NOBILES Days
Jump to navigationDestroyed again - (17) Hard to sleep
明日、バンドリハに復帰することにした。
2ヶ月前のバンドリハの帰りに、俺は左膝に大怪我をした。電車に乗るのもそれ以来ということになる。
実際のところ回復具合はと言うと、膝の曲がり角は90°を超え、100°に達している。平地をゆっくり歩く分にはかなり自然になって来ている。
ただ、特に内腿の筋肉の衰えが激しい。もともと腱を切ったのは、腿の筋肉が急激に膝を伸ばそうとした力によるものなのだが、その張本人たる筋肉が、ひっぱる相手が切れたことで自らも衰えてしまうとは、なんとも皮肉なものだ。
なので、筋肉が弱いために、歩いている時に油断すると膝折れしそうになってしまう。下り坂や、階段もまだまだかなり不便だ。
仕事については、まだ復帰できていない。正直、医者としては「別に復帰してもいいよ」というレベルには来ているのだが、逆に復帰してしまうと通院がままならなくなってしまうし、正直ターミナル駅の通勤ラッシュの人混みを安全に通り抜ける自信がない。
なのにバンドリハは復帰かよって話だが、メンバーの結婚式で演奏する前のラストリハなので、ぶっつけ本番は避けたいのだ。それに通勤ラッシュと休日では全然違う。あ、さすがに楽器は持って行かないでレンタルするけどね (^_^;。
ま、いずれにしても仕事への復帰ももう少しだな。筋トレ頑張ろう。
さてさて、地獄の手術翌日の話が終ったところで急にペースダウンしちゃったけど、大怪我日記、細々と続けましょ。
花火の季節も終わりだね
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/40sec, F1.8, ISO2000)
6/29、バンド練の帰りに左の膝蓋腱を断裂した俺は、7/7に手術を受けた。
麻酔が抜けていく、手術当日の地獄の夜をようやくクリアした俺は、今度は若くて可愛い看護師にお小水の管を引っこ抜かれると言う羞恥プレイを受けた (^_^;。
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
(6) Almost got another injury
(7) The beauty focused on the retina
(8) The eye not beaten by water
(9) The substitute equipment
(10) The day before
(11) The calm afternoon
(12) The fearful tube
(13) Stimulus and fatigue
(14) Just before the storm
(15) The long long long night
(16) Remove the tube
さて、午後になっていよいよトイレに行きたくなってきた。
義妹にそっくりで、お小水の管を引っこ抜いた看護師の「滲みる場合がある」という言葉が恐怖として心に引っかかっていた。
だが、出すものは出さなければならない。意を決してナースコールを押した。かなり年配の看護師が来た。
この病院に入ってから、婦長を除くとほとんど若い看護師ばっかりだったので、軽く驚いた。遠視なのか老眼なのか知らないが、かなり目がでかく写るメガネをかけていて、比較的小柄だ。50代前半くらいなのかな。既に、恒例の「芸能人の誰に似てるか」を提示する意欲すらない (^_^;。
「あ、点滴こっち持って来ないといけませんね...。あ、このトランクこっち置きますよ」
あ...そ、それはすぐに手に届くところに置いておいたのに...常磐ちゃん（違）や川栄ちゃん（違）は上手に避けて点滴つけてくれてたんだけど....。トランクは足下に近い側に移動されてしまった。健康な身の人には想像もできないかもしれないけど、左足がほぼ動かない、手術を受けた翌日の人間にとっては、足下であってもそこに手を伸ばすにはものすごい苦労があるのだ。
だが、今はとにかくトイレだ。
まず靴を履く。健康な右足はともかく、患部の左足は大変だ。膝が曲がらないから靴を持って爪先に引っ掛けるのも一苦労だし、ひどくむくんでいる（しかも、腱が切れた時の内出血が下りてきていて、どす黒い赤紫色のあざのようになっている）のでなかなか入らない。悪いことに、左のかかとの脇、内側のあたりには、3歳の頃に親父の運転するチャリの後輪に巻き込まれて11針も縫った痕があって、そこがひっぱられていて痛い。
婆ちゃん看護師の補助で来た若い看護師が、靴紐を解いてクチを広げ、左足に装着してくれた。その上で、靴紐は左右を蝶結びするのではなく、それぞれ軽く結び目を作ってくれた。
「こうすればキツくないですよね。ファッションでこう結ぶ人もいますよ」
ニッコリ笑った彼女は、菊地亜美に似ていた。お！結構可愛い。...でも本来の担当は別の区域らしく、以降ほとんど関わりなかったけど（←関わったところで何があるんだ？）。
「ハイ、松葉杖使えるんですよね？ハイ、どうぞ。」
なんだかサクサクとした感じで婆ちゃん看護師に言われて、松葉杖を受け取る。経験者だから余裕だぜ、と思って一歩踏み出す...
うっ...
バランスが全然とれない。左足に体重をかけてはいけないので、少し持ち上げる形になるのだが、その姿勢をキープするのが難しい。手術と、その後の痛みとの闘いで、かなりの体力を消耗させられたようだ。フラついたところを、婆ちゃん看護師と、菊地亜美（違）が支えてくれた。
ベッドからたった数メートルのところにある広い個室トイレまで、2人の看護師に支えられてなんとか辿り着いた。
...なんてザマだ！
便座に座ってズボンを脱いで用を足すように言われたが、今の体力では逆にズボンを脱ぐ方が事故が起きそうな直感がしたので、「分かりましたー」と言って看護師さん達が出て行くのを待ち、手すりと松葉杖によりかかって立ったまま用を足した。心配された、管を刺していたことによって「しみる」ようなことはなく、意外と普通に用を足せたのは幸いだった。
部屋に戻るにもわざわざナースコールをしなければならない。再び、抱えられるようにしてベッドまで戻った。
あ...トランク再移動させてもらわなかったよ... orz。
負けてたまるか！決死の覚悟でベッドの上で身体をねじり、ベッドの足側に移動すると、トランクをなんとか掴み、再び頭に近い側に引きずり寄せた。
う...
寝不足と、麻酔の後遺なのか、後頭部の辺りに頭痛を感じる。身体を起こしているのが辛くて横になった。そう言えば、手術前の朝からろくに寝ていない。わずかな時間、眠りに落ちた。
トントントン！
扉をノックする音でその眠りはあっさりと破られた。
「はーい、患部の消毒ですー！」
ドヤドヤドヤと10人近くの医師や看護師が俺の個室になだれ込んで来た。確か、先頭に片山さつき（違）婦長、次にリリー・フランキー（違）先生とか、そんな順番だったかな。
左足の装具（ニーブレス）が外されると、患部の左膝の上に貼られた、8cm四方くらいのスポンジが姿を現す。これ、ガードってことになるのかな？それを、さつき（違）婦長がベリベリとテープを剥がして取り除く。俺としては、初めて手術痕を直接見る瞬間が訪れた。
痕は10cm四方くらいの透明に近いシートが被せられている。前回と同じようにホチキスの針のようなもので縫われていて、なかなかフランケンチックだ。多分初めてだったら目眩を覚えていただろう (^_^;。だが、その針は前回よりもだいぶ細く感じられ、また本数も半分程度の7本だった。あ、手術痕の長さ自体もかなり短そうだ。わずかに、1mm四方程度の血の固まりがいくつか見られるが、出血はない。
「あれ？綺麗だな。こりゃ消毒必要ないな。おーい、必要なーい！」
遅れて入って来た若広沢（違）先生が「ええっ？あ、そーすか」と少しうろたえた。どうやら、先生から見ても手術痕は綺麗だったようで、透明シートを剥がすこともなく、ドヤドヤと一段は俺の個室を去って行った。先述のスポンジのようなものはそのまま取り除かれて、手術痕に透明シートが貼られた状態で、また装具が巻かれた。
まあ、順調ならいいんだけどさ…
ウ…
俺は再び睡魔に襲われて間もなく眠りに堕ちた。
トントントン！
病院の日中の時間は睡眠にとっては決して恵まれた環境ではない。1時間も経たないうちにまた俺の眠りはノックによって引き裂かれた。午後4時半ごろになっていた。
扉が開いて入って来たのは、スラッと背の高い中年の女性だった。うーん、難しいところだけど、強いて言うなら戸田恵子をスラッとさせた感じかな。
上は白い服だが、下は紺のズボンを履いている。
「私、リハビリを担当します、理学療法士のIです」
なるほど、理学療法士の制服というわけか。
つづく。
2ヶ月前のバンドリハの帰りに、俺は左膝に大怪我をした。電車に乗るのもそれ以来ということになる。
実際のところ回復具合はと言うと、膝の曲がり角は90°を超え、100°に達している。平地をゆっくり歩く分にはかなり自然になって来ている。
ただ、特に内腿の筋肉の衰えが激しい。もともと腱を切ったのは、腿の筋肉が急激に膝を伸ばそうとした力によるものなのだが、その張本人たる筋肉が、ひっぱる相手が切れたことで自らも衰えてしまうとは、なんとも皮肉なものだ。
なので、筋肉が弱いために、歩いている時に油断すると膝折れしそうになってしまう。下り坂や、階段もまだまだかなり不便だ。
仕事については、まだ復帰できていない。正直、医者としては「別に復帰してもいいよ」というレベルには来ているのだが、逆に復帰してしまうと通院がままならなくなってしまうし、正直ターミナル駅の通勤ラッシュの人混みを安全に通り抜ける自信がない。
なのにバンドリハは復帰かよって話だが、メンバーの結婚式で演奏する前のラストリハなので、ぶっつけ本番は避けたいのだ。それに通勤ラッシュと休日では全然違う。あ、さすがに楽器は持って行かないでレンタルするけどね (^_^;。
ま、いずれにしても仕事への復帰ももう少しだな。筋トレ頑張ろう。
さてさて、地獄の手術翌日の話が終ったところで急にペースダウンしちゃったけど、大怪我日記、細々と続けましょ。
花火の季節も終わりだね
(PentaxK-3, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/40sec, F1.8, ISO2000)
6/29、バンド練の帰りに左の膝蓋腱を断裂した俺は、7/7に手術を受けた。
麻酔が抜けていく、手術当日の地獄の夜をようやくクリアした俺は、今度は若くて可愛い看護師にお小水の管を引っこ抜かれると言う羞恥プレイを受けた (^_^;。
=== Destroyed again - Backnumber ===
(1) The low sound
(2) The diagnosis
(3) A long long day
(4) Waiting long
(5) Take a radiograph of the opposite leg
(6) Almost got another injury
(7) The beauty focused on the retina
(8) The eye not beaten by water
(9) The substitute equipment
(10) The day before
(11) The calm afternoon
(12) The fearful tube
(13) Stimulus and fatigue
(14) Just before the storm
(15) The long long long night
(16) Remove the tube
さて、午後になっていよいよトイレに行きたくなってきた。
義妹にそっくりで、お小水の管を引っこ抜いた看護師の「滲みる場合がある」という言葉が恐怖として心に引っかかっていた。
だが、出すものは出さなければならない。意を決してナースコールを押した。かなり年配の看護師が来た。
この病院に入ってから、婦長を除くとほとんど若い看護師ばっかりだったので、軽く驚いた。遠視なのか老眼なのか知らないが、かなり目がでかく写るメガネをかけていて、比較的小柄だ。50代前半くらいなのかな。既に、恒例の「芸能人の誰に似てるか」を提示する意欲すらない (^_^;。
「あ、点滴こっち持って来ないといけませんね...。あ、このトランクこっち置きますよ」
あ...そ、それはすぐに手に届くところに置いておいたのに...常磐ちゃん（違）や川栄ちゃん（違）は上手に避けて点滴つけてくれてたんだけど....。トランクは足下に近い側に移動されてしまった。健康な身の人には想像もできないかもしれないけど、左足がほぼ動かない、手術を受けた翌日の人間にとっては、足下であってもそこに手を伸ばすにはものすごい苦労があるのだ。
だが、今はとにかくトイレだ。
まず靴を履く。健康な右足はともかく、患部の左足は大変だ。膝が曲がらないから靴を持って爪先に引っ掛けるのも一苦労だし、ひどくむくんでいる（しかも、腱が切れた時の内出血が下りてきていて、どす黒い赤紫色のあざのようになっている）のでなかなか入らない。悪いことに、左のかかとの脇、内側のあたりには、3歳の頃に親父の運転するチャリの後輪に巻き込まれて11針も縫った痕があって、そこがひっぱられていて痛い。
婆ちゃん看護師の補助で来た若い看護師が、靴紐を解いてクチを広げ、左足に装着してくれた。その上で、靴紐は左右を蝶結びするのではなく、それぞれ軽く結び目を作ってくれた。
「こうすればキツくないですよね。ファッションでこう結ぶ人もいますよ」
ニッコリ笑った彼女は、菊地亜美に似ていた。お！結構可愛い。...でも本来の担当は別の区域らしく、以降ほとんど関わりなかったけど（←関わったところで何があるんだ？）。
「ハイ、松葉杖使えるんですよね？ハイ、どうぞ。」
なんだかサクサクとした感じで婆ちゃん看護師に言われて、松葉杖を受け取る。経験者だから余裕だぜ、と思って一歩踏み出す...
うっ...
バランスが全然とれない。左足に体重をかけてはいけないので、少し持ち上げる形になるのだが、その姿勢をキープするのが難しい。手術と、その後の痛みとの闘いで、かなりの体力を消耗させられたようだ。フラついたところを、婆ちゃん看護師と、菊地亜美（違）が支えてくれた。
ベッドからたった数メートルのところにある広い個室トイレまで、2人の看護師に支えられてなんとか辿り着いた。
...なんてザマだ！
便座に座ってズボンを脱いで用を足すように言われたが、今の体力では逆にズボンを脱ぐ方が事故が起きそうな直感がしたので、「分かりましたー」と言って看護師さん達が出て行くのを待ち、手すりと松葉杖によりかかって立ったまま用を足した。心配された、管を刺していたことによって「しみる」ようなことはなく、意外と普通に用を足せたのは幸いだった。
部屋に戻るにもわざわざナースコールをしなければならない。再び、抱えられるようにしてベッドまで戻った。
あ...トランク再移動させてもらわなかったよ... orz。
負けてたまるか！決死の覚悟でベッドの上で身体をねじり、ベッドの足側に移動すると、トランクをなんとか掴み、再び頭に近い側に引きずり寄せた。
う...
寝不足と、麻酔の後遺なのか、後頭部の辺りに頭痛を感じる。身体を起こしているのが辛くて横になった。そう言えば、手術前の朝からろくに寝ていない。わずかな時間、眠りに落ちた。
トントントン！
扉をノックする音でその眠りはあっさりと破られた。
「はーい、患部の消毒ですー！」
ドヤドヤドヤと10人近くの医師や看護師が俺の個室になだれ込んで来た。確か、先頭に片山さつき（違）婦長、次にリリー・フランキー（違）先生とか、そんな順番だったかな。
左足の装具（ニーブレス）が外されると、患部の左膝の上に貼られた、8cm四方くらいのスポンジが姿を現す。これ、ガードってことになるのかな？それを、さつき（違）婦長がベリベリとテープを剥がして取り除く。俺としては、初めて手術痕を直接見る瞬間が訪れた。
痕は10cm四方くらいの透明に近いシートが被せられている。前回と同じようにホチキスの針のようなもので縫われていて、なかなかフランケンチックだ。多分初めてだったら目眩を覚えていただろう (^_^;。だが、その針は前回よりもだいぶ細く感じられ、また本数も半分程度の7本だった。あ、手術痕の長さ自体もかなり短そうだ。わずかに、1mm四方程度の血の固まりがいくつか見られるが、出血はない。
「あれ？綺麗だな。こりゃ消毒必要ないな。おーい、必要なーい！」
遅れて入って来た若広沢（違）先生が「ええっ？あ、そーすか」と少しうろたえた。どうやら、先生から見ても手術痕は綺麗だったようで、透明シートを剥がすこともなく、ドヤドヤと一段は俺の個室を去って行った。先述のスポンジのようなものはそのまま取り除かれて、手術痕に透明シートが貼られた状態で、また装具が巻かれた。
まあ、順調ならいいんだけどさ…
ウ…
俺は再び睡魔に襲われて間もなく眠りに堕ちた。
トントントン！
病院の日中の時間は睡眠にとっては決して恵まれた環境ではない。1時間も経たないうちにまた俺の眠りはノックによって引き裂かれた。午後4時半ごろになっていた。
扉が開いて入って来たのは、スラッと背の高い中年の女性だった。うーん、難しいところだけど、強いて言うなら戸田恵子をスラッとさせた感じかな。
上は白い服だが、下は紺のズボンを履いている。
「私、リハビリを担当します、理学療法士のIです」
なるほど、理学療法士の制服というわけか。
つづく。
nobilesの投稿(22:47:29-2014-09-06) -
カテゴリ: Injury
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