NOBILES Days
Jump to navigationToward The Shining Future 25
試用期間のうちはフレックスもないから朝は6時前に起きる必要がある。やはり最初こそ大事なのでしっかり睡眠時間をキープして挑みたい。
だから、この3ヶ月はバンド練習に行けるだけでも幸福と思い、練習後の飲みは我慢することにした。F-1も遅くなる時はmp4変換してiPhoneに入れて通勤中に見ようと思っている。
...って、あれ？何も諦めてない？俺。
ま、別に諦める必要もないよね？ね？
桜の撮影は家の近くの並木だけで我慢
(PentaxK-7, PentaxDA*60-250F4(220.0mm), ApertureValueMode, 1/250sec, F4.0, ISO100)
さて、現実では？もう転職先に移ってしまったけれど、まだ片付いてない転職顛末記を続けよう。
あ、バックナンバーから通して読んだ時に混乱するから、本文中では、前の会社を「現職」と記述するのでよろしくね。...だから転職前に片付けときゃ良かったんだよー。
25 My Final Decision [決断]
大怪我のブランク明けで、まさかの面接機会を得て、勢いだけで内定まで漕ぎ付けてしまった俺。
いきなり現実的な問題に叩き込まれて、俺はお悩みスパイラルに陥りかかった。だが、嫁さんの
「そうしたくて頑張ってきたのになぜ悩むの？」
というシンプルなセリフに、俺はまた一途に突き進む決心をしたのであった。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
21. Slightly Bitter [ほろ苦]
22. Infinite Loop [無限ループ]
23. Their Final Decision [審判下る]
24. Think Simply [シンプルに行けばいい]
まず一番に給料だ。
やりたいことを叶えるという意味では、社内で異動すれば給料も変わらないし、社内の人間関係もそのままでいい。
では今から異動を本格的に希望するのか？...多分、簡単ではないだろう。
考えてみれば、次の4月からは嫁さんも会社に復帰するのだ。お金の面ではそう厳しいわけではないのだ。
それに、給与体系も成果給的な要素の割合が高く、頑張り次第ではすぐに回復できそうだった。好きなことをやるのだ。そこはやり甲斐にもなるだろう。
そもそも、未経験職ということを考えると、他の求人の水準よりも全然いい額だ。
お金の面はこうして納得した。
次に重要なのが、自分の足に関することだ。
会社が移っていきなり労災病欠をとるなんてあり得ないだろうし、3ヶ月の試用期間中は有休すら取れない。かと言って、あとどのくらいでリハビリが必要なくなるか見当がつかなかった。
会社を移った場合、労災から払われている治療費の扱いはどうなるのか？足に目処が立つまで入社を待ってくれるのか？疑問は尽きなかった。
だが、疑問に思ってるだけではどうにもならない。まずは膝の医師に相談することにした。
入社時期は、内定メールによると1月以降の各1日づけということだった。バックナンバーでは触れていなかったが、一次面接で入社時期については2〜3月頃となるかも、という話をしていた。
だから、医師には事情を包み隠さず話した上で2/1や3/1での転職が可能か、という質問をしてみた。
医師は
「このご時世にスゴイですね」
などとフツーの会話を挟みつつ、
「経過は極めて順調なので、頃合いとしては全く問題ないでしょう」
と太鼓判を押した。
第一関門突破だ。
さらに俺はその帰りに今度は病院の受付のオネーサンに労災の扱いについて尋ねた。
が、労災で治療中に転職など、レアケースもいいとこだ。やはりオネーサンもよく分からないという。
「単に退職された方で辞めた後も労災続いている人もいますけどねー」
などと言いながらも、労災を取り扱うのは労働基準監督署なので、と連絡先の電話番号を教えてくれた。
そうして労働基準監督署に電話してみる。何しろ役所なので横柄な人が出てくるかと思ったが、意外にも丁寧な男性だった。
曰く、治療費は転職後も問題なく前職の労災から支払われる。だがやはり、労災病欠についてはさすがに転職後は認められないだろう、ということだった。
ならば、リハビリに頻繁に通わなくてもよくなる頃なら問題はないわけだ。
だが...本当に先生の言う2〜3月で大丈夫なのかどうか。
不安に思った俺は、エージェントを通じ、4/1入社でも可能かどうか確認をとった。...あっさり、「しっかり前職を勤めあげて入社してくれるなら構いません」。
...うーん、「勤めあげる」か。若干ながら事情が違うのだが、まあいいか。約4ヶ月もあれば足もほぼ完治できるだろう。
現職より遠くなる通勤はどうか？
改めて経路を調べてみる。だが、よく考えてみると現職の社屋は駅から徒歩15分もかかる。それを考えると、内定をもらった会社の通勤時間との差は10〜15分程度だと考えられた。やりたいことやるのに、たかがこの程度の時間が問題になるか？？
しかも、現職ではなくなったフレックスがある。試用期間3ヶ月を我慢すれば朝はむしろ遅くても済むことになる。
通勤に関しては、もはや問題ではない。最後の問題は、社風だろう。
こればっかりは入ってみないと分からない。だが、現職ほど大らかで自由な社風の会社もないだろう。服装は完全に自由で、ボスなどは一時期ジャージで来ていたくらいだ。クラブ活動などへの支援も厚いし、何より、仕事の方針に関しても個人の裁量の幅がかなり大きかった。
何しろ、俺なんぞは一昨年に2ヶ月近い「男の育休」を取らせてもらっている。これに限らず、こんなに休みが取りやすい会社もないだろう。一年に一度とれた5連休は、内定をもらった会社では5年に一度だそうだ。
なんと言っても、あのマッタリとした雰囲気にドップリ浸かっていた俺が、他社に行っていきなりバリバリ働けるのか？
...ふとまた、入社間もない頃にある先輩から言われたあのセリフが頭を回り始めた。
「お前、他の会社じゃ絶対やっていけないな。」
本当に、最後まで悩んだのはここだ。
この期間、俺は転職経験者の友人達によく相談のメールを送った。現職の出身者は口を揃えて「社風は前職の方が絶対良かった」と言うものだから、ますます悩んでしまった。
だが。
ある晩風呂に入っている時に、俺はボスが辞める直前によく話していたことを思い出した。
そもそも現職の業績が壊滅的になったのは何故だ。社員に優しすぎる、まさにその社風が原因ではないか？
そして、俺はどちらかと言うとそれに甘えている方ではなかったか。歯に衣着せぬボスははっきりとそこまで俺に指摘した。
俺は、ここに残っていても、この社風に甘えて、お荷物社員のようになってしまうのではないか。
そんな人生でいいのか。
俺にはその程度の才能しかないのか。
否。
俺は心を固めた。
埋もれたくない。
俺は間違いなく、純粋な技術者としてよりも、違う分野での才能に恵まれているのだ。
今、それを生かせるチャンスを、社風だのなんだのという理由で逃がしたら、もう二度と浮上する機会はないかもしれない。
俺はまず決意を嫁さんに伝えた。
嫁さんはあっさり、「いいんじゃない。」と言った。
「同期とかみんなと離れるのは残念だけどね。関係が切れるわけじゃないもんね。」
そうだ。個人の人間関係は切る必要なんてないんだ。
そして夏頃に、悩みを聞いてもらっていた親父にも電話して決意を伝えた。
足を怪我した俺がいきなり転職を決意したことにそれなりに驚いたようだし、給料下がることに複雑な声色をしたが、
「お前が強い決意なら、応援するしかないな。」
親父はいつもそういう人だった。
そして、期限の12/7。
俺はエージェントに、受諾の返事のメールを送ったのだった。
つづく。
だから、この3ヶ月はバンド練習に行けるだけでも幸福と思い、練習後の飲みは我慢することにした。F-1も遅くなる時はmp4変換してiPhoneに入れて通勤中に見ようと思っている。
...って、あれ？何も諦めてない？俺。
ま、別に諦める必要もないよね？ね？
桜の撮影は家の近くの並木だけで我慢
(PentaxK-7, PentaxDA*60-250F4(220.0mm), ApertureValueMode, 1/250sec, F4.0, ISO100)
さて、現実では？もう転職先に移ってしまったけれど、まだ片付いてない転職顛末記を続けよう。
あ、バックナンバーから通して読んだ時に混乱するから、本文中では、前の会社を「現職」と記述するのでよろしくね。...だから転職前に片付けときゃ良かったんだよー。
25 My Final Decision [決断]
大怪我のブランク明けで、まさかの面接機会を得て、勢いだけで内定まで漕ぎ付けてしまった俺。
いきなり現実的な問題に叩き込まれて、俺はお悩みスパイラルに陥りかかった。だが、嫁さんの
「そうしたくて頑張ってきたのになぜ悩むの？」
というシンプルなセリフに、俺はまた一途に突き進む決心をしたのであった。
*** Back Number ***
1. The Start [きっかけ]
2. Left Alone [取り残されて]
3. Go From One Fair To Another [転職フェアはしご]
4. The Bog [泥沼]
5. Realize [気づき]
6. Beaten Up [こてんぱん]
7. The Sadist [サディスト]
8. The Agent [エージェント]
9. The Application [応募]
10. Pass [通過]
11. Destroyed [破壊されて]
12. Dark Age [暗黒時代]
13. Sirius [焼き焦がすもの]
14. The Wings Given [授けられた翼]
15. Take Back Lost Things [失ったものを取り戻す]
16. Elevate My Mind [気持ちも、高度も]
17. Unmatch Person [不適合者]
18. Be Defiant [開き直り]
19. The Final Gateway [最終関門]
20. Deep Impact [濃すぎるにも程がある]
21. Slightly Bitter [ほろ苦]
22. Infinite Loop [無限ループ]
23. Their Final Decision [審判下る]
24. Think Simply [シンプルに行けばいい]
まず一番に給料だ。
やりたいことを叶えるという意味では、社内で異動すれば給料も変わらないし、社内の人間関係もそのままでいい。
では今から異動を本格的に希望するのか？...多分、簡単ではないだろう。
考えてみれば、次の4月からは嫁さんも会社に復帰するのだ。お金の面ではそう厳しいわけではないのだ。
それに、給与体系も成果給的な要素の割合が高く、頑張り次第ではすぐに回復できそうだった。好きなことをやるのだ。そこはやり甲斐にもなるだろう。
そもそも、未経験職ということを考えると、他の求人の水準よりも全然いい額だ。
お金の面はこうして納得した。
次に重要なのが、自分の足に関することだ。
会社が移っていきなり労災病欠をとるなんてあり得ないだろうし、3ヶ月の試用期間中は有休すら取れない。かと言って、あとどのくらいでリハビリが必要なくなるか見当がつかなかった。
会社を移った場合、労災から払われている治療費の扱いはどうなるのか？足に目処が立つまで入社を待ってくれるのか？疑問は尽きなかった。
だが、疑問に思ってるだけではどうにもならない。まずは膝の医師に相談することにした。
入社時期は、内定メールによると1月以降の各1日づけということだった。バックナンバーでは触れていなかったが、一次面接で入社時期については2〜3月頃となるかも、という話をしていた。
だから、医師には事情を包み隠さず話した上で2/1や3/1での転職が可能か、という質問をしてみた。
医師は
「このご時世にスゴイですね」
などとフツーの会話を挟みつつ、
「経過は極めて順調なので、頃合いとしては全く問題ないでしょう」
と太鼓判を押した。
第一関門突破だ。
さらに俺はその帰りに今度は病院の受付のオネーサンに労災の扱いについて尋ねた。
が、労災で治療中に転職など、レアケースもいいとこだ。やはりオネーサンもよく分からないという。
「単に退職された方で辞めた後も労災続いている人もいますけどねー」
などと言いながらも、労災を取り扱うのは労働基準監督署なので、と連絡先の電話番号を教えてくれた。
そうして労働基準監督署に電話してみる。何しろ役所なので横柄な人が出てくるかと思ったが、意外にも丁寧な男性だった。
曰く、治療費は転職後も問題なく前職の労災から支払われる。だがやはり、労災病欠についてはさすがに転職後は認められないだろう、ということだった。
ならば、リハビリに頻繁に通わなくてもよくなる頃なら問題はないわけだ。
だが...本当に先生の言う2〜3月で大丈夫なのかどうか。
不安に思った俺は、エージェントを通じ、4/1入社でも可能かどうか確認をとった。...あっさり、「しっかり前職を勤めあげて入社してくれるなら構いません」。
...うーん、「勤めあげる」か。若干ながら事情が違うのだが、まあいいか。約4ヶ月もあれば足もほぼ完治できるだろう。
現職より遠くなる通勤はどうか？
改めて経路を調べてみる。だが、よく考えてみると現職の社屋は駅から徒歩15分もかかる。それを考えると、内定をもらった会社の通勤時間との差は10〜15分程度だと考えられた。やりたいことやるのに、たかがこの程度の時間が問題になるか？？
しかも、現職ではなくなったフレックスがある。試用期間3ヶ月を我慢すれば朝はむしろ遅くても済むことになる。
通勤に関しては、もはや問題ではない。最後の問題は、社風だろう。
こればっかりは入ってみないと分からない。だが、現職ほど大らかで自由な社風の会社もないだろう。服装は完全に自由で、ボスなどは一時期ジャージで来ていたくらいだ。クラブ活動などへの支援も厚いし、何より、仕事の方針に関しても個人の裁量の幅がかなり大きかった。
何しろ、俺なんぞは一昨年に2ヶ月近い「男の育休」を取らせてもらっている。これに限らず、こんなに休みが取りやすい会社もないだろう。一年に一度とれた5連休は、内定をもらった会社では5年に一度だそうだ。
なんと言っても、あのマッタリとした雰囲気にドップリ浸かっていた俺が、他社に行っていきなりバリバリ働けるのか？
...ふとまた、入社間もない頃にある先輩から言われたあのセリフが頭を回り始めた。
「お前、他の会社じゃ絶対やっていけないな。」
本当に、最後まで悩んだのはここだ。
この期間、俺は転職経験者の友人達によく相談のメールを送った。現職の出身者は口を揃えて「社風は前職の方が絶対良かった」と言うものだから、ますます悩んでしまった。
だが。
ある晩風呂に入っている時に、俺はボスが辞める直前によく話していたことを思い出した。
そもそも現職の業績が壊滅的になったのは何故だ。社員に優しすぎる、まさにその社風が原因ではないか？
そして、俺はどちらかと言うとそれに甘えている方ではなかったか。歯に衣着せぬボスははっきりとそこまで俺に指摘した。
俺は、ここに残っていても、この社風に甘えて、お荷物社員のようになってしまうのではないか。
そんな人生でいいのか。
俺にはその程度の才能しかないのか。
否。
俺は心を固めた。
埋もれたくない。
俺は間違いなく、純粋な技術者としてよりも、違う分野での才能に恵まれているのだ。
今、それを生かせるチャンスを、社風だのなんだのという理由で逃がしたら、もう二度と浮上する機会はないかもしれない。
俺はまず決意を嫁さんに伝えた。
嫁さんはあっさり、「いいんじゃない。」と言った。
「同期とかみんなと離れるのは残念だけどね。関係が切れるわけじゃないもんね。」
そうだ。個人の人間関係は切る必要なんてないんだ。
そして夏頃に、悩みを聞いてもらっていた親父にも電話して決意を伝えた。
足を怪我した俺がいきなり転職を決意したことにそれなりに驚いたようだし、給料下がることに複雑な声色をしたが、
「お前が強い決意なら、応援するしかないな。」
親父はいつもそういう人だった。
そして、期限の12/7。
俺はエージェントに、受諾の返事のメールを送ったのだった。
つづく。
nobilesの投稿(23:52:00-2010-04-04) -
カテゴリ: Change Job
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