NOBILES Days
Jump to navigationEarly White Blossoms
首都圏でも雪が降った。だが、残業が長引いた俺が最寄りのターミナルにつく頃には上がっていた。おかげでチャリで帰ることができた。
いつも通る公園に差し掛かって息を飲んだ。
Early Blossoms (Thanks for the snow)
(iPhone5, 1/15sec, F2.4, ISO2000)
雪が枝に積もって、まるで桜が咲いたようになっていたのだ。
いつもはジョギングをしてる人なんかが結構いるのだが、この日ばかりはほとんど人も通らず、極めて神秘的な風景になっていた。
あー、K-3で撮りたかったなあ。
んっ？GMならこういう時でも常に持ち歩けるぞ？...いやいや、物欲に染まってはいかんいかん。
さて、ヘッドフォンジャンキーコーナー。言ってるそばから物欲かーい！
写真は、新たに買ったヘッドフォンだ。
Final Audio Design Inner Ear Headphone
(PentaxK-3, PentaxDA16-45mmF4(45.0mm), 1/100sec, F9.0, ISO400)
だがこの製品、他のものとは製品コンセプトがちょっと異なる。
この製品の名前は、その名も「イヤホン組み立てキット」。そう、イヤホンを自分で組み立てた上、音質調整もやってみましょう、というのがコンセプトなのだ。
もともと、ここの製造元である、Final Audio Design（FAD）では、これまで何回か店舗イベントの形でイヤホン組み立てイベントを開催していた。多分、それが結構好評だったんだろう、こうしてキット化に至ったようだ。
ベースは恐らく、先日発売になったHeaven IIというモデルと思われる。同社の中では比較的廉価モデルとなる。まあ確かに、高額モデルを組み立てて失敗したら結構ショックだしな。
そもそも組み立てと言うと、ハンダ付けくらいはするようなイメージがあるが、このキットではハンダ付け済みのユニットを組み立てる。
俺としては、かつて電気技術者として、200ピンを超えるICや1005チップ（1mm×0.5mm）の貼り替えなんて普通にやっていたので、ハンダ付けくらいやらせろやー、という感じなのだが、まあ一般的にはハンダごてを持ってる家庭の方が少ないだろうし、あまり失敗のリスクも増やしたくなかったのだろう。
一方で、商品説明には「完成後に音導管をチューニングして、価格を超える音質を得られるかも？？」なんて書いてあった。
いやいやそんな、ハードの素性を超えるものなんて得られねーだろ、とツッコミを入れつつも、やっぱりなんだかんだ組み立てに興味があって買ってしまったのだった。
地味ーなパッケージを開けると、またまた地味ーな構成品が入っていた。
説明書を開くと、かなり細かく、写真を多用したものだった。まあきっと製品のHeaven IIのラインの作業指示書も一部流用してるんだろう。
Balanced Armerture Unit
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/25sec, F9.0, ISO1600)
この写真が、ヘッドフォンの要となるドライバーユニット。バランスドアーマチュア（BA）型1機だ。
ハンダ付けもないから、さっくりと組み立てられるだろうと思ったら、これが意外とそうでもない。細かい部分の接着工程がなかなか難しい。
接着工程は、付属していた速乾性のセメダインを竹串の先に盛って接着部位に塗り込んでいく、というだけなのだが、説明書の写真だけではセメダインの適量を感覚的に把握できない。少ないと固定が不十分で断線の恐れが増したり、密閉が完璧でなくなって低音が逃げたりしてしまう。
それに、狭い範囲にだけ塗り込み、はみ出た接着剤は除去しなければならない。乾くまでの、5〜10分程度という短い時間に適量適所を判断し、塗り込みを完了しなければならないわけだ。
製造ラインの人なら、最悪、最初のうちの何個か失敗してでも、そのうち適量を覚えてすごい速さで組み立てていけるようになるんだろうが、なにしろこちとらワンオフなので辛い。
そんなわけで余裕がなくて、組み立て中の写真は全然撮っていない。
それにしても、インナーイヤーヘッドフォンの組み立てがこんなに接着剤ばかりに頼っているとは意外だった。他の製品も全部こんなものなのかどうか分からないけど。
さて、一通りの組み立てが終わったら、接着剤を完全に固着させるため、説明書の指示通り、24時間放置した。
翌日、早速音出しを始める。
このキットのウリである音質調整は、要は音導管にスポンジを詰めることである周波数帯の音を減衰させるという、まあアコースティックな手法によるものだ。スポンジは、繊維の粗密と、長さの違う5種が付属した。それぞれ単独で詰めてもいいし、組み合わせてもいいという。
とりあえず俺は、「詰めない」ことにした。そうすると、高音が減衰されず、そちらに寄ったバランスになるというが、まずはこのユニットの素の音を聞いてみたかった。
ヘッドフォン本体と耳穴の間を埋めるイヤーパッドも音質に影響を与える。密着すれば遮音性が高まるし、低音も逃げずにしっかり出ることになる。俺って耳穴が結構小さいので、たとえばAtomicFloyd Superdartsは、一番小さいパッドを使っている。なので、まずは小さいパッドをつけて装着してみた。
うーん。耳穴の奥にヘッドフォンを押し込もうとすると、ゴリゴリとして痛い。一応奥で固定されるが、異物感が強い。
しかし、もっと大きいバッドだと本体が奥まで入らず中途半端な位置になって固定されない。やっぱり一番小さいのが良いようだ。でも、JVCのHA-FXD80でもそうだったけど、ユニットごと耳穴に挿入するタイプのヘッドフォンは、俺の耳にはキツいようだ。Superdartsは許容なんだが。Shure系や今のメインのCKWのように、耳の窪みに本体を収め、ステムだけが耳に入るタイプの方がいい。
さて、音出しだ。いつもの試聴用プレイリストを再生する。
うははは。CKWに慣れてる耳には、笑っちゃうくらい低音の量感が乏しい。また、全体が一本線の上に乗っている感じがした。それは、音場の面でも音質の面でもだ。立体感もレンジも狭い。まあ、相手は価格が5倍くらいするんだから当たり前なんだが (^_^;。
それじゃあと思って、価格帯が近い先述のJVC HA-FXD80を出してきて比較した。
...お、おお？？
FXD80の方がずっと自然だ。高音が堅くて近々するが、音場も広く感じる。「組み立てキット」に替えるとずっと音域がナローで、しかも金属の付帯音が耳につく。うーん、これはやはりシングルBAゆえの限界なのか。
ただ、中高音あたりの響きがなかなかいい。艶っぽさが出て、ボーカルやサックスが魅力的に聞こえる。なかなかチャーミングじゃないか。
これに低音の量感が増せばいい感じになるんじゃないか？と思い、音導管に密度の高いスポンジを入れて低域よりにしてみた。...魅力的な中高音まで減衰して曇った音色になり、ますます残念な音になってしまった。ズーーーン。
いやいや、まだ完成させたばかりだからまだまだ音は完成していないだろう。しばらくエージングすることにした。
果たして、50時間くらいはエージングしたろうか、ここで改めて我が家にある他のヘッドフォンと勝負させてみよう。
比べるとやっぱりナローな印象は変わらないなあ。だが、音出し当初よりバランスが良くなって、多少高音と低音も上がってきた気がする。全体的には割とフラットだ。FXD80のみならず今の俺のメインであるCKW（低音過多気味）と比べても周波数特性は自然に感じられる。それだけでなく、高音がキンキンするFXD80と比べると、音が丸くて聴きやすい。なるほど、これは聴き疲れしない音かもしれない。
なので、いわゆる「ロックンロール」なんかは非常に相性がいい。高級なCKWで聴くと、むしろ立体感がウザく感じてしまうような曲が、ちょうどいい感じにまとまって聴きやすく、ノリやすくなる。
それに、先述した「チャーミングな響き」がちょうどギターの帯域に当たるようで、ギターのリフがとても気持ち良く聴ける。
うーん、当初はFXD80よりも使い出がないかと思ったが、かなり大人な音の傾向なので、意外にハマる場面がありそうだ。
まあ正直言って、「価格を超える音質を手に入れられるかも？」というよりは「価格なりだけど、自分の好みの音に近づけられる」というレベルからは脱していないが、まあ「大人のドーラク」としてはなかなか面白いんじゃないか？やっぱりハンダづけはしたかったけど。
いつも通る公園に差し掛かって息を飲んだ。
Early Blossoms (Thanks for the snow)
(iPhone5, 1/15sec, F2.4, ISO2000)
雪が枝に積もって、まるで桜が咲いたようになっていたのだ。
いつもはジョギングをしてる人なんかが結構いるのだが、この日ばかりはほとんど人も通らず、極めて神秘的な風景になっていた。
あー、K-3で撮りたかったなあ。
んっ？GMならこういう時でも常に持ち歩けるぞ？...いやいや、物欲に染まってはいかんいかん。
さて、ヘッドフォンジャンキーコーナー。言ってるそばから物欲かーい！
写真は、新たに買ったヘッドフォンだ。
Final Audio Design Inner Ear Headphone
(PentaxK-3, PentaxDA16-45mmF4(45.0mm), 1/100sec, F9.0, ISO400)
だがこの製品、他のものとは製品コンセプトがちょっと異なる。
この製品の名前は、その名も「イヤホン組み立てキット」。そう、イヤホンを自分で組み立てた上、音質調整もやってみましょう、というのがコンセプトなのだ。
もともと、ここの製造元である、Final Audio Design（FAD）では、これまで何回か店舗イベントの形でイヤホン組み立てイベントを開催していた。多分、それが結構好評だったんだろう、こうしてキット化に至ったようだ。
ベースは恐らく、先日発売になったHeaven IIというモデルと思われる。同社の中では比較的廉価モデルとなる。まあ確かに、高額モデルを組み立てて失敗したら結構ショックだしな。
そもそも組み立てと言うと、ハンダ付けくらいはするようなイメージがあるが、このキットではハンダ付け済みのユニットを組み立てる。
俺としては、かつて電気技術者として、200ピンを超えるICや1005チップ（1mm×0.5mm）の貼り替えなんて普通にやっていたので、ハンダ付けくらいやらせろやー、という感じなのだが、まあ一般的にはハンダごてを持ってる家庭の方が少ないだろうし、あまり失敗のリスクも増やしたくなかったのだろう。
一方で、商品説明には「完成後に音導管をチューニングして、価格を超える音質を得られるかも？？」なんて書いてあった。
いやいやそんな、ハードの素性を超えるものなんて得られねーだろ、とツッコミを入れつつも、やっぱりなんだかんだ組み立てに興味があって買ってしまったのだった。
地味ーなパッケージを開けると、またまた地味ーな構成品が入っていた。
説明書を開くと、かなり細かく、写真を多用したものだった。まあきっと製品のHeaven IIのラインの作業指示書も一部流用してるんだろう。
Balanced Armerture Unit
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/25sec, F9.0, ISO1600)
この写真が、ヘッドフォンの要となるドライバーユニット。バランスドアーマチュア（BA）型1機だ。
ハンダ付けもないから、さっくりと組み立てられるだろうと思ったら、これが意外とそうでもない。細かい部分の接着工程がなかなか難しい。
接着工程は、付属していた速乾性のセメダインを竹串の先に盛って接着部位に塗り込んでいく、というだけなのだが、説明書の写真だけではセメダインの適量を感覚的に把握できない。少ないと固定が不十分で断線の恐れが増したり、密閉が完璧でなくなって低音が逃げたりしてしまう。
それに、狭い範囲にだけ塗り込み、はみ出た接着剤は除去しなければならない。乾くまでの、5〜10分程度という短い時間に適量適所を判断し、塗り込みを完了しなければならないわけだ。
製造ラインの人なら、最悪、最初のうちの何個か失敗してでも、そのうち適量を覚えてすごい速さで組み立てていけるようになるんだろうが、なにしろこちとらワンオフなので辛い。
そんなわけで余裕がなくて、組み立て中の写真は全然撮っていない。
それにしても、インナーイヤーヘッドフォンの組み立てがこんなに接着剤ばかりに頼っているとは意外だった。他の製品も全部こんなものなのかどうか分からないけど。
さて、一通りの組み立てが終わったら、接着剤を完全に固着させるため、説明書の指示通り、24時間放置した。
翌日、早速音出しを始める。
このキットのウリである音質調整は、要は音導管にスポンジを詰めることである周波数帯の音を減衰させるという、まあアコースティックな手法によるものだ。スポンジは、繊維の粗密と、長さの違う5種が付属した。それぞれ単独で詰めてもいいし、組み合わせてもいいという。
とりあえず俺は、「詰めない」ことにした。そうすると、高音が減衰されず、そちらに寄ったバランスになるというが、まずはこのユニットの素の音を聞いてみたかった。
ヘッドフォン本体と耳穴の間を埋めるイヤーパッドも音質に影響を与える。密着すれば遮音性が高まるし、低音も逃げずにしっかり出ることになる。俺って耳穴が結構小さいので、たとえばAtomicFloyd Superdartsは、一番小さいパッドを使っている。なので、まずは小さいパッドをつけて装着してみた。
うーん。耳穴の奥にヘッドフォンを押し込もうとすると、ゴリゴリとして痛い。一応奥で固定されるが、異物感が強い。
しかし、もっと大きいバッドだと本体が奥まで入らず中途半端な位置になって固定されない。やっぱり一番小さいのが良いようだ。でも、JVCのHA-FXD80でもそうだったけど、ユニットごと耳穴に挿入するタイプのヘッドフォンは、俺の耳にはキツいようだ。Superdartsは許容なんだが。Shure系や今のメインのCKWのように、耳の窪みに本体を収め、ステムだけが耳に入るタイプの方がいい。
さて、音出しだ。いつもの試聴用プレイリストを再生する。
うははは。CKWに慣れてる耳には、笑っちゃうくらい低音の量感が乏しい。また、全体が一本線の上に乗っている感じがした。それは、音場の面でも音質の面でもだ。立体感もレンジも狭い。まあ、相手は価格が5倍くらいするんだから当たり前なんだが (^_^;。
それじゃあと思って、価格帯が近い先述のJVC HA-FXD80を出してきて比較した。
...お、おお？？
FXD80の方がずっと自然だ。高音が堅くて近々するが、音場も広く感じる。「組み立てキット」に替えるとずっと音域がナローで、しかも金属の付帯音が耳につく。うーん、これはやはりシングルBAゆえの限界なのか。
ただ、中高音あたりの響きがなかなかいい。艶っぽさが出て、ボーカルやサックスが魅力的に聞こえる。なかなかチャーミングじゃないか。
これに低音の量感が増せばいい感じになるんじゃないか？と思い、音導管に密度の高いスポンジを入れて低域よりにしてみた。...魅力的な中高音まで減衰して曇った音色になり、ますます残念な音になってしまった。ズーーーン。
いやいや、まだ完成させたばかりだからまだまだ音は完成していないだろう。しばらくエージングすることにした。
果たして、50時間くらいはエージングしたろうか、ここで改めて我が家にある他のヘッドフォンと勝負させてみよう。
比べるとやっぱりナローな印象は変わらないなあ。だが、音出し当初よりバランスが良くなって、多少高音と低音も上がってきた気がする。全体的には割とフラットだ。FXD80のみならず今の俺のメインであるCKW（低音過多気味）と比べても周波数特性は自然に感じられる。それだけでなく、高音がキンキンするFXD80と比べると、音が丸くて聴きやすい。なるほど、これは聴き疲れしない音かもしれない。
なので、いわゆる「ロックンロール」なんかは非常に相性がいい。高級なCKWで聴くと、むしろ立体感がウザく感じてしまうような曲が、ちょうどいい感じにまとまって聴きやすく、ノリやすくなる。
それに、先述した「チャーミングな響き」がちょうどギターの帯域に当たるようで、ギターのリフがとても気持ち良く聴ける。
うーん、当初はFXD80よりも使い出がないかと思ったが、かなり大人な音の傾向なので、意外にハマる場面がありそうだ。
まあ正直言って、「価格を超える音質を手に入れられるかも？」というよりは「価格なりだけど、自分の好みの音に近づけられる」というレベルからは脱していないが、まあ「大人のドーラク」としてはなかなか面白いんじゃないか？やっぱりハンダづけはしたかったけど。
nobilesの投稿(23:59:21-2014-02-04) -
カテゴリ: Music
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