NOBILES Days
Jump to navigationThe Small Battle (6)
この盆休みは、7月末の第1夏休みが次女の川崎病で潰れた分、ゆっくり、いいメシを食いに行ったり、あまり大イベントは入れずに過ごした。
家から見える距離の花火を、2階の部屋から酒を飲みながら家族みんなで見た。特に長女は大興奮だった。俺も、ワイン飲みすぎたね。
電線がジャマだ！
(PentaxK-7, PentaxDA★60-250mmF4(140.0mm), 66.5sec, F14.0, ISO100)
そんなわけで、次女の川崎病闘病記の続き
翌日、保育園に行く長女を義父に預けると、洗濯と掃除を済ませた。
嫁さんからは、次女はまだ36度後半の微妙な熱があるとメールがあった。依然血液製剤の投与が続けられていた。
ところで、我が家のメダカの水槽では、スネイルの卵が孵って大変なことになっていた。直径1cm程度の親スネイルが、買ってきた水草に10匹以上も紛れていて飼い始めて間もなく産卵しやがったのだ。メダカの卵と見分けもできないうちだったので、みすみす孵してしまった。
2〜5mm程度の無数のスネイルどもが水槽底を埋め尽くし、壁も縦横無尽に這い回る。この当時で100匹じゃ済まなかっただろう。200〜300のレンジだったろう。こうなると、水槽から一旦全て出して新たに環境を構築する「水槽リセット」しかないようだ。なにも次女が大変なこの時にこんな状況にならなくても (′Д`;。
スネイルは健康なメダカには直接被害はないが、水草を食い尽くすと聞いたので、水草だけ水槽から出して良く洗って小さなバケツに移した。結構水草にもスネイルがとりついていた。
水草を取り除くと、水槽はすっからかんになって、メダカ（とスネイルども）が良く見えるようになった。しかしそれは、第3回のトビラ文に書いた悲劇への序章だった。
さてその水曜と、翌木曜の夜は俺が2連泊の予定だった。
発注していたUQWiMaxのお試し端末も届いていたのでセットアップしたのだが...自宅では全く入らず圏外だった。事前にホームページでエリアを調べたら、自宅も病院も「つながらない可能性もあるので、端末を借りて試してみてください」という扱いだった。今回は自宅はどうでもいいが、病院で入らなかったら何の意味もねーぞ？
その他にも、飲み物などを用意して、シャワーも浴びてから夕方に病院に向かった。
そういやすっかり書き忘れていたが、病院には風呂があった。
いや、俺が脚で入院した病院にももちろん何らかの入浴施設があったはずだが、その時は何しろ右脚すっぽりギブスだったので風呂とは無縁だった。
今回の病院の場合、午後9時までならナースステーションの台帳に名前書けば付き添い人も使用できたので、日曜〜月曜の連泊時には利用した。流しが2脚あり、小さな銭湯という趣で、脚を伸ばせる湯船もあって意外に快適だった。
しかし難点は、どんなに急いで入浴しても15分程度は部屋を空けなければならない。午後8時台だと、次女は大体寝ていたが、初日は俺が入浴している間に起きて泣いてしまい、俺が戻ってくる時には看護師さんにあやされていた。具合悪い時だからこそ、いつも以上に親が近くにいないと不安になるんだろう。
なので、自宅から向かうこの日はシャワー浴びてから行ったわけだ。
さて、病院に着くと、次女にはまだ血液製剤の点滴による投与が続いていた。それでも、1日空けただけなのに顔色には生気が戻っていて、順調な回復を思わせた。だが、嫁さんによると相変わらず36℃後半と微妙にある熱がから心配だと言う。
また、点滴を外すためには1日に700ml程度は口から飲まないといけないという。しかし、この日の記録は300mlがいいところで、700なんてとても遠い目標に思われた。
付き添いを変わって晩飯を食わせると、また次女はくったりと寝てしまった。
幸いUQWiMaxは病院では繋がった。17インチPowerBookG4を開くと、普通に高速でネットできる。SNSするのも、blogのアップももちろん問題ない。これはいい。
この日の夜には、ロンドンオリンピックの女子サッカーの初戦があった。次女が大人しく寝ているのをいいことに、PowerBookでネットしながらサッカーを観ていると、血液製剤の投与が終ったらしく、ブザーが鳴った。ナースコールをして回収してもらった。これが効いてくれれば、と願った。大分発疹もひいたものの、乾燥と病気の影響で唇が荒れて血が出ている次女の顔をしばし見つめてから就寝した。
川崎病の発症から7日目となるのは木曜日だ。
朝の一連の報告で、看護師さんに体重が7.3kgだと伝えると、前日から0.5kgも減っていておかしい、と言う。前日は嫁さんが計ったはずだ。しかも次女が泣いてしまってうまく計れずカゴタイプの体重計で計ったと言っていた。一方でこの日の俺は体重計の上で次女をうまく立たせて計った。ひょっとしたら立たせたつまりがどこかに次女が捕まっていたのかもしれないが...でもきっと理系の精神のカケラもない嫁さんがヘマをやったに違いないと思った。
次女はと言えば、顔色は悪くない。熱は36℃台後半だが、それ以上上がる気配もない。煩わしい点滴を外してやろうと、気づいたらジュースやらお茶やらをせっせと飲ませた。午前だけで200ml近く行ったのでいいペースだ。
午前の回診でも、ポジティブな言葉が多かった。でも医者は確定的なことは言わないよね。万一があったらいけないからだろう。
午後には心エコーを見ることになった。
回診の直前だったかと思うが、お義父さんとお義母さんが、クーラーボックスの保冷剤の替えと、俺の昼飯（すき家のとろろうな丼）を置き、ちょちょっと次女を抱っこすると5分もいないで疾風のように帰って行った。
すき家のうな丼は...有難かったが、値段なりの微妙さだったな。
でも、日によってはお義母さんが手作りの弁当を差し入れてくれたりして、本当に元気づけられた。こういう場面で既製品じゃなくて手作りっていうのは心に響くよね。
この日も、例の恰幅の良い看護研修生が頻繁に訪れた。この頃になって次女もようやく慣れてきたのか、看護師さんが来てもすぐに泣くことは減ってきていた。
確かオヤツが終わったあたりで心エコーをとることになった。
俺が次女を抱っこして、これまで見たことのない看護師さん（多分小児外来担当なんだろう）に、恰幅の良い看護研修生が点滴をガラガラ押して移動した。
貴重品はしまうなり持って行くなりするよう言われたので、どんだけ大移動だよ、と思ったら、病棟も階も跨いでの本当の大移動だった。5分くらいかけて移動すると、そこは小児外来の診察室だった。
心エコーの備え付けられた診察室には、俺が看護師さんと間違えた小柄な女性医師が待っていた。
大仰な装置の脇にあるベッドに、裸で横にされた次女は堪らず泣き始める。しかしそこは小児診察室だ。iPadの前身のようなモニターが横に置いてあって、そこに何種類かのアニメを映せるようになっているのだ。看護師さんが手早くアンパンマンの童謡集みたいなのを選んで再生を始めると、次女はパタッと泣くのをやめて画面に釘付けになった。これには先生や看護師さんも驚いていた。さすが、日頃お姉ちゃんと一緒にさまざまなビデオを観賞しているだけのことはある (^_^;。
心エコーの結果は、問題なしということだった。そう言われて、いまいちピンと来なくて聞き返すと、冠動脈瘤ができていないということだそうだ。
それって、超いいことじゃん！
再び大名行列状態で病室に戻った。心エコーが問題なかったので、重くて煩わしかった心電図モニターも外すという。
これで次女の身体にまとわりついているのは、右腕の点滴1本ということになった。
点滴も早く外してやろうと思い、午前同様一生懸命飲み物を口に運ぶが、頑張り過ぎたのか、どうにも飲んでくれない。熱も相変わらず36℃後半だし、せっかく冠動脈瘤がなくて安心したのに、まだ入院が長引くのかな？なんて不安に襲われた。
ところが、体温測定について「何時間に1回でしたっけ？」と聞いたら意外な答えが帰って来た。
「もう平熱で落ち着いてるから、全体放送があった時だけで大丈夫ですよ」
あれ？平熱？もう熱の心配はほとんどないってこと？
後から分かることだが、この子の平熱は実はもとから36.7℃程度だったのだ。
保育園通ってる時に、嫁さんが毎日計っていたはずなのだが、「朝はバタバタしているから」などという言い訳で、ぐんぐん37℃に上がったりしなければ「はいはい、36.4℃」というように、適当に切り上げて連絡帳に書いていたのだ。
ついでに、体重もだ。後日問いつめたら、体重を計る際に、そこそこ重さのある心電図モニターを外さずに計っていたのだ。そんなんじゃ、「厳密に計るために服を脱がせてくださいね」なんていう看護師さんの依頼は何の意味もないじゃねーかっ！
さんざん嫁さんを叱ってやったが、あのいい加減は死んでも治らんだろうな。
さて、身体にくっついているのが点滴ひとつになって、次女もさぞかし落ち着いて寝るだろう、俺もゆっくり眠れるだろう、と思ったら真逆だった。身軽になると同時に元気になったために、ごろごろと寝返りを打ちまくるのだ。そうすると、点滴が身体に巻き付いて閉塞してピーピーと点滴のポンプがエラー音を発生するのだ。これが大体1時間に1回のペースで起きた。
おいおいー、勘弁してくれよー。俺の2度目の連泊2日目は超睡眠不足で夜が明けた。
つづく。
家から見える距離の花火を、2階の部屋から酒を飲みながら家族みんなで見た。特に長女は大興奮だった。俺も、ワイン飲みすぎたね。
電線がジャマだ！
(PentaxK-7, PentaxDA★60-250mmF4(140.0mm), 66.5sec, F14.0, ISO100)
そんなわけで、次女の川崎病闘病記の続き
翌日、保育園に行く長女を義父に預けると、洗濯と掃除を済ませた。
嫁さんからは、次女はまだ36度後半の微妙な熱があるとメールがあった。依然血液製剤の投与が続けられていた。
ところで、我が家のメダカの水槽では、スネイルの卵が孵って大変なことになっていた。直径1cm程度の親スネイルが、買ってきた水草に10匹以上も紛れていて飼い始めて間もなく産卵しやがったのだ。メダカの卵と見分けもできないうちだったので、みすみす孵してしまった。
2〜5mm程度の無数のスネイルどもが水槽底を埋め尽くし、壁も縦横無尽に這い回る。この当時で100匹じゃ済まなかっただろう。200〜300のレンジだったろう。こうなると、水槽から一旦全て出して新たに環境を構築する「水槽リセット」しかないようだ。なにも次女が大変なこの時にこんな状況にならなくても (′Д`;。
スネイルは健康なメダカには直接被害はないが、水草を食い尽くすと聞いたので、水草だけ水槽から出して良く洗って小さなバケツに移した。結構水草にもスネイルがとりついていた。
水草を取り除くと、水槽はすっからかんになって、メダカ（とスネイルども）が良く見えるようになった。しかしそれは、第3回のトビラ文に書いた悲劇への序章だった。
さてその水曜と、翌木曜の夜は俺が2連泊の予定だった。
発注していたUQWiMaxのお試し端末も届いていたのでセットアップしたのだが...自宅では全く入らず圏外だった。事前にホームページでエリアを調べたら、自宅も病院も「つながらない可能性もあるので、端末を借りて試してみてください」という扱いだった。今回は自宅はどうでもいいが、病院で入らなかったら何の意味もねーぞ？
その他にも、飲み物などを用意して、シャワーも浴びてから夕方に病院に向かった。
そういやすっかり書き忘れていたが、病院には風呂があった。
いや、俺が脚で入院した病院にももちろん何らかの入浴施設があったはずだが、その時は何しろ右脚すっぽりギブスだったので風呂とは無縁だった。
今回の病院の場合、午後9時までならナースステーションの台帳に名前書けば付き添い人も使用できたので、日曜〜月曜の連泊時には利用した。流しが2脚あり、小さな銭湯という趣で、脚を伸ばせる湯船もあって意外に快適だった。
しかし難点は、どんなに急いで入浴しても15分程度は部屋を空けなければならない。午後8時台だと、次女は大体寝ていたが、初日は俺が入浴している間に起きて泣いてしまい、俺が戻ってくる時には看護師さんにあやされていた。具合悪い時だからこそ、いつも以上に親が近くにいないと不安になるんだろう。
なので、自宅から向かうこの日はシャワー浴びてから行ったわけだ。
さて、病院に着くと、次女にはまだ血液製剤の点滴による投与が続いていた。それでも、1日空けただけなのに顔色には生気が戻っていて、順調な回復を思わせた。だが、嫁さんによると相変わらず36℃後半と微妙にある熱がから心配だと言う。
また、点滴を外すためには1日に700ml程度は口から飲まないといけないという。しかし、この日の記録は300mlがいいところで、700なんてとても遠い目標に思われた。
付き添いを変わって晩飯を食わせると、また次女はくったりと寝てしまった。
幸いUQWiMaxは病院では繋がった。17インチPowerBookG4を開くと、普通に高速でネットできる。SNSするのも、blogのアップももちろん問題ない。これはいい。
この日の夜には、ロンドンオリンピックの女子サッカーの初戦があった。次女が大人しく寝ているのをいいことに、PowerBookでネットしながらサッカーを観ていると、血液製剤の投与が終ったらしく、ブザーが鳴った。ナースコールをして回収してもらった。これが効いてくれれば、と願った。大分発疹もひいたものの、乾燥と病気の影響で唇が荒れて血が出ている次女の顔をしばし見つめてから就寝した。
川崎病の発症から7日目となるのは木曜日だ。
朝の一連の報告で、看護師さんに体重が7.3kgだと伝えると、前日から0.5kgも減っていておかしい、と言う。前日は嫁さんが計ったはずだ。しかも次女が泣いてしまってうまく計れずカゴタイプの体重計で計ったと言っていた。一方でこの日の俺は体重計の上で次女をうまく立たせて計った。ひょっとしたら立たせたつまりがどこかに次女が捕まっていたのかもしれないが...でもきっと理系の精神のカケラもない嫁さんがヘマをやったに違いないと思った。
次女はと言えば、顔色は悪くない。熱は36℃台後半だが、それ以上上がる気配もない。煩わしい点滴を外してやろうと、気づいたらジュースやらお茶やらをせっせと飲ませた。午前だけで200ml近く行ったのでいいペースだ。
午前の回診でも、ポジティブな言葉が多かった。でも医者は確定的なことは言わないよね。万一があったらいけないからだろう。
午後には心エコーを見ることになった。
回診の直前だったかと思うが、お義父さんとお義母さんが、クーラーボックスの保冷剤の替えと、俺の昼飯（すき家のとろろうな丼）を置き、ちょちょっと次女を抱っこすると5分もいないで疾風のように帰って行った。
すき家のうな丼は...有難かったが、値段なりの微妙さだったな。
でも、日によってはお義母さんが手作りの弁当を差し入れてくれたりして、本当に元気づけられた。こういう場面で既製品じゃなくて手作りっていうのは心に響くよね。
この日も、例の恰幅の良い看護研修生が頻繁に訪れた。この頃になって次女もようやく慣れてきたのか、看護師さんが来てもすぐに泣くことは減ってきていた。
確かオヤツが終わったあたりで心エコーをとることになった。
俺が次女を抱っこして、これまで見たことのない看護師さん（多分小児外来担当なんだろう）に、恰幅の良い看護研修生が点滴をガラガラ押して移動した。
貴重品はしまうなり持って行くなりするよう言われたので、どんだけ大移動だよ、と思ったら、病棟も階も跨いでの本当の大移動だった。5分くらいかけて移動すると、そこは小児外来の診察室だった。
心エコーの備え付けられた診察室には、俺が看護師さんと間違えた小柄な女性医師が待っていた。
大仰な装置の脇にあるベッドに、裸で横にされた次女は堪らず泣き始める。しかしそこは小児診察室だ。iPadの前身のようなモニターが横に置いてあって、そこに何種類かのアニメを映せるようになっているのだ。看護師さんが手早くアンパンマンの童謡集みたいなのを選んで再生を始めると、次女はパタッと泣くのをやめて画面に釘付けになった。これには先生や看護師さんも驚いていた。さすが、日頃お姉ちゃんと一緒にさまざまなビデオを観賞しているだけのことはある (^_^;。
心エコーの結果は、問題なしということだった。そう言われて、いまいちピンと来なくて聞き返すと、冠動脈瘤ができていないということだそうだ。
それって、超いいことじゃん！
再び大名行列状態で病室に戻った。心エコーが問題なかったので、重くて煩わしかった心電図モニターも外すという。
これで次女の身体にまとわりついているのは、右腕の点滴1本ということになった。
点滴も早く外してやろうと思い、午前同様一生懸命飲み物を口に運ぶが、頑張り過ぎたのか、どうにも飲んでくれない。熱も相変わらず36℃後半だし、せっかく冠動脈瘤がなくて安心したのに、まだ入院が長引くのかな？なんて不安に襲われた。
ところが、体温測定について「何時間に1回でしたっけ？」と聞いたら意外な答えが帰って来た。
「もう平熱で落ち着いてるから、全体放送があった時だけで大丈夫ですよ」
あれ？平熱？もう熱の心配はほとんどないってこと？
後から分かることだが、この子の平熱は実はもとから36.7℃程度だったのだ。
保育園通ってる時に、嫁さんが毎日計っていたはずなのだが、「朝はバタバタしているから」などという言い訳で、ぐんぐん37℃に上がったりしなければ「はいはい、36.4℃」というように、適当に切り上げて連絡帳に書いていたのだ。
ついでに、体重もだ。後日問いつめたら、体重を計る際に、そこそこ重さのある心電図モニターを外さずに計っていたのだ。そんなんじゃ、「厳密に計るために服を脱がせてくださいね」なんていう看護師さんの依頼は何の意味もないじゃねーかっ！
さんざん嫁さんを叱ってやったが、あのいい加減は死んでも治らんだろうな。
さて、身体にくっついているのが点滴ひとつになって、次女もさぞかし落ち着いて寝るだろう、俺もゆっくり眠れるだろう、と思ったら真逆だった。身軽になると同時に元気になったために、ごろごろと寝返りを打ちまくるのだ。そうすると、点滴が身体に巻き付いて閉塞してピーピーと点滴のポンプがエラー音を発生するのだ。これが大体1時間に1回のペースで起きた。
おいおいー、勘弁してくれよー。俺の2度目の連泊2日目は超睡眠不足で夜が明けた。
つづく。
nobilesの投稿(23:53:22-2012-08-16) -
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