NOBILES Days
Jump to navigationDestroyed again - (6) Almost got another injury
左膝に派手な装具（ニーブレス）を付けていると、「あー、痛そうだねー」とよく人に言われるのだが、実は全然痛くない。曲げなければ。
膝を曲げる時にはお皿がググッとスネの側に移動していく。ところが太ももとスネを繋ぎ、お皿を支える膝蓋腱が切れると、お皿が太ももの筋肉に張り付いたままになるので、膝を曲げると激痛が走る。だから、装具は曲げないためのものなので、装具をしている限り、痛みというのは、ほぼない。
それよりも、社会の中で「自分が使い物にならない」という精神的な痛みの方が遥かに強いんだよね。
まだリハビリも本格化していない（膝を曲げ始めるのは8月に入ってからだ）ので気ままな生活ではあるが、あまり自堕落な生活に陥らないように注意したいところだ。
そんなわけで、大怪我日記の第6回。病院帰りに巻き込まれそうになったビックリな事態について。
The Water Turbine
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/50sec, F2.5, ISO200)
6/29のバンド練の帰り、俺は左膝に大怪我をして救急搬送された。下された診断は5年前に右足で負ったのと同じ「膝蓋腱断裂」だった。
その翌日、家から近くの、子ども達も生まれた病院で手術は受けるために診察を受けに行った。2日通って、ようやく手術の日も決まった。
バックナンバーはこちら
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
その帰り、また大事件があった。
お義父さんの運転する軽自動車に乗り、自宅へ向かった。病院を出て数百メートル付近の交差点で信号が青に変わった。こちらは右折なので、直進してくる対向車を待って停止線から動かないでいた。
するとそこへ、俺たちのいる道路と交差点で直行する道路の左側から、黒いクラウンがやってきた。直行しているということは、当然そちら側の信号は赤だ。ところがそのクラウンはまったくスピードを緩めることなく交差点に進入した。他方、俺たちの車の対向車（オデッセイ）も、直進するべく発進し、交差点に進入したところだった。
「え？？？？ちょっ...」
ガッチャーーーーーン
オデッセイの脇腹に、クラウンがノーブレーキで突っ込んだ。もう、JAFの実験か何かかよ、というくらい典型的なTボーンクラッシュだ。クラウンの頑丈そうなフロント部がグンニャリと拉（ひしゃ）げ、パーツが飛び散るのが見えた。それだけでは終わらない。不意にぶつけられたオデッセイはその衝撃で、進路が縒れた。車体中央付近が、こちら側から見て右に持って行かれたために、フロントタイヤは左側、つまりこちら側を向いた。
そう、ぶつけられたオデッセイはそこに停止することなく、俺たちの乗った車に向かって進んで来たのだ！
「あっ！」
俺が声を上げるやいなや、中年男性と思しきドライバーはとっさにハンドルを切り、オデッセイをまっすぐに向かせると、俺たちの乗る軽のわずかに脇をすり抜けるようにして進み、20メートルほど先（俺らからすると後方）にハザードランプを焚いて止まった。本当に一瞬の出来事だった。
一方のクラウンは、交差点のど真ん中で立ち往生していた。中年女性と思しきドライバーは完全に茫然自失としているようで、頭を抱えているように見えた。エアバッグは開いていないようだった。
そのドライバーに我を取り戻させるためか、自分たちにも危険が及びそうだったことに対する抗議なのかは分からないが、お義父さんがクラクションを繰り返し鳴らした。交差点付近にいた歩行者数人も騒然としている。
クラウンのドライバーもようやく車をゆるゆると前進させて交差点を出ると、すぐ先の路側帯に寄せて止まった。フロントタイヤは潰れていないようだが、車の先端部分は見る影もなかった。
「うーん、これ、証言者なんかになったらエラい時間食うな。行っちゃった方がいいな」
え？いいのかな？
すみません。でも、俺の脚もエラいことになってる最中なんで、ここは立ち去らせてください。裁判になっても俺は多分行けません。
再び、俺たちの側の信号が青になり、直進車も通り過ぎた。ようやく、右折をするために前進した。すると車の底からゴリゴリゴリ、と何かを引きずる音が聞こえた。車のパーツなんじゃないか？
それでも構わずお義父さんが車を進めると（←おいおいー！）、音は消えた。振り返ると、歩行者の兄ちゃんが、俺達の車が踏んだと思しきパーツを拾っていた。クラウンのフロントグリルだった。
右折した後、お義父さんはその左の路側帯に止まっていたクラウンの横で一度車を止めて、左の窓を開けた。
ドライバーは車を降りて、その左側にいた。白いブラウスに、黒っぽいベストとスカートを履いている。事務員のような格好をした、谷亮子を少し縦に伸ばしたイメージの中年女性だった。かなり動転して、どうしたらいいのか分からない様子なのが見るからに分かった。
そのドライバーを落ち着かせる言葉でも、お義父さんは言うのかな？と思いきや…
「ちょっとアンタ！完全に赤信号無視だよ。いったいどこ見てたの！」
...ひゃー、追い込んじゃったよ。こちらまで危ない目に遭いそうだったことに、だいぶご立腹のようだった。
まあムリもない。助手席側の後部座席にいた俺よりも、運転席にいたお義父さんの方が、オデッセイが向かってくる恐怖はかなり大きかったはずだ。
でも逆に、もしこの交差点でお義父さんが直進することを選んでいたら（直進でも帰れるから）。もしくは、対向車がいなくてすんなり右折を開始していたら。クラウンの直撃を受けていたのは、オデッセイより遥かに強度で劣るであろう軽自動車の俺たちの車だった。しかも、当たるとしたら、左側、つまり俺が座っていた助手席側だったはずだ。そう思うとゾッとした。危うく怪我の箇所が増えているところだった。
多分ヤワラちゃん（違）は、考え事でもしていて完全に信号の存在に気づかないで交差点に進入したのだろう。まったくブレーキを踏んだ様子がなかった。黒いクラウンということは、会社の役員送迎用かなにかではないか。後部座席には人がいないようだったので、送った後とかだったんじゃないか？
「なんか、取り憑いてんじゃないか？」
お義父さんが俺に言った。確かに、2014年は想定外の事故が多い。大雪でカーポートが車の上に落ちてきたし、他人には公にはしていない（したくもない）ことも数件あった。うーむ、俺、本厄だったっけ？（違う）
さて、手術／入院の前に会社に一度行きたいと上司にメールをした件だが、1日経ってようやく返事が返ってきた。
「気持ちは分かりますが、出勤はやめましょう。残りのことは任せてください」
…まあ、そうだわな。手術が必要な怪我していて、しかも通勤に1時間半とかかかるくせに、出勤したいなんてアホかって話だわな。
まあ、いろいろケリつけて休みたかったのは本音なのだが、無理してさらに悪いことになっては元も子もない。危うく交通事故にまで巻き込まれそうになったことで、ますます素直に上司の指示を受け入れられた。
つづく。
膝を曲げる時にはお皿がググッとスネの側に移動していく。ところが太ももとスネを繋ぎ、お皿を支える膝蓋腱が切れると、お皿が太ももの筋肉に張り付いたままになるので、膝を曲げると激痛が走る。だから、装具は曲げないためのものなので、装具をしている限り、痛みというのは、ほぼない。
それよりも、社会の中で「自分が使い物にならない」という精神的な痛みの方が遥かに強いんだよね。
まだリハビリも本格化していない（膝を曲げ始めるのは8月に入ってからだ）ので気ままな生活ではあるが、あまり自堕落な生活に陥らないように注意したいところだ。
そんなわけで、大怪我日記の第6回。病院帰りに巻き込まれそうになったビックリな事態について。
The Water Turbine
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/50sec, F2.5, ISO200)
6/29のバンド練の帰り、俺は左膝に大怪我をして救急搬送された。下された診断は5年前に右足で負ったのと同じ「膝蓋腱断裂」だった。
その翌日、家から近くの、子ども達も生まれた病院で手術は受けるために診察を受けに行った。2日通って、ようやく手術の日も決まった。
バックナンバーはこちら
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
その帰り、また大事件があった。
お義父さんの運転する軽自動車に乗り、自宅へ向かった。病院を出て数百メートル付近の交差点で信号が青に変わった。こちらは右折なので、直進してくる対向車を待って停止線から動かないでいた。
するとそこへ、俺たちのいる道路と交差点で直行する道路の左側から、黒いクラウンがやってきた。直行しているということは、当然そちら側の信号は赤だ。ところがそのクラウンはまったくスピードを緩めることなく交差点に進入した。他方、俺たちの車の対向車（オデッセイ）も、直進するべく発進し、交差点に進入したところだった。
「え？？？？ちょっ...」
ガッチャーーーーーン
オデッセイの脇腹に、クラウンがノーブレーキで突っ込んだ。もう、JAFの実験か何かかよ、というくらい典型的なTボーンクラッシュだ。クラウンの頑丈そうなフロント部がグンニャリと拉（ひしゃ）げ、パーツが飛び散るのが見えた。それだけでは終わらない。不意にぶつけられたオデッセイはその衝撃で、進路が縒れた。車体中央付近が、こちら側から見て右に持って行かれたために、フロントタイヤは左側、つまりこちら側を向いた。
そう、ぶつけられたオデッセイはそこに停止することなく、俺たちの乗った車に向かって進んで来たのだ！
「あっ！」
俺が声を上げるやいなや、中年男性と思しきドライバーはとっさにハンドルを切り、オデッセイをまっすぐに向かせると、俺たちの乗る軽のわずかに脇をすり抜けるようにして進み、20メートルほど先（俺らからすると後方）にハザードランプを焚いて止まった。本当に一瞬の出来事だった。
一方のクラウンは、交差点のど真ん中で立ち往生していた。中年女性と思しきドライバーは完全に茫然自失としているようで、頭を抱えているように見えた。エアバッグは開いていないようだった。
そのドライバーに我を取り戻させるためか、自分たちにも危険が及びそうだったことに対する抗議なのかは分からないが、お義父さんがクラクションを繰り返し鳴らした。交差点付近にいた歩行者数人も騒然としている。
クラウンのドライバーもようやく車をゆるゆると前進させて交差点を出ると、すぐ先の路側帯に寄せて止まった。フロントタイヤは潰れていないようだが、車の先端部分は見る影もなかった。
「うーん、これ、証言者なんかになったらエラい時間食うな。行っちゃった方がいいな」
え？いいのかな？
すみません。でも、俺の脚もエラいことになってる最中なんで、ここは立ち去らせてください。裁判になっても俺は多分行けません。
再び、俺たちの側の信号が青になり、直進車も通り過ぎた。ようやく、右折をするために前進した。すると車の底からゴリゴリゴリ、と何かを引きずる音が聞こえた。車のパーツなんじゃないか？
それでも構わずお義父さんが車を進めると（←おいおいー！）、音は消えた。振り返ると、歩行者の兄ちゃんが、俺達の車が踏んだと思しきパーツを拾っていた。クラウンのフロントグリルだった。
右折した後、お義父さんはその左の路側帯に止まっていたクラウンの横で一度車を止めて、左の窓を開けた。
ドライバーは車を降りて、その左側にいた。白いブラウスに、黒っぽいベストとスカートを履いている。事務員のような格好をした、谷亮子を少し縦に伸ばしたイメージの中年女性だった。かなり動転して、どうしたらいいのか分からない様子なのが見るからに分かった。
そのドライバーを落ち着かせる言葉でも、お義父さんは言うのかな？と思いきや…
「ちょっとアンタ！完全に赤信号無視だよ。いったいどこ見てたの！」
...ひゃー、追い込んじゃったよ。こちらまで危ない目に遭いそうだったことに、だいぶご立腹のようだった。
まあムリもない。助手席側の後部座席にいた俺よりも、運転席にいたお義父さんの方が、オデッセイが向かってくる恐怖はかなり大きかったはずだ。
でも逆に、もしこの交差点でお義父さんが直進することを選んでいたら（直進でも帰れるから）。もしくは、対向車がいなくてすんなり右折を開始していたら。クラウンの直撃を受けていたのは、オデッセイより遥かに強度で劣るであろう軽自動車の俺たちの車だった。しかも、当たるとしたら、左側、つまり俺が座っていた助手席側だったはずだ。そう思うとゾッとした。危うく怪我の箇所が増えているところだった。
多分ヤワラちゃん（違）は、考え事でもしていて完全に信号の存在に気づかないで交差点に進入したのだろう。まったくブレーキを踏んだ様子がなかった。黒いクラウンということは、会社の役員送迎用かなにかではないか。後部座席には人がいないようだったので、送った後とかだったんじゃないか？
「なんか、取り憑いてんじゃないか？」
お義父さんが俺に言った。確かに、2014年は想定外の事故が多い。大雪でカーポートが車の上に落ちてきたし、他人には公にはしていない（したくもない）ことも数件あった。うーむ、俺、本厄だったっけ？（違う）
さて、手術／入院の前に会社に一度行きたいと上司にメールをした件だが、1日経ってようやく返事が返ってきた。
「気持ちは分かりますが、出勤はやめましょう。残りのことは任せてください」
…まあ、そうだわな。手術が必要な怪我していて、しかも通勤に1時間半とかかかるくせに、出勤したいなんてアホかって話だわな。
まあ、いろいろケリつけて休みたかったのは本音なのだが、無理してさらに悪いことになっては元も子もない。危うく交通事故にまで巻き込まれそうになったことで、ますます素直に上司の指示を受け入れられた。
つづく。
nobilesの投稿(23:46:54-2014-07-28) -
カテゴリ: Injury
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