NOBILES Days
Jump to navigationFrankly Speaking... Vol.23
今朝のことだ。
ウチの部署は通常勤務だった。いつものようにチャリでターミナル駅に向かった。
平日なら座るためにその駅の始発電車を待つところだが、土曜で空いていることを念頭に、ローカル線からの直通電車の到着するホームに出た。
が、どうやら遅れている。必殺「安全点検」というやつのようだ。
3分後に始発電車があるが、まあ、直通電車もこの駅に向かっているようなことを言うので待っていた。始発電車は途中駅で10分くらい停車するからイヤだったし。
が、驚くべき事態が起きる。アナウンス一切なしに、線路を隔てた向かいのホームに停まっていたその始発電車が先に発車したのだ。
...あり得なくない？
結局当初の狙いの電車は15分以上遅れて混み混みでやって来た。
なあ、おい。どう考えてもあの時点で直通電車のホームにいた人達を、ガラガラだった始発電車に誘導するべきだったんじゃないの？
多分土曜で駅員の勤務シフトも休日体制だったんだろうけどさ。客ナメすぎでしょ。
結局、一応フレックス時間には入れたが...あの時アナウンスがあれば20分は早く着いていたはずだ。
LX
(PentaxK10D, PentaxDA16-45mmF4(45.0mm), 1.3sec, F4.0, ISO100)
カメラネタばっかで恐縮でっす (^_^;。
じゃ、引き続き前職ぶっちゃけ回顧録。
2008年春。
大詰めを迎えた製品の開発において、ある問題点が発見され、設計変更が施されることになった。結果、俺たちのグループはもろにその影響を被り、ほとんどの設定をやり直すことになってしまった。
こんな事態になっても「現場任せ」な体質へ物申すことも視野に入れ、俺達は月曜朝の締め切りに向けて金曜から泊まり込んでいた。
俺達はこれを「合宿」と呼んだ。
前職ぶっちゃけ回顧録
「23.終戦」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
その「合宿」2日目の土曜日。確か8時頃には誰からともなく起きた。
俺たちがこれだけやってるんだから、同製品の担当者もさぞたくさん休日出勤しているかと思いきや、たしか2、3人程度しかいなかった。このことからも分かる通り、我々は製品開発の最終工程だった。この時点で他のグループの仕事はほぼ終わっていたのだ。
2日目にもなると、みな、個々に持ち込んだ食料も底を尽き始める。もちろん食堂は営業していないし、売店も同様だ。線路沿いの空き地にポツンと立った社屋はすぐ近くにコンビニもなかった。
そんなわけで、晩飯前に全員で、徒歩10分程度のコンビニまで買い出しに出かけた。
が、やっぱり寝る前に風呂に行く余裕はなかった。こなしてもこなしても先は長く、また、いろいろな細かな問題もあって順調に進んでいたとは言えなかった。
「あー、ここまで来て間に合わねーのか？？？」さすがのボスも嘆くほどだった。
2日目、土曜日は27時の就寝となった。
実はこの「合宿」中の出来事でも書きたいことはあるが、ここでは一気に最後まで行こう。大詰めの3日目、日曜日だ。
作業は、まだまだギリギリのペースだった。かなり疲労もあって若干朦朧気味だったが、もはや定型作業と化していたので、手は動いた。世間話的なものもしないわけではないが、基本的には「黙々モード」になっていた。それは静かな戦場のようだった。
3日目の作業もどんどん夜更けに食い込んでいった。何しろ翌日の朝にはデータを耳揃えてアップしなければならないのだ。
25時頃だったか、ボスの作業待ちとなって30分くらいの空きができてSがコンビニへ行こうとした。
深夜は保安室前の通用口もロックがかけられる。Sが保安員に声をかけて開けてもらおうとすると...保安員が爆睡していた。ガラス戸を叩いて声をかけるが起きる気配がない。
途方にくれたSは何の戦利品も得ることなく部屋に引き上げてきた。社内にもパンなどの自販機があったが、土曜の早い段階でとっくに売り切れになっていた。
加えて日曜は他のグループの休日出勤者もほとんどなかったので、俺たちは孤立感を強めていた。20畳程度のこの個室に軟禁されている気がしたし、実際外に出れない事態まで起きた。それに、土日の間には、上長が顔を出すどころか、様子を尋ねる電話やメールすらなかった。
そう、この3連泊という異常事態においても、俺たちはまさに「野放し」だったのだ。黙々と作業しながらも、俺の中でモヤモヤとしたものがどんどん増殖していくのが分かった。
なんとか終わりそうな目処が立ったのは、日曜の深夜、多分26時とかだったと思う。
でも、そこからこなすべき作業がまだ残っていた。ファームウェアの形にして、間違いなく意図通り反映できたか動作確認をして、サーバーにアップロードするところまでが俺たちの仕事だからだ。
結局、全ての作業が終わったのは30時、つまり翌月曜日の午前6時少し前だった。全員、身体はドロドロに疲れていた。
終わった旨をファームウェア担当者にメールで送るともう、早めに出勤する人が来てもおかしくない時間だった。さすがに、このまま月曜日を働く体力は、全員なかった。
そこで午前は半休扱いにして、部屋に鍵をかけて寝ることにした。もちろん、扉の前には「Do not disturb!」の貼り紙だ。
俺はマイクッションを自席から移動して寝た。ボス、S、ヅメは椅子を目一杯リクライニングして寝ていたが、一人、スギさんは堅い床に新聞紙を一枚敷いて寝ていた。痛くないの？
高倉健の空気漂うスギさんが床に放置されている図は、シュールそのものだった。
みんな昼休みまで爆睡だったが、俺は11時には目が覚めていたので、部屋の外にいる先輩（前エントリーで紹介したYSさん）に様子を聞いた。
「えっ、何が？別にいつも通りだよ。課長も。部長は見てないけど」。
...あー、うちの部屋が鍵かけて籠城しても上司陣はなんの興味もなしっすか。そーっすか。そもそも、終わったのかどうかにも興味ないわけ？
ムヤムヤした思いを抱えたまま、昼を迎える。俺は部屋の一番奥にいた。外に出るための通路は椅子を目一杯倒して依然としてSが寝ていて塞がれていたので、俺は機材が散乱した机の上の10cm程度の幅を綱渡り状態で歩いて部屋の奥から脱出した。出口前の広い床には新聞紙1枚の上にスギさんが直立不動で落ちていた (^_^;。
睡眠モードで灯りを落とした部屋の外に出ると、そこはいつもと全く変わらない職場の風景が広がっていた。
それが余計に「俺達はなんなんだ？」という思いにさせた。
つづく。
ウチの部署は通常勤務だった。いつものようにチャリでターミナル駅に向かった。
平日なら座るためにその駅の始発電車を待つところだが、土曜で空いていることを念頭に、ローカル線からの直通電車の到着するホームに出た。
が、どうやら遅れている。必殺「安全点検」というやつのようだ。
3分後に始発電車があるが、まあ、直通電車もこの駅に向かっているようなことを言うので待っていた。始発電車は途中駅で10分くらい停車するからイヤだったし。
が、驚くべき事態が起きる。アナウンス一切なしに、線路を隔てた向かいのホームに停まっていたその始発電車が先に発車したのだ。
...あり得なくない？
結局当初の狙いの電車は15分以上遅れて混み混みでやって来た。
なあ、おい。どう考えてもあの時点で直通電車のホームにいた人達を、ガラガラだった始発電車に誘導するべきだったんじゃないの？
多分土曜で駅員の勤務シフトも休日体制だったんだろうけどさ。客ナメすぎでしょ。
結局、一応フレックス時間には入れたが...あの時アナウンスがあれば20分は早く着いていたはずだ。
LX
(PentaxK10D, PentaxDA16-45mmF4(45.0mm), 1.3sec, F4.0, ISO100)
カメラネタばっかで恐縮でっす (^_^;。
じゃ、引き続き前職ぶっちゃけ回顧録。
2008年春。
大詰めを迎えた製品の開発において、ある問題点が発見され、設計変更が施されることになった。結果、俺たちのグループはもろにその影響を被り、ほとんどの設定をやり直すことになってしまった。
こんな事態になっても「現場任せ」な体質へ物申すことも視野に入れ、俺達は月曜朝の締め切りに向けて金曜から泊まり込んでいた。
俺達はこれを「合宿」と呼んだ。
前職ぶっちゃけ回顧録
「23.終戦」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
その「合宿」2日目の土曜日。確か8時頃には誰からともなく起きた。
俺たちがこれだけやってるんだから、同製品の担当者もさぞたくさん休日出勤しているかと思いきや、たしか2、3人程度しかいなかった。このことからも分かる通り、我々は製品開発の最終工程だった。この時点で他のグループの仕事はほぼ終わっていたのだ。
2日目にもなると、みな、個々に持ち込んだ食料も底を尽き始める。もちろん食堂は営業していないし、売店も同様だ。線路沿いの空き地にポツンと立った社屋はすぐ近くにコンビニもなかった。
そんなわけで、晩飯前に全員で、徒歩10分程度のコンビニまで買い出しに出かけた。
が、やっぱり寝る前に風呂に行く余裕はなかった。こなしてもこなしても先は長く、また、いろいろな細かな問題もあって順調に進んでいたとは言えなかった。
「あー、ここまで来て間に合わねーのか？？？」さすがのボスも嘆くほどだった。
2日目、土曜日は27時の就寝となった。
実はこの「合宿」中の出来事でも書きたいことはあるが、ここでは一気に最後まで行こう。大詰めの3日目、日曜日だ。
作業は、まだまだギリギリのペースだった。かなり疲労もあって若干朦朧気味だったが、もはや定型作業と化していたので、手は動いた。世間話的なものもしないわけではないが、基本的には「黙々モード」になっていた。それは静かな戦場のようだった。
3日目の作業もどんどん夜更けに食い込んでいった。何しろ翌日の朝にはデータを耳揃えてアップしなければならないのだ。
25時頃だったか、ボスの作業待ちとなって30分くらいの空きができてSがコンビニへ行こうとした。
深夜は保安室前の通用口もロックがかけられる。Sが保安員に声をかけて開けてもらおうとすると...保安員が爆睡していた。ガラス戸を叩いて声をかけるが起きる気配がない。
途方にくれたSは何の戦利品も得ることなく部屋に引き上げてきた。社内にもパンなどの自販機があったが、土曜の早い段階でとっくに売り切れになっていた。
加えて日曜は他のグループの休日出勤者もほとんどなかったので、俺たちは孤立感を強めていた。20畳程度のこの個室に軟禁されている気がしたし、実際外に出れない事態まで起きた。それに、土日の間には、上長が顔を出すどころか、様子を尋ねる電話やメールすらなかった。
そう、この3連泊という異常事態においても、俺たちはまさに「野放し」だったのだ。黙々と作業しながらも、俺の中でモヤモヤとしたものがどんどん増殖していくのが分かった。
なんとか終わりそうな目処が立ったのは、日曜の深夜、多分26時とかだったと思う。
でも、そこからこなすべき作業がまだ残っていた。ファームウェアの形にして、間違いなく意図通り反映できたか動作確認をして、サーバーにアップロードするところまでが俺たちの仕事だからだ。
結局、全ての作業が終わったのは30時、つまり翌月曜日の午前6時少し前だった。全員、身体はドロドロに疲れていた。
終わった旨をファームウェア担当者にメールで送るともう、早めに出勤する人が来てもおかしくない時間だった。さすがに、このまま月曜日を働く体力は、全員なかった。
そこで午前は半休扱いにして、部屋に鍵をかけて寝ることにした。もちろん、扉の前には「Do not disturb!」の貼り紙だ。
俺はマイクッションを自席から移動して寝た。ボス、S、ヅメは椅子を目一杯リクライニングして寝ていたが、一人、スギさんは堅い床に新聞紙を一枚敷いて寝ていた。痛くないの？
高倉健の空気漂うスギさんが床に放置されている図は、シュールそのものだった。
みんな昼休みまで爆睡だったが、俺は11時には目が覚めていたので、部屋の外にいる先輩（前エントリーで紹介したYSさん）に様子を聞いた。
「えっ、何が？別にいつも通りだよ。課長も。部長は見てないけど」。
...あー、うちの部屋が鍵かけて籠城しても上司陣はなんの興味もなしっすか。そーっすか。そもそも、終わったのかどうかにも興味ないわけ？
ムヤムヤした思いを抱えたまま、昼を迎える。俺は部屋の一番奥にいた。外に出るための通路は椅子を目一杯倒して依然としてSが寝ていて塞がれていたので、俺は機材が散乱した机の上の10cm程度の幅を綱渡り状態で歩いて部屋の奥から脱出した。出口前の広い床には新聞紙1枚の上にスギさんが直立不動で落ちていた (^_^;。
睡眠モードで灯りを落とした部屋の外に出ると、そこはいつもと全く変わらない職場の風景が広がっていた。
それが余計に「俺達はなんなんだ？」という思いにさせた。
つづく。
nobilesの投稿(23:34:00-2011-08-06) -
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