NOBILES Days
Jump to navigationToward The Shining Future 1
大らかで懐が深かった、あなたはもういない。
音楽が好きだった、あなたはもういない。
誇らしく輝いていた、あなたはもういない。
私の愛した、あなたはもういない。
だから、さよなら。
...いや。
あくまできっかけはそうだったかもしれない。
だが、途中から俺の目的は大きく変わった。だから、さよならの理由は実は違うところにあるかもしれない。
職を転ずることにした。
今週、人事でも正式に決裁が下りて、現職の課でも3月末日での退職を宣言した。
怪我をして長期間休んだのに、暖かく迎えてくれた方々に、まるで裏切るかのような報告をするのは本当に心が痛んだが、自分の言葉で伝えられたのは良かった。
Toward The Shining Future
(PentaxK-7, PentaxDA21mmLimitedF3.2, ApertureValueMode, 1/500sec, F11.0, ISO200)
転職活動を開始したのは8月頃からだ。
途中足の大怪我などもあったが、結果的に俺は転職を選んだ。
その顛末をここに振り返ろうと思う。
1. The Start [きっかけ]
現職の会社は、3年ほど前に急激に業績が悪化し、8年半ほどを過ごした牧歌的な社屋を引き払い、真新しいオフィスに移った。
思えば、ここから緩やかに今回のストーリーは始まっていたのかもしれない。
古い社屋は動線もめちゃくちゃで、確かに効率は悪かったかもしれない。だけど、だからこそちょっと歩くと同期や、かつて仕事で関わった別の部署の人にも会えたし、とにかく流れる空気が大らかで緩やかだった。まあ、だから業績がダメになったのかもしれないけど。
それが新社屋になって、自分がいる以外のフロアの人間とは全く会わなくなった。非効率なものはどんどん廃されていったように思う。かといって仕事が効率的になったかというと...個人的な意見としては、仕事への取り組み方は以前と同じまま、雰囲気だけがよそよそしくなったような印象を持っていた。いや、偉そうなこと言えるほど仕事に打ち込んでいたとは口が裂けても言えないけど。どっちかと言うとむしろそれに浸かっていた方かもしれない。
ところが、2008年の景気悪化によって会社の経営は一層逼迫した。その結果として2009年の3月と6月に分けて、俺の部署の派遣社員は全員契約終了となってしまった。中には、旧社屋時代から10年近く一緒に仕事をしていた人達も含まれていた。そんなメンバーが、あっさり全員辞めさせられてしまうというのは、本当に衝撃だったし、心から悲しく思った。
俺が所属していたのは、ボスと俺（電気系設計者）という2人の正社員に加え、2人のソフトウェア系の派遣社員、1人の作業系の派遣社員という5人グループだった。
そこから、3人の派遣社員がごっそりと抜けた。これまでやってきたプロジェクトも大きな見直しを迫られた。そこに、上司とボスの難しい人間関係も絡んで、もはや俺達グループは袋小路にはまりこんでいた。
そんな中で会社が早期優遇退職を募集した。壮年期と言えるボスのみならず、まだ比較的年齢の若い俺までもが初めてその対象になった（俺が入社以来、2,3度募集がかかっているが、対象になったことはなかった）。転職を具体的に考慮に入れ始めたのはこの頃だった。
この頃ボスとは本当に隠し事なく話すようになっていたので、転職活動の開始も、二人で話していた中から始まっていった。まあ実はボスはもう既に辞める方向で考えていて、一人俺を残してしまうことを避けるために敢えて焚き付けた面はあったようだ。
そんなわけで、二人して、会社が用意する再就職プログラムの説明を聞きに行ったり、様々な転職サイトに登録して人材募集を探し始めたりした（いや、個室だったもんで、堂々とそんなことができた）。
だが、景気氷河期だったこの時期、電機業界はどこも厳しく、これといった目ぼしい募集はなかなか見つからなかった。
そもそもこの時点では、転職というものに対する俺の認識は完全に甘かったと言わざるを得ない。中途採用は、新卒の一括採用とは違い、どれだけ自分の言葉で自分の能力や可能性をアピールできるかが採用の分かれ目となるのだ。...まあこの氷河期一括採用もそうなのかもしれないけど。
後から考えれば、この時の俺なんて転職に対する思いが浅すぎるし、「自分よがり」すぎた。なぜなら「ここから脱出したい」だけが動機であって、相手の会社に対してのアピールなんて何も無かったのだ。
だから、応募しても書類選考であっさり落ちていた。
つづく。
音楽が好きだった、あなたはもういない。
誇らしく輝いていた、あなたはもういない。
私の愛した、あなたはもういない。
だから、さよなら。
...いや。
あくまできっかけはそうだったかもしれない。
だが、途中から俺の目的は大きく変わった。だから、さよならの理由は実は違うところにあるかもしれない。
職を転ずることにした。
今週、人事でも正式に決裁が下りて、現職の課でも3月末日での退職を宣言した。
怪我をして長期間休んだのに、暖かく迎えてくれた方々に、まるで裏切るかのような報告をするのは本当に心が痛んだが、自分の言葉で伝えられたのは良かった。
Toward The Shining Future
(PentaxK-7, PentaxDA21mmLimitedF3.2, ApertureValueMode, 1/500sec, F11.0, ISO200)
転職活動を開始したのは8月頃からだ。
途中足の大怪我などもあったが、結果的に俺は転職を選んだ。
その顛末をここに振り返ろうと思う。
1. The Start [きっかけ]
現職の会社は、3年ほど前に急激に業績が悪化し、8年半ほどを過ごした牧歌的な社屋を引き払い、真新しいオフィスに移った。
思えば、ここから緩やかに今回のストーリーは始まっていたのかもしれない。
古い社屋は動線もめちゃくちゃで、確かに効率は悪かったかもしれない。だけど、だからこそちょっと歩くと同期や、かつて仕事で関わった別の部署の人にも会えたし、とにかく流れる空気が大らかで緩やかだった。まあ、だから業績がダメになったのかもしれないけど。
それが新社屋になって、自分がいる以外のフロアの人間とは全く会わなくなった。非効率なものはどんどん廃されていったように思う。かといって仕事が効率的になったかというと...個人的な意見としては、仕事への取り組み方は以前と同じまま、雰囲気だけがよそよそしくなったような印象を持っていた。いや、偉そうなこと言えるほど仕事に打ち込んでいたとは口が裂けても言えないけど。どっちかと言うとむしろそれに浸かっていた方かもしれない。
ところが、2008年の景気悪化によって会社の経営は一層逼迫した。その結果として2009年の3月と6月に分けて、俺の部署の派遣社員は全員契約終了となってしまった。中には、旧社屋時代から10年近く一緒に仕事をしていた人達も含まれていた。そんなメンバーが、あっさり全員辞めさせられてしまうというのは、本当に衝撃だったし、心から悲しく思った。
俺が所属していたのは、ボスと俺（電気系設計者）という2人の正社員に加え、2人のソフトウェア系の派遣社員、1人の作業系の派遣社員という5人グループだった。
そこから、3人の派遣社員がごっそりと抜けた。これまでやってきたプロジェクトも大きな見直しを迫られた。そこに、上司とボスの難しい人間関係も絡んで、もはや俺達グループは袋小路にはまりこんでいた。
そんな中で会社が早期優遇退職を募集した。壮年期と言えるボスのみならず、まだ比較的年齢の若い俺までもが初めてその対象になった（俺が入社以来、2,3度募集がかかっているが、対象になったことはなかった）。転職を具体的に考慮に入れ始めたのはこの頃だった。
この頃ボスとは本当に隠し事なく話すようになっていたので、転職活動の開始も、二人で話していた中から始まっていった。まあ実はボスはもう既に辞める方向で考えていて、一人俺を残してしまうことを避けるために敢えて焚き付けた面はあったようだ。
そんなわけで、二人して、会社が用意する再就職プログラムの説明を聞きに行ったり、様々な転職サイトに登録して人材募集を探し始めたりした（いや、個室だったもんで、堂々とそんなことができた）。
だが、景気氷河期だったこの時期、電機業界はどこも厳しく、これといった目ぼしい募集はなかなか見つからなかった。
そもそもこの時点では、転職というものに対する俺の認識は完全に甘かったと言わざるを得ない。中途採用は、新卒の一括採用とは違い、どれだけ自分の言葉で自分の能力や可能性をアピールできるかが採用の分かれ目となるのだ。...まあこの氷河期一括採用もそうなのかもしれないけど。
後から考えれば、この時の俺なんて転職に対する思いが浅すぎるし、「自分よがり」すぎた。なぜなら「ここから脱出したい」だけが動機であって、相手の会社に対してのアピールなんて何も無かったのだ。
だから、応募しても書類選考であっさり落ちていた。
つづく。
nobilesの投稿(23:50:14-2010-02-19) -
カテゴリ: Change Job
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