NOBILES Days
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勤め先の会社が、創立ン周年ということで、かなり盛大なパーティが開催された。そこで誘われて、余興として、三代目なんとかという連中のダンスを踊った。総勢18人だ。
前職では同期でそういうバカもやったもんだが、中途採用の現職でこういうノリは初めてで、なんだかめちゃくちゃ楽しかった。
その中心となっていろいろ手配してくれた人のリーダーシップ、巻き込み力にも恐れ入った。この会社にもなかなか面白い連中がいることが分かって、とても有意義だった。
もう1ヶ月も前の週末だが、都内まで出かけた。それより前はしばらくバンドのリハもなかったので、プライベートでは久々の「上京」だった。
目的は、コレ。
Pentax K-1
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/160sec, F2.5, ISO800)
愛用するカメラのメーカー、Pentaxが初めて送り出すフルフレームディジタル一眼レフカメラ、K-1の体験イベントだ。
カメラファン以外には少し説明が必要だろう。
そもそもディジタルカメラとは、従来のカメラのフィルムにあたる部分を、撮像素子と言われる電気部品に置き換えたものである（そっから？）。
フィルムの役割は光を受けて、その強弱を化学的変化で自身に焼き付けることであるが、撮像素子は電気信号の強弱に変換して記録する。撮像素子とは、CCDやCMOSといった半導体、いわゆるICである。
ところが、フィルムを置き換えるために、36×24mmという同サイズの撮像素子を作ろうとすると、均一な品質を保つのが難しく、大変高価なものになってしまう。
そこで、そもそもフィルムと同じ大きさにするのを諦めて1辺が5mm程度の小さな撮像素子を使うことで、ディジタルカメラは安く、大量生産を行い市民権を得た。無論、現在の携帯電話に搭載される撮像素子もこうした極小の素子である。
だが、こと画質の議論になると極小素子にはデメリットが多い。光を受け取る面積が狭いということは、安定性が低くノイズも乗りやすくなる。また（詳しい説明は別に譲るが）ボケを生かした立体的な表現も難しくなる。
そうした背景があって、画質が優先される一眼レフのような高級タイプのカメラではより大きなサイズの撮像素子が求められた。だが、フィルムと同サイズではさすがに高くなりすぎる。
結果、一般的に知られたフィルム（35mm判）よりもひと回り小さいAPS（Advanced Photo System）と同じ、23.4×16.7mmというサイズの撮像素子が実用化された。APSは、1990年代に制定された次世代フィルムシステムだったが、奇しくもディジタル化の波の中で短命規格に終わったものだ。
APSサイズの素子の量産により、ディジタル一眼レフは2000年代後半から広く普及した。現在でも、世に存在するディジタル一眼レフカメラの大半がAPS（厳密にはそのひとつ、APS-C）サイズの素子を搭載している。
しかし、ディジタル一眼レフカメラのさらなる高性能化を目指す上で、35mm判サイズの素子は「フルサイズ」「フルフレーム」といったキーワードで、常に理想として語られてきたし、実際、一部の上位機種では早いうちから採用されていた。
それがここ数年になって量産効果でフルフレーム素子の値段が下がってきた。SONYなどはミラーレスカメラでもフルフレームのモデルを登場させた。
前置きが長くなったが、翻ってPentaxである。
Pentaxは、2000年の展示会には既に、既存フィルムカメラをもとにした、フルフレーム素子搭載のディジタル一眼レフカメラを参考展示していた。
Pentax K-1(2000 Photokina)
しかし結局製品化したのはAPS-Cサイズ素子のシステムだった。そしてそれは現在でも同様だ（フルフレームを超える45×33mmの素子を持つ645Zという別格カメラもあるけど）。規模が小さいPentaxでは、一点集中をせざるを得なかったと言える。
しかし、2013年に登場したK-3はかなり完成度が高く、言ってみればAPS-Cカメラとしての一定の到達点に達してしまった、という見方ができた。
折しもフラッグシップモデルは2009年のK-7から、2ずつ型番を減らしてきたPentaxだ。次は「K-1」。これは2001年に参考展示されたフルフレーム素子搭載の一眼レフのモデル名でもあった。そしてここ数年Pentax自身もフルフレーム機の開発を公言していた。
そして、まさに満を持した登場である。「フルフレーム機貯金」していた俺は待ちきれずにK-3を買ってしまったので、俺の計算より3年遅かったことになるが、ついにPentaxのフルフレーム機K-1が陽の目を見たことになる。
さて、俺個人としてはK-1をすぐに購入するかというと、正直そこまでテンションが上がっていない。なぜなら、フルフレーム素子の価格が下がったとは言え、カメラ本体の値段は確実に20万を超えてくるだろうからだ。K-3でも10万台前半だったのに。
また、その性能をフルに生かすためにはレンズシステムは事実上刷新する必要がある。撮像素子が大きい分、レンズもそれに対応していなければならないからだ（なのに「Canonは上級機でも同じレンズ使えるからオススメです」なんて妄言を吐く量販店店員は信じちゃダメだ）。俺の11本の手持ちレンズの中でも、公式にフルフレームに対応しているのは、フィルム時代から存在する3本の単焦点レンズだけになってしまう。つまり他はAPS-Cサイズにしか対応していない。
フルフレーム対応するにはレンズ自体相当大きく重く、価格も高くならざるを得ない。カメラと合わせて2kg前後は当たり前、本体と合わせて新規に買えば30万円越えは確実である。それは、俺のお気楽な撮影スタイルに合うのか。
だがK-1には、フルフレーム素子搭載以外にも注目すべき新機構がてんこ盛りである。K-3がひとつの到達点と先述したが、「まだまだこれだけできるんじゃん！」とツッコミを入れたくなるほどだ。また、APS-Cサイズ対応レンズであっても、わずかな性能低下を承知の上でフルフレームで使うこともできるし、最悪、APS-Cの範囲だけ使うAPS-Cクロップを使うこともできる。その具合がどんなものかという興味があった。
そうしたわけで、久々に新製品体験会に行ってみようという気になった。しかも今回は、そのイベントの後に「Pentax meeting」と銘打った、Pentaxファンのイベントも開催されることになった。何気なく募集したが、倍率9倍に当選してしまった。行かざるを得なくなった。
つづく。
前職では同期でそういうバカもやったもんだが、中途採用の現職でこういうノリは初めてで、なんだかめちゃくちゃ楽しかった。
その中心となっていろいろ手配してくれた人のリーダーシップ、巻き込み力にも恐れ入った。この会社にもなかなか面白い連中がいることが分かって、とても有意義だった。
もう1ヶ月も前の週末だが、都内まで出かけた。それより前はしばらくバンドのリハもなかったので、プライベートでは久々の「上京」だった。
目的は、コレ。
Pentax K-1
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/160sec, F2.5, ISO800)
愛用するカメラのメーカー、Pentaxが初めて送り出すフルフレームディジタル一眼レフカメラ、K-1の体験イベントだ。
カメラファン以外には少し説明が必要だろう。
そもそもディジタルカメラとは、従来のカメラのフィルムにあたる部分を、撮像素子と言われる電気部品に置き換えたものである（そっから？）。
フィルムの役割は光を受けて、その強弱を化学的変化で自身に焼き付けることであるが、撮像素子は電気信号の強弱に変換して記録する。撮像素子とは、CCDやCMOSといった半導体、いわゆるICである。
ところが、フィルムを置き換えるために、36×24mmという同サイズの撮像素子を作ろうとすると、均一な品質を保つのが難しく、大変高価なものになってしまう。
そこで、そもそもフィルムと同じ大きさにするのを諦めて1辺が5mm程度の小さな撮像素子を使うことで、ディジタルカメラは安く、大量生産を行い市民権を得た。無論、現在の携帯電話に搭載される撮像素子もこうした極小の素子である。
だが、こと画質の議論になると極小素子にはデメリットが多い。光を受け取る面積が狭いということは、安定性が低くノイズも乗りやすくなる。また（詳しい説明は別に譲るが）ボケを生かした立体的な表現も難しくなる。
そうした背景があって、画質が優先される一眼レフのような高級タイプのカメラではより大きなサイズの撮像素子が求められた。だが、フィルムと同サイズではさすがに高くなりすぎる。
結果、一般的に知られたフィルム（35mm判）よりもひと回り小さいAPS（Advanced Photo System）と同じ、23.4×16.7mmというサイズの撮像素子が実用化された。APSは、1990年代に制定された次世代フィルムシステムだったが、奇しくもディジタル化の波の中で短命規格に終わったものだ。
APSサイズの素子の量産により、ディジタル一眼レフは2000年代後半から広く普及した。現在でも、世に存在するディジタル一眼レフカメラの大半がAPS（厳密にはそのひとつ、APS-C）サイズの素子を搭載している。
しかし、ディジタル一眼レフカメラのさらなる高性能化を目指す上で、35mm判サイズの素子は「フルサイズ」「フルフレーム」といったキーワードで、常に理想として語られてきたし、実際、一部の上位機種では早いうちから採用されていた。
それがここ数年になって量産効果でフルフレーム素子の値段が下がってきた。SONYなどはミラーレスカメラでもフルフレームのモデルを登場させた。
前置きが長くなったが、翻ってPentaxである。
Pentaxは、2000年の展示会には既に、既存フィルムカメラをもとにした、フルフレーム素子搭載のディジタル一眼レフカメラを参考展示していた。
Pentax K-1(2000 Photokina)
しかし結局製品化したのはAPS-Cサイズ素子のシステムだった。そしてそれは現在でも同様だ（フルフレームを超える45×33mmの素子を持つ645Zという別格カメラもあるけど）。規模が小さいPentaxでは、一点集中をせざるを得なかったと言える。
しかし、2013年に登場したK-3はかなり完成度が高く、言ってみればAPS-Cカメラとしての一定の到達点に達してしまった、という見方ができた。
折しもフラッグシップモデルは2009年のK-7から、2ずつ型番を減らしてきたPentaxだ。次は「K-1」。これは2001年に参考展示されたフルフレーム素子搭載の一眼レフのモデル名でもあった。そしてここ数年Pentax自身もフルフレーム機の開発を公言していた。
そして、まさに満を持した登場である。「フルフレーム機貯金」していた俺は待ちきれずにK-3を買ってしまったので、俺の計算より3年遅かったことになるが、ついにPentaxのフルフレーム機K-1が陽の目を見たことになる。
さて、俺個人としてはK-1をすぐに購入するかというと、正直そこまでテンションが上がっていない。なぜなら、フルフレーム素子の価格が下がったとは言え、カメラ本体の値段は確実に20万を超えてくるだろうからだ。K-3でも10万台前半だったのに。
また、その性能をフルに生かすためにはレンズシステムは事実上刷新する必要がある。撮像素子が大きい分、レンズもそれに対応していなければならないからだ（なのに「Canonは上級機でも同じレンズ使えるからオススメです」なんて妄言を吐く量販店店員は信じちゃダメだ）。俺の11本の手持ちレンズの中でも、公式にフルフレームに対応しているのは、フィルム時代から存在する3本の単焦点レンズだけになってしまう。つまり他はAPS-Cサイズにしか対応していない。
フルフレーム対応するにはレンズ自体相当大きく重く、価格も高くならざるを得ない。カメラと合わせて2kg前後は当たり前、本体と合わせて新規に買えば30万円越えは確実である。それは、俺のお気楽な撮影スタイルに合うのか。
だがK-1には、フルフレーム素子搭載以外にも注目すべき新機構がてんこ盛りである。K-3がひとつの到達点と先述したが、「まだまだこれだけできるんじゃん！」とツッコミを入れたくなるほどだ。また、APS-Cサイズ対応レンズであっても、わずかな性能低下を承知の上でフルフレームで使うこともできるし、最悪、APS-Cの範囲だけ使うAPS-Cクロップを使うこともできる。その具合がどんなものかという興味があった。
そうしたわけで、久々に新製品体験会に行ってみようという気になった。しかも今回は、そのイベントの後に「Pentax meeting」と銘打った、Pentaxファンのイベントも開催されることになった。何気なく募集したが、倍率9倍に当選してしまった。行かざるを得なくなった。
つづく。
nobilesの投稿(23:39:35-2016-04-08) -
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