NOBILES Days
Jump to navigationToward The Shining Future 21
嫁さんの専門学校時代の親友が、実は俺の会社の先輩の嫁さんだったので（本当にたまたまだ）、俺達が後から結婚してからというもの、家族ぐるみの付き合いをしてきた。
2つ前の家の時は徒歩圏内だったので本当に良く行き来したが、2年半前の引っ越し後は、かなり遠くなってしまったのもあってあまり行き来していなかった。
今回、俺の転職というこの機会に昨日久々にお宅を訪問させていただいたのだが...。この日は3連休の初日で、彼岸だ。凄まじい渋滞に巻き込まれてしまった。4時間かかって最寄りの高速道路インターを降りたと思ったら、下道まで信じられないような渋滞になっていて、結局全部で5時間強かかってしまった。ありえない。
久々に会った一家だったが、娘もすぐに打ち解けて遊びまくるし、相変わらず和むお家で、とても良い時間を過ごした。
夕食をいただいて、しばらく遊んでから21時過ぎに出たのだが...帰りはわずか1時間半で帰ってきてしまった。行きの1/3未満である。
とにかく、運転疲れた (′Д`;。今回もRedBullを投入してなんとか乗り切った。
さて、いつまで続くんだ、転職顛末記第21弾。
（とりあえず）この写真のどこかが次の勤務先となる
(PentaxK10D, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ManualExposure, 1/13sec, F5.6, ISO400)
21 Slightly Bitter [ほろ苦]
大怪我による1ヶ月半のブランク後のまさかの再チャレンジで、希望企業の役員面接まで辿り着いた俺の転職活動。
しかし、羽田健太郎似の、キャラが強すぎる役員のプレッシャーに、しどろもどろになった俺は「終わった」と思ってしまう。
だが、まだまだ面接は始まったばかりだった。
まだ両脇の二方による質問もこれからだった。なんとか挽回しなければならない。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
右端の真面目そうな方は、リーダーとしての職務の経験はあるか、と聞いた。一応，派遣さん二人とのチームではあるが、リーダーであったので、はい、と答えた。まあ、二人が優秀だったからほとんど必要なかったのだが、スケジュール管理的なこともやっていたなんて言った。嘘は言っておらんぞ、嘘は。
この方、俺が何か言う度にカリカリとメモを取っていた。見かけに違わず、かなりマメな方のようだ。
また、
「扱う装置は非常に巨大で、カメラなどのように一人で完結するものではなく、担当する範囲もごく一部になります。これにあなたはどのように取り組みますか？」
なかなか抽象的な質問にしてくるもんである。
俺は、あくまで想像でしかないと断った上で、
「担当部分も、他の部分と密接に関わっているでしょうから、そうした点から辿って、全体の中での自分の担当部分の役割を把握していくことが大事だと思います。」
と答えた。
「つまり、自分の範囲から理解を少しずつ広げていくというアプローチですね？」
え？そういうことになるかな？
っていうか表情一つ変えないのでどういう評価なのか見当がつかず、いちいち不安になる。
一方、左端の柔和な雰囲気の方は、ニコニコしながら、わざわざ質問の度に「失礼だったらごめんなさい」とつけるような人で、まあ見かけに違わず好々爺だった。
この好々爺さんが、意外にも、一次面接の現場の方々と同じようにF-1コラムに食いついてきた。
なんと、事前に俺のホームページをわざわざ探そうとしたらしい。
ただ、俺はそうした類いのものに本名は載せないので見つからなかったようだ。
で、見つからなかった理由を問われ、そう答えればいいことなのに、割と余裕を無くしていた俺は
「最近更新してないので」
と言ってしまった。
言った後に
「それじゃ、書くことに興味なくしたみたいじゃん！」
と自己ツッコミである。そんな返答はないだろう。
だが次の質問がヒットだった。なんとF-1の空力について内容に踏み込んで聞かれたのだ。
まず、F-1の空力の歴史は、1968年までは空気抵抗をいかに削減するかのみが目的だったが、同年のウィングの登場により、以降はいかにダウンフォースを獲得するかが開発の主目的になったことを説明した。次にダウンフォースは、ベルヌーイの定理に基づく、空気の圧力のコントロールによって発生されることを説明した。
これはきっと、俺が、何かの丸写しではなく、ちゃんと理解してF-1コラムを書いているかどうかのテストだったのだろう。その点ではほぼパーフェクトな回答ができたと思う。
が、好々爺さんの次の質問でまた俺は少し戸惑った。
「あなたは、現職に適性がないと感じてテクニカルライターを志したということですが、適性を感じなくなった時に担当していた分野の周波数帯はどのくらいですか？」
は？周波数帯？
「いや、企業秘密があるならおっしゃって下さい。差し支えなければでいいです。」
企業秘密も何もなあ。...あの頃はサーボを担当し始めた頃だったろうか。
俺は大学時代に実は情報工学専攻だった。なぜなら、付属高校時代に見学しに行った研究室で見た、音楽CDの自動譜面化システムに感動し、情報工学で音楽に貢献したいと思ったからだ。
結局俺は理工学部に進学し、その研究室に加入することに成功した。
一方では制御工学は全然ダメで、3年生の必修科目であったにも関わらず、一度単位を落としているほどだ。そんな俺がサーボの仕事をするなんてミスマッチもいいところだった。
本当は、現職への入社を選んだのは、音楽に関係する機器の開発に関わりたかったからだ。
しかし、専攻が「電気工学科」であったことが災いして、俺は電気技術者として配属されてしまった。翌年から出身校の専攻名も「情報工学科」に変更となったのだが...。
とにもかくにも、サーボなどという苦手なものの担当になったことで俺は違和感を感じ始めたのだった。
おっと閑話休題。
担当製品のサーボは、ちょうど可聴域くらいの周波数だったので、質問にはそう答えた。
すると好々爺さんは
「ほう、だいぶ低いんですね。」
と呟き、これまで見せなかったような、少し意地悪な目を見せた（ように見えた）。
ええっ？俺、なんかまずいこと言った？？また不安に陥る。
その後，話はまさに学歴と現職での配属のミスマッチについて触れられることになる。
「卒論の...この『印象語による楽曲検索』について教えていただけますか？」
早速俺は、情報工学で音楽に取り組んでいたことを説明した。
すると、羽田氏（違）がすかさず割って入ってきて
「それは...じゃあもともと研究してたことと全然違う配属だったんだねえ。」
そうそう、そうなんです。
...って、あれ？今面接受けてる仕事なんてもっと音楽と関係ないじゃん、と自らツッコミ入れたくなったので、すかさずこう言った。
「今回も音楽とは関係はありませんが、これが自分の適性だと長い時間をかけて考えて出した答えです。」
か〜っくい〜。若干、言ったもん勝ちなセリフである。適当にうなずかれただけだったけど。
そんなこんなでやり取りが続き、面接も佳境に入る。羽田氏（違）は、また首を少し斜めにして目を一段とギョッと開いて俺を見ると、こう言った。
「この装置は非常に先端技術の集まりで、常に勉強が必要な分野です。あなたはこの装置について興味を持って勉強を続けていけますか？」
...これは一次面接の最後の
『この仕事を長く続けられますか？』
という質問とほぼ同義の、やる気を問う質問と受け取った。だから、一次面接の教訓を生かし、迷いなく、
「はい。今回の応募に伴い、あくまでホームページなど公開されてる範囲にすぎませんが、技術的内容を勉強いたしましたし、その内容も大変興味深く思いました。」
...決まった！
が、すかさず次の質問が来た。
「では、失礼ながら現職の業績は大変厳しいようですが、職場で将来の不安について話すことはありますか？」
は!?
なんでこのタイミングでその質問？？
若干うろたえた俺は、あまり深く考えず、単に一般論的に
「まあ...そういうことを、話す時もあります。」
とだけ答えた。
「分かりました。面接はここまでにします。」
終わった！
...って、あれ？
最後の質問って、現職の業績云々ではなく、自分の意思で転職するかどうかというやる気を問う質問だったんじゃないのか？？
「じゃ、せっかく出してもらったし、お茶でも飲んで下さい。」
あああ、今の質問、現職の業績なんてのはあくまでキッカケにすぎなくて...
「しかし、F-1もトヨタが撤退して、どうなるんですかね？」
あああ、羽田さん（違）、F-1の話はいいから...
「そうですね。でも、メーカーが撤退しても、専業のレーシングチームどおしが争う昔のレースの姿に近づくだけで、続いていくものだと思います。」
って、なに俺も会話に乗っちゃってるのー!?。
そしてもう一言、羽田氏（違）が質問をした。
「ところで、足はどうしたの？」
え？...ああ、一次面接を通して初めて足について触れられたなぁ。とりあえず、通勤帰り中に走ってこうなってしまった事実を伝えた。
「そうですか、理由があるなら選考には影響しません。」
...あー。ケンカかなんかが理由だとマズいもんな。
って、あああ、それよりそれより現職の業績と今回の転職は関係が...
結局、すぐにトラップに気づきながら、フォローを言い出せないまま帰ることになってしまった。
再びあの女性が迎えに来て、エレベーターホールまで送ってくれた。
「是非ご一緒にお仕事できればと思います。」
と挨拶をしてエレベーターに乗った。
...序盤のつまずきと、ラストの回答ミス。盛り上がったのはF-1話だけ。
ちなみに、マニュアル執筆業務経験なし、その装置の開発経験もない。
はっはっは。こりゃどう考えても話にならんわ。
もう自虐的な笑いをするしかなかった。帰りの電車は、一次面接の時以上にネガティブな反省ばかりが頭を渦巻いた。
絶対受からないな。
家近くのターミナル駅で降りてもまだ昼下がり。デパートの中華料理屋で麻婆豆腐を食べた。もともと辛い麻婆が好きだが、この時ばかりはそれがエラくほろ苦く感じられたものだ。
つづく。
2つ前の家の時は徒歩圏内だったので本当に良く行き来したが、2年半前の引っ越し後は、かなり遠くなってしまったのもあってあまり行き来していなかった。
今回、俺の転職というこの機会に昨日久々にお宅を訪問させていただいたのだが...。この日は3連休の初日で、彼岸だ。凄まじい渋滞に巻き込まれてしまった。4時間かかって最寄りの高速道路インターを降りたと思ったら、下道まで信じられないような渋滞になっていて、結局全部で5時間強かかってしまった。ありえない。
久々に会った一家だったが、娘もすぐに打ち解けて遊びまくるし、相変わらず和むお家で、とても良い時間を過ごした。
夕食をいただいて、しばらく遊んでから21時過ぎに出たのだが...帰りはわずか1時間半で帰ってきてしまった。行きの1/3未満である。
とにかく、運転疲れた (′Д`;。今回もRedBullを投入してなんとか乗り切った。
さて、いつまで続くんだ、転職顛末記第21弾。
（とりあえず）この写真のどこかが次の勤務先となる
(PentaxK10D, PentaxFA31mmLimitedF1.8, ManualExposure, 1/13sec, F5.6, ISO400)
21 Slightly Bitter [ほろ苦]
大怪我による1ヶ月半のブランク後のまさかの再チャレンジで、希望企業の役員面接まで辿り着いた俺の転職活動。
しかし、羽田健太郎似の、キャラが強すぎる役員のプレッシャーに、しどろもどろになった俺は「終わった」と思ってしまう。
だが、まだまだ面接は始まったばかりだった。
まだ両脇の二方による質問もこれからだった。なんとか挽回しなければならない。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
右端の真面目そうな方は、リーダーとしての職務の経験はあるか、と聞いた。一応，派遣さん二人とのチームではあるが、リーダーであったので、はい、と答えた。まあ、二人が優秀だったからほとんど必要なかったのだが、スケジュール管理的なこともやっていたなんて言った。嘘は言っておらんぞ、嘘は。
この方、俺が何か言う度にカリカリとメモを取っていた。見かけに違わず、かなりマメな方のようだ。
また、
「扱う装置は非常に巨大で、カメラなどのように一人で完結するものではなく、担当する範囲もごく一部になります。これにあなたはどのように取り組みますか？」
なかなか抽象的な質問にしてくるもんである。
俺は、あくまで想像でしかないと断った上で、
「担当部分も、他の部分と密接に関わっているでしょうから、そうした点から辿って、全体の中での自分の担当部分の役割を把握していくことが大事だと思います。」
と答えた。
「つまり、自分の範囲から理解を少しずつ広げていくというアプローチですね？」
え？そういうことになるかな？
っていうか表情一つ変えないのでどういう評価なのか見当がつかず、いちいち不安になる。
一方、左端の柔和な雰囲気の方は、ニコニコしながら、わざわざ質問の度に「失礼だったらごめんなさい」とつけるような人で、まあ見かけに違わず好々爺だった。
この好々爺さんが、意外にも、一次面接の現場の方々と同じようにF-1コラムに食いついてきた。
なんと、事前に俺のホームページをわざわざ探そうとしたらしい。
ただ、俺はそうした類いのものに本名は載せないので見つからなかったようだ。
で、見つからなかった理由を問われ、そう答えればいいことなのに、割と余裕を無くしていた俺は
「最近更新してないので」
と言ってしまった。
言った後に
「それじゃ、書くことに興味なくしたみたいじゃん！」
と自己ツッコミである。そんな返答はないだろう。
だが次の質問がヒットだった。なんとF-1の空力について内容に踏み込んで聞かれたのだ。
まず、F-1の空力の歴史は、1968年までは空気抵抗をいかに削減するかのみが目的だったが、同年のウィングの登場により、以降はいかにダウンフォースを獲得するかが開発の主目的になったことを説明した。次にダウンフォースは、ベルヌーイの定理に基づく、空気の圧力のコントロールによって発生されることを説明した。
これはきっと、俺が、何かの丸写しではなく、ちゃんと理解してF-1コラムを書いているかどうかのテストだったのだろう。その点ではほぼパーフェクトな回答ができたと思う。
が、好々爺さんの次の質問でまた俺は少し戸惑った。
「あなたは、現職に適性がないと感じてテクニカルライターを志したということですが、適性を感じなくなった時に担当していた分野の周波数帯はどのくらいですか？」
は？周波数帯？
「いや、企業秘密があるならおっしゃって下さい。差し支えなければでいいです。」
企業秘密も何もなあ。...あの頃はサーボを担当し始めた頃だったろうか。
俺は大学時代に実は情報工学専攻だった。なぜなら、付属高校時代に見学しに行った研究室で見た、音楽CDの自動譜面化システムに感動し、情報工学で音楽に貢献したいと思ったからだ。
結局俺は理工学部に進学し、その研究室に加入することに成功した。
一方では制御工学は全然ダメで、3年生の必修科目であったにも関わらず、一度単位を落としているほどだ。そんな俺がサーボの仕事をするなんてミスマッチもいいところだった。
本当は、現職への入社を選んだのは、音楽に関係する機器の開発に関わりたかったからだ。
しかし、専攻が「電気工学科」であったことが災いして、俺は電気技術者として配属されてしまった。翌年から出身校の専攻名も「情報工学科」に変更となったのだが...。
とにもかくにも、サーボなどという苦手なものの担当になったことで俺は違和感を感じ始めたのだった。
おっと閑話休題。
担当製品のサーボは、ちょうど可聴域くらいの周波数だったので、質問にはそう答えた。
すると好々爺さんは
「ほう、だいぶ低いんですね。」
と呟き、これまで見せなかったような、少し意地悪な目を見せた（ように見えた）。
ええっ？俺、なんかまずいこと言った？？また不安に陥る。
その後，話はまさに学歴と現職での配属のミスマッチについて触れられることになる。
「卒論の...この『印象語による楽曲検索』について教えていただけますか？」
早速俺は、情報工学で音楽に取り組んでいたことを説明した。
すると、羽田氏（違）がすかさず割って入ってきて
「それは...じゃあもともと研究してたことと全然違う配属だったんだねえ。」
そうそう、そうなんです。
...って、あれ？今面接受けてる仕事なんてもっと音楽と関係ないじゃん、と自らツッコミ入れたくなったので、すかさずこう言った。
「今回も音楽とは関係はありませんが、これが自分の適性だと長い時間をかけて考えて出した答えです。」
か〜っくい〜。若干、言ったもん勝ちなセリフである。適当にうなずかれただけだったけど。
そんなこんなでやり取りが続き、面接も佳境に入る。羽田氏（違）は、また首を少し斜めにして目を一段とギョッと開いて俺を見ると、こう言った。
「この装置は非常に先端技術の集まりで、常に勉強が必要な分野です。あなたはこの装置について興味を持って勉強を続けていけますか？」
...これは一次面接の最後の
『この仕事を長く続けられますか？』
という質問とほぼ同義の、やる気を問う質問と受け取った。だから、一次面接の教訓を生かし、迷いなく、
「はい。今回の応募に伴い、あくまでホームページなど公開されてる範囲にすぎませんが、技術的内容を勉強いたしましたし、その内容も大変興味深く思いました。」
...決まった！
が、すかさず次の質問が来た。
「では、失礼ながら現職の業績は大変厳しいようですが、職場で将来の不安について話すことはありますか？」
は!?
なんでこのタイミングでその質問？？
若干うろたえた俺は、あまり深く考えず、単に一般論的に
「まあ...そういうことを、話す時もあります。」
とだけ答えた。
「分かりました。面接はここまでにします。」
終わった！
...って、あれ？
最後の質問って、現職の業績云々ではなく、自分の意思で転職するかどうかというやる気を問う質問だったんじゃないのか？？
「じゃ、せっかく出してもらったし、お茶でも飲んで下さい。」
あああ、今の質問、現職の業績なんてのはあくまでキッカケにすぎなくて...
「しかし、F-1もトヨタが撤退して、どうなるんですかね？」
あああ、羽田さん（違）、F-1の話はいいから...
「そうですね。でも、メーカーが撤退しても、専業のレーシングチームどおしが争う昔のレースの姿に近づくだけで、続いていくものだと思います。」
って、なに俺も会話に乗っちゃってるのー!?。
そしてもう一言、羽田氏（違）が質問をした。
「ところで、足はどうしたの？」
え？...ああ、一次面接を通して初めて足について触れられたなぁ。とりあえず、通勤帰り中に走ってこうなってしまった事実を伝えた。
「そうですか、理由があるなら選考には影響しません。」
...あー。ケンカかなんかが理由だとマズいもんな。
って、あああ、それよりそれより現職の業績と今回の転職は関係が...
結局、すぐにトラップに気づきながら、フォローを言い出せないまま帰ることになってしまった。
再びあの女性が迎えに来て、エレベーターホールまで送ってくれた。
「是非ご一緒にお仕事できればと思います。」
と挨拶をしてエレベーターに乗った。
...序盤のつまずきと、ラストの回答ミス。盛り上がったのはF-1話だけ。
ちなみに、マニュアル執筆業務経験なし、その装置の開発経験もない。
はっはっは。こりゃどう考えても話にならんわ。
もう自虐的な笑いをするしかなかった。帰りの電車は、一次面接の時以上にネガティブな反省ばかりが頭を渦巻いた。
絶対受からないな。
家近くのターミナル駅で降りてもまだ昼下がり。デパートの中華料理屋で麻婆豆腐を食べた。もともと辛い麻婆が好きだが、この時ばかりはそれがエラくほろ苦く感じられたものだ。
つづく。
nobilesの投稿(20:56:03-2010-03-21) -
カテゴリ: Change Job
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