NOBILES Days
Jump to navigationMirrorless DSL Cameras - Contribution To The Birth of PentaxQ (2)
次女が生後1ヶ月を過ぎて間もなく2ヶ月になっちゃうので、お宮参りに行った。近くの寺で静かに済ませようと思って行ったら、なんとお休みだった (′Д`;。賽銭箱出てねーし、手すら洗えねーし。しょうがないので車で足を伸ばして、以前安産願いをしに行った神社まで行く羽目になった。
最近はどんどんおっぱいを飲んで、元気に動いたり「うー！」と声を上げたりできるようになってきた。これからの成長も楽しみだ。
First Dress
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F2.8, ISO320)
さて、前回予告した通り、これから数回？で、各社のミラーレス一眼カメラをぶった切るよ。
対象のカメラを持ってる人ごめんね。悪気はないの。俺は各社にいい製品を作ってもらいたいだけなの。
まず、ここでいうミラーレス機とは、過去エントリーで定義したように、
1.いわゆるディジタル一眼レフ同等となる対角4/3インチ以上の大型撮像素子を搭載している
2.レンズ交換が可能
3.光学ファインダーを排したことで、ミラーなど付随部品を削減し大幅に小型化した
という3条件に当てはまるものだ。
このミラーレス・カメラの市場には4社が参入している。そのうち国内で入手可能なのは国産である3社だ（Samsungは日本市場未参入）。
これにPentaxが加わった形だと報道されているが...先述の第1の条件にさっそく合致していない。まあ、この条件は俺が定義したもんだし (^_^;、業界でも定義が曖昧なので、なんとも言えないけど。
まあ、同じ1/2.3インチを積んだそこらのコンパクトカメラと比べると、PentaxQの場合、標準ズームレンズだけでそれらの本体価格くらいするので、写りはさすがに高品位なものになるだろう。だけど、やっぱり大型素子を持った他のミラーレスとはクラスが違うと言わなければならないだろう。そのくらい、素子の大きさは性能に直結してしまうのだ。その分レンズに要求される性能のハードルも高くなるけどね。
さて、今一番売れているミラーレスは多分SONYのNEXであろう。日本市場では唯一のAPS-C撮像素子を備えたミラーレス機で、画質ならばライバルであるμ4/3（マイクロフォーサーズ）を蹴散らすレベルにある。恐らく、PentaxQとは大人と子どものレベルで、お話にならないだろう。だが、（個人的には）残念なことに、NEXはあくまでNEXという商品であって、「カメラ」という道具として企画されていないように思う。
SONY NEX-5
まず、極めて初心者に志向したインターフェースは、画を作り上げたい中級者には使いづらいものだ。それまでのカメラの文法に則っていない。NEXユーザーはNEXユーザーのままであって、「次へのステップ」がない状態だと思える。それがカメラの新たなインターフェースとして納得いく内容ならいいが、まだまだ詰めきれていない。
そしてNEX-5の三脚穴だけが突出したデザイン。あれは見映えのために機能を削った最悪のインダストリアルデザインだ。この時点でNEXは「なーんちゃってカメラ」だと宣言しているようなものだ。ちゃんと撮った時に吐き出す画像は素晴らしいのにね。...あ、ごめんごめん、NEXはNEXであってカメラじゃなかったね（毒）。
単なる「絞り優先AE」を「ぼけコントロール」という名前にしただけというのも小癪だ。確かに絞りはボケ量をコントロールして作品作りに活かせるが、本来は露出を決める要素である。
そこには、カメラの仕組みの基本をユーザーに教えることを放棄したインターフェースしかない。それも一つのコンセプトとしてアリかもしれないが、本質をオミットすれば、いわゆる「カメラ女子」とやらのブームが一過性のものになりかねないと危惧してしまう。
撮像素子としてAPS-Cを選択したことは、画質の面ではメリットだったが、レンズ設計の面では苦労しているようだ。登場当時、μ4/3勢を一気に追い抜いてミラーレス最小カメラとなったNEX-5だが、標準ズームを装着した状態では逆転されてしまっていた。つまり、APS-Cをカバーするためには相応の大きさが必要なのだ。
だからこそ、NEXには極めて薄いパンケーキレンズが必要だった。それが16mmF2.8というレンズだ。
恐らくフランジバックなどとの兼ね合いから、最も薄くできたのがこの焦点距離だったということだろう。しかし、16mmというのは35mm判換算で24mmに相当し、標準ズームの広角端よりもさらに広角で、立派な超広角域と言って良いだろう。このカメラがターゲットとするであろう初心者にとってはかなり扱いづらい画角だ。この辺りにも、コンセプトとの乖離が見られて残念なところだ。
スタイル優先ではなく、多少寸胴になってでも換算50mm付近の単焦点を優先、もしくは16mmと同時にリリースすべきではなかったか。先日、ようやく35mmF3.5Macroを発表したが...個人的には遅すぎると感じた。そもそも、NEXの登場から1年以上、Eマウントレンズが16mmと標準レンズしか存在しなかった時点でシステムカメラとしていかがなものかと苦言を呈したい。
あ？マウントアダプターでαマウントレンズも使える？
馬鹿言うな。あんな、フォーカスがバカ遅くなるわ、レンズ交換時にはアダプター付けた上でレンズもとりつけないといけない「アンチ・スマート」な代物、それこそNEXのコンセプトからかけ離れた酷いアイテムだ。こんなものを根拠にしてレンズ・ラインナップ拡充を延ばしているのだとしたら、ユーザーをなめてるとしか言いようがない。
さらに。
NEXは手ブレ補正機構をレンズ側とした。全てのレンズで手ブレ補正が効くボディ側の機構とはしなかった。ボディ内手ブレ補正はソニー一眼レフの前身であるコニカミノルタを始祖としている。それを放棄したのだ。
もちろん、あの小さなボディにAPS-Cの大型撮像素子を駆動するシステムを組み込むのは難しかったのだろう。
また、ボディ内手ブレ補正を搭載するα55が、熱問題で動画を長時間録画できないのを見るにつけ、HD動画を積むのが至上命題だったNEXにとってアクチュエーターで駆動するソニー方式のボディ内手ブレ補正は厳しかったのだろう。
しかしSONYは、不可能と言われていたフルサイズ素子のボディ内手ブレ補正をα900で鮮やかに実現させた。また、磁気浮上方式を採用するPentaxではα55ほど動画撮影時間に制約がないことを考えれば、解決すべき問題はあれど、技術的にクリアできない課題とは思えない。
あ？高感度特性が上がったから手ブレ補正の必然性は下がっている？機構を積んでいない単焦点レンズは明るいから問題ない？
笑止だ。
どんなに高感度特性が改善されても、画質の点では、撮像素子のベース感度を使うのがベストに決まっている。一番ネイティブに性能を発揮するように設計されているんだから。もちろん、高感度が必要ないと言ってるんじゃないよ？
また、レンズが明るいことによって確かにシャッタースピードは稼げる。だが、そこに手ブレ補正があれば撮影可能なシーンが、さらに確実に増える。暗いところで絞ることも可能になる。「明るいレンズに手ブレ補正は要らない」という人は、自ら撮影表現の幅を狭めていることに気づいていないだけだ。
手ブレ補正がないことで、あれば可能だったことを制限することはユーザーにとってなんの特にもならない。何らかの理由でその技術を採用しなかったメーカー側の詭弁にすぎない。どう撮影するかはユーザーの選択肢であってメーカーが制限することじゃない。それが分かってないメーカー、いやユーザーも極めて数が多いと思う。
ところで、NEXでは小型化を命題としながらも、ボディの嵩が増すはずの背面ディスプレイのチルト機構を入れてきた。
実際のところ、このチルト機構とボディ内手ブレ補正機構がトレードオフの関係だったかは分からない。しかし、14Mピクセルという高解像度の素子となって手ブレにますますシビアになっている時代に、機構を積んでいるレンズでしか手ブレ補正が効かないレンズ内補正方式を選択し、なおかつ、手ブレしやすい無理な姿勢での撮影を助長するディスプレイチルトを入れるというのは、ダブルで手ブレ悪化となる、少々理解し難いコンセプトだ。
いや、チルト液晶でウェストレベルで構えれば、むしろ手ブレは抑えられるんだけど、NEXのパンフ見てもそんな訴求の仕方はしてないよね？自由に撮れるんだ、としか書いてないよね？
なんだか、NEX登場時の1年前のエントリーでもほとんど似たようなことをブー垂れているわけだが、その時感じた不満点はほぼ一切解決されていないことに気づく。SONYはホントに新たなカメラ文化とやらを切り拓くつもりがあるのかな。とりあえず売れてるし、売れてるモノを変える必要ねーや、という意思が、新モデルのC3からも感じられてガッカリしたところだ。
SONY NEX
Pos
・ミラーレス機の中では最大となるAPS-C撮像素子を搭載し、画質も他社より1ランク上
・可動背面ディスプレイ（でもなんで2軸にしなかった？？＆手ブレを助長するような訴求の仕方はConsだ）
Cons
・コンセプト、アピールポイント、実際のプロダクトがチグハグで一貫性がない
・従来のカメラを無視した、「ザ・NEX」なインターフェース（人によってはPosかもしれないが、従来の概念の「カメラ」として評価すればConsだ）
・見栄えのために機能を削る最悪のインダストリアルデザイン（特に三脚穴）
・技術を持ちながらボディ内手ブレ補正機構を非採用
・一向に充実しないレンズラインナップ
次回はまた別のメーカーの話。
最近はどんどんおっぱいを飲んで、元気に動いたり「うー！」と声を上げたりできるようになってきた。これからの成長も楽しみだ。
First Dress
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F2.8, ISO320)
さて、前回予告した通り、これから数回？で、各社のミラーレス一眼カメラをぶった切るよ。
対象のカメラを持ってる人ごめんね。悪気はないの。俺は各社にいい製品を作ってもらいたいだけなの。
まず、ここでいうミラーレス機とは、過去エントリーで定義したように、
1.いわゆるディジタル一眼レフ同等となる対角4/3インチ以上の大型撮像素子を搭載している
2.レンズ交換が可能
3.光学ファインダーを排したことで、ミラーなど付随部品を削減し大幅に小型化した
という3条件に当てはまるものだ。
このミラーレス・カメラの市場には4社が参入している。そのうち国内で入手可能なのは国産である3社だ（Samsungは日本市場未参入）。
これにPentaxが加わった形だと報道されているが...先述の第1の条件にさっそく合致していない。まあ、この条件は俺が定義したもんだし (^_^;、業界でも定義が曖昧なので、なんとも言えないけど。
まあ、同じ1/2.3インチを積んだそこらのコンパクトカメラと比べると、PentaxQの場合、標準ズームレンズだけでそれらの本体価格くらいするので、写りはさすがに高品位なものになるだろう。だけど、やっぱり大型素子を持った他のミラーレスとはクラスが違うと言わなければならないだろう。そのくらい、素子の大きさは性能に直結してしまうのだ。その分レンズに要求される性能のハードルも高くなるけどね。
さて、今一番売れているミラーレスは多分SONYのNEXであろう。日本市場では唯一のAPS-C撮像素子を備えたミラーレス機で、画質ならばライバルであるμ4/3（マイクロフォーサーズ）を蹴散らすレベルにある。恐らく、PentaxQとは大人と子どものレベルで、お話にならないだろう。だが、（個人的には）残念なことに、NEXはあくまでNEXという商品であって、「カメラ」という道具として企画されていないように思う。
SONY NEX-5
まず、極めて初心者に志向したインターフェースは、画を作り上げたい中級者には使いづらいものだ。それまでのカメラの文法に則っていない。NEXユーザーはNEXユーザーのままであって、「次へのステップ」がない状態だと思える。それがカメラの新たなインターフェースとして納得いく内容ならいいが、まだまだ詰めきれていない。
そしてNEX-5の三脚穴だけが突出したデザイン。あれは見映えのために機能を削った最悪のインダストリアルデザインだ。この時点でNEXは「なーんちゃってカメラ」だと宣言しているようなものだ。ちゃんと撮った時に吐き出す画像は素晴らしいのにね。...あ、ごめんごめん、NEXはNEXであってカメラじゃなかったね（毒）。
単なる「絞り優先AE」を「ぼけコントロール」という名前にしただけというのも小癪だ。確かに絞りはボケ量をコントロールして作品作りに活かせるが、本来は露出を決める要素である。
そこには、カメラの仕組みの基本をユーザーに教えることを放棄したインターフェースしかない。それも一つのコンセプトとしてアリかもしれないが、本質をオミットすれば、いわゆる「カメラ女子」とやらのブームが一過性のものになりかねないと危惧してしまう。
撮像素子としてAPS-Cを選択したことは、画質の面ではメリットだったが、レンズ設計の面では苦労しているようだ。登場当時、μ4/3勢を一気に追い抜いてミラーレス最小カメラとなったNEX-5だが、標準ズームを装着した状態では逆転されてしまっていた。つまり、APS-Cをカバーするためには相応の大きさが必要なのだ。
だからこそ、NEXには極めて薄いパンケーキレンズが必要だった。それが16mmF2.8というレンズだ。
恐らくフランジバックなどとの兼ね合いから、最も薄くできたのがこの焦点距離だったということだろう。しかし、16mmというのは35mm判換算で24mmに相当し、標準ズームの広角端よりもさらに広角で、立派な超広角域と言って良いだろう。このカメラがターゲットとするであろう初心者にとってはかなり扱いづらい画角だ。この辺りにも、コンセプトとの乖離が見られて残念なところだ。
スタイル優先ではなく、多少寸胴になってでも換算50mm付近の単焦点を優先、もしくは16mmと同時にリリースすべきではなかったか。先日、ようやく35mmF3.5Macroを発表したが...個人的には遅すぎると感じた。そもそも、NEXの登場から1年以上、Eマウントレンズが16mmと標準レンズしか存在しなかった時点でシステムカメラとしていかがなものかと苦言を呈したい。
あ？マウントアダプターでαマウントレンズも使える？
馬鹿言うな。あんな、フォーカスがバカ遅くなるわ、レンズ交換時にはアダプター付けた上でレンズもとりつけないといけない「アンチ・スマート」な代物、それこそNEXのコンセプトからかけ離れた酷いアイテムだ。こんなものを根拠にしてレンズ・ラインナップ拡充を延ばしているのだとしたら、ユーザーをなめてるとしか言いようがない。
さらに。
NEXは手ブレ補正機構をレンズ側とした。全てのレンズで手ブレ補正が効くボディ側の機構とはしなかった。ボディ内手ブレ補正はソニー一眼レフの前身であるコニカミノルタを始祖としている。それを放棄したのだ。
もちろん、あの小さなボディにAPS-Cの大型撮像素子を駆動するシステムを組み込むのは難しかったのだろう。
また、ボディ内手ブレ補正を搭載するα55が、熱問題で動画を長時間録画できないのを見るにつけ、HD動画を積むのが至上命題だったNEXにとってアクチュエーターで駆動するソニー方式のボディ内手ブレ補正は厳しかったのだろう。
しかしSONYは、不可能と言われていたフルサイズ素子のボディ内手ブレ補正をα900で鮮やかに実現させた。また、磁気浮上方式を採用するPentaxではα55ほど動画撮影時間に制約がないことを考えれば、解決すべき問題はあれど、技術的にクリアできない課題とは思えない。
あ？高感度特性が上がったから手ブレ補正の必然性は下がっている？機構を積んでいない単焦点レンズは明るいから問題ない？
笑止だ。
どんなに高感度特性が改善されても、画質の点では、撮像素子のベース感度を使うのがベストに決まっている。一番ネイティブに性能を発揮するように設計されているんだから。もちろん、高感度が必要ないと言ってるんじゃないよ？
また、レンズが明るいことによって確かにシャッタースピードは稼げる。だが、そこに手ブレ補正があれば撮影可能なシーンが、さらに確実に増える。暗いところで絞ることも可能になる。「明るいレンズに手ブレ補正は要らない」という人は、自ら撮影表現の幅を狭めていることに気づいていないだけだ。
手ブレ補正がないことで、あれば可能だったことを制限することはユーザーにとってなんの特にもならない。何らかの理由でその技術を採用しなかったメーカー側の詭弁にすぎない。どう撮影するかはユーザーの選択肢であってメーカーが制限することじゃない。それが分かってないメーカー、いやユーザーも極めて数が多いと思う。
ところで、NEXでは小型化を命題としながらも、ボディの嵩が増すはずの背面ディスプレイのチルト機構を入れてきた。
実際のところ、このチルト機構とボディ内手ブレ補正機構がトレードオフの関係だったかは分からない。しかし、14Mピクセルという高解像度の素子となって手ブレにますますシビアになっている時代に、機構を積んでいるレンズでしか手ブレ補正が効かないレンズ内補正方式を選択し、なおかつ、手ブレしやすい無理な姿勢での撮影を助長するディスプレイチルトを入れるというのは、ダブルで手ブレ悪化となる、少々理解し難いコンセプトだ。
いや、チルト液晶でウェストレベルで構えれば、むしろ手ブレは抑えられるんだけど、NEXのパンフ見てもそんな訴求の仕方はしてないよね？自由に撮れるんだ、としか書いてないよね？
なんだか、NEX登場時の1年前のエントリーでもほとんど似たようなことをブー垂れているわけだが、その時感じた不満点はほぼ一切解決されていないことに気づく。SONYはホントに新たなカメラ文化とやらを切り拓くつもりがあるのかな。とりあえず売れてるし、売れてるモノを変える必要ねーや、という意思が、新モデルのC3からも感じられてガッカリしたところだ。
SONY NEX
Pos
・ミラーレス機の中では最大となるAPS-C撮像素子を搭載し、画質も他社より1ランク上
・可動背面ディスプレイ（でもなんで2軸にしなかった？？＆手ブレを助長するような訴求の仕方はConsだ）
Cons
・コンセプト、アピールポイント、実際のプロダクトがチグハグで一貫性がない
・従来のカメラを無視した、「ザ・NEX」なインターフェース（人によってはPosかもしれないが、従来の概念の「カメラ」として評価すればConsだ）
・見栄えのために機能を削る最悪のインダストリアルデザイン（特に三脚穴）
・技術を持ちながらボディ内手ブレ補正機構を非採用
・一向に充実しないレンズラインナップ
次回はまた別のメーカーの話。
nobilesの投稿(23:49:00-2011-06-26) -
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