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以前小欄で、ネイビーカラーのモノばっかり買ってるというエントリーをしたことがあった。
つい最近もそこに複数のコレクション（もとい物欲の成果）を加えてしまった。
そんなわけで、物欲冬の陣はネイビースペシャルだ！
まずはこれ。
Navy Headphone
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/13sec, F3.2, ISO100)
...またヘッドフォンかよ！
いやね。
これまで使っていたFocal Spirit Professionalの音にさほど不満はなかったんだよ。とても良いヘッドフォンであることは疑いようがない。
でも、買った直後にヘッドバンドのアームが破損して一旦新品交換してもらったことがあった。以降注意して使ってきたが、3年経ってやっぱり徐々に破損して同じような状態になってしまった。補強のためにテープを巻いて見栄えも貧乏たらしくなった。某イヤホン店に置いてある同型の視聴機も同じような補強がされていたので、同じ状態になっているんだろう。
まあFocalとしてもこれが第1世代製品。ヘッドバンド部分の強度設計に関して知見が不足していたということだろう。本国で既に発売されている第2世代製品では違う構造のヘッドバンドアームになっていることは付け加えておく。その設計に、俺が返却した1台目が貢献しているはずだ。
そんなわけで、FocalProが完全に折れてしまう前に、普段使いのヘッドフォンを物色した。え？だってFocalと新しいヘッドフォンとでじっくり聴き比べしたいじゃん？（ばか）
次はどんなヘッドフォンがいいか...。まず価格は同じクラスかなー、普段使いだし。
折しも、前職のヘッドフォンアンプを（中古で）購入したところだった。最初に候補に上がったのが、同じ前職のDJヘッドフォンの最上位機種のコレだ。
Pioneer HDJ-2000MkII
早速、店で視聴してみた。
...あれっ。
びっくりするくらい音場が狭い。しかも、ドライだ。普段Focalの広大な音場に慣れていると全然違う。
...そうか、これはDJ向けのヘッドフォンだ。MIXのためにビートをきっちり聞き分けられることが目的なんだから、余計な付帯音やら音場の広がりは「むしろ邪魔」なのだ。Focalとは違うキャラなので、これはこれで面白いが、曲を聴くこと自体が楽しいかというと、極めて分析的と言わざるを得ない。当たり前だ、それが目的の製品だ。
あれっ、じゃああのヘッドフォンはどうだったっけ？
Senheiser HD8DJ
こちらもDJ向けを謳っているが、以前視聴して、懐が広くていいヘッドフォンだと感じたことがあったのだ。
改めて視聴すると、音場は断然こちらの方が広い。余裕を感じさせ、「懐が深い」。でも、割と速い元気な曲を聴いたら...詰まらない。低音はよく出ている。でも、やっぱりドライで分析的だから、なんだか気持ち良さが発生しない。この点はPioneerと同様である。
Focalにしても、モニターヘッドフォンとして売られているだけあって割と誇張は少ない機種だった。それでも、分析一辺倒でなく、音楽の楽しさというか、遊びというか、そういう余地も残しているところが魅力的だった。
でも...今度は、誇張とまではいかなくても、もっと「音楽を楽しむ」方にフォーカスした機種、つまりリスニング向けのヘッドフォンがいいな、と思いたった。なにしろFocalが死んだわけではないので、モニターヘッドフォンは存在してるのだし。
そんなわけで、またいくつか試聴を重ねる。
まずは、「三角ハウジング」ヘッドフォンだ。
ADL H.128
ADLは、ついこないだまで同社ヘッドフォンアンプを使っていたのもあるし、その特徴的な外観もあって印象に残っていた。また、もともとケーブル専業メーカーだっただけあって、かなり「こだわり」のケーブルが付いてくる。
当初はこれのブラウンがオシャレだなーなんて思っていたが、だんだんマットな雰囲気のネイビーも渋いと思うようになった。店での試聴機もたまたまネイビーだった。
で、このヘッドフォン、実物は想像していたより大柄だった。アームなども金属製で結構がっしりしている印象だった。
音は「きっちり」とした印象だ。バランスは誇張が少なく、割とFocalに近い印象だった。うーん、悪くないのだが、同じ系統だとつまらない。また、音が若干硬い印象も持った。
うーん、中古だとそれなりに値段もお手頃なのだが...決め手には欠けた。
でも...【ネイビーはカッコいいな】。
続いては、ニューヨーク発だというブランド「Master & Dynamic」のMH40というモデルだ。ちょっとクラシカルな雰囲気のデザインで、意外とコンパクトでもある。
Master & Dynamic MH40
Master & Dynamicは設立が2014年の4月だそうだ。「ニューヨークという土地の持つ、本質となんちゃら」とかいうゴタクが若干鬱陶しいが、とりあえず聴いてみる。
お。オシャレさんな見た目の割に結構ちゃんとした音だ。それも、ハイレゾを無駄に意識して高音ばっかりキンキンしたバランスじゃない。意外と落ち着いた音だ。
よって、解像度を追うというより雰囲気重視に感じる。左右の音場はFocalの方が広いが、前後の奥行きはこちらの方があるように感じた。若干演出しすぎに感じられなくもないが悪くない。少なくとも、楽しい。低音がゴンゴンに来るわけではないが、バスドラがちゃんと「ドスン」と貫いてくる。モニターヘッドフォンだとこの迫力は出ない。
改めて外観を見るとなかなかしっかりできている。ヘッドバンドやイヤーパッドは革だし、アームやハウジングは金属製だった。しかもハウジング表面にも革が貼られている。樹脂製パーツはほとんどない。ずっしりとした凝縮感がある。
Focalは塗装を工夫したハウジングは決して安っぽくはなかったが、ほとんど樹脂製だった。軽いのはいいが、アームの強度が若干低くて結局破損してしまった。
うん、MH40、悪くないな...でも、このデザインにして茶色＋シルバーなんかは懐古趣味すぎに感じたし（ADLは、デザインがぶっ飛んでるのに茶色＋シルバーだからオシャレと思ったのだ）、黒一色もつまらない感じはした。
他にも、SenheiserのMomemtom 2nd genや、DENONのMM400などが候補だったが、決め手に欠いた。
家で、ぼんやり某店の中古リストを見ていた。
あれ？
MH40にもネイビーがあるのか？
店頭にはなかったネイビー／ブラックのMH40に、俺は釘付けになってしまった。
音自体もレベルは高いし、Focalとは傾向も違う。それでいてマテリアルの品質は高いし、何よりネイビー／ブラックが渋い。
Master & Dynamic MH40 + Pioneer XPA-700
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F9.0, ISO1600)
ほいきた。
中古で「ちょっとくたびれ？」程度品が定価の6割程度だったんでさっくりと。
実際に手にしてみると、やはりそのマテリアルの質には満足できる。少なくとも、バンドがすぐに折れたりすることはなさそうだ。ちょっとくたびれ？ということだったが、どこが？という感じだ。
見かけもとてもチャーミングで、およそヘッドフォンにキョーミなさそうな女子にも「なにこれー、革貼ってあるんですかー？」とスリスリされた（恥。
改めて音を聴きこむと、視聴時の印象よりもちゃんと解像力を持っているように感じた。定位に関して言えばモニターであるFocalより上なんじゃないの？というくらいしっかりしている。
そして、視聴時に感じたように、音場の奥行き方向の立体感があるのでボーカルすっと前に出てくるが、楽器もしっかり定位して聴こえる。なかなか気持ちいい。
ただFocalと比べるとやはり偏りがある。ふわふわ浮遊感のある包み込むようなストリングスの中〜高音域は結構ばっさり聞こえない。この辺りの表現はFocalの方が2枚も3枚も上手だ。でも、低域の沈み込みとタイトさはFocalには明白に存在しない。まあ、手持ちヘッドフォンでキャラが分かれているのはいいことだ。
MHは「音楽を楽しく聴かせることを分かってるなー」というのが、一言でまとめた感想になるかな。
そんなわけで購入以来、通勤電車内でも本機を使っている。Focalの時も購入直後はやっていたのだが、バンドの弱点が分かってからは少なくなってしまった（ほほ会社の昼休み専用機という勿体無さ）。MHはもういくらか丈夫そうなので、しばらくは道中でも楽しみたい。
つい最近もそこに複数のコレクション（もとい物欲の成果）を加えてしまった。
そんなわけで、物欲冬の陣はネイビースペシャルだ！
まずはこれ。
Navy Headphone
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/13sec, F3.2, ISO100)
...またヘッドフォンかよ！
いやね。
これまで使っていたFocal Spirit Professionalの音にさほど不満はなかったんだよ。とても良いヘッドフォンであることは疑いようがない。
でも、買った直後にヘッドバンドのアームが破損して一旦新品交換してもらったことがあった。以降注意して使ってきたが、3年経ってやっぱり徐々に破損して同じような状態になってしまった。補強のためにテープを巻いて見栄えも貧乏たらしくなった。某イヤホン店に置いてある同型の視聴機も同じような補強がされていたので、同じ状態になっているんだろう。
まあFocalとしてもこれが第1世代製品。ヘッドバンド部分の強度設計に関して知見が不足していたということだろう。本国で既に発売されている第2世代製品では違う構造のヘッドバンドアームになっていることは付け加えておく。その設計に、俺が返却した1台目が貢献しているはずだ。
そんなわけで、FocalProが完全に折れてしまう前に、普段使いのヘッドフォンを物色した。え？だってFocalと新しいヘッドフォンとでじっくり聴き比べしたいじゃん？（ばか）
次はどんなヘッドフォンがいいか...。まず価格は同じクラスかなー、普段使いだし。
折しも、前職のヘッドフォンアンプを（中古で）購入したところだった。最初に候補に上がったのが、同じ前職のDJヘッドフォンの最上位機種のコレだ。
Pioneer HDJ-2000MkII
早速、店で視聴してみた。
...あれっ。
びっくりするくらい音場が狭い。しかも、ドライだ。普段Focalの広大な音場に慣れていると全然違う。
...そうか、これはDJ向けのヘッドフォンだ。MIXのためにビートをきっちり聞き分けられることが目的なんだから、余計な付帯音やら音場の広がりは「むしろ邪魔」なのだ。Focalとは違うキャラなので、これはこれで面白いが、曲を聴くこと自体が楽しいかというと、極めて分析的と言わざるを得ない。当たり前だ、それが目的の製品だ。
あれっ、じゃああのヘッドフォンはどうだったっけ？
Senheiser HD8DJ
こちらもDJ向けを謳っているが、以前視聴して、懐が広くていいヘッドフォンだと感じたことがあったのだ。
改めて視聴すると、音場は断然こちらの方が広い。余裕を感じさせ、「懐が深い」。でも、割と速い元気な曲を聴いたら...詰まらない。低音はよく出ている。でも、やっぱりドライで分析的だから、なんだか気持ち良さが発生しない。この点はPioneerと同様である。
Focalにしても、モニターヘッドフォンとして売られているだけあって割と誇張は少ない機種だった。それでも、分析一辺倒でなく、音楽の楽しさというか、遊びというか、そういう余地も残しているところが魅力的だった。
でも...今度は、誇張とまではいかなくても、もっと「音楽を楽しむ」方にフォーカスした機種、つまりリスニング向けのヘッドフォンがいいな、と思いたった。なにしろFocalが死んだわけではないので、モニターヘッドフォンは存在してるのだし。
そんなわけで、またいくつか試聴を重ねる。
まずは、「三角ハウジング」ヘッドフォンだ。
ADL H.128
ADLは、ついこないだまで同社ヘッドフォンアンプを使っていたのもあるし、その特徴的な外観もあって印象に残っていた。また、もともとケーブル専業メーカーだっただけあって、かなり「こだわり」のケーブルが付いてくる。
当初はこれのブラウンがオシャレだなーなんて思っていたが、だんだんマットな雰囲気のネイビーも渋いと思うようになった。店での試聴機もたまたまネイビーだった。
で、このヘッドフォン、実物は想像していたより大柄だった。アームなども金属製で結構がっしりしている印象だった。
音は「きっちり」とした印象だ。バランスは誇張が少なく、割とFocalに近い印象だった。うーん、悪くないのだが、同じ系統だとつまらない。また、音が若干硬い印象も持った。
うーん、中古だとそれなりに値段もお手頃なのだが...決め手には欠けた。
でも...【ネイビーはカッコいいな】。
続いては、ニューヨーク発だというブランド「Master & Dynamic」のMH40というモデルだ。ちょっとクラシカルな雰囲気のデザインで、意外とコンパクトでもある。
Master & Dynamic MH40
Master & Dynamicは設立が2014年の4月だそうだ。「ニューヨークという土地の持つ、本質となんちゃら」とかいうゴタクが若干鬱陶しいが、とりあえず聴いてみる。
お。オシャレさんな見た目の割に結構ちゃんとした音だ。それも、ハイレゾを無駄に意識して高音ばっかりキンキンしたバランスじゃない。意外と落ち着いた音だ。
よって、解像度を追うというより雰囲気重視に感じる。左右の音場はFocalの方が広いが、前後の奥行きはこちらの方があるように感じた。若干演出しすぎに感じられなくもないが悪くない。少なくとも、楽しい。低音がゴンゴンに来るわけではないが、バスドラがちゃんと「ドスン」と貫いてくる。モニターヘッドフォンだとこの迫力は出ない。
改めて外観を見るとなかなかしっかりできている。ヘッドバンドやイヤーパッドは革だし、アームやハウジングは金属製だった。しかもハウジング表面にも革が貼られている。樹脂製パーツはほとんどない。ずっしりとした凝縮感がある。
Focalは塗装を工夫したハウジングは決して安っぽくはなかったが、ほとんど樹脂製だった。軽いのはいいが、アームの強度が若干低くて結局破損してしまった。
うん、MH40、悪くないな...でも、このデザインにして茶色＋シルバーなんかは懐古趣味すぎに感じたし（ADLは、デザインがぶっ飛んでるのに茶色＋シルバーだからオシャレと思ったのだ）、黒一色もつまらない感じはした。
他にも、SenheiserのMomemtom 2nd genや、DENONのMM400などが候補だったが、決め手に欠いた。
家で、ぼんやり某店の中古リストを見ていた。
あれ？
MH40にもネイビーがあるのか？
店頭にはなかったネイビー／ブラックのMH40に、俺は釘付けになってしまった。
音自体もレベルは高いし、Focalとは傾向も違う。それでいてマテリアルの品質は高いし、何よりネイビー／ブラックが渋い。
Master & Dynamic MH40 + Pioneer XPA-700
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F9.0, ISO1600)
ほいきた。
中古で「ちょっとくたびれ？」程度品が定価の6割程度だったんでさっくりと。
実際に手にしてみると、やはりそのマテリアルの質には満足できる。少なくとも、バンドがすぐに折れたりすることはなさそうだ。ちょっとくたびれ？ということだったが、どこが？という感じだ。
見かけもとてもチャーミングで、およそヘッドフォンにキョーミなさそうな女子にも「なにこれー、革貼ってあるんですかー？」とスリスリされた（恥。
改めて音を聴きこむと、視聴時の印象よりもちゃんと解像力を持っているように感じた。定位に関して言えばモニターであるFocalより上なんじゃないの？というくらいしっかりしている。
そして、視聴時に感じたように、音場の奥行き方向の立体感があるのでボーカルすっと前に出てくるが、楽器もしっかり定位して聴こえる。なかなか気持ちいい。
ただFocalと比べるとやはり偏りがある。ふわふわ浮遊感のある包み込むようなストリングスの中〜高音域は結構ばっさり聞こえない。この辺りの表現はFocalの方が2枚も3枚も上手だ。でも、低域の沈み込みとタイトさはFocalには明白に存在しない。まあ、手持ちヘッドフォンでキャラが分かれているのはいいことだ。
MHは「音楽を楽しく聴かせることを分かってるなー」というのが、一言でまとめた感想になるかな。
そんなわけで購入以来、通勤電車内でも本機を使っている。Focalの時も購入直後はやっていたのだが、バンドの弱点が分かってからは少なくなってしまった（ほほ会社の昼休み専用機という勿体無さ）。MHはもういくらか丈夫そうなので、しばらくは道中でも楽しみたい。
nobilesの投稿(01:11:38-2017-03-24) -
カテゴリ: Music
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