NOBILES Days
Jump to navigation2005 F-1 Monaco Tour (24) - Day5(5/21) Everyone looked at him
ヤバイな。今週はもうモナコGPじゃないか。
すなわち、俺たちが新婚旅行で行ってから10年経つことを意味する。
な の に
まだその旅行記が完結していない。っていうか、2014年に1回も進んでなかったのか！
そんなわけで、ちょいと急いで進めていこうか。
朝焼けのヴィルフランシュ
(PeanasonicDMC-FZ10(36.0mm=equiv36.0mm), 1/250sec, F4.0, ISO100)
2005年モナコGP観戦記バックナンバーはこちら。
1.Prologue
2.To Nice
3.Musee Matisse
4.To Vence
5.At Vence
6.Vence Old Town
7.First Monaco
8.Kir Royal
9.Free Practice 1
10.Free Practice 2
11.Meet F-1 Drivers
12.Walk Around In Monaco
13.Course Open
14.Meet The God
15.Dive Into The Water
16.The Evening of The Palace
17.Tour Mates
18.The Honeycomb Village
19.The Hawaiian Priest
20.Sunny Monaco
21.Cruiser Party
22.Cruiser Party2
23.Tongue Resting
前日、割と早めに就寝したのもあって、少し余裕を持って起床した。ホテルは相変わらずボロボロだけど（←関係ない）。宿泊環境には恵まれないこのツアーだが、この日は土曜日、いよいよ予選だ。
このツアーでは、初めて全員がモナコに向かう3日目のフリー走行の往路だけは添乗員の先導のもと、クルーザーまで連れて行ってもらえた。だが、この土曜の予選と、翌日の決勝は自由行動だった。ニース⇄モナコの鉄道の切符は貰えたけど。
ただ、クルーザーに渡るにはゴムボートに乗らなくてはならなかったので、波止場？の集合時間が決まっていたと記憶している。あ、先述したように、渡るって言っても港湾内だ。ただ、レースのためにコースが閉じられると、陸側から船の乗り降りができなくなっちゃうのでこんな回りくどいことになるわけだ。
なので、結局ツアーメンバーとは大概、乗る電車は同じだし、ホテル時間も似たようなものだった。それでも、ニース駅までの道を自由に歩いて行くのは少しワクワクするものがあった。
ホテルを出て、少し寂れた通りを5分ほど歩いて大通りに出たら、まっすぐ北上すれば駅に着く。
ただこの時、この大通りは、新たに路面電車を整備している時で、絶賛工事中だったので少々歩きづらくはあった。
オテル・アクロポールからニース駅まで
ホテルは経営が変わってリニューアルしたみたいだね。外観は変わってないけど。
余談ながら、今ぐぐるさんでニースのこの大通りを見てみると、綺麗な新型路面電車（LRTって言うの？）が走っている。ニース到着初日に、俺たちはホテルから旧市街までテクテクと15分も歩いたのだが、今なら、大通りに出て路面電車に乗る方が楽で早いかもしれない。
ちなみにぐぐるストリートマップには、前日に夕食をとった中華店も写っている。10年経ってもまだ営業してるんだから、それなりに繁盛してるんだろうな。
Google Mapに写ってるLRT
ニース駅前の中華料理屋
さて、この日のホテル出発は午前6時半とした。まだ開店前、しかも土曜朝の閑散とした雰囲気の大通りを駅へ向かった。朝飯は、ホテルの中で食ってもいいのだが、相変わらず質素なものだったので、袋に入れて持って行き、電車で食うことにした。
朝焼けの中、海沿いを走る電車の車窓はなかなかいい風景だった。それがトビラ写真ね（前回のトビラ写真と時刻違いってことになるのかな）。なんか、カメラのカタログで解像力を示すために載せられる写真でよくありそうだよね。
この日の俺たちの作戦は、午前のフリー走行はスルーしてクルーザーには渡らず、その前後にパドックに出入りするドライバーやスタッフのサインをゲットしよう、というものだった。
...ん？決めた順番が逆だったかもしれない。
クルーザーへのゴムボートの発着場は、モーターホームエリアからパドックに向かう、ドライバーやチーム関係者の通路になっていた。そこでボートを待っていたら、次々とサインゲット対象者が歩いてきたから、ボートに乗らずになし崩し的にそこに残っただけのような気もする (^_^;。
そこでは、ロン・デニスや浜島さん、ピエール・デュパスキエら、組織のトップの人達の写真が残っている。ドライバーも何人か捕まえたはずだが、彼らはサインだけすると、写真を撮る前にそそくさと行ってしまうので写真が残っていない。
ここで、パドックの俯瞰図を作成したのでご覧いただこう。
これは、北側からパドックエリアを見た図だ。一番右側に、グランプリコースのラスカスコーナーがチラっと見えている。ビルはモナコヨットクラブの建物だ。その駐車場にパドックエリア（モーターホームエリア）があり、俺たちはその中には立ち入れない。そのフェンスの周りを歩ける（白い矢印）。ここに来るには、モンテカルロ駅から黄色い矢印で歩いてきて、モナコヨットクラブの建物の3階相当くらいの陸側の入り口から入って、階段を下ってパドックエリアに出るのだ。
さて、パドックに残ったものの、フリー走行が始まってしまうとヒマだ。さすがにマシンの走行中は人の流れもほとんどなくなってしまう。
とりあえず（俺たちは中に入れない）フェンスづたいに、誰かサインゲットに値する人物がいないか歩いてみた。パドックエリアでは、モーターホームが山側と海側の2列に並んでいた。だから、フェンスを伝って行けば、コース（ラスカスコーナー）に面した側は通れないのだが、一応周囲をグルッとほぼ一周できた。
前年度ランキング下位のザウバーやミナルディあたりのモーターホームが陸側で、海側のコースに遠い側からB-A-R、トヨタ、ウィリアムズというような並びだったかな。
ああそうそう、8年前にフリー走行のところでも書いたけど、ジャガーを買収してこの年から参戦したレッドブルはパドックエリアにモーターホームがなく、なんと海に浮島を作って巨大モーターホーム（って言うのか？アレ）を建てていた。屋上にはプールまである代物だ。
この年のモナコGP限定でレッドブルはスターウォーズのスポンサーを受けて、ピットクルー達もトルーパーとやらのコスプレ（ロリーポップマンはダースベイダーだ）をしていた。ジョージ・ルーカス監督も見かけたな。スターウォーズファンなら狂喜乱舞だったんだろうけど、正直キョーミのない俺は「フーン (´_ゝ`)」という感じだった。
そこからさらに奥、コース側に進むと、確かFIAのテントとかがあって、一番コース（ラスカスコーナー）に近い側に、フェラーリのモーターホームがあった。2日前、フリー走行の日にミヒャエルのサインをもらい損ねた場所だ。
そこに到達して、俺は愕然とした。フェラーリのモーターホームの入口前のフェンスにはブルーシートが貼られて、中を通る人が見えないようになっていたのだ。
2000年〜2004年まで、ブリヂストンタイヤとの蜜月でフェラーリは圧倒的な戦闘力を誇り、ミヒャエル・シューマッハとともに5年連続でタイトルを獲得した（グッドイヤータイヤだった1999年もコンストラクターズタイトルを獲っている）。
だがこの2005年は、ブリヂストン=フェラーリの包囲網を形成するように、他の上位〜中位までのチームがこぞってミシュランタイヤに切り替え、しかも圧倒的にミシュランの戦闘力が上回ってしまった。つい前年まで圧倒的な強さを誇ったフェラーリが、第5戦まで1勝もできていなかった。
ミヒャエルとしては、モナコなら自分の腕でなんとかカバーして勝負できると踏んでいたのだろう。しかし、現実にはフリー走行からミシュラン勢に水を開けられ、厳しい戦いになっていた。よほどフェラーリ陣営もピリピリしていたのだろう。それがそのブルーシートという形で現れたのだと思う。
こりゃ、もうサインゲットは難しいな、と残念な気持ちになって、海沿いを引き返した。
今度は、パドックエリアを見下ろすように立つモナコヨットクラブのビル（この建物をくぐってパドックエリアに入るのだ）の側のフェンスを辿っていったが、やはり人はほとんどいない。そんな中、その一番奥（コース寄り）にある喫茶店はちゃんと営業していた。そこで、フリー走行のエンジン音を聞きながらお茶をすることした。
この店には、店の表にミナルディM194のサイドポンツーンがディスプレイしてある。後にフェラーリに加入するアルド・コスタが手掛けたM194のサイドポンツーンと言えば、実は下側が抉られたスキャロップド形状をしていて、時代を先取りし(ry←長くなるので割愛 (^_^;
(PeanasonicDMC-FZ10(24.7mm=equiv147mm), 1/6sec, F2.8, ISO50)
この店のテーブルはパドックエリアの金網に沿うように並べられていた。そこに腰掛けて、（別にモナコだからって特別美味しいわけでもない）カプチーノをすすっていたら、やはりクルーザーに渡らずに残っていたハワイ僧侶夫婦もヒマを持て余したようで、喫茶店にやってきた。
「やあどうも。」
一緒にお茶でまったりという流れになった。
否。
そんなまったりは長く続かなかった。
「あれ？」
誰が気づいたのかよく覚えていないが、その声に全員が同じ人物を見た。
ツアーメンバーにも配られたB-A-Rホンダのシャツを来た小柄な男性が金網越しのパドックの中を歩いている。小柄だが、引き締まった精悍な身体。間違いなく一般人とは違うオーラ。
佐藤琢磨だ！
次の瞬間、全員がその名を呼んでいた。
すると、こちらに気づいた彼は、一瞬の淀みもなく、スッと進路を変えてこちらに向かって来た。
「こんにちは！」
テレビで見ていた通りの快活な挨拶だ。
「あ、あの、僕たち、琢磨さんの応援ツアーで来たんです」
「えー、こんなことになっちゃった（出場停止）のに、モナコまで来てくれて、嬉しいなあ」
そんな感じの会話を交わしながら、金網越しにパンフレットを渡してサインを書いてもらう。
もうこちとら完全に舞い上がっている。前日に外国人の証言で兆候はあったとは言え、まあそうそう会えないだろうと思っていた佐藤琢磨と遭遇できたのだから。
佐藤琢磨（この写真は僧侶氏からもらった）
(Canon IXY Digital 55(7.1mm=equiv35.5mm), 1/125sec, F3.2)
「あ、あの、この帽子にもサインしてもらえませんか？」
ハワイ僧侶の彼が、キャップを取り出した。それは、前日のビンゴ大会で彼らがゲットした「サイン済み」のキャップだった。
それを見て琢磨は
「あれ？もう書いてあるじゃん」
「いえ、直接書いてもらった方が...」
「えー、そんな、2度書いてもしょうがないじゃん」
結局○○さんへ、的なことを書いてもらったんだったかな。いやほんと、それくらい俺たちは舞い上がっていた (^_^;。
大興奮の琢磨遭遇だったが、彼が去ると、また喫茶店周辺は、脇を走るF-1マシンのエンジン音だけが響く空間に戻った。
あ、実は琢磨遭遇の前に、また永井大にも遭遇したのだが、慣れとは恐ろしいもので、F-1のスター達と遭遇した後だとどうでも良くなっていた (^_^;（スマソ、永井はいい人だったけど）。
つづく。
すなわち、俺たちが新婚旅行で行ってから10年経つことを意味する。
な の に
まだその旅行記が完結していない。っていうか、2014年に1回も進んでなかったのか！
そんなわけで、ちょいと急いで進めていこうか。
朝焼けのヴィルフランシュ
(PeanasonicDMC-FZ10(36.0mm=equiv36.0mm), 1/250sec, F4.0, ISO100)
2005年モナコGP観戦記バックナンバーはこちら。
1.Prologue
2.To Nice
3.Musee Matisse
4.To Vence
5.At Vence
6.Vence Old Town
7.First Monaco
8.Kir Royal
9.Free Practice 1
10.Free Practice 2
11.Meet F-1 Drivers
12.Walk Around In Monaco
13.Course Open
14.Meet The God
15.Dive Into The Water
16.The Evening of The Palace
17.Tour Mates
18.The Honeycomb Village
19.The Hawaiian Priest
20.Sunny Monaco
21.Cruiser Party
22.Cruiser Party2
23.Tongue Resting
前日、割と早めに就寝したのもあって、少し余裕を持って起床した。ホテルは相変わらずボロボロだけど（←関係ない）。宿泊環境には恵まれないこのツアーだが、この日は土曜日、いよいよ予選だ。
このツアーでは、初めて全員がモナコに向かう3日目のフリー走行の往路だけは添乗員の先導のもと、クルーザーまで連れて行ってもらえた。だが、この土曜の予選と、翌日の決勝は自由行動だった。ニース⇄モナコの鉄道の切符は貰えたけど。
ただ、クルーザーに渡るにはゴムボートに乗らなくてはならなかったので、波止場？の集合時間が決まっていたと記憶している。あ、先述したように、渡るって言っても港湾内だ。ただ、レースのためにコースが閉じられると、陸側から船の乗り降りができなくなっちゃうのでこんな回りくどいことになるわけだ。
なので、結局ツアーメンバーとは大概、乗る電車は同じだし、ホテル時間も似たようなものだった。それでも、ニース駅までの道を自由に歩いて行くのは少しワクワクするものがあった。
ホテルを出て、少し寂れた通りを5分ほど歩いて大通りに出たら、まっすぐ北上すれば駅に着く。
ただこの時、この大通りは、新たに路面電車を整備している時で、絶賛工事中だったので少々歩きづらくはあった。
オテル・アクロポールからニース駅まで
ホテルは経営が変わってリニューアルしたみたいだね。外観は変わってないけど。
余談ながら、今ぐぐるさんでニースのこの大通りを見てみると、綺麗な新型路面電車（LRTって言うの？）が走っている。ニース到着初日に、俺たちはホテルから旧市街までテクテクと15分も歩いたのだが、今なら、大通りに出て路面電車に乗る方が楽で早いかもしれない。
ちなみにぐぐるストリートマップには、前日に夕食をとった中華店も写っている。10年経ってもまだ営業してるんだから、それなりに繁盛してるんだろうな。
Google Mapに写ってるLRT
ニース駅前の中華料理屋
さて、この日のホテル出発は午前6時半とした。まだ開店前、しかも土曜朝の閑散とした雰囲気の大通りを駅へ向かった。朝飯は、ホテルの中で食ってもいいのだが、相変わらず質素なものだったので、袋に入れて持って行き、電車で食うことにした。
朝焼けの中、海沿いを走る電車の車窓はなかなかいい風景だった。それがトビラ写真ね（前回のトビラ写真と時刻違いってことになるのかな）。なんか、カメラのカタログで解像力を示すために載せられる写真でよくありそうだよね。
この日の俺たちの作戦は、午前のフリー走行はスルーしてクルーザーには渡らず、その前後にパドックに出入りするドライバーやスタッフのサインをゲットしよう、というものだった。
...ん？決めた順番が逆だったかもしれない。
クルーザーへのゴムボートの発着場は、モーターホームエリアからパドックに向かう、ドライバーやチーム関係者の通路になっていた。そこでボートを待っていたら、次々とサインゲット対象者が歩いてきたから、ボートに乗らずになし崩し的にそこに残っただけのような気もする (^_^;。
そこでは、ロン・デニスや浜島さん、ピエール・デュパスキエら、組織のトップの人達の写真が残っている。ドライバーも何人か捕まえたはずだが、彼らはサインだけすると、写真を撮る前にそそくさと行ってしまうので写真が残っていない。
ここで、パドックの俯瞰図を作成したのでご覧いただこう。
これは、北側からパドックエリアを見た図だ。一番右側に、グランプリコースのラスカスコーナーがチラっと見えている。ビルはモナコヨットクラブの建物だ。その駐車場にパドックエリア（モーターホームエリア）があり、俺たちはその中には立ち入れない。そのフェンスの周りを歩ける（白い矢印）。ここに来るには、モンテカルロ駅から黄色い矢印で歩いてきて、モナコヨットクラブの建物の3階相当くらいの陸側の入り口から入って、階段を下ってパドックエリアに出るのだ。
さて、パドックに残ったものの、フリー走行が始まってしまうとヒマだ。さすがにマシンの走行中は人の流れもほとんどなくなってしまう。
とりあえず（俺たちは中に入れない）フェンスづたいに、誰かサインゲットに値する人物がいないか歩いてみた。パドックエリアでは、モーターホームが山側と海側の2列に並んでいた。だから、フェンスを伝って行けば、コース（ラスカスコーナー）に面した側は通れないのだが、一応周囲をグルッとほぼ一周できた。
前年度ランキング下位のザウバーやミナルディあたりのモーターホームが陸側で、海側のコースに遠い側からB-A-R、トヨタ、ウィリアムズというような並びだったかな。
ああそうそう、8年前にフリー走行のところでも書いたけど、ジャガーを買収してこの年から参戦したレッドブルはパドックエリアにモーターホームがなく、なんと海に浮島を作って巨大モーターホーム（って言うのか？アレ）を建てていた。屋上にはプールまである代物だ。
この年のモナコGP限定でレッドブルはスターウォーズのスポンサーを受けて、ピットクルー達もトルーパーとやらのコスプレ（ロリーポップマンはダースベイダーだ）をしていた。ジョージ・ルーカス監督も見かけたな。スターウォーズファンなら狂喜乱舞だったんだろうけど、正直キョーミのない俺は「フーン (´_ゝ`)」という感じだった。
そこからさらに奥、コース側に進むと、確かFIAのテントとかがあって、一番コース（ラスカスコーナー）に近い側に、フェラーリのモーターホームがあった。2日前、フリー走行の日にミヒャエルのサインをもらい損ねた場所だ。
そこに到達して、俺は愕然とした。フェラーリのモーターホームの入口前のフェンスにはブルーシートが貼られて、中を通る人が見えないようになっていたのだ。
2000年〜2004年まで、ブリヂストンタイヤとの蜜月でフェラーリは圧倒的な戦闘力を誇り、ミヒャエル・シューマッハとともに5年連続でタイトルを獲得した（グッドイヤータイヤだった1999年もコンストラクターズタイトルを獲っている）。
だがこの2005年は、ブリヂストン=フェラーリの包囲網を形成するように、他の上位〜中位までのチームがこぞってミシュランタイヤに切り替え、しかも圧倒的にミシュランの戦闘力が上回ってしまった。つい前年まで圧倒的な強さを誇ったフェラーリが、第5戦まで1勝もできていなかった。
ミヒャエルとしては、モナコなら自分の腕でなんとかカバーして勝負できると踏んでいたのだろう。しかし、現実にはフリー走行からミシュラン勢に水を開けられ、厳しい戦いになっていた。よほどフェラーリ陣営もピリピリしていたのだろう。それがそのブルーシートという形で現れたのだと思う。
こりゃ、もうサインゲットは難しいな、と残念な気持ちになって、海沿いを引き返した。
今度は、パドックエリアを見下ろすように立つモナコヨットクラブのビル（この建物をくぐってパドックエリアに入るのだ）の側のフェンスを辿っていったが、やはり人はほとんどいない。そんな中、その一番奥（コース寄り）にある喫茶店はちゃんと営業していた。そこで、フリー走行のエンジン音を聞きながらお茶をすることした。
この店には、店の表にミナルディM194のサイドポンツーンがディスプレイしてある。後にフェラーリに加入するアルド・コスタが手掛けたM194のサイドポンツーンと言えば、実は下側が抉られたスキャロップド形状をしていて、時代を先取りし(ry←長くなるので割愛 (^_^;
(PeanasonicDMC-FZ10(24.7mm=equiv147mm), 1/6sec, F2.8, ISO50)
この店のテーブルはパドックエリアの金網に沿うように並べられていた。そこに腰掛けて、（別にモナコだからって特別美味しいわけでもない）カプチーノをすすっていたら、やはりクルーザーに渡らずに残っていたハワイ僧侶夫婦もヒマを持て余したようで、喫茶店にやってきた。
「やあどうも。」
一緒にお茶でまったりという流れになった。
否。
そんなまったりは長く続かなかった。
「あれ？」
誰が気づいたのかよく覚えていないが、その声に全員が同じ人物を見た。
ツアーメンバーにも配られたB-A-Rホンダのシャツを来た小柄な男性が金網越しのパドックの中を歩いている。小柄だが、引き締まった精悍な身体。間違いなく一般人とは違うオーラ。
佐藤琢磨だ！
次の瞬間、全員がその名を呼んでいた。
すると、こちらに気づいた彼は、一瞬の淀みもなく、スッと進路を変えてこちらに向かって来た。
「こんにちは！」
テレビで見ていた通りの快活な挨拶だ。
「あ、あの、僕たち、琢磨さんの応援ツアーで来たんです」
「えー、こんなことになっちゃった（出場停止）のに、モナコまで来てくれて、嬉しいなあ」
そんな感じの会話を交わしながら、金網越しにパンフレットを渡してサインを書いてもらう。
もうこちとら完全に舞い上がっている。前日に外国人の証言で兆候はあったとは言え、まあそうそう会えないだろうと思っていた佐藤琢磨と遭遇できたのだから。
佐藤琢磨（この写真は僧侶氏からもらった）
(Canon IXY Digital 55(7.1mm=equiv35.5mm), 1/125sec, F3.2)
「あ、あの、この帽子にもサインしてもらえませんか？」
ハワイ僧侶の彼が、キャップを取り出した。それは、前日のビンゴ大会で彼らがゲットした「サイン済み」のキャップだった。
それを見て琢磨は
「あれ？もう書いてあるじゃん」
「いえ、直接書いてもらった方が...」
「えー、そんな、2度書いてもしょうがないじゃん」
結局○○さんへ、的なことを書いてもらったんだったかな。いやほんと、それくらい俺たちは舞い上がっていた (^_^;。
大興奮の琢磨遭遇だったが、彼が去ると、また喫茶店周辺は、脇を走るF-1マシンのエンジン音だけが響く空間に戻った。
あ、実は琢磨遭遇の前に、また永井大にも遭遇したのだが、慣れとは恐ろしいもので、F-1のスター達と遭遇した後だとどうでも良くなっていた (^_^;（スマソ、永井はいい人だったけど）。
つづく。
nobilesの投稿(22:17:49-2015-05-20) -
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