NOBILES Days
Jump to navigationFrankly Speaking... Vol.24
小ブログが、毎度このトビラ部分に小ばなしと写真を入れてから本題に入っていく形式になっているのは、当駄文の数々をお読みいただいてる酔狂な皆様におかれましてはお馴染みなことだろう。
だが最近、小ばなしのつもりで書き始めたネタを掘り下げすぎてしまう。ボリュームが増えすぎて本編に格上げするのはいいが、またトビラ小ばなしのネタに困るというスパイラルにはまりがちだ。
あー、ほら長くなってきた。
まあ、別に決まりでもなんでもないんでね。今後いきなり本編に入ったら、トビラネタに困ったのだと思っていただきたい (^_^;。
意外と写真のネタにも困るのよねー。あんなにバカみたいに大量に撮ってるのに、ヒット率低いってことか orz。
まあ、それもあるだろうけど、ある程度季節やら何やらで旬ってものもあるのよ。
長女の作品...最近、はっきり顔を描くようになった
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F2.5, ISO250)
さて、しばらく筆が止まっていたが、前職ぶっちゃけ回顧録を再開しよう。
3日3晩の「合宿」で、からがらノルマを達成した俺たちのグループは4日目の朝を迎えた。迎えたって言っても朝6時までバリバリ働いてたわけだが。
自分達が戦争のような3日間を過ごしたのに、何も変わらない月曜を周囲が迎えているのを見て、俺はなにか疎外感に近い、ムヤムヤとした気持ちを募らせていた。
前職ぶっちゃけ回顧録
「24.相談」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
23.終戦
午後に入って、グループ員も全員起きた。猛烈な気怠さが襲う。でもまあノルマも達成したので、後処理程度がある程度で、差し迫ってやらなければならないという仕事があるわけではない。昨日までと違う穏やかな時間が流れる。
そんな中、おもむろにボスが俺に言った。
「な、今回の件、上司連中の態度どう思った？」
俺のムヤムヤの核心をいきなり突くような質問だった。
「おかしいと思うだろ？T（事業所）時代、休日出勤したらさ、たとえば（以前の上司でボスのことを買っていた）○○さんなんかは、差し入れとか持って様子見に来たじゃん。まあ、事業所も変わって通勤事情も変わったし、別に差し入れが欲しいわけじゃないけどさ。気をかけてられてるのが分かるだけで全然違うよな。」
「今回なんて金曜も特に進捗を聞きに来たわけでもなし、土日に電話もなし、今日も『どうだった？』なんて、声すらかけて来てないよな？完全に、関心なしだよな。」
「...曲がりなりにも俺達はノルマこなしたわけだよな。これでモノ言えるんだよ。今から爆弾落としてやる」。
そう言うと、ボスはメールを作成しはじめた。俺は若干の不安をおぼえたが、不満の気持ちは同じだったので止めることはしなかった。
それからしばらくして、ボスからメールが来た。部のマネージャー陣全員が宛先で、俺たちグループ員がccだった。その内容を見て、俺は正直「あちゃー」と思った。ボスの悪いところが出た、と感じたのだ。
内容を簡単に述べれば、この数日間、グループが理不尽な環境の中で、それでもいかにして成果を出したか、ということが書かれていた。
それ自体はいい。
だが、ボスはそれを理詰めで説明しようとして、完全に訴えたいことがボヤけてしまっていた。
例えば、サボりオヤジOと俺たちのグループが一週間にこなす仕事量の数値を、わざわざ計算式まで出して比べた上、「さて、いったい何倍でしょう？」なんてクイズ調の質問がついていた。
これじゃ上司としても「こいつは一体何を送りつけてきたんだ？？」となってしまう。案の定、このメールを見てボスのことを呼び出した部長は、開口一番「なんでこんなもの送るんだ？？」と言ったという。
内容を全部読めば、書いてあることは間違っていないどころか、筋の通ったことしか書いていない。数値を出して客観的に、グループが被った理不尽を説いている。でも、挑発的なクイズ調を入れてカチンとさせるくらいなら、「本当に辛かったです」と心情に訴えた方が良かったかもしれない。特にあの会社の場合は。
だけどボスはそんなことはしたくなかったんだろうね。ビジネスにおいては弱みを見せない。でも、大企業でうまく立ち回るには向かない、ボスの限界であったかもしれない。
とにかく、ボスと部長が話し合って、何やらそれなりの歩み寄りはあったようだが、 結局はうまくはぐらかされた形のようだ。つまり、「今回は本当に良くやってくれた。 感謝している」。その言葉だけだ。仕事量の不均衡の是正や、放置プレイへの謝罪などは一切なかったわけだ。
でも、俺のムヤムヤは収まらなかった。 この会社は、サボッてる人は見逃しても、しっかり働いた人は報われる、そんな会社じゃないのか？青臭くも、あの時俺はそう思っていた。いや、青臭いねー。
こうやって、会社で本気で悩んだ時、毎回相談している人がいた。...その時までに2、3回くらいあったかな。
名前は...シモシモ...って書いちゃったら既になんの伏字でもないけど、まあいいか (^_^;。
シモシモは俺が2年目の頃に、他の事業部から異動してきて、しばらく一緒に仕事をした。年齢は俺より15弱くらい上だったろうか。飲み会部長と言われるくらいノリが良く、気のいいおじさんで、人間としてのこの人を嫌いな人はいないんじゃないか、と思うほどだ。仕事では一転して終止真面目なトーンで、いつも駆けずり回って、人を気にかけている、そんなタイプの人だった。いわゆる、調整型の典型だね。
一緒に仕事をした頃、俺は基板のデザインをしていた。担当製品の開発がズブズブで、次から次へと対策の部品が追加されては基板の試作が繰り返される、自転車操業のようなヒドい状態だった。
でも、「さすがにもう部品入らないだろう？」と思われる状況の中、俺はパズルセンスを生かしてそれらの部品をさっくりと追加していった。それを見て、シモシモは俺のことを高く買ってくれようになった。
調整型ということから分かる通り、シモシモは人の話をよく聞く人だった。メモまでとりながらじっくり話を聞いて「つまり、こういうことだね」と言う感じでコンクルージョンする。だから、「ああ、話しっかり聞いてくれてるんだな」と思えた。たとえ解決策が見つからなくても、人は話を聞いてもらうだけで悩みの大部分は解決するというから、悩みを聞いてもらうには絶好の人物であったとも言える。
この当時、シモシモは既に技術部門を離れ、事業部の経営戦略的な部署へ異動していたが、席は近かったし、俺達の仕事の内容もそれなりに把握していたので、俺は今回も、シモシモに話を聞いてもらいに席へ向かった。
シモシモはいつものように、メモをとりながら俺の話を聞いた。
話すことで、その時俺は少し気が晴れたのは覚えている。でもその時、俺の不満に対してシモシモが何を言ったのか良く思い出せない。多分、俺の一方的な話だけ聞いて簡単にモノは言えないし、既に立場的には関係が薄いから上司に何か言うことはできない、というようなことを言ったのだと思う。こういう時、シモシモは極めて慎重に言葉を選ぶからだ。調整型だからね。
それはいい。 俺も聞いてもらうことが中心だったし、何か行動してもらおうなんて思ってたんじゃない。
だが俺はこの時シモシモの言葉に「あれっ？」という疑問が芽生えたのをはっきりと覚えている。
「俺さあ、あの部屋（ボスのグループ）の派遣さんの働かされ方、問題があると思うんだよね。可哀想だよ。」
ん？
...俺はその時しばらくその意味が理解できなかった。
シモシモは、ボスの派遣社員の使い方が荒すぎるという意味のことを言ったようだ。
いやまあ、確かに荒いよ。
ただ、以前にも言ったが、同じ部屋で見ていてもボスは派遣社員に闇雲に厳しくあたっていたわけじゃない。紐とくと、ちゃんと理由が存在している。俺はシモシモもその辺を把握していると思っていたが、そうではなかった。残念ながら、表面上の印象だけを受け止めていたということだ。まあ、致し方ないとは思うけどね。
つづく。
だが最近、小ばなしのつもりで書き始めたネタを掘り下げすぎてしまう。ボリュームが増えすぎて本編に格上げするのはいいが、またトビラ小ばなしのネタに困るというスパイラルにはまりがちだ。
あー、ほら長くなってきた。
まあ、別に決まりでもなんでもないんでね。今後いきなり本編に入ったら、トビラネタに困ったのだと思っていただきたい (^_^;。
意外と写真のネタにも困るのよねー。あんなにバカみたいに大量に撮ってるのに、ヒット率低いってことか orz。
まあ、それもあるだろうけど、ある程度季節やら何やらで旬ってものもあるのよ。
長女の作品...最近、はっきり顔を描くようになった
(PentaxK-7, PentaxFA31mmLimitedF1.8, 1/80sec, F2.5, ISO250)
さて、しばらく筆が止まっていたが、前職ぶっちゃけ回顧録を再開しよう。
3日3晩の「合宿」で、からがらノルマを達成した俺たちのグループは4日目の朝を迎えた。迎えたって言っても朝6時までバリバリ働いてたわけだが。
自分達が戦争のような3日間を過ごしたのに、何も変わらない月曜を周囲が迎えているのを見て、俺はなにか疎外感に近い、ムヤムヤとした気持ちを募らせていた。
前職ぶっちゃけ回顧録
「24.相談」
*** Back Number ***
1.野放し
2.OFコンビ（ボンクラ親父達）
3.堕落人
4.砂上の楼閣1
5.砂上の楼閣2
6.火の玉、堕ちた
7.さよなら、ブーちゃん
8.新たなるチャレンジ
9.斜陽
10.ハイテンション・プログラマー
11.ドロンパ、郷里に帰る
12.盟友たち
13.大移動
14.編入
15.最短記録
16.再加入
17.ゆとり世代
18.ゆとり世代2
19.宿命の対決再び
20.追放
21.戦場
22.合宿
23.終戦
午後に入って、グループ員も全員起きた。猛烈な気怠さが襲う。でもまあノルマも達成したので、後処理程度がある程度で、差し迫ってやらなければならないという仕事があるわけではない。昨日までと違う穏やかな時間が流れる。
そんな中、おもむろにボスが俺に言った。
「な、今回の件、上司連中の態度どう思った？」
俺のムヤムヤの核心をいきなり突くような質問だった。
「おかしいと思うだろ？T（事業所）時代、休日出勤したらさ、たとえば（以前の上司でボスのことを買っていた）○○さんなんかは、差し入れとか持って様子見に来たじゃん。まあ、事業所も変わって通勤事情も変わったし、別に差し入れが欲しいわけじゃないけどさ。気をかけてられてるのが分かるだけで全然違うよな。」
「今回なんて金曜も特に進捗を聞きに来たわけでもなし、土日に電話もなし、今日も『どうだった？』なんて、声すらかけて来てないよな？完全に、関心なしだよな。」
「...曲がりなりにも俺達はノルマこなしたわけだよな。これでモノ言えるんだよ。今から爆弾落としてやる」。
そう言うと、ボスはメールを作成しはじめた。俺は若干の不安をおぼえたが、不満の気持ちは同じだったので止めることはしなかった。
それからしばらくして、ボスからメールが来た。部のマネージャー陣全員が宛先で、俺たちグループ員がccだった。その内容を見て、俺は正直「あちゃー」と思った。ボスの悪いところが出た、と感じたのだ。
内容を簡単に述べれば、この数日間、グループが理不尽な環境の中で、それでもいかにして成果を出したか、ということが書かれていた。
それ自体はいい。
だが、ボスはそれを理詰めで説明しようとして、完全に訴えたいことがボヤけてしまっていた。
例えば、サボりオヤジOと俺たちのグループが一週間にこなす仕事量の数値を、わざわざ計算式まで出して比べた上、「さて、いったい何倍でしょう？」なんてクイズ調の質問がついていた。
これじゃ上司としても「こいつは一体何を送りつけてきたんだ？？」となってしまう。案の定、このメールを見てボスのことを呼び出した部長は、開口一番「なんでこんなもの送るんだ？？」と言ったという。
内容を全部読めば、書いてあることは間違っていないどころか、筋の通ったことしか書いていない。数値を出して客観的に、グループが被った理不尽を説いている。でも、挑発的なクイズ調を入れてカチンとさせるくらいなら、「本当に辛かったです」と心情に訴えた方が良かったかもしれない。特にあの会社の場合は。
だけどボスはそんなことはしたくなかったんだろうね。ビジネスにおいては弱みを見せない。でも、大企業でうまく立ち回るには向かない、ボスの限界であったかもしれない。
とにかく、ボスと部長が話し合って、何やらそれなりの歩み寄りはあったようだが、 結局はうまくはぐらかされた形のようだ。つまり、「今回は本当に良くやってくれた。 感謝している」。その言葉だけだ。仕事量の不均衡の是正や、放置プレイへの謝罪などは一切なかったわけだ。
でも、俺のムヤムヤは収まらなかった。 この会社は、サボッてる人は見逃しても、しっかり働いた人は報われる、そんな会社じゃないのか？青臭くも、あの時俺はそう思っていた。いや、青臭いねー。
こうやって、会社で本気で悩んだ時、毎回相談している人がいた。...その時までに2、3回くらいあったかな。
名前は...シモシモ...って書いちゃったら既になんの伏字でもないけど、まあいいか (^_^;。
シモシモは俺が2年目の頃に、他の事業部から異動してきて、しばらく一緒に仕事をした。年齢は俺より15弱くらい上だったろうか。飲み会部長と言われるくらいノリが良く、気のいいおじさんで、人間としてのこの人を嫌いな人はいないんじゃないか、と思うほどだ。仕事では一転して終止真面目なトーンで、いつも駆けずり回って、人を気にかけている、そんなタイプの人だった。いわゆる、調整型の典型だね。
一緒に仕事をした頃、俺は基板のデザインをしていた。担当製品の開発がズブズブで、次から次へと対策の部品が追加されては基板の試作が繰り返される、自転車操業のようなヒドい状態だった。
でも、「さすがにもう部品入らないだろう？」と思われる状況の中、俺はパズルセンスを生かしてそれらの部品をさっくりと追加していった。それを見て、シモシモは俺のことを高く買ってくれようになった。
調整型ということから分かる通り、シモシモは人の話をよく聞く人だった。メモまでとりながらじっくり話を聞いて「つまり、こういうことだね」と言う感じでコンクルージョンする。だから、「ああ、話しっかり聞いてくれてるんだな」と思えた。たとえ解決策が見つからなくても、人は話を聞いてもらうだけで悩みの大部分は解決するというから、悩みを聞いてもらうには絶好の人物であったとも言える。
この当時、シモシモは既に技術部門を離れ、事業部の経営戦略的な部署へ異動していたが、席は近かったし、俺達の仕事の内容もそれなりに把握していたので、俺は今回も、シモシモに話を聞いてもらいに席へ向かった。
シモシモはいつものように、メモをとりながら俺の話を聞いた。
話すことで、その時俺は少し気が晴れたのは覚えている。でもその時、俺の不満に対してシモシモが何を言ったのか良く思い出せない。多分、俺の一方的な話だけ聞いて簡単にモノは言えないし、既に立場的には関係が薄いから上司に何か言うことはできない、というようなことを言ったのだと思う。こういう時、シモシモは極めて慎重に言葉を選ぶからだ。調整型だからね。
それはいい。 俺も聞いてもらうことが中心だったし、何か行動してもらおうなんて思ってたんじゃない。
だが俺はこの時シモシモの言葉に「あれっ？」という疑問が芽生えたのをはっきりと覚えている。
「俺さあ、あの部屋（ボスのグループ）の派遣さんの働かされ方、問題があると思うんだよね。可哀想だよ。」
ん？
...俺はその時しばらくその意味が理解できなかった。
シモシモは、ボスの派遣社員の使い方が荒すぎるという意味のことを言ったようだ。
いやまあ、確かに荒いよ。
ただ、以前にも言ったが、同じ部屋で見ていてもボスは派遣社員に闇雲に厳しくあたっていたわけじゃない。紐とくと、ちゃんと理由が存在している。俺はシモシモもその辺を把握していると思っていたが、そうではなかった。残念ながら、表面上の印象だけを受け止めていたということだ。まあ、致し方ないとは思うけどね。
つづく。
nobilesの投稿(23:51:00-2011-09-22) -
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