NOBILES Days
Jump to navigationThe trend of digital camera 2015 - vol.2
嫁さんは運転免許証を持っている。つまり、法律的には運転して良いことになっている。
だが、実際には単なる右折でもガクブルになる状態で、道徳的に運転できねーだろ、という感じなのだ。6年前に買った当初、子どもも生まれるし、嫁さんも運転するだろう、ということも考慮に入れて買ったのに、嫁さんは今の車を一度も運転したことがない。
最近、さすがに本人もそれじゃヤバいと思い始めたのか、訪問個人ペーパードライバー講習を受け始めた。わざわざ講師が自宅までやってきて、実際に運転する車で、実際に自分が行きたいところまで運転してその道中でアドバイスをくれるんだって。
とはいえ、いきなりワゴンでは怖いので、嫁さんの実家の軽自動車でやってるみたいだけどね (^_^;。割としっかり厳しく指導してくれるらしいので、まあその成果を期待していよう。
御神木ならぬ、御仏木、って言うのかな？
(PentaxK-3, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/100sec, F11.0, ISO400)
デジカメトーク2015の第二弾。いきなりゲテモノ？からいこう。
・Lytro Illum
Lytro Illum
ライトロ・イルム、と読むらしい。一見すると単なる高倍率カメラにも見える。実際、レンズ交換式ではない。ツルンとした外観はコンセプトモデルのようで、実機なの？とさえ思えてしまう。
このカメラ、一口にいうと撮影後にピント位置を変えられるという、これまでのカメラの常識を覆す新機軸を持ったディジタルカメラなのである。
他のディジタルカメラが搭載する撮像素子は、各画素の捉えた光の強度だけを記録するのに対し、Lytro Illumの「ライトフィールドセンサー」では、撮像素子の前にマイクロアレイレンズ（細かなレンズの塊）が仕込んであり、光の方向に細工を施す。これを記録することで撮影対象を、言ってみれば三次元的に捉えられる。
このライトフィールドという技術自体はこのLytro Illumが初めてではなく、結構古くからあるものらしいが、本格的な、一般人も使えるカメラとして仕上げてきたのは、このLytro Illumが実質上初めてといっていいだろう（先代はもっとトイっぽかったのだ）。特に演算する素子の性能が上がると同時に、複雑な操作も可能になるタッチパネルの進化も、このカメラの誕生を後押ししたと考えられる。
さて、実はこのカメラには絞りがない。撮影は必ず開放で行い、後から被写界深度を変えられる。さらに言えばメインの被写体と背景とで被写界深度を変えることも可能なのだ。専用のツールでWebにアップすると、閲覧者がピント位置を変えられる画像として公開するこもできるし、ピント位置が移動していく動画を生成することもできる。公式ページを見てみると、ああ、こういうことか、と理解できるだろう。これまでの写真とは違うし、いわゆる3Dともちょっと違う。なかなか新鮮な写真体験である。
ただ、万能というわけではない。Lytro Illumが被写体を三次元的に捉えることができる、「このカメラとしての被写界深度」に限りがあるからだ。だから、「後からピントが変えられる」のがこのカメラの売り文句のはずなのに、実はオートフォーカスが存在する。つまり、一番捉えたい被写体には、やはりピントを合わせなければならないのだ。
つまりフォーカスを気にしないでいいと思いきや、かなり細やかに気を使って撮影しないといけないカメラなのだ。そのために、「Lytroボタン」なるものが用意されていて、それを押すと被写界深度をプレビューする専用の操作画面が現れ、後からピント位置を変えられる範囲を表示することができる。これまでのカメラにはなかった、新たな操作感である。
このカメラを伝える記事に対し、「撮影のプロの仕事を奪うテクノロジーだ」という意見も聞かれた。
確かに、趣味性が高い「撮影という行為」に対し、合理性をどこまで追求するのか、というのは長きにわたるカメラ開発の命題ではある。だが、Lytro Illumの仕様を見ていくと、万能フォーカスというわけではなく、合理性うんぬんには当てはまらないことが分かってくる。これはむしろ、（少々大げさに言えば）「何を立体として捉え、見る者にどう訴えるか」という、新たな表現方法であるとさえ俺は思う。これまでの撮影と比べ、考えなければならない事柄が減ったわけではないし、結局、写真にとって最も重要な要素と言える、構図の重要性は変わっていない。
そもそも撮影という表現は、見るものに何を訴えるかが最も重要である。フォーカスが合っているかどうかは、（意図的でない限り）写真として成立する「前提条件」であり、フォーカスを合わせること自体はプロの仕事とは言えない。（たまたまピントがずれた結果アーティスティックになった写真は作品とは言えない。そこに撮影者の意図がないからである）
だから、このカメラがフォーカス位置を後から変更できると言っても、結局はそれで「何を訴えるか」が撮影者の技量である。
しかして、これはこれで新しい表現方法であるので、従来のフォーカスや絞りといった概念で撮影してきたプロよりも、全くのシロートがこのカメラを使った方が全く新しい作品を生み出す可能性はあるかもしれない。
そんなワクワクを感じさせる未来的ゲテモノカメラだ。日本での販売価格は20万程度と、まだまだ「シロート」が手を出せる価格ではないし、一般レベルでも楽しめるようになるためには改善すべき点が多々あるが、今後の発展に是非注目していきたい。
つづく。
だが、実際には単なる右折でもガクブルになる状態で、道徳的に運転できねーだろ、という感じなのだ。6年前に買った当初、子どもも生まれるし、嫁さんも運転するだろう、ということも考慮に入れて買ったのに、嫁さんは今の車を一度も運転したことがない。
最近、さすがに本人もそれじゃヤバいと思い始めたのか、訪問個人ペーパードライバー講習を受け始めた。わざわざ講師が自宅までやってきて、実際に運転する車で、実際に自分が行きたいところまで運転してその道中でアドバイスをくれるんだって。
とはいえ、いきなりワゴンでは怖いので、嫁さんの実家の軽自動車でやってるみたいだけどね (^_^;。割としっかり厳しく指導してくれるらしいので、まあその成果を期待していよう。
御神木ならぬ、御仏木、って言うのかな？
(PentaxK-3, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/100sec, F11.0, ISO400)
デジカメトーク2015の第二弾。いきなりゲテモノ？からいこう。
・Lytro Illum
Lytro Illum
ライトロ・イルム、と読むらしい。一見すると単なる高倍率カメラにも見える。実際、レンズ交換式ではない。ツルンとした外観はコンセプトモデルのようで、実機なの？とさえ思えてしまう。
このカメラ、一口にいうと撮影後にピント位置を変えられるという、これまでのカメラの常識を覆す新機軸を持ったディジタルカメラなのである。
他のディジタルカメラが搭載する撮像素子は、各画素の捉えた光の強度だけを記録するのに対し、Lytro Illumの「ライトフィールドセンサー」では、撮像素子の前にマイクロアレイレンズ（細かなレンズの塊）が仕込んであり、光の方向に細工を施す。これを記録することで撮影対象を、言ってみれば三次元的に捉えられる。
このライトフィールドという技術自体はこのLytro Illumが初めてではなく、結構古くからあるものらしいが、本格的な、一般人も使えるカメラとして仕上げてきたのは、このLytro Illumが実質上初めてといっていいだろう（先代はもっとトイっぽかったのだ）。特に演算する素子の性能が上がると同時に、複雑な操作も可能になるタッチパネルの進化も、このカメラの誕生を後押ししたと考えられる。
さて、実はこのカメラには絞りがない。撮影は必ず開放で行い、後から被写界深度を変えられる。さらに言えばメインの被写体と背景とで被写界深度を変えることも可能なのだ。専用のツールでWebにアップすると、閲覧者がピント位置を変えられる画像として公開するこもできるし、ピント位置が移動していく動画を生成することもできる。公式ページを見てみると、ああ、こういうことか、と理解できるだろう。これまでの写真とは違うし、いわゆる3Dともちょっと違う。なかなか新鮮な写真体験である。
ただ、万能というわけではない。Lytro Illumが被写体を三次元的に捉えることができる、「このカメラとしての被写界深度」に限りがあるからだ。だから、「後からピントが変えられる」のがこのカメラの売り文句のはずなのに、実はオートフォーカスが存在する。つまり、一番捉えたい被写体には、やはりピントを合わせなければならないのだ。
つまりフォーカスを気にしないでいいと思いきや、かなり細やかに気を使って撮影しないといけないカメラなのだ。そのために、「Lytroボタン」なるものが用意されていて、それを押すと被写界深度をプレビューする専用の操作画面が現れ、後からピント位置を変えられる範囲を表示することができる。これまでのカメラにはなかった、新たな操作感である。
このカメラを伝える記事に対し、「撮影のプロの仕事を奪うテクノロジーだ」という意見も聞かれた。
確かに、趣味性が高い「撮影という行為」に対し、合理性をどこまで追求するのか、というのは長きにわたるカメラ開発の命題ではある。だが、Lytro Illumの仕様を見ていくと、万能フォーカスというわけではなく、合理性うんぬんには当てはまらないことが分かってくる。これはむしろ、（少々大げさに言えば）「何を立体として捉え、見る者にどう訴えるか」という、新たな表現方法であるとさえ俺は思う。これまでの撮影と比べ、考えなければならない事柄が減ったわけではないし、結局、写真にとって最も重要な要素と言える、構図の重要性は変わっていない。
そもそも撮影という表現は、見るものに何を訴えるかが最も重要である。フォーカスが合っているかどうかは、（意図的でない限り）写真として成立する「前提条件」であり、フォーカスを合わせること自体はプロの仕事とは言えない。（たまたまピントがずれた結果アーティスティックになった写真は作品とは言えない。そこに撮影者の意図がないからである）
だから、このカメラがフォーカス位置を後から変更できると言っても、結局はそれで「何を訴えるか」が撮影者の技量である。
しかして、これはこれで新しい表現方法であるので、従来のフォーカスや絞りといった概念で撮影してきたプロよりも、全くのシロートがこのカメラを使った方が全く新しい作品を生み出す可能性はあるかもしれない。
そんなワクワクを感じさせる未来的ゲテモノカメラだ。日本での販売価格は20万程度と、まだまだ「シロート」が手を出せる価格ではないし、一般レベルでも楽しめるようになるためには改善すべき点が多々あるが、今後の発展に是非注目していきたい。
つづく。
nobilesの投稿(23:02:38-2015-01-11) -
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