NOBILES Days
Jump to navigationFrankly Speaking... Vol.5
花粉襲来。
鼻の粘膜を焼いた今年、果たしてどうだ？と思ったが、いきなり目に来ている。確かに、鼻焼いても関係ないもんね。目薬はしているが、痒くてたまらない。
時折、派手なクシャミもかましてしまうので、鼻とてアンタッチャブルではないようだ。やはり、焼いた上で薬も飲まねばダメなのか...？
早く根治薬作ってくれよー。
The Town Getting Dusk
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/100sec, F10.0, ISO800)
さてさて、連載・前職ぶっちゃけ日記だ。K事業所のイクイップメントについて話を続けよう。
前職ぶっちゃけ日記
「5.砂上の楼閣2」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
これまで散々いい面ばかりを取り上げて来たが、スピード重視で環境アセスさえ回避した建物だけあり、さすがに突貫だったのか、ツメの甘い部分も多々あった。
それは移転して1年ほどのことだ。俺も既にボスのチームへ編入されていた。そんなある強めの雨の日、いつものようにボスのチームの個室へ出勤して、自分の席で仕事を始めると程なく、雨の日はジャージ姿のボスも出勤してきた（ジャージ姿でも誰にも咎められないのだ、この会社！）。
一番奥の窓際に席を構えるボスが、そこに荷物を置こうとして、うわあ、と素っ頓狂な声を上げた。
驚いて全員（当時4人だったと思う）が振り返る。ボスの机の横の窓際には水溜まりができていた。
...えーと、室内、ですよね？？
窓が開いて...って、一面ハメ殺しの巨大ガラスだし（これもリッチだよなあ）。
おもむろにボスが顔を上げ、真上を見た。そこにはブラインドを上げた時にそれを隠すためと思しき板が、窓に並行に20cmほど天井から突き出ている。その板に貼られた白い壁紙の形が崩れかかっていて、僅かに変色していた。そしてその先端からポツリポツリと水が滴り落ちていた。
まさかまさか。築1年での雨漏りである。
総務の設備課に電話する。だいたいその役目は俺だった。なぜなら、ボスはこういう時すぐキレちゃうからね。
俺からの連絡を受けて設備のおっちゃん達がやってきた。脚立で天井のメンテ穴に入り込んでいろいろ調べていた。結論的には、天井のシールが甘くて、横殴りの強い雨に降られると下に染み出してしまっていたのだそうだ。
それから修繕工事が入るまでは、屋根裏にバケツが置かれ、雨漏りを防いだ。ギャグのような原始的作戦だ。
雨漏りが発生したのは俺達の部屋だけではなかった。俺たちの部屋から遅れること数週間だったろうか、俺の同期の席のすぐ後ろにも雨が滴り落ちた。
キョービ、雨漏りだぜ？これはあの会社のその後を象徴しているかのような衝撃シーンだった。
また、さすがにご時世でコストカットされていた部分も散見され、その弊害が顕在化したこともあった。
少し触れた通り、俺達のグループの部屋は、ボスの構想を実現するために、20台近くのPCに加えて、各種測定器が集結していた。さすがに全て購入する予算はなく、レンタル品もかなり含まれてはいたが、このギョーカイ専用の数千万する測定器や、チャンバー（恒温槽）まであった。
これらの機材のほとんどは、何かを演算するためにほぼ24時間稼働していた。
しかもボスは「パッと見で状況を確認してぇんだよ」とPCモニターも常時オンにしていたので、液晶モニターは購入してきっちり3年で次々と死亡していった。俺が入ってからは帰る時くらいオフにするようにしたけどね。予算も厳しくてなかなかモニターも買えなくなってたし。
モニターほどハッキリした周期ではなかったが、PCも概ね電源系のトラブルが原因でやはりポロポロと死亡していた。そのくらい、機器をフルに使い切る環境だった。
ああ、また脱線したけど、要はあの部屋の機器類の発熱量はハンパでは無かった。
フル稼働させている都合上、部屋の空調も基本的には常時オンにしていた。ドアを入ってすぐのところにある空調のリモコンにも、ボスの汚い字で「切るな」と貼ってあった。
ただ事業所全体の基本方針は、退出時には切る、だった。その基本に忠実だったのだろう。恐らくは律儀な保安（ガードマン）が、俺たちが帰った後に部屋の空調を落としてしまったことがある。
その翌日出社すると、部屋はサウナと化していた。そう、冬でも冷房していないと熱いくらいの発熱量だったのだ。
ここで大きな問題があった。
その部屋の空調は、隣の「測定室」及びさらに隣の「チャンバー室」と共用だったのである。
正確にいうと、各部屋にリモコンは別にあって、オンオフや、温度設定、空調と送風の切り替えは行えるようになっていた。だが、冷房と暖房の切り替えだけは、一台の空調で両方を駆動することはできないので、マスターリモコンでなければモードの切り替えは不可能だった。そして不幸なことに、マスターリモコンは俺たちの部屋ではなく、測定室にあった。
測定室は常時使われる部屋ではなかったので、冬は特に冷え込み、人が来るなり寒いから盛大に暖房をつけてしまう。すると、俺達の部屋も漏れなく暖房に切り替わってしまい、温室と化した。
当然、そんな状態をボスが黙っているはずもなかった。再三に渡り、設備や上司に要望を出して、マスターリモコンの権利を測定室から俺達の部屋のリモコンに付け替えることに成功した。
でも、それはそれで弊害があった。冬でもがっつり冷房を効かせていると、しょっちゅう隣の測定室から暖房にするよう人が訪ねてきた。リモコンの権利を移す時に、こちらの部屋のリモコンがマスターだと張り紙も行われたからだ。
しかし大抵は、扉を開けて飛び込んでくるおびただしい機材を一瞥して全てを悟って帰って行った。
それから、測定室にはやけに厚着の人が出入りするようになった。
つづく。
鼻の粘膜を焼いた今年、果たしてどうだ？と思ったが、いきなり目に来ている。確かに、鼻焼いても関係ないもんね。目薬はしているが、痒くてたまらない。
時折、派手なクシャミもかましてしまうので、鼻とてアンタッチャブルではないようだ。やはり、焼いた上で薬も飲まねばダメなのか...？
早く根治薬作ってくれよー。
The Town Getting Dusk
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/100sec, F10.0, ISO800)
さてさて、連載・前職ぶっちゃけ日記だ。K事業所のイクイップメントについて話を続けよう。
前職ぶっちゃけ日記
「5.砂上の楼閣2」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
これまで散々いい面ばかりを取り上げて来たが、スピード重視で環境アセスさえ回避した建物だけあり、さすがに突貫だったのか、ツメの甘い部分も多々あった。
それは移転して1年ほどのことだ。俺も既にボスのチームへ編入されていた。そんなある強めの雨の日、いつものようにボスのチームの個室へ出勤して、自分の席で仕事を始めると程なく、雨の日はジャージ姿のボスも出勤してきた（ジャージ姿でも誰にも咎められないのだ、この会社！）。
一番奥の窓際に席を構えるボスが、そこに荷物を置こうとして、うわあ、と素っ頓狂な声を上げた。
驚いて全員（当時4人だったと思う）が振り返る。ボスの机の横の窓際には水溜まりができていた。
...えーと、室内、ですよね？？
窓が開いて...って、一面ハメ殺しの巨大ガラスだし（これもリッチだよなあ）。
おもむろにボスが顔を上げ、真上を見た。そこにはブラインドを上げた時にそれを隠すためと思しき板が、窓に並行に20cmほど天井から突き出ている。その板に貼られた白い壁紙の形が崩れかかっていて、僅かに変色していた。そしてその先端からポツリポツリと水が滴り落ちていた。
まさかまさか。築1年での雨漏りである。
総務の設備課に電話する。だいたいその役目は俺だった。なぜなら、ボスはこういう時すぐキレちゃうからね。
俺からの連絡を受けて設備のおっちゃん達がやってきた。脚立で天井のメンテ穴に入り込んでいろいろ調べていた。結論的には、天井のシールが甘くて、横殴りの強い雨に降られると下に染み出してしまっていたのだそうだ。
それから修繕工事が入るまでは、屋根裏にバケツが置かれ、雨漏りを防いだ。ギャグのような原始的作戦だ。
雨漏りが発生したのは俺達の部屋だけではなかった。俺たちの部屋から遅れること数週間だったろうか、俺の同期の席のすぐ後ろにも雨が滴り落ちた。
キョービ、雨漏りだぜ？これはあの会社のその後を象徴しているかのような衝撃シーンだった。
また、さすがにご時世でコストカットされていた部分も散見され、その弊害が顕在化したこともあった。
少し触れた通り、俺達のグループの部屋は、ボスの構想を実現するために、20台近くのPCに加えて、各種測定器が集結していた。さすがに全て購入する予算はなく、レンタル品もかなり含まれてはいたが、このギョーカイ専用の数千万する測定器や、チャンバー（恒温槽）まであった。
これらの機材のほとんどは、何かを演算するためにほぼ24時間稼働していた。
しかもボスは「パッと見で状況を確認してぇんだよ」とPCモニターも常時オンにしていたので、液晶モニターは購入してきっちり3年で次々と死亡していった。俺が入ってからは帰る時くらいオフにするようにしたけどね。予算も厳しくてなかなかモニターも買えなくなってたし。
モニターほどハッキリした周期ではなかったが、PCも概ね電源系のトラブルが原因でやはりポロポロと死亡していた。そのくらい、機器をフルに使い切る環境だった。
ああ、また脱線したけど、要はあの部屋の機器類の発熱量はハンパでは無かった。
フル稼働させている都合上、部屋の空調も基本的には常時オンにしていた。ドアを入ってすぐのところにある空調のリモコンにも、ボスの汚い字で「切るな」と貼ってあった。
ただ事業所全体の基本方針は、退出時には切る、だった。その基本に忠実だったのだろう。恐らくは律儀な保安（ガードマン）が、俺たちが帰った後に部屋の空調を落としてしまったことがある。
その翌日出社すると、部屋はサウナと化していた。そう、冬でも冷房していないと熱いくらいの発熱量だったのだ。
ここで大きな問題があった。
その部屋の空調は、隣の「測定室」及びさらに隣の「チャンバー室」と共用だったのである。
正確にいうと、各部屋にリモコンは別にあって、オンオフや、温度設定、空調と送風の切り替えは行えるようになっていた。だが、冷房と暖房の切り替えだけは、一台の空調で両方を駆動することはできないので、マスターリモコンでなければモードの切り替えは不可能だった。そして不幸なことに、マスターリモコンは俺たちの部屋ではなく、測定室にあった。
測定室は常時使われる部屋ではなかったので、冬は特に冷え込み、人が来るなり寒いから盛大に暖房をつけてしまう。すると、俺達の部屋も漏れなく暖房に切り替わってしまい、温室と化した。
当然、そんな状態をボスが黙っているはずもなかった。再三に渡り、設備や上司に要望を出して、マスターリモコンの権利を測定室から俺達の部屋のリモコンに付け替えることに成功した。
でも、それはそれで弊害があった。冬でもがっつり冷房を効かせていると、しょっちゅう隣の測定室から暖房にするよう人が訪ねてきた。リモコンの権利を移す時に、こちらの部屋のリモコンがマスターだと張り紙も行われたからだ。
しかし大抵は、扉を開けて飛び込んでくるおびただしい機材を一瞥して全てを悟って帰って行った。
それから、測定室にはやけに厚着の人が出入りするようになった。
つづく。
nobilesの投稿(23:35:00-2011-03-09) -
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