NOBILES Days
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8月上旬に、長女がキャンプに行く。
保育園の年長クラスのイベントで、赤城山だかなんだかに2泊もするらしい。強制ではないのだが、うちの保育園の保護者達は熱心な人が多いのか、かなりの割合で参加するそうだ。
これまで長女は、近所に祖父母もいて、かなり不自由のない生活を送ってきた。多少モタモタグズっても、最後は誰かが助けてくれた。
でも、長女も来年には小学生だ。どんどん何でも自分でできるようにならなければならない。背も小さいし華奢だが、たくましくならなければならない。
なので、ウチも参加させることにした。結構いいお金かかるんだけどね。甘えん坊な長女にとって何かのキッカケになると思えば安過ぎなくらいだ。
それで、保育園の保育士からは、お風呂なんかを自分でできるようにしておくように言われた。恥ずかしながらウチではまだお風呂は世話していた。考えてみれば5歳の後半だ。自分でできなくてどうすんだ！早速、言われた晩から自分でやらせている。
最初のうちはなかなかうまくいかず、嫁さんの教え方もイマイチで (^_^;、洗いかけなのに放置なんてこともあったが、最近はかなり自分でやれるようになった。
キャンプでもどう成長してくれるのかな。
膝の怪我日記第4回。
あー、海にドライブ行きたい（去年の写真です）
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/160sec, F14.0, ISO100)
バンド練の帰りに、楽器を抱えて階段を1段抜かしで駆け下りている時に、左膝に異常を抱えた俺は、救急車を呼び病院へと運ばれた。
そこで下された診断は、5年前の右足と同じ、「膝蓋腱断裂」というものだった。
一人で落ち着いて考える時間を持てた俺は、ようやく怪我を冷静に受け容れることができるようになった。それでも、自宅に戻ると、怪我によって諦めなければならないいろいろなことが頭を巡り、なかなか眠ることができなかった。
バックナンバーはこちら
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
救急搬送された病院から帰ってきた後は、午前4時まで寝つけなかったが、翌日は世間的には普通の平日だ。嫁さんは出勤するし、子ども達も保育園に行く。俺も7時過ぎには起きた。それで、上司とチームの先輩に第一報のメールを打った。
さすがに食欲がない。かなりゆっくり朝食を摂っている間に、嫁さんや子ども達は出かけて行った。彼女達は嫁さんのお父さんの車で保育園まで一緒に行く。俺が前日五郎丸（違）先生に紹介状を書いてもらった病院は保育園と同じ方向だが、軽自動車では定員オーバーになるので、帰って来てから行くことになっていた。
朝食を食べ終わって、左足を引きずりながら流しで食器を洗ってソファーに座る。また呆然としてしまう。
だが、10分ほどで我に返った。上司の返信メールがiPhoneに来たバイブ音がスイッチだった気がする。
そうだ、紹介状とかちゃんとカバン入れて行かなきゃ。そうだ、iPhoneも充電しておかなきゃ。呆然としていたってしょうがない。今やれることをやらなきゃ、治るものも治らんぞ。整形で有名な病院なので、外来はものすごく混むと聞いた。そうだ、会社の資格取得のためのテキストも持って行って読もう。このハンディを少しでも減らそう。
やっと少しだけ前向きになってきた。
9時頃になって、ウチの庭にお義父さんの車が入ってきた。よし、行くか！
病院に入ったのは9時半前頃だったろうか。待ち時間、診察に長時間かかることが予想されたのでお義父さんには、終了時に連絡することにして1度帰っていただいた。
総合受付を済ませ、整形外科の窓口に向かった。待ち合いスペースには、20人ではきかないくらいの人が座っている。うわ、これはかなりすごいぞ？
よく見ると、窓口も2つに分かれている。予約ありとなしだ。俺は当然予約なしだ。さらに、予約なしの窓口のところには、予約者から呼び、合間に予約なしの人を呼ぶということ、現在は午前8時〜8時半に来た非予約者を呼ぶ可能性があるということが書かれていた。じゃあ、最短でも1時間待ちか…。
書類を予約なし窓口に出すと、紹介状はないか、と聞かれた。おもむろに五郎丸（違）先生に書いてもらった紹介状も渡す。どうやら、紹介状もない場合はさらに扱いが下になるようだ。
振り返って待ち合いスペースを見る。かなり椅子が埋まっている。
太い柱の前の長椅子に一人分のスペースがあったので、座っている人に会釈してそこに腰掛ける。柱の前だけあって、通路にかなりはみ出す形で、曲げることのできない左足を投げ出すことになる。結構怖い。整形だけあって、松葉杖の人や車いすが結構通るのだ。
通路を通る人を警戒しつつも、iPhoneを取り出した。
実はこの6/30は、会社の部長が部を去る日だったのだ。5年前、松葉杖を突いて今の会社に出向き、面接を受けた相手がその部長だった。言ってみれば、俺を今の会社に採用してくれた部長というわけだ。今俺がとりかかっていた他部署とのコラボ仕事も、俺のことを見込んで指名し、いろいろアドバイスをくれたのもその部長だ。それが縁でなのかどうか知らないが、そのコラボ相手の部署に異動するのだという（俺のコラボ仕事と直接関わるわけではないようだが）。
部を去る、部長のお見送りセレモニー的なものもこの日あるはずだったのだが、参加できなくなってしまった。せっかく波に乗ってきたコラボ仕事からしばらく離れなくてはならないことと、お見送りできないことの詫びと、これまでの感謝をメールにしたためて、送った。
部長からはすぐに、他に怪我がないか、など気遣いのメールが送られてきた。
それからは、iPhoneでニュースサイトを見たり、持ってきた本を読んだりしていた。そのうち、通路から少し奥まったところにある椅子が空いたので移動した。それでも、予約なし窓口の呼び出し目安は「午前8時〜8時半に来られた方」から動く気配もなかった。こらアカンわ。
あ...朝充電する時に、いつも持ち歩いているケーブルをカバンから出して充電しちゃったから、USBのバッテリーを持っているのにiPhoneを充電できないことに気づく...。結構ずっと使っているから既に70%とかになっている。も、もたないってことはないだろうけど...。
10時半ごろになって、ようやく看護師が話を聞きに来た。膝ということだから、少し時間がかかるかもしれないが、膝の専門の医師が良いか？と言う。ここまで待ってそういうところで妥協するのは意味がない。もちろん、専門の医師にしてもらうようお願いをした。
それからさらに1時間。11時半過ぎになってようやく俺は医師と顔をあわせることができた。うぉ？やせたリリー・フランキー？？？
まあ実際にはフランキーを「いかにも医者」という感じで真面目な雰囲気にした感じだし、頭頂部は既に毛がほぼないし、ヒゲもないのだが、飄々としたところとかは似ている。…んー、ほんとはもっと似ている俳優の顔は思い浮かんでいるのだが名前を調べる手だてが無い。なので、フランキー先生にしておく (^_^;。あ、ちなみに岸部一徳にもちょっと似てる。
フランキー（違）先生にもまた改めて怪我の経緯を説明する。ベッドに横になり、触診などもしてもらう。
「膝蓋腱ってねー、そうそう切れるもんじゃないんですけどねぇ。うーん、両足ですか」
あーまた言われたー (′Д`;。
この病院では手術は月曜と木曜なのだそうだ。なので、7/7か7/10になるだろう、ということだった。
それから、レントゲンとMRIを撮ることになった。だが、この日は月曜日なので先生は午後から手術なのだという。MRIに緊急で撮るように言ったが、予約でいっぱいの中の合間で撮ることになるので、何時になるか分からないと言う。
「どうします？夕方まで待ってます？それとも、明日改めてお話しますか？」
うーーん、今日全部済ませた方がお義父さんの車の手間は少ないけど…さすがにお腹減ったヨー。
そんなわけで、この日はレントゲンとMRIを撮影して帰ることにして、翌日午後の診察予約をとった。
レントゲンやMRIの撮影場所は30mほど離れたところにあったので、足を引きずりながら歩いて行った。
レントゲンはすぐに終わった。一番奥にあるMRIの入り口付近に置いてある椅子に移動した。そして前評判通り、これがまた一向に呼ばれる気配がない。
そのうち、先ほどの整形のところの看護師さんが来て、一度整形のところに戻るように言われ、また歩いて戻った。で、一度レントゲンを先生と一緒に見て、まー見事に膝のお皿がズレているのを再確認した。
で、またMRI待ちになる。既に正午を回ろうとしている。病院内のレストランに行っちまおうか、とか思っていたら、また先ほどの看護師が、いつになるか分からないからやっぱりMRIの前で待っていて欲しいと言われた、と言って来た。はいはい。またビッコひいてMRI前に移動しますよ。
12時半になって、ようやくMRIに入った。
右膝の時にも受けたことあるけど、すごい機械だよね。中待合に貼ってあった警告ポスターに、あまりの強磁気に金属製ベッドなんかが引き寄せられちゃってる絵が描いてあって妙に感心する。
で、計測中のあの音。これは子どもとか無理だよねぇ。高齢の女性なんかも結構恐怖を覚えるんじゃないかな。なんか、「未知との遭遇」の中で宇宙人とのやり取りで使うメロディみたいだよなぁ、なんて思いながらじっとしていた。
このMRI担当の医師は二人とも細身長身で茶髪の長めの髪だった。なんだか、放射線科って他の科と若干ばかり雰囲気違う気がするけど、気のせいかな。
MRIの測定が終わると13時になっていた。いやはや混んでいるとは聞いていたが、たかだか初診受けてレントゲンとMRI撮るのに3時間半もかかるとは。結構疲れた。ケーブルを忘れて充電できなかったiPhoneは、残量30%くらいでなんとかもった。
しかし、この帰りの車の中で、俺はある思いに囚われていた。
今なら怪我をした左足にも体重をかけることができる。ビッコを引く形とは言え、それなりに歩ける。手術をしたらギプスを巻かれて体重もかけられなくなって、松葉杖なしでは歩けない身体になってしまう。手術をする前に、一度会社に行っていろいろケリをつけて来よう。俺は、その週のうちに1日だけでも出社したい旨を上司にメールした。
つづく。
保育園の年長クラスのイベントで、赤城山だかなんだかに2泊もするらしい。強制ではないのだが、うちの保育園の保護者達は熱心な人が多いのか、かなりの割合で参加するそうだ。
これまで長女は、近所に祖父母もいて、かなり不自由のない生活を送ってきた。多少モタモタグズっても、最後は誰かが助けてくれた。
でも、長女も来年には小学生だ。どんどん何でも自分でできるようにならなければならない。背も小さいし華奢だが、たくましくならなければならない。
なので、ウチも参加させることにした。結構いいお金かかるんだけどね。甘えん坊な長女にとって何かのキッカケになると思えば安過ぎなくらいだ。
それで、保育園の保育士からは、お風呂なんかを自分でできるようにしておくように言われた。恥ずかしながらウチではまだお風呂は世話していた。考えてみれば5歳の後半だ。自分でできなくてどうすんだ！早速、言われた晩から自分でやらせている。
最初のうちはなかなかうまくいかず、嫁さんの教え方もイマイチで (^_^;、洗いかけなのに放置なんてこともあったが、最近はかなり自分でやれるようになった。
キャンプでもどう成長してくれるのかな。
膝の怪我日記第4回。
あー、海にドライブ行きたい（去年の写真です）
(PentaxK-7, PentaxDA15mmLimitedF4, 1/160sec, F14.0, ISO100)
バンド練の帰りに、楽器を抱えて階段を1段抜かしで駆け下りている時に、左膝に異常を抱えた俺は、救急車を呼び病院へと運ばれた。
そこで下された診断は、5年前の右足と同じ、「膝蓋腱断裂」というものだった。
一人で落ち着いて考える時間を持てた俺は、ようやく怪我を冷静に受け容れることができるようになった。それでも、自宅に戻ると、怪我によって諦めなければならないいろいろなことが頭を巡り、なかなか眠ることができなかった。
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=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
救急搬送された病院から帰ってきた後は、午前4時まで寝つけなかったが、翌日は世間的には普通の平日だ。嫁さんは出勤するし、子ども達も保育園に行く。俺も7時過ぎには起きた。それで、上司とチームの先輩に第一報のメールを打った。
さすがに食欲がない。かなりゆっくり朝食を摂っている間に、嫁さんや子ども達は出かけて行った。彼女達は嫁さんのお父さんの車で保育園まで一緒に行く。俺が前日五郎丸（違）先生に紹介状を書いてもらった病院は保育園と同じ方向だが、軽自動車では定員オーバーになるので、帰って来てから行くことになっていた。
朝食を食べ終わって、左足を引きずりながら流しで食器を洗ってソファーに座る。また呆然としてしまう。
だが、10分ほどで我に返った。上司の返信メールがiPhoneに来たバイブ音がスイッチだった気がする。
そうだ、紹介状とかちゃんとカバン入れて行かなきゃ。そうだ、iPhoneも充電しておかなきゃ。呆然としていたってしょうがない。今やれることをやらなきゃ、治るものも治らんぞ。整形で有名な病院なので、外来はものすごく混むと聞いた。そうだ、会社の資格取得のためのテキストも持って行って読もう。このハンディを少しでも減らそう。
やっと少しだけ前向きになってきた。
9時頃になって、ウチの庭にお義父さんの車が入ってきた。よし、行くか！
病院に入ったのは9時半前頃だったろうか。待ち時間、診察に長時間かかることが予想されたのでお義父さんには、終了時に連絡することにして1度帰っていただいた。
総合受付を済ませ、整形外科の窓口に向かった。待ち合いスペースには、20人ではきかないくらいの人が座っている。うわ、これはかなりすごいぞ？
よく見ると、窓口も2つに分かれている。予約ありとなしだ。俺は当然予約なしだ。さらに、予約なしの窓口のところには、予約者から呼び、合間に予約なしの人を呼ぶということ、現在は午前8時〜8時半に来た非予約者を呼ぶ可能性があるということが書かれていた。じゃあ、最短でも1時間待ちか…。
書類を予約なし窓口に出すと、紹介状はないか、と聞かれた。おもむろに五郎丸（違）先生に書いてもらった紹介状も渡す。どうやら、紹介状もない場合はさらに扱いが下になるようだ。
振り返って待ち合いスペースを見る。かなり椅子が埋まっている。
太い柱の前の長椅子に一人分のスペースがあったので、座っている人に会釈してそこに腰掛ける。柱の前だけあって、通路にかなりはみ出す形で、曲げることのできない左足を投げ出すことになる。結構怖い。整形だけあって、松葉杖の人や車いすが結構通るのだ。
通路を通る人を警戒しつつも、iPhoneを取り出した。
実はこの6/30は、会社の部長が部を去る日だったのだ。5年前、松葉杖を突いて今の会社に出向き、面接を受けた相手がその部長だった。言ってみれば、俺を今の会社に採用してくれた部長というわけだ。今俺がとりかかっていた他部署とのコラボ仕事も、俺のことを見込んで指名し、いろいろアドバイスをくれたのもその部長だ。それが縁でなのかどうか知らないが、そのコラボ相手の部署に異動するのだという（俺のコラボ仕事と直接関わるわけではないようだが）。
部を去る、部長のお見送りセレモニー的なものもこの日あるはずだったのだが、参加できなくなってしまった。せっかく波に乗ってきたコラボ仕事からしばらく離れなくてはならないことと、お見送りできないことの詫びと、これまでの感謝をメールにしたためて、送った。
部長からはすぐに、他に怪我がないか、など気遣いのメールが送られてきた。
それからは、iPhoneでニュースサイトを見たり、持ってきた本を読んだりしていた。そのうち、通路から少し奥まったところにある椅子が空いたので移動した。それでも、予約なし窓口の呼び出し目安は「午前8時〜8時半に来られた方」から動く気配もなかった。こらアカンわ。
あ...朝充電する時に、いつも持ち歩いているケーブルをカバンから出して充電しちゃったから、USBのバッテリーを持っているのにiPhoneを充電できないことに気づく...。結構ずっと使っているから既に70%とかになっている。も、もたないってことはないだろうけど...。
10時半ごろになって、ようやく看護師が話を聞きに来た。膝ということだから、少し時間がかかるかもしれないが、膝の専門の医師が良いか？と言う。ここまで待ってそういうところで妥協するのは意味がない。もちろん、専門の医師にしてもらうようお願いをした。
それからさらに1時間。11時半過ぎになってようやく俺は医師と顔をあわせることができた。うぉ？やせたリリー・フランキー？？？
まあ実際にはフランキーを「いかにも医者」という感じで真面目な雰囲気にした感じだし、頭頂部は既に毛がほぼないし、ヒゲもないのだが、飄々としたところとかは似ている。…んー、ほんとはもっと似ている俳優の顔は思い浮かんでいるのだが名前を調べる手だてが無い。なので、フランキー先生にしておく (^_^;。あ、ちなみに岸部一徳にもちょっと似てる。
フランキー（違）先生にもまた改めて怪我の経緯を説明する。ベッドに横になり、触診などもしてもらう。
「膝蓋腱ってねー、そうそう切れるもんじゃないんですけどねぇ。うーん、両足ですか」
あーまた言われたー (′Д`;。
この病院では手術は月曜と木曜なのだそうだ。なので、7/7か7/10になるだろう、ということだった。
それから、レントゲンとMRIを撮ることになった。だが、この日は月曜日なので先生は午後から手術なのだという。MRIに緊急で撮るように言ったが、予約でいっぱいの中の合間で撮ることになるので、何時になるか分からないと言う。
「どうします？夕方まで待ってます？それとも、明日改めてお話しますか？」
うーーん、今日全部済ませた方がお義父さんの車の手間は少ないけど…さすがにお腹減ったヨー。
そんなわけで、この日はレントゲンとMRIを撮影して帰ることにして、翌日午後の診察予約をとった。
レントゲンやMRIの撮影場所は30mほど離れたところにあったので、足を引きずりながら歩いて行った。
レントゲンはすぐに終わった。一番奥にあるMRIの入り口付近に置いてある椅子に移動した。そして前評判通り、これがまた一向に呼ばれる気配がない。
そのうち、先ほどの整形のところの看護師さんが来て、一度整形のところに戻るように言われ、また歩いて戻った。で、一度レントゲンを先生と一緒に見て、まー見事に膝のお皿がズレているのを再確認した。
で、またMRI待ちになる。既に正午を回ろうとしている。病院内のレストランに行っちまおうか、とか思っていたら、また先ほどの看護師が、いつになるか分からないからやっぱりMRIの前で待っていて欲しいと言われた、と言って来た。はいはい。またビッコひいてMRI前に移動しますよ。
12時半になって、ようやくMRIに入った。
右膝の時にも受けたことあるけど、すごい機械だよね。中待合に貼ってあった警告ポスターに、あまりの強磁気に金属製ベッドなんかが引き寄せられちゃってる絵が描いてあって妙に感心する。
で、計測中のあの音。これは子どもとか無理だよねぇ。高齢の女性なんかも結構恐怖を覚えるんじゃないかな。なんか、「未知との遭遇」の中で宇宙人とのやり取りで使うメロディみたいだよなぁ、なんて思いながらじっとしていた。
このMRI担当の医師は二人とも細身長身で茶髪の長めの髪だった。なんだか、放射線科って他の科と若干ばかり雰囲気違う気がするけど、気のせいかな。
MRIの測定が終わると13時になっていた。いやはや混んでいるとは聞いていたが、たかだか初診受けてレントゲンとMRI撮るのに3時間半もかかるとは。結構疲れた。ケーブルを忘れて充電できなかったiPhoneは、残量30%くらいでなんとかもった。
しかし、この帰りの車の中で、俺はある思いに囚われていた。
今なら怪我をした左足にも体重をかけることができる。ビッコを引く形とは言え、それなりに歩ける。手術をしたらギプスを巻かれて体重もかけられなくなって、松葉杖なしでは歩けない身体になってしまう。手術をする前に、一度会社に行っていろいろケリをつけて来よう。俺は、その週のうちに1日だけでも出社したい旨を上司にメールした。
つづく。
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