NOBILES Days
Jump to navigationDestroyed again - (10) The day before
手術を受けてから、今日でちょうど1ヶ月が経った。
先日のリハビリから膝曲げを開始した。5年前の右膝の時は、6週間経ってからだったので、2週間以上早い。やはり、ギプスで固めなかった分、筋肉などを使わなかった時間も短かったからだろう。5年前は曲げ始めは20度までしかいかなかったが、今回はあっさり45度曲がった。
とは言え、45度ではまだまだ椅子に座っているのも辛い状況だ。装具を付けていないと、歩くのも危険だ。加えて、最近の暑さで外出するのも憚（はばか）られる。回復状況は5年前と比べると良好だが、季節的には厳しい時期だな！
保育園の夏祭りにて
これ、自主的に並んでおやつ食べ始めたんだよね。仲良いよね。その一番手前で姉妹揃って座ってるウチの娘たち。
(PentaxK-3, TamronA14(28.0mm), 1/100sec, F4.5, ISO100)
そんなわけで、大怪我日記の第10回。やっと手術前日の話だよ (^_^;。
バックナンバーはこちら。
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
(6) Almost got another injury
(7) The beauty focused on the retina
(8) The eye not beaten by water
(9) The substitute equipment
さあ、7/5土曜日は入院だ。
もともと土曜の午前は長女のピアノ教室だったが、当然それはお休みにした。午前10時半までに病院到着ということで、前日にパッキングしたトランクをお義父さんの軽自動車に積み込んで向かった。子ども達は嫁さんの実家におばあちゃんと留守番だ。
病院に着くと、一旦お義父さんは帰り、俺と嫁さんだけで病院に入った。
入院受付に行くと、事務員が病棟に連れて行ってくれた。
エレベーターで5階に上がる。そこが整形外科の病棟のようだ。ちなみに4階は産婦人科で、子どもが生まれたときには良く来ていた。
今年の末には役目を終える病棟は、結構ごちゃごちゃしていて、若干薄暗い。廊下のかなり奥の方まで進んで、ようやく俺の入る病室の辿り着いた。
…かなり広い。12畳くらいはあるだろうか、縦長の部屋の窓に近いところに、ベッドが横に置いてある。ドア側の壁には洗面台があり、その前に木目化粧板の物置が置いてある。ドアから1m強のところに縦長の部屋を横断するようにカーテンレールがあり、洗面台および物置と、ベッドのエリアをカーテンで仕切れるようになっていた。
ベッドはドア側から見て左側が頭側になっていて、その手前にテレビ台があった。テレビ台の下には小さな冷蔵庫が納められていた。その上に乗っているテレビは、14インチの4:3液晶のようだった。どう見ても地デジ対応ではないのだが、こういう施設向けの再配信でも入れているのだろうか。
窓の下には、壁沿いに巨大な、いかにも古そうなクーラーがあった。そこから50cmくらい離れて平行にベッドがある。結構寒そうだな。
ああ、どうやら5年前の病院のようなLANの端子はやっぱりないみたいだね (´･ω･`)。
窓の外に見えるのは、向かいにある病棟だ。決して風光明媚ではない。部屋の中もまあ、なんとも無機質というかなんと言うか、無駄に広い。こんだけ広いのに、物を置くスペースが全然ない。物置はベッドからかなり遠いし、テレビ台についている引き出しは小物くらいしか入らない。
とりあえずトランクは、窓側の壁沿いのクーラー脇のスペースに置いた。ここならベッドに寝ていても手を伸ばせば届く位置だ。
部屋に入って数分したら、看護師さんが2人で入院に関する説明にやってきた。
1人はすらっとしてスタイルがいい。顔ちっちゃ！ノーメイクに近いが、目鼻立ちがハッキリしていて、常盤貴子に似ている。もう1人は、ちょっと小動物系だ。背が低いわけではないのだが、ホワンとした感じ。きっとAKBに似た感じの子がいるに違いないと思って調べたのだが（←ヒマすぎ）、川栄李奈？ああいう感じの顔だ。
常磐ちゃん（違）から促されるようにして川栄ちゃん（違）が説明を始めた。あれ？ちょっと訛りが感じられる。しかもかなりまごついた感じだ。川栄ちゃん、どうやら新人さんらしい。
「えっと、この病院では、痛みを数字で尋ねることがあります。」
「あ、数値と言われても難しいよ、と思うかもしれないですが、まあ、最大の痛みを10として、今はいくつくらいかな、って感じでおっしゃってください。」
フォローするように常磐ちゃんが口を挟む。どー捉えても体育会系の竹を割ったような元気な声だ (^_^;。元気良すぎて若干早口で先走りすぎな感じもあるけど、なんか一生懸命な感じが微笑ましい。
「月曜日が手術ですよねッ。私、月曜の夜勤なんで、一緒に頑張りましょうねッ！」
なんて言って、顔の前辺りで両方の拳をグッと握るようなポーズをとった。うん、君と一緒なら頑張れるかも♪←ばか
その後、リハビリ室に連れて行かれ、松葉杖のサイズ合わせを行った。手術してヨレヨレになる前の元気な状態でやってくれるのはありがたい。何しろ5年前にガンガン松葉杖使っていたので、いきなりモリモリ歩いて驚かれた (^_^;。
病室に戻ってくると、外泊証をもらった。入院後すぐに外泊する旨は先生からちゃんとナースステーションに伝えられていたようだ。
そんなわけで、入院後わずか1時間ちょっとで、俺は嫁さんとともに病院を出た (^_^;。お義父さんが迎えに来てくれるまでの間に、病院近くのステーキハウスに昼飯を食いに行った。嫁さんと二人だけで食事なんて久々だった。ステーキ丼がかなり豪華で、病院の質素飯に入る前の最後の晩餐（ランチだけど）のようだった。
さて、先述したように、入院直後にも関わらず外泊するのは、子ども達の保育園の夏祭りに参加するためだ。特に長女にとっては最終年なので、なんとしても参加して、浴衣姿を目とCMOS（デジカメって言えよ）に焼き付けておきたかった。
この日は天気がかなり微妙な状況で、飴色の雲が立ちこめていて、実際昼過ぎには少し雨がぱらついていた。雨になってしまうと、夏祭りは室内となってしまい、風情なんて吹っ飛んでしまう。なんとか園庭で開催してもらいたいと思ったが、夕方に向かってだんだん雲は少なくなっていった。さすが長女は晴れ女だ。
嫁さんの実家で長女と次女に浴衣を着付けをした。考えてみると、これまで4回夏祭りに参加したはずだが、悉く（ことごとく）「ジンベエ」を着てしまっていたので、夏祭りで浴衣を着るのはこれが初めてだ。次女にとっても初めての浴衣だったので、出発前に記念撮影をして出かけた。
何しろ装具を左足に巻いて歩いているので目立つ。それでも気にせず、祭りを前に友達と戯れる娘達をガシガシと撮影した。
夏祭りの一番最初に、建物の中のホールで仏様にお祈りするセレモニー的なものが行われた。この保育園は、こういう場面で写真を撮るのは少し厳しいところがあるのだが、足の怪我を見て先生が用意してくれた最後列の椅子に座っていたのをいいことに、望遠でその模様を撮影していた。すると、お花を供えてお祈りをする6人に長女が選抜されていたらしく、神妙な顔でお花を供える様子を撮影できた。
歌を歌ったり、お経を読んだりして、儀式が終盤に差し掛かる頃、嫁さんが俺をつついた。
「ね、終わって混む前にもう部屋出ておこう。ほら、早く」
いや、そこまで気にしなくても、と思って椅子から立ち上がろうとしたら、かなりツルツルした床で見事に滑った。とっさに患部の左足で踏ん張ろうとして、太ももの筋肉が反応してしまった。
ゴン！
どうせ既に腱が切れているのでそれ以上切れようはないし、既にお皿も本来の位置より上にいたわけだが、そこからさらに無理矢理太ももが引っ張ったものだから、お皿と太ももの骨が当たったかのような鈍痛が走った。
踏ん張った甲斐あって幸い転倒は免れたが…怪我人を焦らせないでくれよー。
その後は、園庭に出てクラスごとの記念撮影だった。カメラをインターバル撮影モードにして放置し、自分も写真に収まるというテクニックを駆使した (^_^;。
撮影が終わると、園庭の隅で迎え火が行われた。それから、盆踊りとなった。次女が長女のところにやってきて、一緒に踊っていた。長女のクラスの友達同士はかなり仲が良く、踊っている間もお互いじゃれ合ったりして微笑ましかった。だが、辺境の保育園だけに、小学校ではほとんどバラバラになってしまうのが残念だ。
保育園では公式の卒園アルバムは作られないようなので、自主的に作る話が進んでいる。そのネタにもなるようにと、なるべくクラスの子達の写真も撮った。左足利かないくせに。
その後は模擬店コーナーだった。保護者会が準備したもので、一応金魚すくい的な「おもちゃすくい」だったり、お菓子のつかみどりみたいなものがあって、まあ一応お祭り的な雰囲気を体感できるようになっている。最終的にはみんな同じものをもらえるのだが、子ども達にとってはワクワク感があるみたいだ。
そんなこんなで、閉会式も終わってお開きとなった。卒園アルバムのために、ちょいと園内の風景を撮ったりしてから、お義父さんの車が迎えにくるのを待って帰った。その日はそのまま嫁さんの実家で夕飯を食い、自宅で寝た。
翌日は自宅でひたすらのんびり過ごした。この日の消灯時間である21時までには病院に戻るように言われていた。入院前だからと言って特に豪華と言うわけでもなく、焼き魚かなんかの普通の飯を食って、風呂に入ってからまた病院へ向かった。あ、衛生上だかしらないけど、風呂入ってから帰って来てくれ、と言われていたからだ。
ちなみに、翌日手術受ける人間だけど、米研いだよ。
病院には19時頃戻った。
この日の夜勤は、最初に説明しにきてくれた新人ナースの川栄ちゃん（違）だった。左腕に、入院患者がつけるタグを巻いてくれた。相変わらず話す速度が遅いなー。まあ癒し系ではあるけど。
で、早速トランクから、新しく買ったMacBookProとTry!UQWiMaxを取り出して、インターネット接続を試みた。
...なんだこの遅さは。
ISDNに毛が生えた程度の速度しか出ない。どうやら、基地局が500mほど離れた場所にしかないようだ。えー、200m程度のところに駅があるのに？？？いくら通信制限のないUQWiMaxでも、この速度では結構辛いな。
それでも、自宅のMacProへの接続を試みる。「どこでもMyMac」（リモート）でつなげば、自宅とまったく同じ環境で作業できる。通信速度が遅くとも、操作のきっかけだけ与えれば、光回線につながっているMacProでいろいろ処理ができるからだ。そのために、2時間に1回、10分間だけスリープを解除して接続を待つようなタイマーまでしかけてきたのだ。
…う…こりゃ厳しいな。MacProの画面は表示されるが、マウスの動きはとてもリアルタイムとは言えない。たとえばドラッグ＆ドロップなんてあまりに時間掛かり過ぎて怖くて出来ない。そもそも、ホールドしているという情報自体途中で切れてしまってどこに落とされるか分かったもんじゃない。だんだん、思い描いていたインフラはとても実現できそうにないな、という感触になりつつあった。っていうか、5年前の環境が良すぎたのかもしれないが。
ここで、もう一つやりたかったことを試してみた。MacBookProから自分にFacetimeをかけて、リモートで繋いである自宅のMacPro側で受けるのだ。そうすると、自宅の子ども達とテレビ電話状態を実現できると思っていたのだ。
通信がくっそ遅い中でもMacPro側のFacetimeを起動した。おお、かなり細切れではあるけど、自宅の今の風景が見れるではないか。子ども達がわらわらとソファの前でじゃれ合って遊んでいる。よし。
おもむろにMacBookProのFacetimeで、自分自身にテレビ電話をかける。すぐに、リモート画面のMacProで応答ボタンを押す。すると、呼び出し音に気づいて子ども達が振り返るのが見えた。
「あーー、パパーー！ママー、パパだよー！」
MacPro側にも、俺の顔が映し出された。おお、ちゃんとつながるじゃないか。
一応向こうの音も聞こえるが、こちらの声は聞こえないらしい。全然会話にならない。そのうち長女が、嫁さんの足に抱きつくような仕草をしだし、そのうち、リビングを出て行ってしまった。
Facetimeを終了してしばらくすると、嫁さんからメールが来た。どうやら長女は寂しくなって泣いてしまったのだという。な、なんていじらしいんだろう。同時に、そうやって子ども達に寂しい思いをさせてしまっている自分が情けなくなった。
そんなことをしているうちに、21時の消灯になった。川栄ちゃん（違）がやってきて「電気どうしますか？個室だから自由にして良いのですけど」。おお、そうか。やっぱり個室スゲー。
とりあえず、通路側にある洗面台の蛍光灯だけを残し、ベッドの上にある2本の電気は消してもらった。ベッドの頭上にある読書灯らしきライトを点けてみたが、猛烈に明るくて眩しいので、結局消してしまった。
この日はF-1のイギリスGPの決勝があった。テレビはCSはもちろんBSも受信できなかったので、モータースポーツサイトのTwitterを見ることで、なんとなくレース展開を追った。衝撃シーンなどは動画も投稿されるので、意外とハイライトシーンは把握できた。
え？手術前なんだからとっとと寝ろ？いやまったくだ (^_^;。
F-1も終わったところで、歯を磨いてようやく就寝した。
つづく。
先日のリハビリから膝曲げを開始した。5年前の右膝の時は、6週間経ってからだったので、2週間以上早い。やはり、ギプスで固めなかった分、筋肉などを使わなかった時間も短かったからだろう。5年前は曲げ始めは20度までしかいかなかったが、今回はあっさり45度曲がった。
とは言え、45度ではまだまだ椅子に座っているのも辛い状況だ。装具を付けていないと、歩くのも危険だ。加えて、最近の暑さで外出するのも憚（はばか）られる。回復状況は5年前と比べると良好だが、季節的には厳しい時期だな！
保育園の夏祭りにて
これ、自主的に並んでおやつ食べ始めたんだよね。仲良いよね。その一番手前で姉妹揃って座ってるウチの娘たち。
(PentaxK-3, TamronA14(28.0mm), 1/100sec, F4.5, ISO100)
そんなわけで、大怪我日記の第10回。やっと手術前日の話だよ (^_^;。
バックナンバーはこちら。
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
(6) Almost got another injury
(7) The beauty focused on the retina
(8) The eye not beaten by water
(9) The substitute equipment
さあ、7/5土曜日は入院だ。
もともと土曜の午前は長女のピアノ教室だったが、当然それはお休みにした。午前10時半までに病院到着ということで、前日にパッキングしたトランクをお義父さんの軽自動車に積み込んで向かった。子ども達は嫁さんの実家におばあちゃんと留守番だ。
病院に着くと、一旦お義父さんは帰り、俺と嫁さんだけで病院に入った。
入院受付に行くと、事務員が病棟に連れて行ってくれた。
エレベーターで5階に上がる。そこが整形外科の病棟のようだ。ちなみに4階は産婦人科で、子どもが生まれたときには良く来ていた。
今年の末には役目を終える病棟は、結構ごちゃごちゃしていて、若干薄暗い。廊下のかなり奥の方まで進んで、ようやく俺の入る病室の辿り着いた。
…かなり広い。12畳くらいはあるだろうか、縦長の部屋の窓に近いところに、ベッドが横に置いてある。ドア側の壁には洗面台があり、その前に木目化粧板の物置が置いてある。ドアから1m強のところに縦長の部屋を横断するようにカーテンレールがあり、洗面台および物置と、ベッドのエリアをカーテンで仕切れるようになっていた。
ベッドはドア側から見て左側が頭側になっていて、その手前にテレビ台があった。テレビ台の下には小さな冷蔵庫が納められていた。その上に乗っているテレビは、14インチの4:3液晶のようだった。どう見ても地デジ対応ではないのだが、こういう施設向けの再配信でも入れているのだろうか。
窓の下には、壁沿いに巨大な、いかにも古そうなクーラーがあった。そこから50cmくらい離れて平行にベッドがある。結構寒そうだな。
ああ、どうやら5年前の病院のようなLANの端子はやっぱりないみたいだね (´･ω･`)。
窓の外に見えるのは、向かいにある病棟だ。決して風光明媚ではない。部屋の中もまあ、なんとも無機質というかなんと言うか、無駄に広い。こんだけ広いのに、物を置くスペースが全然ない。物置はベッドからかなり遠いし、テレビ台についている引き出しは小物くらいしか入らない。
とりあえずトランクは、窓側の壁沿いのクーラー脇のスペースに置いた。ここならベッドに寝ていても手を伸ばせば届く位置だ。
部屋に入って数分したら、看護師さんが2人で入院に関する説明にやってきた。
1人はすらっとしてスタイルがいい。顔ちっちゃ！ノーメイクに近いが、目鼻立ちがハッキリしていて、常盤貴子に似ている。もう1人は、ちょっと小動物系だ。背が低いわけではないのだが、ホワンとした感じ。きっとAKBに似た感じの子がいるに違いないと思って調べたのだが（←ヒマすぎ）、川栄李奈？ああいう感じの顔だ。
常磐ちゃん（違）から促されるようにして川栄ちゃん（違）が説明を始めた。あれ？ちょっと訛りが感じられる。しかもかなりまごついた感じだ。川栄ちゃん、どうやら新人さんらしい。
「えっと、この病院では、痛みを数字で尋ねることがあります。」
「あ、数値と言われても難しいよ、と思うかもしれないですが、まあ、最大の痛みを10として、今はいくつくらいかな、って感じでおっしゃってください。」
フォローするように常磐ちゃんが口を挟む。どー捉えても体育会系の竹を割ったような元気な声だ (^_^;。元気良すぎて若干早口で先走りすぎな感じもあるけど、なんか一生懸命な感じが微笑ましい。
「月曜日が手術ですよねッ。私、月曜の夜勤なんで、一緒に頑張りましょうねッ！」
なんて言って、顔の前辺りで両方の拳をグッと握るようなポーズをとった。うん、君と一緒なら頑張れるかも♪←ばか
その後、リハビリ室に連れて行かれ、松葉杖のサイズ合わせを行った。手術してヨレヨレになる前の元気な状態でやってくれるのはありがたい。何しろ5年前にガンガン松葉杖使っていたので、いきなりモリモリ歩いて驚かれた (^_^;。
病室に戻ってくると、外泊証をもらった。入院後すぐに外泊する旨は先生からちゃんとナースステーションに伝えられていたようだ。
そんなわけで、入院後わずか1時間ちょっとで、俺は嫁さんとともに病院を出た (^_^;。お義父さんが迎えに来てくれるまでの間に、病院近くのステーキハウスに昼飯を食いに行った。嫁さんと二人だけで食事なんて久々だった。ステーキ丼がかなり豪華で、病院の質素飯に入る前の最後の晩餐（ランチだけど）のようだった。
さて、先述したように、入院直後にも関わらず外泊するのは、子ども達の保育園の夏祭りに参加するためだ。特に長女にとっては最終年なので、なんとしても参加して、浴衣姿を目とCMOS（デジカメって言えよ）に焼き付けておきたかった。
この日は天気がかなり微妙な状況で、飴色の雲が立ちこめていて、実際昼過ぎには少し雨がぱらついていた。雨になってしまうと、夏祭りは室内となってしまい、風情なんて吹っ飛んでしまう。なんとか園庭で開催してもらいたいと思ったが、夕方に向かってだんだん雲は少なくなっていった。さすが長女は晴れ女だ。
嫁さんの実家で長女と次女に浴衣を着付けをした。考えてみると、これまで4回夏祭りに参加したはずだが、悉く（ことごとく）「ジンベエ」を着てしまっていたので、夏祭りで浴衣を着るのはこれが初めてだ。次女にとっても初めての浴衣だったので、出発前に記念撮影をして出かけた。
何しろ装具を左足に巻いて歩いているので目立つ。それでも気にせず、祭りを前に友達と戯れる娘達をガシガシと撮影した。
夏祭りの一番最初に、建物の中のホールで仏様にお祈りするセレモニー的なものが行われた。この保育園は、こういう場面で写真を撮るのは少し厳しいところがあるのだが、足の怪我を見て先生が用意してくれた最後列の椅子に座っていたのをいいことに、望遠でその模様を撮影していた。すると、お花を供えてお祈りをする6人に長女が選抜されていたらしく、神妙な顔でお花を供える様子を撮影できた。
歌を歌ったり、お経を読んだりして、儀式が終盤に差し掛かる頃、嫁さんが俺をつついた。
「ね、終わって混む前にもう部屋出ておこう。ほら、早く」
いや、そこまで気にしなくても、と思って椅子から立ち上がろうとしたら、かなりツルツルした床で見事に滑った。とっさに患部の左足で踏ん張ろうとして、太ももの筋肉が反応してしまった。
ゴン！
どうせ既に腱が切れているのでそれ以上切れようはないし、既にお皿も本来の位置より上にいたわけだが、そこからさらに無理矢理太ももが引っ張ったものだから、お皿と太ももの骨が当たったかのような鈍痛が走った。
踏ん張った甲斐あって幸い転倒は免れたが…怪我人を焦らせないでくれよー。
その後は、園庭に出てクラスごとの記念撮影だった。カメラをインターバル撮影モードにして放置し、自分も写真に収まるというテクニックを駆使した (^_^;。
撮影が終わると、園庭の隅で迎え火が行われた。それから、盆踊りとなった。次女が長女のところにやってきて、一緒に踊っていた。長女のクラスの友達同士はかなり仲が良く、踊っている間もお互いじゃれ合ったりして微笑ましかった。だが、辺境の保育園だけに、小学校ではほとんどバラバラになってしまうのが残念だ。
保育園では公式の卒園アルバムは作られないようなので、自主的に作る話が進んでいる。そのネタにもなるようにと、なるべくクラスの子達の写真も撮った。左足利かないくせに。
その後は模擬店コーナーだった。保護者会が準備したもので、一応金魚すくい的な「おもちゃすくい」だったり、お菓子のつかみどりみたいなものがあって、まあ一応お祭り的な雰囲気を体感できるようになっている。最終的にはみんな同じものをもらえるのだが、子ども達にとってはワクワク感があるみたいだ。
そんなこんなで、閉会式も終わってお開きとなった。卒園アルバムのために、ちょいと園内の風景を撮ったりしてから、お義父さんの車が迎えにくるのを待って帰った。その日はそのまま嫁さんの実家で夕飯を食い、自宅で寝た。
翌日は自宅でひたすらのんびり過ごした。この日の消灯時間である21時までには病院に戻るように言われていた。入院前だからと言って特に豪華と言うわけでもなく、焼き魚かなんかの普通の飯を食って、風呂に入ってからまた病院へ向かった。あ、衛生上だかしらないけど、風呂入ってから帰って来てくれ、と言われていたからだ。
ちなみに、翌日手術受ける人間だけど、米研いだよ。
病院には19時頃戻った。
この日の夜勤は、最初に説明しにきてくれた新人ナースの川栄ちゃん（違）だった。左腕に、入院患者がつけるタグを巻いてくれた。相変わらず話す速度が遅いなー。まあ癒し系ではあるけど。
で、早速トランクから、新しく買ったMacBookProとTry!UQWiMaxを取り出して、インターネット接続を試みた。
...なんだこの遅さは。
ISDNに毛が生えた程度の速度しか出ない。どうやら、基地局が500mほど離れた場所にしかないようだ。えー、200m程度のところに駅があるのに？？？いくら通信制限のないUQWiMaxでも、この速度では結構辛いな。
それでも、自宅のMacProへの接続を試みる。「どこでもMyMac」（リモート）でつなげば、自宅とまったく同じ環境で作業できる。通信速度が遅くとも、操作のきっかけだけ与えれば、光回線につながっているMacProでいろいろ処理ができるからだ。そのために、2時間に1回、10分間だけスリープを解除して接続を待つようなタイマーまでしかけてきたのだ。
…う…こりゃ厳しいな。MacProの画面は表示されるが、マウスの動きはとてもリアルタイムとは言えない。たとえばドラッグ＆ドロップなんてあまりに時間掛かり過ぎて怖くて出来ない。そもそも、ホールドしているという情報自体途中で切れてしまってどこに落とされるか分かったもんじゃない。だんだん、思い描いていたインフラはとても実現できそうにないな、という感触になりつつあった。っていうか、5年前の環境が良すぎたのかもしれないが。
ここで、もう一つやりたかったことを試してみた。MacBookProから自分にFacetimeをかけて、リモートで繋いである自宅のMacPro側で受けるのだ。そうすると、自宅の子ども達とテレビ電話状態を実現できると思っていたのだ。
通信がくっそ遅い中でもMacPro側のFacetimeを起動した。おお、かなり細切れではあるけど、自宅の今の風景が見れるではないか。子ども達がわらわらとソファの前でじゃれ合って遊んでいる。よし。
おもむろにMacBookProのFacetimeで、自分自身にテレビ電話をかける。すぐに、リモート画面のMacProで応答ボタンを押す。すると、呼び出し音に気づいて子ども達が振り返るのが見えた。
「あーー、パパーー！ママー、パパだよー！」
MacPro側にも、俺の顔が映し出された。おお、ちゃんとつながるじゃないか。
一応向こうの音も聞こえるが、こちらの声は聞こえないらしい。全然会話にならない。そのうち長女が、嫁さんの足に抱きつくような仕草をしだし、そのうち、リビングを出て行ってしまった。
Facetimeを終了してしばらくすると、嫁さんからメールが来た。どうやら長女は寂しくなって泣いてしまったのだという。な、なんていじらしいんだろう。同時に、そうやって子ども達に寂しい思いをさせてしまっている自分が情けなくなった。
そんなことをしているうちに、21時の消灯になった。川栄ちゃん（違）がやってきて「電気どうしますか？個室だから自由にして良いのですけど」。おお、そうか。やっぱり個室スゲー。
とりあえず、通路側にある洗面台の蛍光灯だけを残し、ベッドの上にある2本の電気は消してもらった。ベッドの頭上にある読書灯らしきライトを点けてみたが、猛烈に明るくて眩しいので、結局消してしまった。
この日はF-1のイギリスGPの決勝があった。テレビはCSはもちろんBSも受信できなかったので、モータースポーツサイトのTwitterを見ることで、なんとなくレース展開を追った。衝撃シーンなどは動画も投稿されるので、意外とハイライトシーンは把握できた。
え？手術前なんだからとっとと寝ろ？いやまったくだ (^_^;。
F-1も終わったところで、歯を磨いてようやく就寝した。
つづく。
nobilesの投稿(23:33:42-2014-08-07) -
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