NOBILES Days
Jump to navigationWhich Camera Should We Buy Now? Part.8
俺のような「なんちゃって」でない、本当のワイン好きにとっては遅すぎるくらいかもしれないけど？ボージョレ・ヌーボー3本を1ヶ月で空けたので、また例の酒屋にワインを「歩いて」調達しに行った。
で、またまたついつい試飲祭りだ。赤から白からスパークリングと、まず間違いなくグラスワイン1杯以上は飲んだろう。昼間っから。
で、またまたついつい少しいいやつを買ってしまう (′Д`;。飲んでみたら美味しいんだもん。
いやはや、危険だ。たまにはいいけど、普段は敢えて車で行ってジャケ買いの方が良さそうだ。
Syrah
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/30sec, F2.5, ISO100)
一応、「四捨五入でいい歳なった」記念にひとつを開けた。シラーと言って赤ワインらしい筋の通った苦味と、ブドウらしい果実味のバランスが絶妙だ。
さてさて、早いところ収束させたい「今どこのカメラを買うべきか」特集。今回はマイナーメーカー「Sigma」について。
このコーナーは「ファースト・イチガン」を想定しているので、今回のSigmaは絶対対象になっていないと思うのだが (^_^;、乗りかかった船で語りたくなったので行ってしまおう。
・Sigma SDシリーズ
ディジタルカメラ業界で最も知名度が低く、規模も小さいのがSigmaだ。だが、一眼レフカメラを持っている層なら交換レンズのメーカーとしてはそこそこ知っているかもしれない。実はカメラ本体も作っているのだ。しかもここのカメラは他のメーカーにない唯一無二の強烈な個性を持っている。それがFoveonという撮像素子だ。
Sigma SD1
一眼に限らず、コンパクトカメラやケータイを含めた他の大多数のディジタルカメラは、ベイヤー式という撮像素子を使用している。
ベイヤー式は赤、青、緑という光の3原色それぞれを担当する受光素子をタイル状に並べることで構成されている。緑の画素は輝度情報も受け持つので数が多い。例えば1000万画素の撮像素子なら、それぞれの色は250万、250万、500万画素ずつあることになる。
これを合成することで1000画素の画像を作り出しているわけだが、そのために、本来は他の色の画素部分にもその色の受光素子があったかのように演算で求めている。
だから、ベイヤー式の物理的な解像度は実はたとえば公称1000万画素なら250万画素程度であり、演算によってカラーの1000万画素画像を生成しているのだ。
しかもそのまま使うと、例えば網戸のような微細な規則的パターンを撮影した時に、演算による僅かな位置のズレが周期的に現れ、現実には存在しない虹のような模様が撮影されてしまう。これをモアレと言う。
これを防ぐため、ほとんどのベイヤー式撮像素子では高周波を鈍らせるローパスフィルターという光学部品を撮像素子の前に配置している。これはつまり、さらに解像度を落とす所為に他ならない。
最近ではソフトウェアの改良によりローパスフィルターを弱くしたり（Olympus E-5や第3世代PENシリーズ）、搭載しなかったり（Pentax 645D）する例が見られるようにはなってきたが、まだ少数だ。
ところがこのFoveonはこれを原理面から根本的に解決した画期的な撮像素子だ。
ベイヤー式では各色の受光素子が隣り合うように並んでいるのに対し、Foveonは重箱のように縦に積層されているのである。これはフィルムにも近い構造だ。この構造なら各受光素子の画像上の座標が一致するので、モアレは発生しない。
ベイヤー式のような余計な演算やローパスフィルターがない分、Foveonで撮影された画像の先鋭さは非常に高く、鮮烈な印象を与える。
だから、これを搭載した一眼レフであるSDシリーズ、および単焦点コンパクトカメラであるDPシリーズは一部の写真ファンから熱烈な支持を集め、大メーカーの狭間にあって埋もれることなく存在感を放ってきた。
実はこのFoveon素子はSigmaの内製である。Foveon社を買収したからだ。
Foveonセンサーはもともとは大きなセンサーを作れず、APS-Cと4/3という中途半端なサイズ（35mm判への焦点距離の換算レートが1.7）だった。
また、物理的な画素数では他社と同等ながら、生成される画像の画素数が1/3だったためにスペックが貧弱に見られてきた。しかし、ローパスフィルターがない分、実効解像度は、3倍の 画素数を謳う他社を凌駕するものだった。
SigmaはFoveonを買収後、ネガティブを払拭するため、積極策に打ってでた。APS-Cサイズへ拡大し、1画素あたりの面積を他社なみとすることで、スペック上の画素数を同等に、実効解像度を3倍以上にしようとしたのだ。
そうして誕生したのがSD1という怪物カメラだ。
こうやって書くとSD1がまるでプロユースでもいけるバラ色のカメラに思えるかもしれないが、そうではない。SD1はいろいろな意味で「怪物」なのだ。
まずFoveon素子自体のネガティブから述べよう。
Foveonは、各色の受光素子が光の進行方向に垂直に積層されるという、その仕組み上必然的に、奥に行くほど光量が減衰する。だから高感度特性の面ではベイヤー式と比べるとかなりのハンディで、実際辛い。さらに、SD1で大変野心的なAPS-Cセンサーを開発したのはいいが、その費用が莫大だったため、価格はCanonやNikonのプロ機も真っ青な値段になってしまった。
また、Sigmaという会社の規模自体が小さいため、特にディジタルカメラで重要なソフトウェアの開発は辛いところで、動作が非常に緩慢で、バグも多いものになっている。しかも、JPEGの生成がイマイチなので、SDシリーズの真の実力を引き出すにはRAW現像が必須となる。初心者には高いハードルだ。
また、吐き出す画像があまりにも鮮烈な解像度なため、ブレには非常に弱い。
ユーザーに言わせれば、「ピーカンに晴れた日に、しかも三脚推奨。その時の画質は極上。それ以外は... (′Д`;」というとんでもないじゃじゃ馬ぶりである。
しかしながら、Foveon素子の構造が画期的であることは疑いようがない。どこかの大メーカーが採用しないかという願望はユーザーには根強い。まあ数十万クラスのSD1はともかくとして、センサーのサイズが小さくて画素数も少ないSD15なら他社の中級機なみの価格で買える。酔狂に走るなら狙い目かもしれない。
つづく。
で、またまたついつい試飲祭りだ。赤から白からスパークリングと、まず間違いなくグラスワイン1杯以上は飲んだろう。昼間っから。
で、またまたついつい少しいいやつを買ってしまう (′Д`;。飲んでみたら美味しいんだもん。
いやはや、危険だ。たまにはいいけど、普段は敢えて車で行ってジャケ買いの方が良さそうだ。
Syrah
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/30sec, F2.5, ISO100)
一応、「四捨五入でいい歳なった」記念にひとつを開けた。シラーと言って赤ワインらしい筋の通った苦味と、ブドウらしい果実味のバランスが絶妙だ。
さてさて、早いところ収束させたい「今どこのカメラを買うべきか」特集。今回はマイナーメーカー「Sigma」について。
このコーナーは「ファースト・イチガン」を想定しているので、今回のSigmaは絶対対象になっていないと思うのだが (^_^;、乗りかかった船で語りたくなったので行ってしまおう。
・Sigma SDシリーズ
ディジタルカメラ業界で最も知名度が低く、規模も小さいのがSigmaだ。だが、一眼レフカメラを持っている層なら交換レンズのメーカーとしてはそこそこ知っているかもしれない。実はカメラ本体も作っているのだ。しかもここのカメラは他のメーカーにない唯一無二の強烈な個性を持っている。それがFoveonという撮像素子だ。
Sigma SD1
一眼に限らず、コンパクトカメラやケータイを含めた他の大多数のディジタルカメラは、ベイヤー式という撮像素子を使用している。
ベイヤー式は赤、青、緑という光の3原色それぞれを担当する受光素子をタイル状に並べることで構成されている。緑の画素は輝度情報も受け持つので数が多い。例えば1000万画素の撮像素子なら、それぞれの色は250万、250万、500万画素ずつあることになる。
これを合成することで1000画素の画像を作り出しているわけだが、そのために、本来は他の色の画素部分にもその色の受光素子があったかのように演算で求めている。
だから、ベイヤー式の物理的な解像度は実はたとえば公称1000万画素なら250万画素程度であり、演算によってカラーの1000万画素画像を生成しているのだ。
しかもそのまま使うと、例えば網戸のような微細な規則的パターンを撮影した時に、演算による僅かな位置のズレが周期的に現れ、現実には存在しない虹のような模様が撮影されてしまう。これをモアレと言う。
これを防ぐため、ほとんどのベイヤー式撮像素子では高周波を鈍らせるローパスフィルターという光学部品を撮像素子の前に配置している。これはつまり、さらに解像度を落とす所為に他ならない。
最近ではソフトウェアの改良によりローパスフィルターを弱くしたり（Olympus E-5や第3世代PENシリーズ）、搭載しなかったり（Pentax 645D）する例が見られるようにはなってきたが、まだ少数だ。
ところがこのFoveonはこれを原理面から根本的に解決した画期的な撮像素子だ。
ベイヤー式では各色の受光素子が隣り合うように並んでいるのに対し、Foveonは重箱のように縦に積層されているのである。これはフィルムにも近い構造だ。この構造なら各受光素子の画像上の座標が一致するので、モアレは発生しない。
ベイヤー式のような余計な演算やローパスフィルターがない分、Foveonで撮影された画像の先鋭さは非常に高く、鮮烈な印象を与える。
だから、これを搭載した一眼レフであるSDシリーズ、および単焦点コンパクトカメラであるDPシリーズは一部の写真ファンから熱烈な支持を集め、大メーカーの狭間にあって埋もれることなく存在感を放ってきた。
実はこのFoveon素子はSigmaの内製である。Foveon社を買収したからだ。
Foveonセンサーはもともとは大きなセンサーを作れず、APS-Cと4/3という中途半端なサイズ（35mm判への焦点距離の換算レートが1.7）だった。
また、物理的な画素数では他社と同等ながら、生成される画像の画素数が1/3だったためにスペックが貧弱に見られてきた。しかし、ローパスフィルターがない分、実効解像度は、3倍の 画素数を謳う他社を凌駕するものだった。
SigmaはFoveonを買収後、ネガティブを払拭するため、積極策に打ってでた。APS-Cサイズへ拡大し、1画素あたりの面積を他社なみとすることで、スペック上の画素数を同等に、実効解像度を3倍以上にしようとしたのだ。
そうして誕生したのがSD1という怪物カメラだ。
こうやって書くとSD1がまるでプロユースでもいけるバラ色のカメラに思えるかもしれないが、そうではない。SD1はいろいろな意味で「怪物」なのだ。
まずFoveon素子自体のネガティブから述べよう。
Foveonは、各色の受光素子が光の進行方向に垂直に積層されるという、その仕組み上必然的に、奥に行くほど光量が減衰する。だから高感度特性の面ではベイヤー式と比べるとかなりのハンディで、実際辛い。さらに、SD1で大変野心的なAPS-Cセンサーを開発したのはいいが、その費用が莫大だったため、価格はCanonやNikonのプロ機も真っ青な値段になってしまった。
また、Sigmaという会社の規模自体が小さいため、特にディジタルカメラで重要なソフトウェアの開発は辛いところで、動作が非常に緩慢で、バグも多いものになっている。しかも、JPEGの生成がイマイチなので、SDシリーズの真の実力を引き出すにはRAW現像が必須となる。初心者には高いハードルだ。
また、吐き出す画像があまりにも鮮烈な解像度なため、ブレには非常に弱い。
ユーザーに言わせれば、「ピーカンに晴れた日に、しかも三脚推奨。その時の画質は極上。それ以外は... (′Д`;」というとんでもないじゃじゃ馬ぶりである。
しかしながら、Foveon素子の構造が画期的であることは疑いようがない。どこかの大メーカーが採用しないかという願望はユーザーには根強い。まあ数十万クラスのSD1はともかくとして、センサーのサイズが小さくて画素数も少ないSD15なら他社の中級機なみの価格で買える。酔狂に走るなら狙い目かもしれない。
つづく。
nobilesの投稿(23:48:29-2011-12-21) -
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