NOBILES Days
Jump to navigation2005 F-1 Monaco Tour (17) - Tour Mates
友人夫妻が離婚した。
多分本人達は特定されたくないだろうから、それが可能になるようなことは書かない。
たった1年半前には、入院した俺の見舞いに仲良く来てくれた夫妻だったが、その頃から既に関係の崩壊は始まっていたのだという。
簡単に言えば、いわゆる「新婚ラブラブ」な状態が冷めた時に、片方は「そういう夫婦の在り方もあり」と考え、片方は不満を持っていた。そんなボタンの掛け違えがスタートだった。溝が埋まらないまま時が経過し、一方に溜まっていった不満は、他の人との関係で埋めるという結果につながった。
文章にすればあまりにありふれた話だ。だが、双方とも良く知る友人だけに、吐き出す本音の言葉が重く感じられた。
まあでも、「お互い、そういう人だって分かってたんじゃないの？」とは思う。思うが、それは当人同士のことだから他人が口出すことじゃないね。
この1年足らずの間に、俺の周囲では、この夫妻を含めて何組かが離婚している。そのどれもが、決定的な事象を抱え、大変なエネルギーを消費してでも関係を解消した。決定的に崩れる瞬間というのは、案外とあっけないものだと感じた。
幸い、うちの夫妻は離婚届を取り寄せた機会もなく8年目を迎えている。
それに、「子はカスガイ」とはよく言ったもので、以前なら面倒くさい言い争いが続いたであろう諍いも、子どもがすり寄ってきたら、もう別にどうでもいいことに感じられる。願わくば、緑色の枠が印刷されたその紙に署名することはないよう、やっていきたい。
さて、前職ぶっちゃけ日記の連載中だが、もっと前からの連載となるモナコGPツアー記を挟んでおこう。
バックナンバーはこちら。
1.Prologue
2.To Nice
3.Musee Matisse
4.To Vence
5.At Vence
6.Vence Old Town
7.First Monaco
8.Kir Royal
9.Free Practice 1
10.Free Practice 2
11.Meet F-1 Drivers
12.Walk Around In Monaco
13.Course Open
14.Meet The God
15.Dive Into The Water
16.The Evening of The Palace
The Pathfinder
(ContaxU4R(17.4mm=equiv114mm), 1/60sec, F2.8, ISO100)
初めてのモナコ上陸、ドライバーやF1チームのスタースタッフとの遭遇、クルーザーへの乗船、ピット前のスタンドでの観戦、そして歩いてコース一周と、2005年モナコGPツアー3日目はあまりにも濃い1日だった。
ここで、これまでは事象を追いすぎてこの日記では書き忘れていたことを最近ふと思い出したので、書こうと思う。
それは、同じツアーのメンバー達だ。
以前も触れた通り、このゴージャスツアーの参加者達はくっきりと3層に分かれていた。
半数に迫るのがハネムーン軍団だ。おそらくは中流家庭なのだろうが、新婚旅行だからと奮発して参加した人達だ。無論、俺達夫婦もここに含まれる。だからまあこの層の人達とは比較的話は合うのだが、俺達より若干ばかり若い世代が多い気もした。
次に多いのが、セレブ軍団だ。
大体が40代後半から60代くらいまでの年代で、夫婦であったり、どうやら愛人どうしであったり、1人であったり構成は様々だったが、ン十万する巨大望遠レンズとカメラ数台を2人して担いでる夫婦や、明らかに値段が高そうな服やアクセサリーで全身を散りばめたモグロフクゾウみたいなオバちゃん（1人で来ていた）やら、人種も様々だった。
一つ分かるのは、基本的に俺達とは若干住む世界が違うということか。
この層の人達に共通しているのは、ほとんど...とはさすがに言いすぎにしても、半数くらいの人達が毎年のようにこのツアーに参加しているようなのだ。参加者同士も何やら顔見知りのような感じだ。それでいてそれぞれの距離感がはっきりしていて、完全に楽しみ方が固まっている印象を受けた。
残りのわずかは独身女性の1人での参加が占めていた。
行きのフランクフルト〜ニース間のローカル線で隣になった女性は、なんと北海道からの参加だと言っていた。集合時間が早朝だったこのツアーだけに、わざわざ成田で前泊までしたと言っていた。
しかも、あとで話したら、秋の第1回トルコGPにも行くと言っていたから、かなりの筋金入りだ。
こうした女性単独参加者は...確か3人ほどいて、気づくとやっぱりその人達で一緒に行動していたと記憶している。
3層に属さない人がたった1人いた。独身男性の単独参加だ。
多分、年齢は30代半ばではないかと思う。切れ長の和風の顔に、8分刈りという感じで、応援団員みたいだった。
当時、2005年はまだホンダも参戦中だったが、あえてその時代のものではなく、90年代のホンダF1のジャンバーや帽子などのグッズで固めていた。だから、俺と嫁さんはその人のことを勝手に「ホンダさん」と陰で呼んでいた。
見かけはセレブとは程遠い、言っちゃ悪いが野暮ったいくらいの風貌なのだが、このホンダさんも、毎年のようにこのツアーに参加しているらしい。セレブ軍団も顔見知りのようで、ホンダさんをいじる場面が見られた。
確か、ホンダさんに関しては、行きの乗り換えのフランクフルト空港で、何かイベントがあったと記憶している。
詳しく覚えていないのだが、確か服装があまりにF-1ナイズされていて、ツアー参加者にコンダクターと間違えられただか、空港スタッフに邪険に扱われたとか、そんな感じだったと思う。
同じツアーにいるから、他の参加者ともそれなりに接する機会があった。
着いた翌日、ヴァンスに行った日の朝食で一緒のテーブルになった夫婦は、2人して細身長身＋細面＋細目＋メガネという感じで、お世辞にもテンションが高いとは言えない人達だった。
その場はそれなりに会話したのだが、以降目が合っても会釈程度でニコリともしてくれなかった。と思えば、ツアーで配られた佐藤琢磨応援ポロシャツや帽子などを律儀に着用したりしていたので、とことん真面目な人達なんだろう。
翌日、フリー走行の日の朝食で一緒のテーブルだったのは、確か旦那が俺と同い年のイケメンと、大学卒業したてというギャルい嫁さんという夫婦だった。でも、さすが旦那の歳が一緒なだけに、結構会話も弾んだ。このツアーで一番仲良くなったのはこの夫婦だと思う。
そのフリー走行日は、特に新婚旅行組と独身組は、ほとんどがドライバーのサインゲットに勤しんでいたので、何度も顔を合わせた。
そのうちの1夫婦は、旦那がオリラジの藤森のような風貌、嫁さんが胸の大きくない雛形あきこ、という感じだった。
この夫妻もかなり熱心にサインゲット活動をしていて、午前中なんかは何度も顔を合わせ、割と快活なイメージで好感を持っていた。
が、時を経るにつれ、夫婦して...特に旦那の疲労っぷりが目立って行き、だんだん挨拶もしなくなっていった。なんだか夫婦間も冷たい空気のようなものが感じられ、他人事ながら大丈夫か？と思ってしまった。あー、なんか嫁さんの方が愚痴っていたのを見た気もする。...まさかのモナコ離婚してねーだろーなー？？
セレブ組の方も触れておこう。
このツアーの集合場所に着いて一番驚いたのは、もう50代ではないかというオバちゃんが、セナのレーシングスーツのレプリカ風のジャケットを着て、猫耳付きの大きなフェラーリ帽子（もちろん色は赤ね）を被っていたことだった。小柄で、いかにもイイもん食ってそうな小太りなのだが、短いキュロットみたいなのを履いている。
そのオバちゃんは、みのもんたがポニーテールをしたようなおっちゃんと一緒にいた。
最初の点呼の時、また謎が深まった。例えば俺たちだったら「○○様お2人」という感じで呼ばれるわけだが、その2人は別の苗字で呼ばれていた。...夫婦じゃないの？？
この2人も、ツアーの常連らしい。
フリー走行の朝、俺たち初参加の連中がコンダクターに連れられてクルーザーに向かおうとしていたその時、この2人はさっくりとスタンド席に消えていった。クルーザー以外で見るなら、チケットが比較的安い初日しかないことをバッチリ知っていたというわけだ。
その後も、女性の方はその派手な服装を貫き通し、海外メディアのカメラマンに対してポーズをとってみるなど、完全にマイペースで楽しんでいた。
...で？夫婦じゃないの？
今回はこのくらいにしておこう。他のメンバーについても、この先の日記で少しずつ触れると思う。
つづく。
多分本人達は特定されたくないだろうから、それが可能になるようなことは書かない。
たった1年半前には、入院した俺の見舞いに仲良く来てくれた夫妻だったが、その頃から既に関係の崩壊は始まっていたのだという。
簡単に言えば、いわゆる「新婚ラブラブ」な状態が冷めた時に、片方は「そういう夫婦の在り方もあり」と考え、片方は不満を持っていた。そんなボタンの掛け違えがスタートだった。溝が埋まらないまま時が経過し、一方に溜まっていった不満は、他の人との関係で埋めるという結果につながった。
文章にすればあまりにありふれた話だ。だが、双方とも良く知る友人だけに、吐き出す本音の言葉が重く感じられた。
まあでも、「お互い、そういう人だって分かってたんじゃないの？」とは思う。思うが、それは当人同士のことだから他人が口出すことじゃないね。
この1年足らずの間に、俺の周囲では、この夫妻を含めて何組かが離婚している。そのどれもが、決定的な事象を抱え、大変なエネルギーを消費してでも関係を解消した。決定的に崩れる瞬間というのは、案外とあっけないものだと感じた。
幸い、うちの夫妻は離婚届を取り寄せた機会もなく8年目を迎えている。
それに、「子はカスガイ」とはよく言ったもので、以前なら面倒くさい言い争いが続いたであろう諍いも、子どもがすり寄ってきたら、もう別にどうでもいいことに感じられる。願わくば、緑色の枠が印刷されたその紙に署名することはないよう、やっていきたい。
さて、前職ぶっちゃけ日記の連載中だが、もっと前からの連載となるモナコGPツアー記を挟んでおこう。
バックナンバーはこちら。
1.Prologue
2.To Nice
3.Musee Matisse
4.To Vence
5.At Vence
6.Vence Old Town
7.First Monaco
8.Kir Royal
9.Free Practice 1
10.Free Practice 2
11.Meet F-1 Drivers
12.Walk Around In Monaco
13.Course Open
14.Meet The God
15.Dive Into The Water
16.The Evening of The Palace
The Pathfinder
(ContaxU4R(17.4mm=equiv114mm), 1/60sec, F2.8, ISO100)
初めてのモナコ上陸、ドライバーやF1チームのスタースタッフとの遭遇、クルーザーへの乗船、ピット前のスタンドでの観戦、そして歩いてコース一周と、2005年モナコGPツアー3日目はあまりにも濃い1日だった。
ここで、これまでは事象を追いすぎてこの日記では書き忘れていたことを最近ふと思い出したので、書こうと思う。
それは、同じツアーのメンバー達だ。
以前も触れた通り、このゴージャスツアーの参加者達はくっきりと3層に分かれていた。
半数に迫るのがハネムーン軍団だ。おそらくは中流家庭なのだろうが、新婚旅行だからと奮発して参加した人達だ。無論、俺達夫婦もここに含まれる。だからまあこの層の人達とは比較的話は合うのだが、俺達より若干ばかり若い世代が多い気もした。
次に多いのが、セレブ軍団だ。
大体が40代後半から60代くらいまでの年代で、夫婦であったり、どうやら愛人どうしであったり、1人であったり構成は様々だったが、ン十万する巨大望遠レンズとカメラ数台を2人して担いでる夫婦や、明らかに値段が高そうな服やアクセサリーで全身を散りばめたモグロフクゾウみたいなオバちゃん（1人で来ていた）やら、人種も様々だった。
一つ分かるのは、基本的に俺達とは若干住む世界が違うということか。
この層の人達に共通しているのは、ほとんど...とはさすがに言いすぎにしても、半数くらいの人達が毎年のようにこのツアーに参加しているようなのだ。参加者同士も何やら顔見知りのような感じだ。それでいてそれぞれの距離感がはっきりしていて、完全に楽しみ方が固まっている印象を受けた。
残りのわずかは独身女性の1人での参加が占めていた。
行きのフランクフルト〜ニース間のローカル線で隣になった女性は、なんと北海道からの参加だと言っていた。集合時間が早朝だったこのツアーだけに、わざわざ成田で前泊までしたと言っていた。
しかも、あとで話したら、秋の第1回トルコGPにも行くと言っていたから、かなりの筋金入りだ。
こうした女性単独参加者は...確か3人ほどいて、気づくとやっぱりその人達で一緒に行動していたと記憶している。
3層に属さない人がたった1人いた。独身男性の単独参加だ。
多分、年齢は30代半ばではないかと思う。切れ長の和風の顔に、8分刈りという感じで、応援団員みたいだった。
当時、2005年はまだホンダも参戦中だったが、あえてその時代のものではなく、90年代のホンダF1のジャンバーや帽子などのグッズで固めていた。だから、俺と嫁さんはその人のことを勝手に「ホンダさん」と陰で呼んでいた。
見かけはセレブとは程遠い、言っちゃ悪いが野暮ったいくらいの風貌なのだが、このホンダさんも、毎年のようにこのツアーに参加しているらしい。セレブ軍団も顔見知りのようで、ホンダさんをいじる場面が見られた。
確か、ホンダさんに関しては、行きの乗り換えのフランクフルト空港で、何かイベントがあったと記憶している。
詳しく覚えていないのだが、確か服装があまりにF-1ナイズされていて、ツアー参加者にコンダクターと間違えられただか、空港スタッフに邪険に扱われたとか、そんな感じだったと思う。
同じツアーにいるから、他の参加者ともそれなりに接する機会があった。
着いた翌日、ヴァンスに行った日の朝食で一緒のテーブルになった夫婦は、2人して細身長身＋細面＋細目＋メガネという感じで、お世辞にもテンションが高いとは言えない人達だった。
その場はそれなりに会話したのだが、以降目が合っても会釈程度でニコリともしてくれなかった。と思えば、ツアーで配られた佐藤琢磨応援ポロシャツや帽子などを律儀に着用したりしていたので、とことん真面目な人達なんだろう。
翌日、フリー走行の日の朝食で一緒のテーブルだったのは、確か旦那が俺と同い年のイケメンと、大学卒業したてというギャルい嫁さんという夫婦だった。でも、さすが旦那の歳が一緒なだけに、結構会話も弾んだ。このツアーで一番仲良くなったのはこの夫婦だと思う。
そのフリー走行日は、特に新婚旅行組と独身組は、ほとんどがドライバーのサインゲットに勤しんでいたので、何度も顔を合わせた。
そのうちの1夫婦は、旦那がオリラジの藤森のような風貌、嫁さんが胸の大きくない雛形あきこ、という感じだった。
この夫妻もかなり熱心にサインゲット活動をしていて、午前中なんかは何度も顔を合わせ、割と快活なイメージで好感を持っていた。
が、時を経るにつれ、夫婦して...特に旦那の疲労っぷりが目立って行き、だんだん挨拶もしなくなっていった。なんだか夫婦間も冷たい空気のようなものが感じられ、他人事ながら大丈夫か？と思ってしまった。あー、なんか嫁さんの方が愚痴っていたのを見た気もする。...まさかのモナコ離婚してねーだろーなー？？
セレブ組の方も触れておこう。
このツアーの集合場所に着いて一番驚いたのは、もう50代ではないかというオバちゃんが、セナのレーシングスーツのレプリカ風のジャケットを着て、猫耳付きの大きなフェラーリ帽子（もちろん色は赤ね）を被っていたことだった。小柄で、いかにもイイもん食ってそうな小太りなのだが、短いキュロットみたいなのを履いている。
そのオバちゃんは、みのもんたがポニーテールをしたようなおっちゃんと一緒にいた。
最初の点呼の時、また謎が深まった。例えば俺たちだったら「○○様お2人」という感じで呼ばれるわけだが、その2人は別の苗字で呼ばれていた。...夫婦じゃないの？？
この2人も、ツアーの常連らしい。
フリー走行の朝、俺たち初参加の連中がコンダクターに連れられてクルーザーに向かおうとしていたその時、この2人はさっくりとスタンド席に消えていった。クルーザー以外で見るなら、チケットが比較的安い初日しかないことをバッチリ知っていたというわけだ。
その後も、女性の方はその派手な服装を貫き通し、海外メディアのカメラマンに対してポーズをとってみるなど、完全にマイペースで楽しんでいた。
...で？夫婦じゃないの？
今回はこのくらいにしておこう。他のメンバーについても、この先の日記で少しずつ触れると思う。
つづく。
nobilesの投稿(23:12:57-2011-04-27) -
カテゴリ: Monaco
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