NOBILES Days
Jump to navigationDestroyed again - (9) The substitute equipment
長女が2泊3日のキャンプに旅立った。
通っている保育園で行くのだが、母体組織内の大学の先生や学生が企画し、隣接する幼稚園の児童や先生達も一緒に行くのだそうだ。なので、親と離れて、初めての人たちとも一緒に行動をするわけだ。シャイな長女にとっては、なかなかチャレンジな環境だと思う。
このキャンプのために、大きなリュックなど各種の装備も一式揃えたし、風呂も自分でできるように特訓してきた。意外とあっという間に当日になった印象だ。
朝6時の集合ということで、準備のために嫁さんが4時半に起きると、もう少し遅くまで寝かせておくつもりだった長女も起きて、ハイテンションで話し始めた（ので俺も起きた）。楽しみにしていたためなのか、不安の裏返しなのかは分からない。でも少なくとも、小柄な身体には不釣り合いなリュックを背負って、満面の笑顔で出かけて行ったのにはちょっと頼もしさも覚えた。
長女がいないと、やっぱり部屋がぽっかり空いたようだ。次女がさぞ寂しがっていると思いきや、日頃の長女からの抑圧から解放されて、それはまあワガママ放題を尽くしていた (′Д`;。
Go to camp!
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/800sec, F2.5, ISO200)
さて、ちょっと（物欲日記に）脱線気味だったけど（いつものことか？）大怪我日記の本編へ戻ることにする。
バックナンバーはこちら。
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
(6) Almost got another injury
(7) The beauty focused on the retina
(8) The eye not beaten by water
7/1火曜日の診察を終えると、土曜日の入院まで病院に行く必要はなかった。入院前に一度会社に行くのは断念したが、他にも片付けておきたいことはいろいろある。
まず、結構髪が伸びていたので、2週間の監禁（入院だってば）前に切りたかった。
次に、7月後半の会社の夏休みで連れて行くつもりだった子ども達のスイミング教室のキャンセル。これは直接スクールに行かなければ返金してもらえないらしい。あと、救急搬送された病院の精算も、病院に直接行かなければならない。
だが、それぞれの用事のために嫁さんのお父さんに車出してくれ、なんていうのはさすがに憚（はばか）られた。
5年前は右足を怪我してしまったのだが、今回は左足だ。つまり、利き足である右足は健康だ。ドライビングポジションにさえ体が収まれば、アクセルとブレーキの操作には問題がないはずだ。
というわけで、7/2水曜の朝に試しに愛車の運転席に収まってみた。曲げられない左足はさすがに若干きつめだが、わずかにドライビングポジションをずらせば、視界や操作に問題はなさそうだ。よし、行ける！
そんなわけで、7/2水曜の午前、近くのショッピングセンター内の美容室にカットをしに行った。平日まっただ中だから断然空いてるだろうと思いきや、最大1時間半待ちだと言われる。えーーー？さすがカット専門激安店 (^_^;。
うーん、午前中にスイミング教室の払い戻しにも行きたかったが、しょうがない。施設内の本屋へ行って暇を潰すことにした。
この本屋は実は子どもの教養本がかなり充実している。なので、この日も見ていたらついつい子ども達に買ってやりたくなってしまった。病院での暇つぶしを買うつもりが結局、長女用のアルファベット練習本と、次女用のひらがな入門本を買っていた。うーむ。
1時間ほど経って美容室に戻った。ヨミ通り、それから5分ほどで呼ばれた。暇つぶしに行って戻ってこない連中が結構いるからだ。結構可愛らしい女性が担当になった。うふふふ（←そんなんばっか）。
左足に派手に装具を巻き付けているので、一体何事かというのは当然聞かれる。それでまあその経緯だったり、5年前にも反対の足でやってるとか、まあもはや持ちネタと化した話を一通りしたりする。で、入院前にさっぱりしたいんで来たとも話した。
そうしたら、なかなかいい感じに切ってくれた。うーん、前回来た時の男性の美容師さんより断然いい感じだよ。「頑張って手術受けてきまーす」なーんて調子のいいこと言って美容室を後にした。
美容室が終わったら正午を回ってしまった。とりあえず、ショッピングセンター内で弁当を買って家で食うことにする。気合い入れるために、和幸のミックスかつ弁当にした。
家で弁当食ってしばらくしてから、残りの2つの用件を片付けることにした。
まずは車で10分ほどのスイミング教室の払い戻しだ。春の短期スクールではまだまともに水に顔をつけられなかった長女と、自分は参加できず長女が羨ましくてプールサイドで地団駄踏んでいた次女を2人とも3日間の短期コースに参加させようと思ったのだが、退院できるかどうか微妙なタイミングである上に、足の自由が利かないのでは着替えなどもさせられないと思い、断腸の思いでキャンセルをすることになった。
曲がらない左足をえいやっと運転席にまた押し込み、出かけた。割と車の量の多い幹線道路なので、混んだり信号に引っかかったりで、本来のドライビングポジションから少しずれている姿勢では若干疲れてくる。
それでもスイミングに着き、受付のある2階までゆっくり登った。さ、キャンセルしよ…あれ？？
扉が開かない。そういえば、しーんと静まり返って人気もない。よく見ると扉のところに貼ってある営業案内に「水曜定休日」って書いてある。
定休日かよ！頑張って車運転して階段も登ったのに！！
なんだか無駄に情けない気分になってまたゆっくり階段を下りて車に戻った。
後は救急で搬送された病院の精算だが…その病院は直線距離で10kmくらい離れている上に、高速を使うか、かなり混んでいる国道を使うことになる。このスイミング教室に来るのでさえそこそこ疲れたのに、往復で1時間以上かかる見込みのあの病院に行けるとはとても思えなかった。
...おとなしく帰るか。
結局この日にやりたかった3つの用件のうち1つしか叶わなかった。もちろん、不可抗力な部分もあるが、「車を運転できて、怪我をしてもまだまだ社会の中でも使える人間なんだぜ」なんてちょっと思っていただけに、結局ろくにできないんじゃないか、なんてネガティブな気持ちになった。
そうは言っても意地を張るつもりもない。その日のうちに、嫁さんのお父さんにお願いして、入院する前の2日のどちらかで、残りの2件のために車を出していただけるようお願いした。
そんなわけで、翌7/3木曜日に、救急搬送された病院へ精算をしに、お義父さんの車に乗って向かった。
ここで改めて説明すると、俺が怪我をしたのは6/29日曜日の午後10時頃だった。なので、救急搬送された病院の窓口業務は終了していて、精算ができなかったのだ。
結構な距離があるので、2区間とはいえ高速まで乗った。
怪我した当日はカーナビのついているクラウンで来てくださったが、今回は俺のiPhone＋Google先生でナビできるということで、軽自動車で向かった。先述したが、このクラウンについてるナビが、聞いたことないようなメーカーの2万円くらいの爆安もので、嫁さんなんかは「クソナビ」なんて呼んでいる代物だった。おかげで、なかなか病院に辿り着けなかった経緯があった。
ところが、iPhoneにナビさせたら、何の苦労もなく着いた。まあ、確かに古い団地で道は細いし、迎えにきてくれた時は夜だったのだから分かりづらかったんだろうけど。今回は途中でその病院へ向かう送迎バスが前に現れたのでついて行くだけで良かったこともある。
病院は団地の外れにあって、裏が森になっていた。中は昭和の雰囲気と言ったが、意外にも外装は綺麗だった。茶色でちょっとおしゃれな感じだ。
駐車場は病院の裏手、森が見える側にあった。駐車場側の裏の入り口から病院に入ると、やっぱり中は多少昭和な雰囲気はあって、総合病院ながら若干狭い印象を受けた。それでも、吹き抜けのあるロビーは明るく、いい雰囲気だった。
受付に並んでいると、なんだかギスギスした雰囲気のおばちゃんが俺の前に割り込んで先に事務員に話しかけていた。おいおい、何やらこの明るい雰囲気にそぐわないおばちゃんだな。なんだかまた暗い気持ちになる。
気を取り直して俺の番になって、診察券と精算のお知らせ用紙みたいなのを提出した。
「あ、あと、装具返すのはここでいいんですか？」
持ってきた装具（ニーブレス）を示した。
「え、えーと、それはナースステーションに聞いていただけますか。10番です」
あいよ。左足びっこを引きながら10番の扉を探しに歩いて行った。
受付から、少し奥に行き、左の広い廊下に入って行くと、見覚えのある風景だった。ああ、ここは嫁さんと嫁さんのお父さんの到着を待った場所だな。その奥の方に一際人の出入りが激しい部屋があった。10番。ああ、ここか。
「すみません」
忙しそうに仕事をしている看護師の一人に恐る恐る声をかけた。4日前に救急で来たこと、そのときに貸してもらった装具を返しに来たことを伝えた。
「え…いや…その…」
なんだかものすごく困った顔をされた。なんだ？なんか問題でも？
「あの…装具は買い取りのはずなんですが…衛生的なこともあるので…」
…はい？？？
サーーッと顔が青ざめてきた。装具は確かに、肌に直接触れるものだ。人が使ったもの使えと言われるとちょっと嫌だ。
救急で来たときの看護師さんとの会話を思い出してみる。「後日精算の際に、装具の話もすることになると思います」…レンタルとは確かに言っていない。でもでも、精算とは別に装具の話って言われると買い取りではないようにもとれないかい？？
そう思ったら、奥の方にその看護師さんがいた。うーーーアンタ紛らわしい言い方してくれたな！...なーんて、忙しそうだから声はかけなかったが…。
結局、装具は買い取りになってしまった。大台には行かないが、結構近い額だ。
それにしても、返すべく持って来たその装具もとても綺麗でどう見ても新品のものだ。レンタルという感じではない。なんで貸してもらったものだなんて解釈してしまったのだろう。やっぱり、松葉杖の印象（3ヶ月お世話になってから返却した）があったからだろうか。
「まあ、これから暑いですから、洗い替えということで、すみませんがお買い取りということで...」
一応、医師の診断書みたいなのがついていて、それを健保だかなんだかに提出するといくらか補助金のようなものがいくらか帰ってくるということだったが、なんだか慰めにもならなかった。
良く考えると、5年前にも装具は使ったはずだが、あれはどうしたんだろう？
…あの時は手術後は1ヶ月近くギプス巻いていたが、手術前は装具を使っていたはずだ。ギプスを割った後、使ったかどうか記憶がない。写真も全く残っていない。人の写真は腐るほど撮ってるが、自分の写真は驚くほどないのよね。
うーん。装具は手術とともに回収されたんじゃなかろうか。少なくとも今は家に残っていない。
まあ5年前のことを言ってもしょうがない。まあ、看護師さんの言葉じゃないけど、「洗い替え」ということで諦めて持って帰ることにした。とりあえず、また気分的にガッカリしてしまった。
帰り道もiPhone＋Google先生のナビで帰る。行きとは違う経路が示された。あ、行きは途中俺のナビを無視してお義父さんが曲がっちゃったのもあるけど (^_^;。エラい狭い道に導かれる。なんだか山道のようだ。え、まじでここから帰れるの？と不安になるが、ちょうど他の車が前を走っていたので、それについていく形になった。ものすごい登り道を抜けると、急に視界が開けた。なんだか工業団地みたいなところに出た。ここまでくれば国道までもうすぐだ。良かった。やっぱりGoogle先生は正しかった。
それから行きと同じ区間高速に乗り、今度は前日に叶わなかった用事をこなしに行く。子どもが参加する予定だった短期スイミングスクールのキャンセルだ。
既に時間は正午に近かった。スイミングスクールは受付が2階にあり、そこに登って行く階段の下では送迎バスの洗車が行われていた。一般車の駐車場は他にあるということは承知していたが、別にプールを利用しにきたわけではないので、そのバスの脇にちょいと停めさせてもらうことにした。
階段を片足ずつ上って、前日定休日で閉まっていて途方に暮れた扉を通り、受付に辿り着いて、キャンセルする旨伝えた。
実は事前に電話した際、レシートを持参するように言われていたが、まさかこんなことになろうとは思っていないし、既に1１ヶ月半以上経過していたので捨ててしまっていた。嫁さんが半ギレでゴルァ電して、受講票で返金してくれるように話はしていたのだが、改めてそう伝えると、やっぱり若干嫌そうな顔はされた。しかも、印鑑持って来ないというていたらく。
それでも、直筆の署名をして、まあまあ手間を取らせて2人分8000円を返金してくれた。なんだか申し訳なくなったので、装具を付けた左足を見せて、「自分が連れて来て着替えとかさせるつもりだったんですが、こうなっちゃって。ほんとに申し訳ないです。またぜひ連れてきますから！」と言うと、パッとスタッフの表情も変わった。
「これから手術ですか？頑張ってください」
あい、ありがと。
それにしても、本当に子ども達にはスイミングさせたかったのだが、残念だった。
こうしてお義父さんの助けを借りて、ようやく入院前に済ませたかったことは完了させることができた。後は家まで帰るだけ、と思ったら「もう昼だな、弁当でも買って行くか！」なんて言って、わざわざ家とは全く逆方向の、結構高価な弁当屋まで行き、幕の内弁当を買ってくれた。手術・退院後はもっと使い物にならない状態で帰ってくるだろうから、ますますお世話にかけちゃうなぁ、なんて思いながら自宅で弁当を食った。なんだかますます情けなくなってきた。
あっ！
もう一つやっておかなければならないことがあったのを思い出した。定期券だ。最低でも2ヶ月は会社に行けないだろうから、一度払い戻しておかなければならない。5年前はそれに気づくのに1ヶ月近くかかってだいぶ損をした。
よし、最寄りのローカル駅まで行こう！また曲がらない足を運転席に無理矢理突っ込んで、車で出かけた。
これは正解だった。6ヶ月定期を買ってまだ1ヶ月以内だったので、1ヶ月定期代と手数料220円を引かれただけで、結構いい額が戻ってきた。
翌7/4金曜日はメダカの水換えと、入院用の荷物のパッキングを行ったりして過ごした。
つづく。
通っている保育園で行くのだが、母体組織内の大学の先生や学生が企画し、隣接する幼稚園の児童や先生達も一緒に行くのだそうだ。なので、親と離れて、初めての人たちとも一緒に行動をするわけだ。シャイな長女にとっては、なかなかチャレンジな環境だと思う。
このキャンプのために、大きなリュックなど各種の装備も一式揃えたし、風呂も自分でできるように特訓してきた。意外とあっという間に当日になった印象だ。
朝6時の集合ということで、準備のために嫁さんが4時半に起きると、もう少し遅くまで寝かせておくつもりだった長女も起きて、ハイテンションで話し始めた（ので俺も起きた）。楽しみにしていたためなのか、不安の裏返しなのかは分からない。でも少なくとも、小柄な身体には不釣り合いなリュックを背負って、満面の笑顔で出かけて行ったのにはちょっと頼もしさも覚えた。
長女がいないと、やっぱり部屋がぽっかり空いたようだ。次女がさぞ寂しがっていると思いきや、日頃の長女からの抑圧から解放されて、それはまあワガママ放題を尽くしていた (′Д`;。
Go to camp!
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/800sec, F2.5, ISO200)
さて、ちょっと（物欲日記に）脱線気味だったけど（いつものことか？）大怪我日記の本編へ戻ることにする。
バックナンバーはこちら。
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
(6) Almost got another injury
(7) The beauty focused on the retina
(8) The eye not beaten by water
7/1火曜日の診察を終えると、土曜日の入院まで病院に行く必要はなかった。入院前に一度会社に行くのは断念したが、他にも片付けておきたいことはいろいろある。
まず、結構髪が伸びていたので、2週間の監禁（入院だってば）前に切りたかった。
次に、7月後半の会社の夏休みで連れて行くつもりだった子ども達のスイミング教室のキャンセル。これは直接スクールに行かなければ返金してもらえないらしい。あと、救急搬送された病院の精算も、病院に直接行かなければならない。
だが、それぞれの用事のために嫁さんのお父さんに車出してくれ、なんていうのはさすがに憚（はばか）られた。
5年前は右足を怪我してしまったのだが、今回は左足だ。つまり、利き足である右足は健康だ。ドライビングポジションにさえ体が収まれば、アクセルとブレーキの操作には問題がないはずだ。
というわけで、7/2水曜の朝に試しに愛車の運転席に収まってみた。曲げられない左足はさすがに若干きつめだが、わずかにドライビングポジションをずらせば、視界や操作に問題はなさそうだ。よし、行ける！
そんなわけで、7/2水曜の午前、近くのショッピングセンター内の美容室にカットをしに行った。平日まっただ中だから断然空いてるだろうと思いきや、最大1時間半待ちだと言われる。えーーー？さすがカット専門激安店 (^_^;。
うーん、午前中にスイミング教室の払い戻しにも行きたかったが、しょうがない。施設内の本屋へ行って暇を潰すことにした。
この本屋は実は子どもの教養本がかなり充実している。なので、この日も見ていたらついつい子ども達に買ってやりたくなってしまった。病院での暇つぶしを買うつもりが結局、長女用のアルファベット練習本と、次女用のひらがな入門本を買っていた。うーむ。
1時間ほど経って美容室に戻った。ヨミ通り、それから5分ほどで呼ばれた。暇つぶしに行って戻ってこない連中が結構いるからだ。結構可愛らしい女性が担当になった。うふふふ（←そんなんばっか）。
左足に派手に装具を巻き付けているので、一体何事かというのは当然聞かれる。それでまあその経緯だったり、5年前にも反対の足でやってるとか、まあもはや持ちネタと化した話を一通りしたりする。で、入院前にさっぱりしたいんで来たとも話した。
そうしたら、なかなかいい感じに切ってくれた。うーん、前回来た時の男性の美容師さんより断然いい感じだよ。「頑張って手術受けてきまーす」なーんて調子のいいこと言って美容室を後にした。
美容室が終わったら正午を回ってしまった。とりあえず、ショッピングセンター内で弁当を買って家で食うことにする。気合い入れるために、和幸のミックスかつ弁当にした。
家で弁当食ってしばらくしてから、残りの2つの用件を片付けることにした。
まずは車で10分ほどのスイミング教室の払い戻しだ。春の短期スクールではまだまともに水に顔をつけられなかった長女と、自分は参加できず長女が羨ましくてプールサイドで地団駄踏んでいた次女を2人とも3日間の短期コースに参加させようと思ったのだが、退院できるかどうか微妙なタイミングである上に、足の自由が利かないのでは着替えなどもさせられないと思い、断腸の思いでキャンセルをすることになった。
曲がらない左足をえいやっと運転席にまた押し込み、出かけた。割と車の量の多い幹線道路なので、混んだり信号に引っかかったりで、本来のドライビングポジションから少しずれている姿勢では若干疲れてくる。
それでもスイミングに着き、受付のある2階までゆっくり登った。さ、キャンセルしよ…あれ？？
扉が開かない。そういえば、しーんと静まり返って人気もない。よく見ると扉のところに貼ってある営業案内に「水曜定休日」って書いてある。
定休日かよ！頑張って車運転して階段も登ったのに！！
なんだか無駄に情けない気分になってまたゆっくり階段を下りて車に戻った。
後は救急で搬送された病院の精算だが…その病院は直線距離で10kmくらい離れている上に、高速を使うか、かなり混んでいる国道を使うことになる。このスイミング教室に来るのでさえそこそこ疲れたのに、往復で1時間以上かかる見込みのあの病院に行けるとはとても思えなかった。
...おとなしく帰るか。
結局この日にやりたかった3つの用件のうち1つしか叶わなかった。もちろん、不可抗力な部分もあるが、「車を運転できて、怪我をしてもまだまだ社会の中でも使える人間なんだぜ」なんてちょっと思っていただけに、結局ろくにできないんじゃないか、なんてネガティブな気持ちになった。
そうは言っても意地を張るつもりもない。その日のうちに、嫁さんのお父さんにお願いして、入院する前の2日のどちらかで、残りの2件のために車を出していただけるようお願いした。
そんなわけで、翌7/3木曜日に、救急搬送された病院へ精算をしに、お義父さんの車に乗って向かった。
ここで改めて説明すると、俺が怪我をしたのは6/29日曜日の午後10時頃だった。なので、救急搬送された病院の窓口業務は終了していて、精算ができなかったのだ。
結構な距離があるので、2区間とはいえ高速まで乗った。
怪我した当日はカーナビのついているクラウンで来てくださったが、今回は俺のiPhone＋Google先生でナビできるということで、軽自動車で向かった。先述したが、このクラウンについてるナビが、聞いたことないようなメーカーの2万円くらいの爆安もので、嫁さんなんかは「クソナビ」なんて呼んでいる代物だった。おかげで、なかなか病院に辿り着けなかった経緯があった。
ところが、iPhoneにナビさせたら、何の苦労もなく着いた。まあ、確かに古い団地で道は細いし、迎えにきてくれた時は夜だったのだから分かりづらかったんだろうけど。今回は途中でその病院へ向かう送迎バスが前に現れたのでついて行くだけで良かったこともある。
病院は団地の外れにあって、裏が森になっていた。中は昭和の雰囲気と言ったが、意外にも外装は綺麗だった。茶色でちょっとおしゃれな感じだ。
駐車場は病院の裏手、森が見える側にあった。駐車場側の裏の入り口から病院に入ると、やっぱり中は多少昭和な雰囲気はあって、総合病院ながら若干狭い印象を受けた。それでも、吹き抜けのあるロビーは明るく、いい雰囲気だった。
受付に並んでいると、なんだかギスギスした雰囲気のおばちゃんが俺の前に割り込んで先に事務員に話しかけていた。おいおい、何やらこの明るい雰囲気にそぐわないおばちゃんだな。なんだかまた暗い気持ちになる。
気を取り直して俺の番になって、診察券と精算のお知らせ用紙みたいなのを提出した。
「あ、あと、装具返すのはここでいいんですか？」
持ってきた装具（ニーブレス）を示した。
「え、えーと、それはナースステーションに聞いていただけますか。10番です」
あいよ。左足びっこを引きながら10番の扉を探しに歩いて行った。
受付から、少し奥に行き、左の広い廊下に入って行くと、見覚えのある風景だった。ああ、ここは嫁さんと嫁さんのお父さんの到着を待った場所だな。その奥の方に一際人の出入りが激しい部屋があった。10番。ああ、ここか。
「すみません」
忙しそうに仕事をしている看護師の一人に恐る恐る声をかけた。4日前に救急で来たこと、そのときに貸してもらった装具を返しに来たことを伝えた。
「え…いや…その…」
なんだかものすごく困った顔をされた。なんだ？なんか問題でも？
「あの…装具は買い取りのはずなんですが…衛生的なこともあるので…」
…はい？？？
サーーッと顔が青ざめてきた。装具は確かに、肌に直接触れるものだ。人が使ったもの使えと言われるとちょっと嫌だ。
救急で来たときの看護師さんとの会話を思い出してみる。「後日精算の際に、装具の話もすることになると思います」…レンタルとは確かに言っていない。でもでも、精算とは別に装具の話って言われると買い取りではないようにもとれないかい？？
そう思ったら、奥の方にその看護師さんがいた。うーーーアンタ紛らわしい言い方してくれたな！...なーんて、忙しそうだから声はかけなかったが…。
結局、装具は買い取りになってしまった。大台には行かないが、結構近い額だ。
それにしても、返すべく持って来たその装具もとても綺麗でどう見ても新品のものだ。レンタルという感じではない。なんで貸してもらったものだなんて解釈してしまったのだろう。やっぱり、松葉杖の印象（3ヶ月お世話になってから返却した）があったからだろうか。
「まあ、これから暑いですから、洗い替えということで、すみませんがお買い取りということで...」
一応、医師の診断書みたいなのがついていて、それを健保だかなんだかに提出するといくらか補助金のようなものがいくらか帰ってくるということだったが、なんだか慰めにもならなかった。
良く考えると、5年前にも装具は使ったはずだが、あれはどうしたんだろう？
…あの時は手術後は1ヶ月近くギプス巻いていたが、手術前は装具を使っていたはずだ。ギプスを割った後、使ったかどうか記憶がない。写真も全く残っていない。人の写真は腐るほど撮ってるが、自分の写真は驚くほどないのよね。
うーん。装具は手術とともに回収されたんじゃなかろうか。少なくとも今は家に残っていない。
まあ5年前のことを言ってもしょうがない。まあ、看護師さんの言葉じゃないけど、「洗い替え」ということで諦めて持って帰ることにした。とりあえず、また気分的にガッカリしてしまった。
帰り道もiPhone＋Google先生のナビで帰る。行きとは違う経路が示された。あ、行きは途中俺のナビを無視してお義父さんが曲がっちゃったのもあるけど (^_^;。エラい狭い道に導かれる。なんだか山道のようだ。え、まじでここから帰れるの？と不安になるが、ちょうど他の車が前を走っていたので、それについていく形になった。ものすごい登り道を抜けると、急に視界が開けた。なんだか工業団地みたいなところに出た。ここまでくれば国道までもうすぐだ。良かった。やっぱりGoogle先生は正しかった。
それから行きと同じ区間高速に乗り、今度は前日に叶わなかった用事をこなしに行く。子どもが参加する予定だった短期スイミングスクールのキャンセルだ。
既に時間は正午に近かった。スイミングスクールは受付が2階にあり、そこに登って行く階段の下では送迎バスの洗車が行われていた。一般車の駐車場は他にあるということは承知していたが、別にプールを利用しにきたわけではないので、そのバスの脇にちょいと停めさせてもらうことにした。
階段を片足ずつ上って、前日定休日で閉まっていて途方に暮れた扉を通り、受付に辿り着いて、キャンセルする旨伝えた。
実は事前に電話した際、レシートを持参するように言われていたが、まさかこんなことになろうとは思っていないし、既に1１ヶ月半以上経過していたので捨ててしまっていた。嫁さんが半ギレでゴルァ電して、受講票で返金してくれるように話はしていたのだが、改めてそう伝えると、やっぱり若干嫌そうな顔はされた。しかも、印鑑持って来ないというていたらく。
それでも、直筆の署名をして、まあまあ手間を取らせて2人分8000円を返金してくれた。なんだか申し訳なくなったので、装具を付けた左足を見せて、「自分が連れて来て着替えとかさせるつもりだったんですが、こうなっちゃって。ほんとに申し訳ないです。またぜひ連れてきますから！」と言うと、パッとスタッフの表情も変わった。
「これから手術ですか？頑張ってください」
あい、ありがと。
それにしても、本当に子ども達にはスイミングさせたかったのだが、残念だった。
こうしてお義父さんの助けを借りて、ようやく入院前に済ませたかったことは完了させることができた。後は家まで帰るだけ、と思ったら「もう昼だな、弁当でも買って行くか！」なんて言って、わざわざ家とは全く逆方向の、結構高価な弁当屋まで行き、幕の内弁当を買ってくれた。手術・退院後はもっと使い物にならない状態で帰ってくるだろうから、ますますお世話にかけちゃうなぁ、なんて思いながら自宅で弁当を食った。なんだかますます情けなくなってきた。
あっ！
もう一つやっておかなければならないことがあったのを思い出した。定期券だ。最低でも2ヶ月は会社に行けないだろうから、一度払い戻しておかなければならない。5年前はそれに気づくのに1ヶ月近くかかってだいぶ損をした。
よし、最寄りのローカル駅まで行こう！また曲がらない足を運転席に無理矢理突っ込んで、車で出かけた。
これは正解だった。6ヶ月定期を買ってまだ1ヶ月以内だったので、1ヶ月定期代と手数料220円を引かれただけで、結構いい額が戻ってきた。
翌7/4金曜日はメダカの水換えと、入院用の荷物のパッキングを行ったりして過ごした。
つづく。
nobilesの投稿(23:31:33-2014-08-04) -
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