NOBILES Days
Jump to navigationThe trend of digital camera 2013 (6)
今日はまたあのアホの元上司に開いた口が塞がらない事態が起きた。
俺の後ろの席の、ヤツの部下のところに、ヤツがやってきた。
元上司「あ、あ、あの、『タブレ』ってなんですか？」
部下「はい？...あ、あのさっきの話ですか？表を作るタグですよ」
…
…
「ダブレ」って、ま、まさか、”TABLE"タグのことか (′Д`;？？？？
いやね、さすがにあのアホでも、英語としてtableって書いてあったら読めると思うのだ。
でも、相変わらず仕事にかこつけてiPadで遊ぶのに夢中になっているヤツのことだ。tableタグを見つけて、どうせ「tableって、tabletの最後の”t”が抜けてるんじゃないか」とでも考えてたんじゃないか？バカだから。
...ふー。大丈夫か？この部。
デジカメトーク第6弾。
●Canon EOS70D
Canon EOS70D
さー来た。どうにも俺とは肌が合わないCanonさん。そのディジタル一眼レフの王道とも言うべきミドルクラスの新型は70Dだ。
先に言っておくけど…やっぱり今回も俺、ダメだわ！
今回の70D。まあ60Dの正常進化型である。しかしだ。発表会やCMでもっとも大々的に強調されていた新機軸はなんだろうか？
「デュアルピクセルCMOS AF」だとよ。
おいっっっっ！！！
なぜものすごい勢いで突っ込んだのか説明しよう。
デュアルピクセルCMOS AFでは、撮像素子の各画素が2つのフォトダイオードで構成されている。撮像時には2つのフォトダイオードで1画素として出力値を扱うが、フォーカス作動時にはそれぞれのフォトダイオートの値を像面位相差検出に用いる。つまり、撮像時にもAFが利くのである。
他社は、撮影用の画素と位相差検出用の画素は別だ。だから、位相差用画素が埋め込まれた部分の画像データは、演算で値を算出している。画質への影響はほぼない、と言われているが、厳密に言えばほんの僅かでも画質は劣化しているはずである。
その点、デュアルピクセルCMOSなら理論上その部分での劣化がない。いや、素晴らしい技術力であることは疑いようがない。
だが、やっぱり突っ込まざるを得ない。
デュアルピクセルCMOS AFは像面位相差検出式のフォーカスである。言い換えれば像面に光が届いている時にしか作動しない。つまり、光学ファインダーで撮影している間はこの目玉機能は働かないのだ！
70DはD30から綿々と続くCanonディジタル一眼レフの保守本流である。そして一眼レフの真骨頂は光学ファインダーによる撮影スタイルのはずだ。
だが、60Dの可動モニターといい、70DのこのデュアルピクセルCMOSといい、最近のCanon中級機は、光学ファインダーを使わないことが前提の機能ばかりが目玉になっている。これは自殺行為ではないのか。光学ファインダーを使わないくらいなら、取り回しがいいミラーレスで事足りるではないか。
もちろんCanonでは、EOS5Dの（オマケのはずの）動画機能がプロの間で（望外に）スマッシュヒットしてしまって、動画機能にも力を入れなければならない事情はある。それにしたって、デュアルピクセルCMOS AFは本来、像面でAFするしかないミラーレス機であるEOS M後継機で大々的に初搭載すべきものだった、と俺は切に思う。
コントラスト式AFが遅くて不評だったEOS Mにこれを投入すれば、Canonに厳しい俺も「やっとミラーレスに本気になったか」と納得しただろう。その上で一眼レフに展開して、「EOS M2と同等のライブビューAFを実現！」であれば筋が通るのだ。なぜなら、70Dは一眼レフだからだ。プロ向け動画機は別に出したんだし。
まあ確かに、この中級機ラインは既に煮詰まるほど完成度が上がっていて、なかなか目玉機能と言えるような新機軸を打ち出しにくい、という事情も分かる。
しかしそれなら、同じような状況でも、スポーツなどにターゲットを置いて連写性能や望遠性能をアピールしたNikon D7100の方がよほど「一眼レフ」の立場をわきまえているように感じる。単に位相差AFポイントが増えただけ、という一見地味な改良でも、「スポーツ向け」と言うだけで一気に説得力を持つはずだ（実際、AFポイントは他社エントリークラス並みだった60Dの9点から、上位機種の7Dと同じ19点に増加している）。
この辺りは、もう一度一眼レフとミラーレス、それぞれの存在意義をCanonには考えていただきたいところだ。
一眼レフと言えば光学ファインダーだが、70Dの光学ファインダーの視野率は98%どまりだ。NikonはD7100が100%だし（個人的には、実機の平均は98%くらいじゃねーの？と思っているが (^_^;）、Pentaxに至ってはセンサーを浮上させる独自技術を応用してエントリーモデルのK-50でさえ100%を達成している。
そしてまた、これは主義の違いもあるのでネガと捉えるかどうかは人によるだろうが、Canonは相変わらずトレンドに乗るのが遅い。
撮像素子をローパスフィルターレスとする動きは今のところ皆無だし、かつての代名詞であった高感度性能は最高ISO12800に留まる（現行機種では、Nikonは同25600、Pentaxは51200だ）。
以前も述べた気がするが、これらの裏には「ユーザーには破綻した画は絶対見せない」という主義が垣間見られる。それはそれでアリだと思う。一眼レフなのに像面AFを一番のウリにしたことに比べれば、はるかに筋が通っている。
ただ個人的には、「もっとユーザーを信頼してよ」と思う。モアレはローパスフィルターがあっても出る時には出るし、少し角度を変えるだけで収まることもある。感度上げ過ぎでガビガビな画像だろうと、「撮れてさえいればいい」局面だってあるはずだ。PentaxのISO51200は確かにガビガビだが、文字を判読できるくらいの解像度を保っている。
Canonの保守的な姿勢は、どうにもユーザーの使用シーンをあんまり考えていないように感じられて、俺はダメだなあ。モノとして良いものは作ってると思うんだが...。多分マーケティングの人間が俺とは違う人種なのだろう。
つづく。
俺の後ろの席の、ヤツの部下のところに、ヤツがやってきた。
元上司「あ、あ、あの、『タブレ』ってなんですか？」
部下「はい？...あ、あのさっきの話ですか？表を作るタグですよ」
…
…
「ダブレ」って、ま、まさか、”TABLE"タグのことか (′Д`;？？？？
いやね、さすがにあのアホでも、英語としてtableって書いてあったら読めると思うのだ。
でも、相変わらず仕事にかこつけてiPadで遊ぶのに夢中になっているヤツのことだ。tableタグを見つけて、どうせ「tableって、tabletの最後の”t”が抜けてるんじゃないか」とでも考えてたんじゃないか？バカだから。
...ふー。大丈夫か？この部。
デジカメトーク第6弾。
●Canon EOS70D
Canon EOS70D
さー来た。どうにも俺とは肌が合わないCanonさん。そのディジタル一眼レフの王道とも言うべきミドルクラスの新型は70Dだ。
先に言っておくけど…やっぱり今回も俺、ダメだわ！
今回の70D。まあ60Dの正常進化型である。しかしだ。発表会やCMでもっとも大々的に強調されていた新機軸はなんだろうか？
「デュアルピクセルCMOS AF」だとよ。
おいっっっっ！！！
なぜものすごい勢いで突っ込んだのか説明しよう。
デュアルピクセルCMOS AFでは、撮像素子の各画素が2つのフォトダイオードで構成されている。撮像時には2つのフォトダイオードで1画素として出力値を扱うが、フォーカス作動時にはそれぞれのフォトダイオートの値を像面位相差検出に用いる。つまり、撮像時にもAFが利くのである。
他社は、撮影用の画素と位相差検出用の画素は別だ。だから、位相差用画素が埋め込まれた部分の画像データは、演算で値を算出している。画質への影響はほぼない、と言われているが、厳密に言えばほんの僅かでも画質は劣化しているはずである。
その点、デュアルピクセルCMOSなら理論上その部分での劣化がない。いや、素晴らしい技術力であることは疑いようがない。
だが、やっぱり突っ込まざるを得ない。
デュアルピクセルCMOS AFは像面位相差検出式のフォーカスである。言い換えれば像面に光が届いている時にしか作動しない。つまり、光学ファインダーで撮影している間はこの目玉機能は働かないのだ！
70DはD30から綿々と続くCanonディジタル一眼レフの保守本流である。そして一眼レフの真骨頂は光学ファインダーによる撮影スタイルのはずだ。
だが、60Dの可動モニターといい、70DのこのデュアルピクセルCMOSといい、最近のCanon中級機は、光学ファインダーを使わないことが前提の機能ばかりが目玉になっている。これは自殺行為ではないのか。光学ファインダーを使わないくらいなら、取り回しがいいミラーレスで事足りるではないか。
もちろんCanonでは、EOS5Dの（オマケのはずの）動画機能がプロの間で（望外に）スマッシュヒットしてしまって、動画機能にも力を入れなければならない事情はある。それにしたって、デュアルピクセルCMOS AFは本来、像面でAFするしかないミラーレス機であるEOS M後継機で大々的に初搭載すべきものだった、と俺は切に思う。
コントラスト式AFが遅くて不評だったEOS Mにこれを投入すれば、Canonに厳しい俺も「やっとミラーレスに本気になったか」と納得しただろう。その上で一眼レフに展開して、「EOS M2と同等のライブビューAFを実現！」であれば筋が通るのだ。なぜなら、70Dは一眼レフだからだ。プロ向け動画機は別に出したんだし。
まあ確かに、この中級機ラインは既に煮詰まるほど完成度が上がっていて、なかなか目玉機能と言えるような新機軸を打ち出しにくい、という事情も分かる。
しかしそれなら、同じような状況でも、スポーツなどにターゲットを置いて連写性能や望遠性能をアピールしたNikon D7100の方がよほど「一眼レフ」の立場をわきまえているように感じる。単に位相差AFポイントが増えただけ、という一見地味な改良でも、「スポーツ向け」と言うだけで一気に説得力を持つはずだ（実際、AFポイントは他社エントリークラス並みだった60Dの9点から、上位機種の7Dと同じ19点に増加している）。
この辺りは、もう一度一眼レフとミラーレス、それぞれの存在意義をCanonには考えていただきたいところだ。
一眼レフと言えば光学ファインダーだが、70Dの光学ファインダーの視野率は98%どまりだ。NikonはD7100が100%だし（個人的には、実機の平均は98%くらいじゃねーの？と思っているが (^_^;）、Pentaxに至ってはセンサーを浮上させる独自技術を応用してエントリーモデルのK-50でさえ100%を達成している。
そしてまた、これは主義の違いもあるのでネガと捉えるかどうかは人によるだろうが、Canonは相変わらずトレンドに乗るのが遅い。
撮像素子をローパスフィルターレスとする動きは今のところ皆無だし、かつての代名詞であった高感度性能は最高ISO12800に留まる（現行機種では、Nikonは同25600、Pentaxは51200だ）。
以前も述べた気がするが、これらの裏には「ユーザーには破綻した画は絶対見せない」という主義が垣間見られる。それはそれでアリだと思う。一眼レフなのに像面AFを一番のウリにしたことに比べれば、はるかに筋が通っている。
ただ個人的には、「もっとユーザーを信頼してよ」と思う。モアレはローパスフィルターがあっても出る時には出るし、少し角度を変えるだけで収まることもある。感度上げ過ぎでガビガビな画像だろうと、「撮れてさえいればいい」局面だってあるはずだ。PentaxのISO51200は確かにガビガビだが、文字を判読できるくらいの解像度を保っている。
Canonの保守的な姿勢は、どうにもユーザーの使用シーンをあんまり考えていないように感じられて、俺はダメだなあ。モノとして良いものは作ってると思うんだが...。多分マーケティングの人間が俺とは違う人種なのだろう。
つづく。
nobilesの投稿(23:32:13-2013-11-22) -
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