っていれば構図を考えることも放棄しがちではないだろうか？
やはりフレーミングはファインダーで行うべきである。構えが安定するし、周囲から遮光されるから、目の前のシーンを切り取ることに集中できる。光学ファインダーならばタイムラグもない。
感性が反映される「撮影」という行為である。撮影関連の性能もさることながら、こうしたユーザーインターフェイスの善し悪しは撮影結果に想像以上に影響を与えるものであると思う。
加えてミラーレスには、ハード側にも一点欠点があると考えている。レンズだ。
ミラーレスカメラにおいては、その名の示す通り、光学ファインダーのためのミラーがないため、レンズ後端から撮像素子までの距離（フランジバック）が短い。その分、特に広角レンズを小型化できる。しかし、撮像素子が大きい分、ある程度レンズの大きさは必要で、コンパクトカメラのレンズと同等サイズというのはかなり難しい。だから、小型化を優先させて画質はある程度割り切ったレンズもある。
もちろん、ミラーレスに限らず、一眼レフのレンズにも、価格やサイズを妥協したレンズはある。だが、多くの一眼レフのマウントの規格は、長い間親しまれ、レンズ設計のノウハウも積まれてきた。逆に、ミラーレス用のレンズはサイズが最優先で画質を優先したものはまだ少ない。ここにも、撮影結果に差が出るポイントがあるのではなかろうか。
結論。
いわゆるミラーレスカメラと、ディジタル一眼レフカメラで、質に差があるのは、カメラのハードウェア的な性能よりむしろ、撮影における取り回しの悪さと、それに起因する、撮影者の「考えることの放棄」にあるのではなかろうか。
その点では、最近のミラーレスカメラのフラッグシップモデルは、大きなグリップが奢られ、高精細かつ高反応なEVFを標準搭載しているので、ミラーレスゆえのハンディのかなりの部分を解消している。
それでも、理論上タイムラグのない光学ファインダーや、フォーカスやメータリングを専用素子で行う一眼レフの優位性は揺らがないだろう。ただ、技術の進歩でその差はどんどん縮まっている。
今後従来のディジタル一眼レフが市場で生き残っていくには、この性能の差が、多くの人にとってのニーズであり続けなければならない。この辺の話は過去エントリーにて。
nobilesの投稿(23:45:22-2013-11-05) -
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