NOBILES Days
Jump to navigationToward The Shining Future 20
昨日は課の送別会だった。この課でいろいろあって、俺は転職の道を選んだわけだけど、別に今は「セイセイする」などという気分でもない。
それより、惜しむ声をかけてくれたことを、心から嬉しく思う。それに、まだこの課に移って間もなく俺の仕事の大半を引き継ぐことになった後輩の獅子奮迅の盛り上げにより、思いのほか飲み会は盛り上がった。このポジティブさ、これまでこの課になかった貴重な人材だと思う。
ボスが残した広大な遺産を引き継ぐのは荷が重いだろうし、若干心苦しくもある。嫌味でもなんでもなく、頑張って欲しい。
立派な花束をいただいた
(PentaxK-7, PentaxDA*60-250mmF4(118mm), ApertureValueMode, 1/160sec, F4.0, ISO160)
さて、退職して新職場に行く前に何とか一区切りをつけたい、転職顛末記はいよいよ節目の第20弾だ。
20 Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
怪我による2ヶ月の空白からのまさかの再チャレンジで、希望企業の一次面接を通過した俺は、遂に最終関門である役員面接にたどり着いてしまった。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
再び希望企業の本丸であるビルに乗り込む。ロビーでまた、あのスレンダーな女性が迎えてくれた。
「あっ、巻いていたもの（ニーブレス）が取れたんですね！」
何しろ姿にインパクトがあるので、しっかり覚えていてくれたようだ。
すると女性はさっき俺が入ってきたばかりの会社の入口を開けると、エレベーターで下に行くという。
高層階にオフィスを持つこの会社だが、比較的下層階にも借りているフロアがあり、会議室などとして使っているという。今回はそこで役員面接を行うわけだ。
あくまで本丸は高層階であるようで、この下層階のフロアはかなり静まり返っていた。天井までのパーティションで区切られた殺風景で暗い廊下を抜けた奥の扉まで来て女性が立ち止まった。
そして、一次面接の時と同じように言った。
「こちらで役員面接の準備が整っております。ノックをしてお入り下さい。」
...。
正直、心の準備が整っていなかった。一次面接は作文があった分だけ、緊張感の高まりがあったが、今回は来ていきなり面接だ。
そんなことを言ったところで今さらどうにもなるまい。
ままよ！
ノックをして扉を開け、中に入ると、またしても非常に大きな窓から、開放感溢れる風景が目に飛び込んできた。
さすがに下層階なので、見える範囲は広くはない。しかし、ビルの隣の敷地にある娯楽エリアの観覧車が見えたり、商用エリアのアーケードのような天窓が見えた。折しも快晴で、眩しいほどだ。暗い廊下から入ったのでなおさらだ。
そして、その窓の手前に、いかにも格付けが上と見受けられる男性が3人座っていた。
右端はいかにも真面目そうな、年齢は40代後半くらいだろうか、眼鏡をかけた細身な方。
真ん中は対象的に、割とファッショナブルな服装で、顔の彫りが深い、白髪混じりの方。年齢は50歳前後か。
左端はまた少し毛色が違って、少し肌が浅黒く、好々爺といった雰囲気のおっとりした...歳は間もなく還暦か、という方だった。
口火を切ったのは真ん中のファッショナブル紳士だった。
「さ、そちらにおかけ下さい。」
気持ち斜に構え、悠然と足を組み、少しギョロッという感じで目を見開いて話しかけてくる感じは、少々威圧的にも感じられ、早くも俺はそのペースに飲まれようとしていた。
雰囲気は、誰だろう、酒が大好きだった作曲家、羽田健太郎のような感じ...って言って分かる人いるのか？
面接はやはり羽田氏（違）の主導で進められた。相変わらず目をギョッと見開く仕草が、何やらこちらを見透かしているのではないか、という気になってくる。
最初に、この面接の意義（技術レベルが採用に値するか判断する）が説明された。
そして最初の質問はお決まりで、自己紹介と転職の理由、そしてその企業の志望理由だった。
これはもうエージェントとの練習、一次面接と散々やってきたことだ。要点を思い出しながら話していく。
...が、転職理由まで話して、これから志望理由を話そうとしたところで、羽田氏（違）が割って入り、
「なるほど、つまり現職では異動が難しいと、それで転職しようというんだね。無理だというのはあなたの上司とも話をしたのかね？」
「はい。難しいとのことでした。」
「分かりました、では次に...」
あれ？まだ志望理由言ってないんですけど...。完全にあちらのペースである。
というか、その面接の進め方自体も、この方のストーリーにかなり則っていたと言えばいいだろうか。要は独壇場である。とにかくもう一次面接とは全く雰囲気が違う。かなりのキャラクターだな、この人。
そして次は
「現職でのあなたのセールスポイントを教えて下さい」。
これはアピールのしどころと考えた俺は、マニュアルにもつながるような内容を話した。
ところがここでも羽田氏（違）が割って入った。
「いや、あなた、アピールしようと一生懸命なのは分かるけど、私達が聞きたいのはそういうことじゃなくてね。私は技術屋じゃないけど、こちら二人はバリバリ技術の人だから、気にせず現職でのあなたの売りについて改めて、話して下さい。」
...ええーん!?
そのつもりで話してたんですけどー。
正直この時、思考が止まった。何を話せばいいのかさっぱり分からなくなった。掌に脂汗が流れていくのが分かった。
結局俺は、何だかロクでもない回答をして、次の質問となってしまった。
終わったな。
完全に相手のペースに飲まれた。少なくとも、求められた回答はできなかった。
しかし、まだ面接は続く。今度は両脇の，技術畑の方々による質問だった。なんとか挽回しなければならない。
つづく。
それより、惜しむ声をかけてくれたことを、心から嬉しく思う。それに、まだこの課に移って間もなく俺の仕事の大半を引き継ぐことになった後輩の獅子奮迅の盛り上げにより、思いのほか飲み会は盛り上がった。このポジティブさ、これまでこの課になかった貴重な人材だと思う。
ボスが残した広大な遺産を引き継ぐのは荷が重いだろうし、若干心苦しくもある。嫌味でもなんでもなく、頑張って欲しい。
立派な花束をいただいた
(PentaxK-7, PentaxDA*60-250mmF4(118mm), ApertureValueMode, 1/160sec, F4.0, ISO160)
さて、退職して新職場に行く前に何とか一区切りをつけたい、転職顛末記はいよいよ節目の第20弾だ。
20 Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
怪我による2ヶ月の空白からのまさかの再チャレンジで、希望企業の一次面接を通過した俺は、遂に最終関門である役員面接にたどり着いてしまった。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
再び希望企業の本丸であるビルに乗り込む。ロビーでまた、あのスレンダーな女性が迎えてくれた。
「あっ、巻いていたもの（ニーブレス）が取れたんですね！」
何しろ姿にインパクトがあるので、しっかり覚えていてくれたようだ。
すると女性はさっき俺が入ってきたばかりの会社の入口を開けると、エレベーターで下に行くという。
高層階にオフィスを持つこの会社だが、比較的下層階にも借りているフロアがあり、会議室などとして使っているという。今回はそこで役員面接を行うわけだ。
あくまで本丸は高層階であるようで、この下層階のフロアはかなり静まり返っていた。天井までのパーティションで区切られた殺風景で暗い廊下を抜けた奥の扉まで来て女性が立ち止まった。
そして、一次面接の時と同じように言った。
「こちらで役員面接の準備が整っております。ノックをしてお入り下さい。」
...。
正直、心の準備が整っていなかった。一次面接は作文があった分だけ、緊張感の高まりがあったが、今回は来ていきなり面接だ。
そんなことを言ったところで今さらどうにもなるまい。
ままよ！
ノックをして扉を開け、中に入ると、またしても非常に大きな窓から、開放感溢れる風景が目に飛び込んできた。
さすがに下層階なので、見える範囲は広くはない。しかし、ビルの隣の敷地にある娯楽エリアの観覧車が見えたり、商用エリアのアーケードのような天窓が見えた。折しも快晴で、眩しいほどだ。暗い廊下から入ったのでなおさらだ。
そして、その窓の手前に、いかにも格付けが上と見受けられる男性が3人座っていた。
右端はいかにも真面目そうな、年齢は40代後半くらいだろうか、眼鏡をかけた細身な方。
真ん中は対象的に、割とファッショナブルな服装で、顔の彫りが深い、白髪混じりの方。年齢は50歳前後か。
左端はまた少し毛色が違って、少し肌が浅黒く、好々爺といった雰囲気のおっとりした...歳は間もなく還暦か、という方だった。
口火を切ったのは真ん中のファッショナブル紳士だった。
「さ、そちらにおかけ下さい。」
気持ち斜に構え、悠然と足を組み、少しギョロッという感じで目を見開いて話しかけてくる感じは、少々威圧的にも感じられ、早くも俺はそのペースに飲まれようとしていた。
雰囲気は、誰だろう、酒が大好きだった作曲家、羽田健太郎のような感じ...って言って分かる人いるのか？
面接はやはり羽田氏（違）の主導で進められた。相変わらず目をギョッと見開く仕草が、何やらこちらを見透かしているのではないか、という気になってくる。
最初に、この面接の意義（技術レベルが採用に値するか判断する）が説明された。
そして最初の質問はお決まりで、自己紹介と転職の理由、そしてその企業の志望理由だった。
これはもうエージェントとの練習、一次面接と散々やってきたことだ。要点を思い出しながら話していく。
...が、転職理由まで話して、これから志望理由を話そうとしたところで、羽田氏（違）が割って入り、
「なるほど、つまり現職では異動が難しいと、それで転職しようというんだね。無理だというのはあなたの上司とも話をしたのかね？」
「はい。難しいとのことでした。」
「分かりました、では次に...」
あれ？まだ志望理由言ってないんですけど...。完全にあちらのペースである。
というか、その面接の進め方自体も、この方のストーリーにかなり則っていたと言えばいいだろうか。要は独壇場である。とにかくもう一次面接とは全く雰囲気が違う。かなりのキャラクターだな、この人。
そして次は
「現職でのあなたのセールスポイントを教えて下さい」。
これはアピールのしどころと考えた俺は、マニュアルにもつながるような内容を話した。
ところがここでも羽田氏（違）が割って入った。
「いや、あなた、アピールしようと一生懸命なのは分かるけど、私達が聞きたいのはそういうことじゃなくてね。私は技術屋じゃないけど、こちら二人はバリバリ技術の人だから、気にせず現職でのあなたの売りについて改めて、話して下さい。」
...ええーん!?
そのつもりで話してたんですけどー。
正直この時、思考が止まった。何を話せばいいのかさっぱり分からなくなった。掌に脂汗が流れていくのが分かった。
結局俺は、何だかロクでもない回答をして、次の質問となってしまった。
終わったな。
完全に相手のペースに飲まれた。少なくとも、求められた回答はできなかった。
しかし、まだ面接は続く。今度は両脇の，技術畑の方々による質問だった。なんとか挽回しなければならない。
つづく。
nobilesの投稿(23:47:00-2010-03-20) -
カテゴリ: Change Job
コメント
No comments yet
コメントを追加
トラックバック
DISALLOWED (TrackBack)TrackBack URL
DISALLOWED (TrackBack)
メインページ
Calendar
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 | 31 |
NewEntries
最新COMMENTS
■20-07-11 21:47>ああ、あのeh
■20-07-10 01:07>そうです、予
■20-07-09 22:36>あっ、ショー
■20-07-06 07:27>50-34のチェ�
■18-01-05 00:53>おやこれはぱ
■18-01-04 23:56>手出しちゃっ
■15-07-27 23:21>おっと、今か
■15-07-22 11:40>良質な小説読
■15-02-21 09:29>おや、どなた
■15-02-20 08:05>ほー、勉強に
カテゴリ
- All
- Bicycle
- Breast Cancer
- Change Job
- Formula-One
- Gourmet
- Injury
- Mac
- Main
- Monaco
- Music
- Peugeot
- Photo
- Travel
Archives
My Links
NOBILES Web検索
プロフィール
RSS対応
RSS v2.0
RSS v0.91
RSS v1.0
管理
管理室へ携帯用ブログ
携帯用URL