NOBILES Days
Jump to navigationToward The Shining Future 2
話題がえらく古くて申し訳ないが、高橋大輔が、期待通りの結果を残してくれた。俺が足の怪我から復帰を目指していった時、彼が復帰したその姿にどれだけ勇気づけられたことか。
そして新しい道へと進もうとする今。俺は彼からの最高の餞（はなむけ）をもらったような気がした。
東京国際フォーラム...なぜこの写真を出したのかは、後ほど
(PentaxK-7, PentaxDAFisheye10-17mmF3.5-4.5(10.0mm), ProgramMode, 1/100sec, F5.6, ISO100)
さて、転職顛末の続きだ。
2. Left Alone [取り残されて]
時は2009年7月〜8月にかけての話になる。
まったく勝負にならなかった、早期優遇退職狙いの転職活動。ことごとく書類選考で落ちてしまった。...と言っても実際に応募したのは3, 4社だけだけど。
その中には実は、夢の国でおなじみのあの企業もあった。夢の国の演出を担う、音響を担当する仕事だ。最初は、いわゆるPAであったり、保守のような仕事から始めるが、経験を積んだ後はアメリカの本社とコンタクトしながらアトラクションの音響設計などもさせてもらえるという。これは面白そうだった。
これは、実は転職サイトを通じて「オープンオファー」のメールが向こうから来たのだ。「音響メーカーの設計」という、サイトに登録された俺の経歴を見て送ってきたようだ。
実際のところ、俺は音響機器の開発には（もともとそれは不本意だったのだが）関わっていない。でも、非常に興味があったので応募してみたのだ。しかし、やはり書類選考の時点で落とされてしまった。
まあ、今考えれば当たり前だ。経歴書は今の自分の経歴を淡々と短く書いたもので、何が何でも音響をやる覚悟なんだ！というのは全く伝わってこないものだったと思う。
ああそうそう、この時の「ヤボ用」は転職フェアというものに行ったのだった。
扉の写真をよーく見ると、左下の方に、受付に並んでいる人の列が見えるはずだ (^_^;。
転職フェアとは人材紹介サイトが主催し、求人している企業が集まり、ホールにブースを設け、就職活動をしている人を集めて説明をしたり、面談をしたりする場だ。その日は平日だったが、ちょうど俺は休みを入れていたので赴いてみたのだ。
入り口で、経歴書のようなものを提出したりする手続きがあるようなので、開場時間より結構早めに行ったのだが...平日にも関わらず、既にかなりの人が並んでいた。世間は不景気まっただ中。職を求めてる人、新しい職に転じたい人はこんなにいるのか、と驚いた。
だが、俺が該当するであろう電気技術者の募集は決して多くはなかった。だが、その中でも某超巨大鉄道会社の運行システムがらみの求人はとても興味深く映った。ただ、選考は数ヶ月先で、入社も4/1ということだった。
また、現職の同業他社超大手の「キャリアマッチング採用」も目をひいたし、こちらの話を非常に熱心に聞いてくれる人事担当者も好印象だった。ただ、これも選考は数ヶ月先で、しかも勤務地は関西になってしまうということだった。
会場内は撮影禁止だったので、会場外からカーテン越しに撮ってみた（拡大なし）
(PentaxK-7, PentaxDA21mmLimitedF3.2, ProgramMode, 1/8sec, F3.2, ISO100)
転職フェアには他にも、経歴書を提出しておくと、興味を持った企業から番号で呼び出してもらって面談できる「スカウトサービス」や、カウンセラーによって転職に関する相談を受けられるコーナーなどがあった。
一応スカウトコーナーの番号はチラチラ見ていたが、まー全然呼び出されない雰囲気だったので、相談コーナーでカウンセラーと話してみることにした。相談コーナーもかなり混雑していて、整理番号をもらってから1時間程度ホールの外にあるタリーズで時間を潰して、ようやくカウンセラーと話すことができた。
カウンセラーは転職サイトの会社の人ではなく、その筋の専門組織から来たようで、柔和な表情をした白髪が混じった年配の男性だった。
カウンセリングでは、現在の会社の状況、自分のグループの状況、早期優遇退職の存在など、かなり赤裸々に語った。カウンセラーは柔和の表情のまま、ゆっくり頷きながらじっくり話を聞いていた。
そして、俺の話を聞き終わるとおもむろに話し始めた。
まず、あなたはまだ転職活動の方向性が定まっていないのではないですか？
現職の状況から脱出したいというのはあっても、
次にどうしたいという明確なビジョンというのはまだ固まっていないですよね。
採用担当者も絶対そこを見ています。
まずは、「次どうしたいか」を固めるべきです。
早期優遇には募集しない方がいいでしょう。
確かに、その通りだと感じた。辞めたい理由はあっても、次の会社に行く理由は何だと言われて即答できない。
今と同じような条件の会社...じゃあ辞めなきゃいいんである。なんだかんだ潰れたわけじゃないんだから。それに、これでも俺は家庭持ちだ。何の保証もなく会社を辞めて、家族を路頭に迷わせるわけにはいかない。
だから今は辞めないで、今後どういう仕事をしたいのかゆっくり考えよう。その結果、現職に残ったっていいのだ。まだ潰れてないんだから。
ひとまず、現段階での一つの方向性は見出せた気がして、少しだけ気が楽になった。カウンセラーのおじさんのセリフだけが原因ではないが、俺は最終的に、早期優遇に応募するのはやめた。
転職フェアを終えて、撮影でもしようと会場を後にしようとして目を見張った。話すほど親しくはないが、顔を知っている会社の先輩が、まさにその時入場しようとしていたのだ。やはり早期優遇募集期間。平日にも関わらず、気になって見に来ている人がいたのだ。結局目は合わなかったけど。
さて一方ボスは、悩んだ末、次の会社が決まらないままにも関わらず早期優遇退職に応募した。まあ、前回も言ったように、結構早い段階からそのつもりだったようだが、それでも、あの行動力の固まりのようなボスが、いざ退職願を提出する時には、苦悶の表情で悩むのを見た。
一方で、早期優遇で会社から提供される人材会社のシステムにも魅力を感じたようだ。それは、人材募集を探すのではなく、やりたい仕事、やりたい業種から会社に売り込みをかけてくれるというものだ。
ボスはこの大企業の中で、やりたいことをやれないジレンマを散々抱えてきた。だからこれを機に自分のやりたいことが会社の業績に直接結びつくようなベンチャー企業への転進を狙ったのだ。
そもそも、壮年期と言えるボスは退職金としてかなりの額をもらえることになっていた。だから、本人は1年半プーしても大丈夫だから、ゆっくり次の職を探せば良いんだ、と豪語していた。ちなみに、俺はたとえ募集してもその1/3程度しかもらえなかった。
その結果、たった半年前には5人いた俺達のグループは、俺一人が取り残されることになった。
つづく。
そして新しい道へと進もうとする今。俺は彼からの最高の餞（はなむけ）をもらったような気がした。
東京国際フォーラム...なぜこの写真を出したのかは、後ほど
(PentaxK-7, PentaxDAFisheye10-17mmF3.5-4.5(10.0mm), ProgramMode, 1/100sec, F5.6, ISO100)
さて、転職顛末の続きだ。
2. Left Alone [取り残されて]
時は2009年7月〜8月にかけての話になる。
まったく勝負にならなかった、早期優遇退職狙いの転職活動。ことごとく書類選考で落ちてしまった。...と言っても実際に応募したのは3, 4社だけだけど。
その中には実は、夢の国でおなじみのあの企業もあった。夢の国の演出を担う、音響を担当する仕事だ。最初は、いわゆるPAであったり、保守のような仕事から始めるが、経験を積んだ後はアメリカの本社とコンタクトしながらアトラクションの音響設計などもさせてもらえるという。これは面白そうだった。
これは、実は転職サイトを通じて「オープンオファー」のメールが向こうから来たのだ。「音響メーカーの設計」という、サイトに登録された俺の経歴を見て送ってきたようだ。
実際のところ、俺は音響機器の開発には（もともとそれは不本意だったのだが）関わっていない。でも、非常に興味があったので応募してみたのだ。しかし、やはり書類選考の時点で落とされてしまった。
まあ、今考えれば当たり前だ。経歴書は今の自分の経歴を淡々と短く書いたもので、何が何でも音響をやる覚悟なんだ！というのは全く伝わってこないものだったと思う。
ああそうそう、この時の「ヤボ用」は転職フェアというものに行ったのだった。
扉の写真をよーく見ると、左下の方に、受付に並んでいる人の列が見えるはずだ (^_^;。
転職フェアとは人材紹介サイトが主催し、求人している企業が集まり、ホールにブースを設け、就職活動をしている人を集めて説明をしたり、面談をしたりする場だ。その日は平日だったが、ちょうど俺は休みを入れていたので赴いてみたのだ。
入り口で、経歴書のようなものを提出したりする手続きがあるようなので、開場時間より結構早めに行ったのだが...平日にも関わらず、既にかなりの人が並んでいた。世間は不景気まっただ中。職を求めてる人、新しい職に転じたい人はこんなにいるのか、と驚いた。
だが、俺が該当するであろう電気技術者の募集は決して多くはなかった。だが、その中でも某超巨大鉄道会社の運行システムがらみの求人はとても興味深く映った。ただ、選考は数ヶ月先で、入社も4/1ということだった。
また、現職の同業他社超大手の「キャリアマッチング採用」も目をひいたし、こちらの話を非常に熱心に聞いてくれる人事担当者も好印象だった。ただ、これも選考は数ヶ月先で、しかも勤務地は関西になってしまうということだった。
会場内は撮影禁止だったので、会場外からカーテン越しに撮ってみた（拡大なし）
(PentaxK-7, PentaxDA21mmLimitedF3.2, ProgramMode, 1/8sec, F3.2, ISO100)
転職フェアには他にも、経歴書を提出しておくと、興味を持った企業から番号で呼び出してもらって面談できる「スカウトサービス」や、カウンセラーによって転職に関する相談を受けられるコーナーなどがあった。
一応スカウトコーナーの番号はチラチラ見ていたが、まー全然呼び出されない雰囲気だったので、相談コーナーでカウンセラーと話してみることにした。相談コーナーもかなり混雑していて、整理番号をもらってから1時間程度ホールの外にあるタリーズで時間を潰して、ようやくカウンセラーと話すことができた。
カウンセラーは転職サイトの会社の人ではなく、その筋の専門組織から来たようで、柔和な表情をした白髪が混じった年配の男性だった。
カウンセリングでは、現在の会社の状況、自分のグループの状況、早期優遇退職の存在など、かなり赤裸々に語った。カウンセラーは柔和の表情のまま、ゆっくり頷きながらじっくり話を聞いていた。
そして、俺の話を聞き終わるとおもむろに話し始めた。
まず、あなたはまだ転職活動の方向性が定まっていないのではないですか？
現職の状況から脱出したいというのはあっても、
次にどうしたいという明確なビジョンというのはまだ固まっていないですよね。
採用担当者も絶対そこを見ています。
まずは、「次どうしたいか」を固めるべきです。
早期優遇には募集しない方がいいでしょう。
確かに、その通りだと感じた。辞めたい理由はあっても、次の会社に行く理由は何だと言われて即答できない。
今と同じような条件の会社...じゃあ辞めなきゃいいんである。なんだかんだ潰れたわけじゃないんだから。それに、これでも俺は家庭持ちだ。何の保証もなく会社を辞めて、家族を路頭に迷わせるわけにはいかない。
だから今は辞めないで、今後どういう仕事をしたいのかゆっくり考えよう。その結果、現職に残ったっていいのだ。まだ潰れてないんだから。
ひとまず、現段階での一つの方向性は見出せた気がして、少しだけ気が楽になった。カウンセラーのおじさんのセリフだけが原因ではないが、俺は最終的に、早期優遇に応募するのはやめた。
転職フェアを終えて、撮影でもしようと会場を後にしようとして目を見張った。話すほど親しくはないが、顔を知っている会社の先輩が、まさにその時入場しようとしていたのだ。やはり早期優遇募集期間。平日にも関わらず、気になって見に来ている人がいたのだ。結局目は合わなかったけど。
さて一方ボスは、悩んだ末、次の会社が決まらないままにも関わらず早期優遇退職に応募した。まあ、前回も言ったように、結構早い段階からそのつもりだったようだが、それでも、あの行動力の固まりのようなボスが、いざ退職願を提出する時には、苦悶の表情で悩むのを見た。
一方で、早期優遇で会社から提供される人材会社のシステムにも魅力を感じたようだ。それは、人材募集を探すのではなく、やりたい仕事、やりたい業種から会社に売り込みをかけてくれるというものだ。
ボスはこの大企業の中で、やりたいことをやれないジレンマを散々抱えてきた。だからこれを機に自分のやりたいことが会社の業績に直接結びつくようなベンチャー企業への転進を狙ったのだ。
そもそも、壮年期と言えるボスは退職金としてかなりの額をもらえることになっていた。だから、本人は1年半プーしても大丈夫だから、ゆっくり次の職を探せば良いんだ、と豪語していた。ちなみに、俺はたとえ募集してもその1/3程度しかもらえなかった。
その結果、たった半年前には5人いた俺達のグループは、俺一人が取り残されることになった。
つづく。
nobilesの投稿(23:30:55-2010-02-22) -
カテゴリ: Change Job
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